魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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182話

 

 

ナタラーシャを退け、後をクイントさんとメガーヌさんに任せて先に進んだ俺達。 エレベーターが停止すると、またガジェットやグリードが蔓延る迷宮に入った。

 

「また迷宮か……まだまだ先は長そうだな」

 

「……………………」

 

「2人が心配か、なのは?」

 

「うん……クイントさんとメガーヌさんの実力は知っているけど、彼女を相手にするにはどうしてもね……」

 

「大丈夫だよ。 あの2人がやられるはずない、クイントさんの言う通り私達は先に進もう」

 

「……そうだね」

 

「さて、まだまだ先は長い、気を抜かずに進むぞ!」

 

『了解!』

 

通路を見据え……俺達は同時に飛び出した。 もう時間も残されていない……敵を迎撃しながら正面突破で迷宮を駆け抜ける。

 

「キリがないわね……」

 

《……スキャニング完了。 玉座の間まで後3キロ。 途中に一つ、玉座の間の手間に一つ開けたフロアがあります》

 

「……そう……恐らくそこには強敵が待ち構えているようだね」

 

「………………! いや、そうでもないらしいぞ」

 

正面、進行方向から敵意と戦闘機人特有の魔力に似たもの……テンプレートを感じ取った。 遠視で先を見てみると……1人の戦闘機人がこっちに向けて大砲を構えていた。 しかももう発射体制が整っている!

 

「ーー総員、迎撃体制! 砲撃が来る!」

 

「! エクセリオン……」

 

咄嗟になのはが迎撃体制に入り、魔力を込めながら先頭に飛び出し……

 

「バスターーッ!!」

 

抜き打ちで砲撃を発射、ほぼ同時に放たれた戦闘機人の砲撃と衝突し拮抗する。

 

「……ブラスターシステム……リミット1、リリース!」

 

《ブラスターセット》

 

「ブラスト……シューーット!!」

 

リミットを一つ外して威力が増し。 なのはの砲撃が拮抗を破って圧倒し、相手の砲撃を……砲手ごと呑み込んだ。

 

「はあはあ……」

 

「大丈夫か、なのは?」

 

『相変わらずスゲェーなぁー、抜き撃ちでこれかよ』

 

「少し休んでなさい。 私が確認してくる」

 

事前に警告していたとはいえ、抜き撃ちは流石に堪えたらしい。 アリサが倒れている茶髪の戦闘機人を拘束した。 そして、その戦闘機人が俺達を見る目は……どこか人を見る目じゃないな。 大砲を封印しながらそう思った。

 

「さて……突入隊がここまでくる保証はないし。 ツァリの念威が届けばよかったんだけど」

 

「連れてくしかないわね、っと」

 

「な……!?」

 

アリサは目がラグっている戦闘機人を問答無用で抱えた。 同行者1名増えながらも、気を取り直し迷宮を進んだ。

 

「あなた……さっきの砲撃、手を抜いたでしょ?」

 

「………………」

 

「まあいいわ。 事情は局でたっぷり聞かせてもらうから」

 

アリサは抱えている戦闘機人にそう問いかけ、回答はなかったがどこはかとなく表情が肯定を表していた。

 

「……っ……」

 

「! なのは……怪我を……」

 

「大丈夫……このまま行けるよ」

 

自分も人の事を言えないが、なのはも無茶をするな。 俺とアリサ、アギトはなのはに負担をかけないようなのはを後衛に置き、その状態のままレイジングハートが観測したフロアに出ると……

 

「ここは……」

 

『ゆりかごの中に街?』

 

「廃棄都市……ううん、どこかの街かな?」

 

出たのは廃棄都市にしてはそこまで荒れていない、小高い建物が並ぶ夜の街並みだった。 雰囲気はミッドチルダではい、恐らくどこかの次元世界の街並みだろう。

 

「今度は誰が待ち構えているんだろう……」

 

「気配は……しないな」

 

「ーー待ってたぜ」

 

背後から声をかけられ、俺達はすぐにその場から飛び退き、背後を向いて武器を構える。 そこにいたのは……

 

「エルドラド・フォッティモ……」

 

「よぉ、久しぶりだなぁ……」

 

エルドラドは建物に寄りかかり、手の中でナイフを持て遊んでいた。 アリサは隅に戦闘機人を置き、念のため防御結界をかけてから奴と対面する。

 

「なるほど……気配がしないわけだ。 ならどうして声をかけた? 一応、あんたは暗殺者のはずだ?」

 

「気まぐれさ。 やろうと思えば首にナイフ撫でるだけで人は死ぬ……でもそれじゃあ面白くない。 そうじゃないか?」

 

「……理解しかねます」

 

共感してくれるようにそう問いかけるが、なのはは完全に否定した。

 

「まあ、御託云々はいいだろう。 やり合おうぜ……蒼の羅刹?」

 

「……確かに、言葉を並べている暇はない。 そこを通してもらおうか」

 

《ファーストギア……ドライブ》

 

「いいぜ、俺を倒せてならなぁ!」

 

刀身のギアを駆動させながら戦闘態勢に入る。 その俺の応答が嬉しかったのか、エルドラドは笑顔になり、腰からナイフを抜き取った。 どちらにせよ狂ってはいるが、背に腹はかえられない。

 

(……ん? あのナイフ……以前のと違うな。 刀身にナンバリングされている。 3……0……9?)

 

気にはなるが、考え込んでいる暇はない。 抜刀の構えを取り……

 

《モーメントステップ》

 

「……抜楸(ぬきひさぎ)!」

 

抜刀、振り抜かず柄頭を突き出す。 が、当たる直前エルドラドは霧となり散ってしまった。 すると霧が街全体にかかり、辺りは霧に包まれてしまった。

 

「偽の魔乖咒……幻想を得意としてたな」

 

「この街並みに濃い霧……まるでロンドンね。 有害ではなさそうだけど……」

 

『っていうかあいつどこ行きやがったんだ? この辺り焼いて炙り出すか?』

 

「それで出てくるようなら苦労しないけど……難しいだろうね」

 

視界は不明瞭、音も聞こえるのはなのはとアリサの呼吸音だけ。 何が起きても対応できるよう構えていた時……

 

「っ!」

 

正面からナイフが飛来、風を切る音に反応して咄嗟に弾き返した。 すると、霧の中から黒と言ってもいい表現の、顔はよく見えないが何人ものエルドラドが俺達の周りを囲った。

 

《シールドビット、アクティベート》

 

「なのは、アリサ。 相手は暗殺者だ、バラけず機を伺うぞ」

 

「うん……」

 

「了解よ」

 

2つのシールドビットを展開しながら深呼吸、心を落ち着かせ虚空を発動する。 この状況はルーフェンでの暗星行路と同じ……全てを受け入れる、虚にして無……ただそれだけだ。

 

「はっ!!」

 

全方向から飛来してきたナイフを自分と2つのシールドビットで防ぎ……その間になのはとアリサは反撃できるように魔力を高める。

 

「ーーそこだ!」

 

ナイフの連撃を防ぐ合間に何もない場所に斬撃を放った。 斬撃は霧を払って進行し……甲高い音を立て何もない空間で消えた。 すると薄っすらとエルドラドが浮かび上がってきた。

 

「フレイムアイズ!」

 

《イグニッション》

 

「レイジングハート!」

 

《ロードカートリッジ》

 

アリサはスロットルを回し、なのははカートリッジを炸裂させて魔力を上げ……一瞬でエルドラドとの距離を詰める。

 

「イグナイト……キャリバーーッ!!」

 

「金剛撃ッ!!」

 

2人の高威力の技がエルドラドに直撃し、吹き飛ばされて建物に突っ込んでいった。 砂塵が舞い上がる中、刀を一閃して煙を払って突入すると……そこには窪みがあるだけで誰もいなかった。

 

「もう消えてるのか……」

 

「え、いない!?」

 

「それなりの威力の技よ。 確実にダメージは受けているわ」

 

『だが、まるでレーダーに反応がない……どこから来るか分かったもんじゃねぇ』

 

お互い背を合わせて3方向を向いて警戒する。 ……奴は暗殺者。 最初の邂逅は恐らく手を抜いていた。 暗殺者が大声上げながら奇襲するはずがない。

 

そして暗殺は必ず接近戦……この状況で奴が選ぶ白兵戦闘において殺傷性の高いスキル。 それは反応される事なく死角からの致命打……

 

「ーー短距離瞬間移動(ショートジャンプ)……!」

 

「っ!?」

 

《セカンドギア……ドライブ》

 

振り返り側に3本の短刀を振り抜き、エルドラドのナイフを防いだ。 エルドラドの表情は驚きに満ちていたが、すぐに元に戻り。 ギアの駆動によって発生した衝撃で後退した。 そこで奴の姿を改めてみると……先程のなのはとアリサの一撃を受けていたようだ。

 

「ちっ……そう簡単に()れねぇか……」

 

「そもそも最初から俺達の前に姿を見せたのが間違いだ。 最初から認知されてなければ俺も危なかったはずなのに……」

 

「ハン、言っただろ? それじゃあ面白くねぇと。 そんなのは……関係ねぇんだよ!!」

 

エルドラドは吠えるように襲いかかってきた。 刀とナイフが何度も飛び交い、何度も切り結ぶ。

 

「おらっ!」

 

「っ……散椿(ちりつばき)!」

 

振り下ろされたナイフを納刀状態の刀、鞘で弾き。 抜刀、一瞬で何度も切り刻んだ。

 

「はっはーー!! 面白くなって来たじゃねぇか!!」

 

身体中に切り傷を負い血を流し、攻撃を喰らったのにも関わらず狂ったように笑い、あろうことかエルドラドは自身の腕をナイフで切った。

 

「なっ……!?」

 

「面白れぇもんを……見せてやるよ……!!」

 

《リアクト・オン》

 

自分の血でナイフが濡れると……奴の周りに魔力と似た奔流が起こり、姿が見えなくなってしまった。

 

「これは……!?」

 

「ーーECディバイダー。 ディバイダー309、シュナイダー・リアクテッド。 魔導殺しの刃達……この中で生き残れるかなぁ!?」

 

姿が見えるようになると……服装は変わらないが、全身のそこらかしこに同型のナイフを懸架していた。 するとその全てのナイフが独りでに鞘から抜け……エルドラドの周りに浮遊する。 しかも先程の傷が完治している、あのナイフの影響か……

 

「な、なにあれ……」

 

「デバイス……じゃなさそうね」

 

「気をつけろ。 得体の知れない何かを感じる」

 

309……あのナイフにナンバリングされていたのと同じ番号だ。 何か関連があるとは思われるが……その前に無数のナイフが飛来してきた。

 

「来たっ!」

 

《プロテクション》

 

冷静にアリサは防御を展開するが……ナイフは何の抵抗もなく防御を貫通してしまった。

 

「なっ!?」

 

「くっ……!」

 

咄嗟にアリサの前に出て直感で刀を完全に物質化し、一瞬で直撃するナイフだけを斬り払った。 しかし、たったそれだけで刀にヒビが入ってしまった。 射出された威力じゃない、もっと別の何かでヒビが……

 

「レゾナンスアーク……」

 

《魔力が結合分断されています。 AMFとは完全に異なる武装です》

 

『あれはやべぇぞ……』

 

エルドラドから目を離さず、刀をリカバリーをしながらレゾナンスアークの推測に耳を傾ける。 アギトもその脅威を肌で感じているようだ。

 

「アクセルシューター……!」

 

牽制としてなのはが複数の魔力弾を放つ。 その全てが浮遊しているナイフによって防がれる。 だがその防がれた魔力弾の消滅の仕方……推測通り完全に魔力が結合分断されている。

 

「これはAMFより厄介だぞ……」

 

「どうしたどうした! たったこれだけでギブアップか!?」

 

エルドラドは両手にナイフを持ち、その刃渡りを通常の剣と同じくらい伸ばし霧の中に消え……背後から襲いかかってした。

 

「くっ……!」

 

「きゃっ!?」

 

「レンヤ!!」

 

両側にいたなのはとアリサを押し飛ばし、最小限の接触でナイフを受け流す。 やっかいなのは変わりないが、防御の無効化なんて滅の魔乖咒と似たようなもの……対処はできる。 だが、それに加えて気配を完全に消してどこからでも現れる偽の魔乖咒は厄介極まりない。

 

「いいぞ! だんだん動きが良くなってきたなぁ……面白くなって来たじゃねぇか!!」

 

「このっ……!」

 

側面に回り込み刀を一閃するが、エルドラドはボックステップで躱し、両腕を交差しながら一回転すると……その両手の指の隙間に鋭い刃先の8本のスカルペルを握っていた。

 

「ほらよ!」

 

弧榎(こえのき)!」

 

下段に構え、大地を斬り裂きながら飛来して来たスカルペルを一刀で吹き飛ばした。

 

「そらよ!」

 

その間に正面にエルドラドが接近し、振り抜かれた長いナイフをシールドビットで防ぐが……いとも簡単に真っ二つにされ、防ごうと長刀と3本の短刀を前に出し……手放した。

 

「なに!?」

 

「せいっ!!」

 

「ぐあっ!?」

 

手放した瞬間、跳躍してエルドラドを飛び越えて背後に回り。 空いている背中に数打撃ち込み、足払いをし転倒させ……

 

「ーー落柊(らくひいらぎ)!」

 

踵落としを放って地面に叩きつけた。 そしてすぐにその場から離れ、視線をアリサの方に向ける。

 

「アリサ!」

 

「任せなさい!」

 

フレイムアイズをチェーンフォルムに変えて待機していたアリサ。 チェーンをエルドラドに飛ばすと一瞬で巻き付き、上に持ち上げた。

 

「テメェーー」

 

《フレイムリード》

 

「丸焦げよ!!」

 

脱出される前にスロットを回し、炎が鎖を伝わりエルドラドに直撃した。

 

「この……クソアマがぁ!!」

 

浮遊しているナイフで自分ごと鎖を斬り裂き、アリサを標的として狙いをつける。

 

「ディバイン……」

 

「!?」

 

「インパクト!!」

 

杖の先端に魔力を収束させ……下から振り上げ、直撃と同時に炸裂させ上にかち上げた。

 

《サードギア……ドライブ。 モーメントステップ》

 

「疾ッ!!」

 

3つ目のギアを駆動させ、足から螺旋状に魔力を爆発的に放出して追撃をかけようとするが……

 

「っ!?」

 

「そう易々やられるかよ!!」

 

エルドラドは回転して制動をかけ、周囲にナイフを浮遊させ……ナイフを自身の肘、膝、靴の踵に左右それぞれ、合わせて6振りのナイフが固定され、さらに両手の2振りで合計8振りのナイフがエルドラドの身体に装備された。

 

全身武器(カメレオン)……!!)

 

あれは厄介だ。 全てのナイフ、攻撃に気を配らなくてはいけなくなる。 その上防御も出来ない……完全に奴は俺を殺しに来ている。

 

「オラオラオラオラ!!」

 

「ぐううっ……!」

 

直撃を避けようと何度も全てのナイフを受け流すが……手数が足りない上に結合分断の能力を持っている。 刀にヒビが入る度にリカバリーをしても追いつかないでいた。

 

「そらよ!」

 

「っ!?」

 

「喰らえ……ブレードストーム!!」

 

大きく弾かれてしまい、その隙を狙いエルドラドは全身のナイフを構え……加速して突撃してきた。 だが、俺は冷静に……虚空の境地で刀を鞘に納める。 そして……

 

「八葉一刀流、秘技……虚月(こげつ)

 

モーメントステップで空を蹴り上げ、迫ってきたエルドラドの背後に一瞬で回り、刀を振り抜いた。

 

「鍔鳴る音は、鎮めの歌声……」

 

鎮ッ!!

 

「どうか鎮まりたまえ……」

 

勢いよく納刀、大きく鍔鳴りを響かせる。 そしてその納刀の勢いを利用し、鞘頭から斬撃を飛ばし……合わせて両斜め一文字、鞘納めから刹那遅れてエルドラドに2つの一閃がばつ印に走った。 そのまま重力が働き、エルドラドは受け身も取らず地に落ちていった。

 

「……あーあ、やられちまったなぁー……」

 

地に転がったエルドラドはそう呟きながらも胸の傷口が治りかけており。 ものの数秒で立ち上がってしまった。

 

「チッ……リアクターがなければこんなもんか。 まあいい、まだまだ手はある……もっと俺を楽しませてみせろや……!!」

 

エルドラドの意志に反応するように、浮遊していた全てのナイフがその刀身を伸ばす。

 

「もっと俺を楽しませろよ……!」

 

「まだ……!」

 

「もう時間が残されていないのに……」

 

「さて……そろーーん?」

 

その時、横からエルドラドに向かって強烈な赤い魔力斬撃が飛んできた。 エルドラドはそれを避け、飛来してきた方向を向く。

 

「誰だ?」

 

「! この魔力は……!」

 

斬撃がとんてきたのは上から、建物の屋上に目を向けると、そこにいたのは……

 

「あなたは……!」

 

「ソフィーさん!」

 

教会騎士団の騎士甲冑に身を包み、赤い雷撃を纏う剣を持っている女性……ソフィーさんが立っていた。

 

「お前達、無事か?」

 

「ええ、何とか」

 

「それよりもどうしてここに……?」

 

「なに、この事件はベルカも見逃せん事態だ。 現在騎士団は管理局と合流して事件の収拾にあたっている、私はお前達を追って来たのだ」

 

「そうだったのですか……」

 

「ソフィー・ソーシェリー……なるほど、あんたが出てきたか。 くく……面白くなって来たじゃねぇか」

 

ソフィーさんはエルドラドを一瞥するとヒラリと屋上から飛び降り、俺達の前に立ってエルドラドと対面する。

 

「だが……いくら騎士団長でも、この魔導殺しを前にしてその余裕、いつまで続けていられるのかな?」

 

「ーー笑止。 いかにそなたが強かろうと……最後に勝敗を決するのは、自身を勝利に至る一刀を振るうのみ」

 

赤雷を迸りながらソフィーさんは剣を構え、魔力を迸らせる。

 

「そこの戦闘機人は置いていけ、私が責任を持って連れて行く」

 

「よろしくお願いします!」

 

「ソフィーさん! どうかお気をつけて!」

 

それと同時にソフィーさんは飛び出し、振り下ろした剣でエルドラドと鍔迫り合いをしながら俺達から引き剥がしてくれ。 その隙に置くに向かって走り……霧を抜け、次の道へ向かう迷宮に出た。

 

「それにしても……魔乖咒もそうだけど、あのナイフは一体なんだったんだろう?」

 

「……ECディバイダー……そう言っていたな。 通常のデバイス、魔法とは似て非なるものを感じた」

 

「気にはなるけど、現状では何もできないわ。 今はとにかく先に進みましょう」

 

「うん。 次が玉座の間……そこにヴィヴィオとイットがいる……!」

 

もう猶予は残されていない……俺達は回復に専念しつつも急いで迷宮を駆け抜けた。

 

 


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