魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

17 / 198
A's前
17話


 

フェイトと別れてから半月ほど

 

「すっかり忘れてたな」

 

「にゃー」

 

2年前に死にかけていた変な猫。今ではすっかり元気だ

 

「さてと、このまま飼うにしても…名前はどうしよっか」

 

「はいは〜い、私はリニスがいいで〜す!」

 

「リニス?」

 

「いいんじゃないか?」

 

「リニス…リニスか、いいねそれ!」

 

猫をリニスを持ち上げ

 

「お前は今日からリニスだ!」

 

「にゃー」

 

ユーノの時と同じ様にみんなと相談して、俺が面倒を見るということで飼うことになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休日、すずかの家

 

俺は2人にリニスを紹介していた、なのはは用事があるらしく今はいない

 

「わあああ!可愛い!」

 

「にゃーー!にゃーー!」

 

ユーノの如く嫌がるリニス

 

「なのはのユーノがいなくなったと思ったら、今度はレンヤがリニスを連れてきたの?また何かしでかすんじゃないでしょうね?」

 

「俺はトラブルメーカーか」

 

「ある意味では……そうだね」

 

リニスを返しながら、すずかが言う

 

リニスよ…すまん

 

「それにしてもユーノもそうだけど、リニスも猫にしてはちょっと違わない?」

 

「リニスちゃんは山猫だよ」

 

「さすが猫好き…ん?リニス…ちゃん?」

 

「うん、リニスちゃんはメスだよ」

 

「へぇ〜そうなの」

 

その後も雑談が続いた

 

「それで?今日はリニスの紹介だけじゃないでしょう」

 

「ああ、レンヤのデバイス制作の目処がたったのと。2人のデバイスの強化だ」

 

「強化?」

 

「今のままじゃダメなの?」

 

「ダメってわけじゃないが、これからも怪異は強くなってくる。それに備えなきゃいけない」

 

「それで、具体的にはどうするんだ?」

 

「デバイスの外装の強化と新機能の搭載だよ」

 

「新機能の搭載?」

 

「そっ単純に強化しても強くはなれないからね」

 

「で、その新機能て言うのはどんな感じよ」

 

「企画は二つある、一つはカートリッジシステム。圧縮魔力を込めたカートリッジをロードする事で、瞬間的に爆発的な魔力を得られるんだ。でもその分制御は難しいんだ。

もう一つはギアーズシステム。デバイスに複数のギアを組み込みそれらが回転する事によって、魔力を上げる事ができる。カートリッジと違って爆発的な魔力は得られないが、長時間緩やかに魔力の上昇が得られるんだ。制御も比較的簡単だ。」

 

「うーん、コンセプトがまるっきり逆だね」

 

「強くなるならカートリッジで良いじゃない」

 

「そう単純な話しじゃないんだよ、カートリッジは爆発的な魔力を得られる分、体の負荷が凄まじいの。今の成長途中のみんなには危険なんだよ」

 

「消去法でギアーズシステムになるな」

 

「なら最初からそう言いなさいよ!」

 

「まあまあアリサちゃん、ソエルちゃんたちはカートリッジシステムが危険だって教えてくれたんだよ」

 

「それじゃあ、デバイスをソエルに預けて。いつも通りの練習メニューをこなそうか」

 

「あっレンヤの武器も強化するからね」

 

「なんでだ?あれはデバイスじゃないだろ」

 

「お前の使っている剣と銃は旧式のアームドデバイスだ、小さくする事ができないからな」

 

「あーー、どおりで魔力を通すわけだ。木刀でやってもうまく行かないわけだ」

 

「そこはせめて真剣でやりなさいよ」

 

「あるわけないだろ」

 

「士郎さんなら持っていそうだけど」

 

「それでもお父さんが貸すわけないだろ」

 

その後、練習メニューをこなした

 

俺は魔力の底上げと基本的な魔法の練習をして

 

アリサとすずかは実戦経験を積む事と魔力操作の練習をしていた

 

「ふうぅ、だいぶ形になったわね」

 

「うん、でもこれが限界だね。戦い方を教えてもらう先生がいないからね」

 

「そうだなぁ、独学だけじゃあ無理があるからな」

 

「ならこれを読むといいよ!」

 

ソエルが口から本を人数分出した

 

「何々、剣の基本的な心構え?」

 

「こっちは、槍を使った体捌き?」

 

「臨機応変に判断の仕方?」

 

「みんなが足りないと思う部分だよ!」

 

「まあ、読むだけ読んでみるか」

 

「読書は好きだから大丈夫!」

 

「ちゃん人ができる事が書いてあるんでしょうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は久しぶりにはやてに会う為に風芽丘図書館に向かっていた

 

「ここ1ヶ月会っていなかったからな〜、怒っているんだろうなぁ」

 

「しょうがないよ」

 

「張り手の1つでも貰うんだな」

 

図書館に着き、はやてを探す

 

「この時間に入るはず……」

 

辺りを見渡すが見つからなかった

 

「今日は来てないのかな」

 

「レンヤ君……?」

 

声をかけられて振り返ってみると、はやてと金髪の女性がいた

 

「はやて!久しぶりだな!」

 

「レンヤ君こそ!私のこと忘れてると思ったよ」

 

「はやての事忘れるはずない、でもここ最近忙しくかったから会いに行く暇も無かったからな。寂しい思いさせちまったか?」

 

「そんな事あらへんよ、親戚が家にきてな。今はすっごく楽しいんよ」

 

「親戚?それって……」

 

俺は金髪の女性を見る

 

「ああ、紹介するな。さっき言っていた親戚の人や」

 

「初めまして、シャマルです」

 

「はやての友だちの神崎 蓮也です。よろしくお願いします」

 

「はい、こちらこそ」

 

「親戚はシャマルさん以外にもいるのか?」

 

「うん、後2人と1匹がおるんや」

 

「そうか、よかったな」

 

「うん!」

 

本当に嬉しそうだ

 

「レンヤ君は、これからどないするんや?」

 

「はやてに会いに来たんだけど、大丈夫そうだからもう帰るな」

 

「ええ、もうちょっと話そうよ〜」

 

「う〜ん、なら!明日の朝に河川敷に来てくれないかな?親戚の人たちを連れて」

 

「河川敷でなにするんや?」

 

「それは見てのお楽しみ。それじゃあまた明日!」

 

「あっ待って……行ってしもうた」

 

「はやてちゃん、彼のこと気になるの?」

 

「なっなに言っとんねん!そんなんじゃあらへん!」

 

「ふふふ」

 

からかわれてしもうた、でもまた明日か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰ってみんなに明日のことを話した

 

「河川敷に…ですか」

 

ピンク色の髪をポニーテールにしている女性…シグナム

 

「一体なにするんだよ」

 

赤い髪をおさげにした少女…ヴィータ

 

「私は構いません」

 

青い毛並みの大きな狼…ザフィーラ

 

「ふふ、楽しみね」

 

金髪のショートヘアーの女性…シャマル

 

みんな私の誕生日に現れた家族や

 

「みんなを私の友だちに紹介したいんや」

 

「しかし主はやて、その者は信用できるのでしょうか」

 

「誰もが私を狙うと思っとるん?」

 

「そうだぜ、気にしすぎだぞ」

 

「主に危険が迫れば守るだけのこと」

 

「魔力も無かったし、優しい子よ」

 

「…わかりました」

 

「ほな、みんなで行こうか」

 

明日が楽しみや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、早朝、河川敷上流付近

 

「そろそろ、見えるで」

 

「あれじゃないか」

 

「あっそうや」

 

動きやすそうな格好をしたレンヤ君がおった

 

「おーいレンヤ君ー!」

 

呼んでみるも返事があらへん

 

「どうかしたんかな」

 

「いえ、あの者すごい集中力です」

 

「えっ!」

 

その時、レンヤ君は持っている大きな扇子を開いて舞い始めた

 

「あれ、なにやってんだ?」

 

「しっ!静かにしろ」

 

「これは、すごいな」

 

レンヤ君が踊るごとに周りの人が止まり、レンヤ君を魅入る

 

見た目もあって、女の子が踊っているようにしか見えへん

 

「綺麗」

 

「すごいな」

 

誰もがレンヤ君を見てのいる

 

「あっ!おい、あれ!」

 

誰かが叫んだ、なんなんや

 

「飛んでる…」

 

「えっ」

 

すぐにレンヤ君を見ると、川に浮いていた

 

あそこは腰まで浸かる位の深さや、まさか本当に飛んでる⁉︎

 

「すごい!すごい!お姉ちゃんすごい!」

 

「ん?」

 

あっ止まってもうた

 

「あれ、なにしてたんだっけ…ん?」

 

えっ!まさか飛んでるのに自覚なかったんか!

 

「うわああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぷはー」

 

武術書にあった舞いを踊っていたらいつの間にか飛んでいた。魔力使った覚えないけどな

 

「ふう」

 

「レンヤ君!」

 

「あっはやて!来てくれたんだ!」

 

「もちろんや!それよりもどうやって飛んだんや?」

 

「さあ?」

 

「さあって…」

 

「ただ終わりのない舞いを舞っていただけだ、途中からなんで踊ってるのかなーって思ったり」

 

「なにやっとんや」

 

あきれるはやて

 

「はは、それで後ろの人たちが?」

 

「そうや!残りの親戚たちやで!」

 

「ヴィータだ、お前どうやって飛んだんだ?」

 

「私はシグナムだ」

 

「それで、こっちの犬がザフィーラや」

 

「………ワン」

 

「はは、よろしくお願いします。神崎 蓮也です」

 

「ふむ…ではレンヤ、今のは忘我の境地ではないか?」

 

「「忘我の境地?」」

 

「忘我とは、我を忘れ夢中になるという事だ」

 

「そうか!技を捨てろってそう言う事か!」

 

俺は武術書を取り出した

 

「技を捨てて舞い続けろ、差すれば自ずと答えが出る。なるほどね」

 

「すごいなあ、レンヤ君」

 

「俺はただ舞を見せたかっただけなんだけどな」

 

「それもすごかったぞ」

 

「ええ、とても綺麗だったわよ」

 

「してレンヤ、お前は剣をやってるのか」

 

「あっわかります?」

 

「手を見ればわかる、かなりの使い手のようだ」

 

「まだまだ未熟者ですよ」

 

「そうや!レンヤ君!家に来ぉへん?濡れたままもあれやし」

 

「タオルと着替えは持っているけど……」

 

「決まりやな、ほないこうか」

 

「ちょっと!まだ行くって……」

 

「すまないな」

 

結局、はやて家に行くことになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ以来、来たこと無かったが結構大きいな。車椅子のはやてでも住みやすいバリアフリーだ

 

シャワーを貸してもらい、冷えた体を温めた

 

「はやて、シャワーありがとな」

 

「気にせんでええよ」

 

「おいレンヤ、一緒にゲームしようぜ」

 

「おっいいぞ、簡単には負けないぞ」

 

俺はヴィータとテレビゲームを始めて

 

はやてはソエルとラーグとザフィーラと遊んでいた

 

(このぬいぐるみ…どこかで)

 

ザフィーラはソエルとラーグに見覚えがあった

 

お昼もご馳走になってしまい、すっかり夕方になってしまった

 

「じゃあ、そろそろ帰るよ」

 

「ええ〜もっといてもいいじゃねえか」

 

「うちの家族に心配かけたくないんだ」

 

「玄関まで送っていこう」

 

「ありがとうございます、シグナムさん」

 

玄関まで来て

 

「レンヤ、これからもある…はやてのことをよろしく頼むぞ」

 

そう言い手を伸ばすシグナムさん

 

「はい!もちろんです!」

 

手を伸ばして握手をする

 

「っ!」

 

「シグナムさん?」

 

「…いや、なんでもない…」

 

「?そうですか?それではお邪魔しました」

 

急いで家に帰った、心配かけちゃったかな〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?どうかしたのシグナム?浮かない顔をして」

 

「…シャマル、レンヤから本当に魔力を感じ無かったのか?」

 

「?ええそうよ、これだけ近づいても気でかないなんてありえないわ」

 

「だが握手をした時に感じた、膨大な魔力を…」

 

「…嘘でしょ」

 

「もし奴が主を狙うのなら…」

 

「それはねえと思うぞ」

 

「ヴィータちゃん⁉︎」

 

「なんの確証があって言う?」

 

「あたしはシグナムより先に、あいつの魔力を感じた。だがあいつはあたしの魔力を感じ取れていなかった」

 

「それは…そうだが…」

 

「それに、本当にはやてのことを心配してくれたんだ、悪いやつじゃねえ」

 

「しかし…」

 

「私もそう思う」

 

「ザフィーラ⁉︎」

 

「あいつが家族の話しをすると、とても寂しいそうな顔をするのだ。そんなやつが主を狙うはずがない」

 

「私もレンヤ君のことを信じたいわ」

 

「…わかった、剣の道を志す者として信じてみよう」

 

「へへ、さすがシグナム」

 

「みんな、何やっとんのやー」

 

「今いきます、主はやて」

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。