魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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2話

 

 

「さて、どこに行こうかなー」

 

「なにも考えていなかったの?」

 

「まあね、とりあえずこの町からでるか」

 

そろそろ夜の時間、フードをかぶりながら蓮也とソエル達は海鳴市から出るため歩いていた。

 

「おっ公園だ、孤児院から出たことなかったから初めて見るな。」

 

蓮也は興味本位入っていった。

 

「へー結構広いなーー……ん?」

 

あたりを見渡すとブランコに女の子が顔を下にしながら座っていた。

 

「ぐすっ、ひっく」

 

近くとすすり泣く声が聞こえてた。

 

(たっく、お人好しだなぁ)

 

放ってはおけず、話しかけることにした。

 

「どうかしたか?」

 

「ふぇ?」

 

いきなり話かけられて驚き。

 

「なんでもないの。」

 

すぐに涙を拭った。

 

「1人なのか?父さんと母さんはどうした?」

 

「それは……」

 

女の子は口ごもった

 

「はぁ、ほら」

 

「わっ!」

 

俺はソエルを押し付けた、つい先ほどあんな目にあったのにもかかわらず。

 

自然と彼女は信用できると思ったから。

 

「かわいいの!」

 

先ほどとうって変わって笑顔になった。

 

それから少しして。

 

「聞かないの、どうしてここにいるのか」

 

「言いたくなったら聞くよ」

 

そう言うとぽつぽつとしゃべり出した。

 

父親のことを、家族のことを、いい子ならなくちゃならないことを。

 

「よくわからないけど、そんなにいい子にならなきゃいけないの?」

 

「いい子じゃなきゃ、みんなに迷惑がかかるの」

 

「ふーん、でもそれってお前自身じゃないだろう」

 

「私じゃない?」

 

「そ、いい子の仮面を被ったお前、いい子であるけど自分じゃない人形のよう……」

 

「それは……」

 

俺は女の子の前にきて。

 

「ならいい子じゃなきゃいいんだ、やりたいことや話したいことをぶちまけちまえ」

 

ソエルを返してもらいまだ迷っている女の子に……

 

「俺に言ったことを家族に言えばいいんだ、ただそれだけだ。」

 

「私の、言いたいこと」

 

俺はそのまま公園から出ようとしたら。

 

「まって!」

 

女の子が呼び止めた、少し考えて、女の子には見えないようにソエルの口に手をつっこみ一枚の羽根を出した。

 

「ほら」

 

「これは、羽根?」

 

「そ、心の羽根って言うんだ、持ち主の心を表すと言われている」

 

「私の心…」

 

「じゃ、頑張れよ」

 

そのまま去った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の、言いたいこと……」

 

私は羽根をジッと見つめながら、決心がついた顔で家に帰った。

 

それからお母さんに抱きつき勇気を出して話した。

 

途中から泣いちゃたりもしたけどちゃんと言えたよ。

 

「そういえば、なのは、その羽根はどうしたの?」

 

「えっと、さっき話した…あ!名前聞いていなかったの!」

 

「そうか、でもその子に感謝しないとな」

 

「何か特徴はなかったの?」

 

「フードをかぶってて顔は見えなかったけど男の子だったの、あとうさぎさんみたいなぬいぐるみをもっていたの」

 

「それだけじゃわからないけど、なのはその子のことどう思うの?」

 

「にゃ!なっなっなにもないよ!」

 

「バレバレだから、なのは嬉しそうに羽根をみているからね。」

 

「な!助けてもらったとはいえ俺の目が黒い内はなのはは渡さんぞ!」

 

「むっ、そんなこと言うお兄ちゃん嫌い!」

 

「ありゃ、恭ちゃん固まっちゃったよ。」

 

前まで当たり前の光景なのにとても楽しいの。きっとお父さんもすぐに良くなるの。

 

そう思って、私は羽根を見た……

 

色がピンク色だった。

 

(また、会えるよね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、気を取り直して行こう!」

 

女の子と別れた後、俺は病院の側を歩いていた。

 

「蓮也、少し止まってくれ。」

 

ラーグに言われるままにすると。

 

プーーッポン!

 

ラーグが口から光の玉を病院の一室に飛ばした。

 

「なにしたの」

 

「ちょっとしたおまじないさ」

 

ラーグははぐらかして言う

 

「ほら行くよ、蓮也♪」

 

「わっ、こら!ひっつくな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある病室1人の重傷患者のいる場所に、光る玉が飛んできた、それが人に当たると。

 

「うっ、ここは……病院?」

 

体が痛い、動かせない。なんとか起き上がると……

 

カシャーン!

 

「せ、先生ーーー士郎さんが!」

 

「あっ」

 

それから、光陰矢のごとく話がすすみ私は無事に家族のもとへと帰ることができた。

 

 

 


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