魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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175話

 

 

数分前ーー

 

フォワード陣を乗せたピット艦は他の地域のグリードを制圧するのに使われる事になり、リンスを残してフォワード陣はヘリに乗り換え。 目的地に向かって飛んでいたが……現在、ヘリはガジェットに追われていた。

 

「っ……! ちょっとヴァイス! もう超過禁止速度超えてるでしょ!? ヘリが軋んでるわよ!!」

 

「いいから捕まってろ! 舌噛むぞ!」

 

「うわああっ!?」

 

ルーテシアの注意も聞き流し、ヴァイスは操縦桿を切って巧みにヘリを操り。 廃棄ビルの合間を縫って飛行し……ガジェットを振り切った。

 

「ーーよし、振り切った!」

 

「流石にヴァイス陸曹! やる時はやるねぇ!!」

 

「褒められてる気はしねぇが、あんがとよ!」

 

「降下ポイントだよ。 準備はいい?」

 

『おおっ!!』

 

「後の操縦は任せたぞ、アルト!」

 

「はい! お任せください!」

 

ヴァイスは操縦をアルトと変わり、ティアナが指揮を執って確認を取ろうとする。

 

「ーー要請(オーダー)を確認するわよ。 私達は旧市街地にて異編卿、魔乖術師、戦闘機人、召喚士その他諸々を含めた敵勢力を撃退、他の部隊の援護に回ること」

 

「他の魔導師部隊のほとんどがAMF下での戦闘経験はなし。 それに加えて不確定要素の多い敵と戦わせるのにも無理がある」

 

「だから私達が先陣を切り、敵戦力を削ります。 残りは迎撃ラインが止める算段です」

 

このラインを突破されれば市民への被害は甚大なものとなる。 失敗は許されない作戦だ。

 

「重要な役割だね……絶対に負けられない。 ルーチェのお母さんを……ククちゃんを取り戻す為にも……!」

 

「キュクルー!」

 

「ええ。 必ず、奴らの手から救い出しましょう」

 

(コクン)

 

「でも……でも、チョットだけ、エースの気分になりますね」

 

何気なくエリオが言った事に、全員一瞬ポカーンとなるが……直ぐに笑顔になり、ヴァイスはエリオの頭を乱雑に撫でる。

 

「うわっ!?」

 

「たっく、こんな時にそんな軽口言うとは。 お前らもレンヤ達に似てきたな」

 

「ふふ、そうね。 緊張感の無さがそっくり」

 

緊迫した空気に柔らかな風が吹いた。 そしてソーマ達は気を新たにして直ぐに顔を引き締める。

 

「しかし、我々の役割は重要だ。 この迎撃ラインを突破されれば市街地、地上本部はすぐ目の前だ」

 

「……絶対にストップさせないとね……」

 

「はい!」

 

「それじゃあ、機動六課……行くわよ!」

 

『おおっ!!!』

 

ティアナの号令を応え。 直ぐにハッチが開き、全員躊躇なくヘリから飛び降りた。

 

空中でフリードとガリューがポップアウト。 エリオとキャロはフリードの背に、ルーテシアはガリューの肩に乗り。 残りはそのまま地上の廃棄高速道路に着陸、敵勢力の進行方向に向かって走り出した。

 

しばらくして。 進行方向にあるビル、その屋上に長い水色髪の少女……クレフ・クロニクルが立っていた。

 

「! あれは……」

 

「ククちゃん!」

 

全員が彼女を視界に捉え、警戒を強める中……突然、クレフは明後日の方向を指差した。 指差した方向には……アルトが乗るヘリがあった。

 

「! フリード!」

 

「ちょ、キャロ!?」

 

「キャロ! 待ちなさい!」

 

キャロはアルトを助けようと前に出てしまう。 ルーテシアは独断先行するキャロを追いかける。

 

「予定変更、あっちから捕まえるわよ!」

 

「うん!」

 

「その方が良さそうね」

 

「了解! ウイングーー」

 

スバルがウイングロードを発動しようとした時……突然、緑色の砲撃が飛来。 全員咄嗟に避けるが、スバルとギンガは同位置、美由希とヴァイスは高架下、ソーマとティアナとサーシャは近くのビルに飛び乗り。 戦力が分散されてしまった。

 

「敵襲!?」

 

「分断された。 っ! ティアナ、後ろ!」

 

背後から長い茶髪の戦闘機人……ディードが奇襲。 ソーマがティアナを押し出し、迫ってきた赤い刃を復元した錬金鋼(ダイト)で防いだ。

 

「ソーマ!」

 

「余所見をしている暇がありますか?」

 

「っ!?」

 

背後に流動のウルクが現れ、盾を薙ぎ払ってきた。 ティアナは咄嗟にクロスミラージュをダガーモードにして受け止める。

 

「騎陣隊……!」

 

「ふっ!」

 

「きゃあ!?」

 

「ティア!!」

 

盾が回転しダガーが弾かれ、一周して振られた盾がティアナに衝突。 反対側のビルに吹き飛ばされてしまった。

 

「ティア!?」

 

「あなたも余所見をしないことです!」

 

「っ……はあっ!!」

 

「ソーマ君! ……っ!」

 

咄嗟にその場で回転、輪刀で背後から迫った斬撃を弾いた。

 

「破滅のゼファー……!」

 

「あんたの相手は俺だ」

 

「退いてください!」

 

隣の廃ビルに吹き飛ばされたティアナをソーマが助けに行き、それをウルクとディードが追いかけ中……屋上ではサーシャとゼファーが交戦を開始した。

 

 

 

高速道上では、小柄な銀髪の戦闘機人……チンクと赤髪のスバル似の戦闘機人……ノーヴェがナカジマ姉妹の前に立ち塞がった。

 

「ギン姉」

 

「ええ。 やるしかないわね」

 

「今度こそ木っ端にしてやるよ」

 

「この前の仮、返させてもらおう」

 

「あら、逆恨みは良くないわよ?」

 

「ーーエリアルキャノン!」

 

砲撃が放たれが……猛スピードでバイクに乗ってきたエナが前輪のブレーキを掛け、バイクを持ち上げて後輪ではじき返した。

 

「ギリギリセーフだな!」

 

「ありがとう、エナ!」

 

「へっ、整備されてないロードを走るのは久しぶりだが……燃えてきだぜええっ!!」

 

アクセルを捻り轟音たてながらエンジンをふかし、エナは燃え滾る目でチンクとノーヴェを睨んだ。

 

「こうなりましたか」

 

「! 円環の、ラドム」

 

ノーヴェのいる側から歩いて来たのは……騎陣隊筆頭隊士、円環のラドムだった。

 

「騎陣隊・筆頭隊士、円環のラドム……参る」

 

 

 

高架下では美由希とヴァイスの前に、魔乖術師……ジブリール・ランクルとサクラリス・ゾルグの2人が立ち塞がった。

 

「テメェらの相手はアタイ達だ」

 

「適格者の力……見せてもらうよ」

 

(わい)()の魔乖術師……」

 

「おいおい、適格者としての初陣にしてはヤバ過ぎねぇか?」

 

《同感です》

 

それぞれ小太刀と弓矢を構え、相手も両手の籠手についた鉤爪と小振りな剣を構えた。

 

「けっ、それはコッチの台詞だ。 せっかくリベンジに燃えていたのにテメェら相手だと萎えるぜ」

 

「言ってくれるわね……」

 

「ふわぁ〜……私はどっちでもいいよ」

 

「なら帰れ!!」

 

次の瞬間、高架下で2人の適格者、2人の魔乖術師が魔力とは異なる力を衝突させた。

 

 

 

そして、エリオ達がソーマ達が敵と交戦を開始しているのに気付いた。

 

「皆さん!!」

 

「すぐに合流を……!」

 

「! ーー正面! 来るわよ!」

 

ルーテシアの警告で頭上を見上げると、巨大な緑鳥……ゼフィロス・ジーククローネが爪を立てて飛来してきた。

 

「ホイールプロテクション!」

 

ケリュケイオンを構え、そこから渦を巻くような防御バリアが発生。 それを飛ばして襲いかかってきたジークの飛行を阻害し横を通り抜ける。

 

「ーーふふ。 さあ、悲劇の幕を上げましょう」

 

闇がクレフの隣に沸き起こり、それが人の形をとり……シャラン・エクセが現れた。

 

「シャラン……闇の魔乖術師……!」

 

「異編卿の思惑は知らないけど。 まあ、私はどうでもいいけど」

 

「……聞いておきたいんだけど……魔乖術師の目的は? 残りはあなた達だけなんだけど、目的が明確じゃないの」

 

「自由よ」

 

「は?」

 

シャランのあっけらかんとした回答に、エリオ達は思わず呆けてしまった。

 

「私達に目的はないわ。 私達はそれぞれにありとあらゆる自由が認めているのよ。 明確な野望があるのは滅の魔乖術師であるナギ1人……後はどっか行ったり、彼からのお願いでこうしているだけよ」

 

「なんて適当な……」

 

何とも適当な言葉にエリオ達はさらに飽きれてしまうが……シャランはそれを無視し、指を鳴らした。 すると隣の空間が歪み出し……肩に機関銃、手には片手剣と盾を装備した巨大な人型のガジェットが現れた。

 

「これは……!?」

 

「ガジェット!?」

 

「強襲用ガジェットV型、ストライザー。 これで人数は五分五分ね」

 

ガジェットV型はエリオに標的に狙う中、シャランは続けてポケットに手を入れた。

 

「それよりも……これ、なーんだ?」

 

見せびらかすように取り出し、摘むように持っていたのは……特徴的な赤い球だった。

 

「! それはメランジェ……ルーチェの母親!」

 

「返して! それはルーチェの!」

 

「知った事じゃないわ。 使えるものは……使う主義でね!」

 

そう言いながら赤い球は頭上に放り投げられた。 すると赤い球は展開、赤い光を放ちながら長大な竜……隕竜メランジュが現れた。

 

「隕竜……メランジュ……」

 

「操られているみたいね」

 

「ちなみに、この子も私の力によって操っているわ。 この可愛い可愛いお人形を返して欲しければ頑張る事ね、お子様達?」

 

「!!」

 

「さあ、好きに暴れて来なさい」

 

シャランは手を払い、メランジュを遠ざけるように指示をした。 メランジュはそれに従い、この場から離れながら無差別に火球を放った。 そしてその言葉にキャロは怒りを露わにするが。 すぐに鎮めて1度を目を閉じ……開眼、意志を持った目でシャランを見つめる。

 

「……一石二鳥です……あなたを倒して、ククちゃんとメランジュを返してもらいます!!」

 

「前から気に食わなかったし、ここで捕まってもらうわよ!」

 

「あら怖い。 クク、敵よ……殲滅しなさい」

 

「ーー了解しました。 対象3名、爆丸2体……危険度4と推定、これより殲滅に入ります」

 

 

 

次々と戦闘が開始される中、スバルはノーヴェの攻撃を受け切りながら吹き飛ばされたティアナに念話で応答を確認していた。

 

『ティア! 応答して、ティア!』

 

「ーーケホッ、ケホッ! うっさいスバル! 念話を傍受されるわよ! 今は目の前の敵に集中しなさい!」

 

『う、うん!』

 

『気を付けてね、ティアナちゃん』

 

「いた……! ティア、大丈夫?」

 

ティアナを追いかけソーマもビルに入り、手を貸してティアナを立ち上がらせる。

 

「分断されちゃったね」

 

「ええ、ツーマンセルじゃ不味いわ。 全員とすぐに合流をーー」

 

すぐさま自分が突っ込んで出来た穴で外に出ようとした時……周囲の色が青に統一し、目の前に壁ができ出られなくなってしまった。

 

「結界……!」

 

「閉じ込められた!」

 

「そうは問屋がおろささいッスよ〜」

 

階下からウェンディとディード、そして騎陣隊のウルクとファウレが進入してきた。 2人は状況を把握するため咄嗟に柱の陰に隠れ、身を潜める。

 

「皆と分断されたわね……しかもこんな密閉された空間に入れられるなんて……」

 

「こっちには騎陣隊が2名、さらに戦闘機人は2名……全体的に見ても部が悪いね」

 

「騎陣隊が4人揃うよりマシよ。 彼らは4人揃って真の力を発揮する……ワザとかは知らないけど、リーダーのラドムがこの場にいない。 2人なら正気はあるわ」

 

「戦闘機人もちゃんと作戦に入れてよね」

 

「分かってるわよ。 しっかし、あんただけど組むのは久しぶりね。 ……行くわよ」

 

ティアナの言葉にソーマは無言で頷き……2人は同時に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェローとコルルが地上本部に向かって進行している途中……その進行方向にアリシアとシグナムの2人が立ち塞がった。

 

「翡翠の剣舞姫、そして管理局の騎士ですか」

 

「本局機動六課、アリシア・テスタロッサ一尉」

 

「同じく、シグナム二尉。 中央本部には何をしに?」

 

「ええ、少々予定が。 個人的な私怨な、ようなものです」

 

「……レジアス中将に復讐ですか?」

 

「確かに彼にも償うべき罪はありますが……そんな生易しいものではありません」

 

「……ならば、ここを通す訳にはいかないな」

 

シグナムは一瞬目を閉じ、開眼と同時にレヴァンティンを抜き、銃を構えた。 アリシアもタクティカルビットを展開しながら2丁拳銃を構えた。

 

「……ねえ、今更遅いとは思うけど何か事情があるんでしょう? 話してはもらえないかな?」

 

最後の望みを託し、アリシアはフェローに問いかけるが……それを無視してフェローはデバイスを起動、右手に騎乗槍(ランス)を持ち、構える。

 

「ーー問答は無用。 互いに得物を持ったからには全力を持って当たるがいい。 さもなければ命はないぞ」

 

「ツ!? 来る!!」

 

「言葉は尽くした。 ここから先は剣で語るしかないようだね」

 

「聞かせてもらいます。 あなた方の信義を」

 

コルルとリイン、2人の決意は既に決まっており。 2人のユニゾンデバイスがそれぞれのマスターの正面に立ち……ユニゾン、互いに対立した。

 

『雷鳴の槍精、コルディア。 恩義に報いるように、この命を賭して参ります』

 

『祝福の風、リインフォース・ツヴァイ。 管理局の一員として……コルルさん、あなたの友人として止めさせてもらいます!』

 

『………! 言うようになったね、リインフォース・ツヴァイ!!』

 

2人が魔力を放出し、牽制し合う。 いざ交戦に入ろうとしたその時……不意にシグナムが口を開いた。

 

「……やはり、見間違いではなかったようだ」

 

「? シグナム?」

 

何かに気付いたようだが、その表情は驚愕やあり得ないなどといった色が見え。 シグナムはフェローに向かって指をさした。

 

「何故あなたが生きているのだ、星槍のフェロー……いや、雷帝フェルベルト・ダールグリュン!!」

 

「え……ダールグリュン?」

 

雷帝ダールグリュン……旧ベルカの王家、聖王や覇王に次いでその名を轟かせた英雄の名。 だがシグナム達、ヴォルケンリッターのような特別な事情もなく、今の世まで生きている事にシグナムは驚きを隠せなかった。

 

「やはり……気づかれてしまいましたか」

 

「得物は違えど、見間違える筈がない。 この際生きていることはいい。 だが、何故だ……何故あなたのような人が、守るべき民を危険に晒してまで!」

 

『それは……』

 

「ーーこれ以上の言葉は無用です。 知りたければ……私を倒すしかありません」

 

「くっ……!」

 

その言葉を皮切りに、フェローから凄まじい程の勢いで魔力が放出される。

 

「来るがいい!」

 

「ーーいざ……」

 

「参る!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイトとすずかはスカリエッティアジト向かう途中で別働隊と合流。 その後アジトに到着し、先導していたヴェロッサとシャッハと合流、別働隊をヴェロッサに任せフェイト、すずか、シャッハは襲いかかるガジェットを破壊しながら奥へと進んでいた。

 

「スカリエッティはこの先に?」

 

「はい。 ロッサの偵察によればこの先にスカリエッティがいるはずです」

 

「急ごう。 彼を捕縛できたらヴィヴィオちゃんが解放されるかもしれない……!」

 

シャッハの先導の元、3人はアジト内を進む。 通路を進むと、向かいの横に繋がる通路からユエとリヴァンが出てきた。

 

「フェイト、すずか!」

 

「ようやく見つけたぞ」

 

「ユエ、リヴァン!」

 

「2人共、無事でよかったよ」

 

そのまま奥へと進む。 しばらくして通路の様式が変わって行くと……

 

「なっ……!」

 

その場所の壁の至る所に培養液の入ったカプセル内に人が浮かんでいた。 カプセルの下には番号が書かれており、非人道性が醸し出ていた。

 

「これは……人体実験の素体……!?」

 

「なんと惨い事を……」

 

「……人の命を持て遊び、ただの実験材料として扱う。 あの男がしてきたのは……そういう研究なんです」

 

「フェイトちゃん……」

 

フェイトはまるで鏡を見ているようにこの光景を見ていた。

 

「すぐに止めましょう。 それが、彼らの救いとなるなら」

 

「うん」

 

その時、かなり大きめ目な地震が発生した。 どうやら遠く離れた場所で爆発があったようだ。 だが、そのせいで頭上の柱に挟まっていたガジェットが落ちてそうだ。

 

フェイト達は直ぐにその場を飛び退くが……床から水色髪の戦闘機人がシャッハとユエの足を掴んで止めさせた。

 

「シスター! ユエ!」

 

「待ってください、すぐに助けます!」

 

「! 敵だ、来るぞ!」

 

二刀のブーメランのような物が飛来、リヴァンがそれを弾き……

 

「はあああっ!!」

 

「穿て……」

 

《アイスピラー》

 

ユエが茜色の剄を右手に纏い、振り下ろして床を破壊して下に落下し。 落ちてきたガジェットはすずかが地面から氷柱を登らせ、天井と挟んでペシャンコにした。

 

「シスターシャッハ! ユエ君!」

 

『大丈夫です、すずかさん。 大した怪我はしてません』

 

『戦闘機人一機を補足しました……確保次第、すぐに合流します』

 

「……了解です。 2人とも、どうか気を付けて」

 

念話を切り、目の前の戦闘機人2名……トーレとセッテと対面した。

 

「……フェイトお嬢様。 こちらにいらしたのは帰還ですか? それとも……叛逆ですか?」

 

「まだそんな戯言を……!」

 

リヴァンが前に出ようとしたが……それをフェイトが手で制し、自身が一歩前に出てバルディッシュを2人に突きつけた。

 

「どっちでもない。 犯罪者の逮捕……それだけ。 ただ、それだけ」

 

「あなた達の世迷い言に、フェイトちゃんは付き合わないし。 私がそうさせない。 そこを退いてもらうよ」

 

自身の意志を示すように……フェイトはザンバーフォームのバルディッシュを、すずかはトライデントフォームのスノーホワイトを戦闘機人達に突き付けた。

 

 


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