魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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16話

 

 

私はお母さんのお願いの為にジュエルシードを全部集める。

 

あの子と決戦の日……

 

「フェイト、もうやめようよ。あんな女の言う事なんかもう聞いちゃダメだよ、このままじゃ不幸になるだけだよ、だからフェイト」

 

アルフの懇願にも静かに首を横に振る。

 

「だけど、それでも私はあの人の娘だから」

 

あの子はバリアジャケットを纏い、デバイスを握る。

 

「私とフェイトちゃんのきっかけはきっとジュエルシード、だから賭けよう。お互いが持っている全てのジュエルシード」

 

《プットアウト》

 

ジュエルシードがあの子の周りに浮かぶ。

 

《プットアウト》

 

私の周りにもジュエルシード浮かばせた。

 

「それからだよ、全部それから」

 

バルディッシュを構える。

 

「私たちの全てはまだ始まってもいない。だから本当の自分を始めるために、始めよう。最初で最後の本気の勝負!」

 

魔力がぶつかりあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「受けてみて、ディバインバスターのバリエーション」

 

《スターライト・ブレイカー》

 

周囲の魔力が一ヶ所に集まり始めた。

 

「くっ、っ!ばっバインド!」

 

フェイトの手足を拘束した、もがくも外れない。

 

「これが私の全力全開ーーー」

 

振り下ろされるレイジングハート

 

「ーーースターライト・ブレイカー‼︎」

 

放たれた桜色の奔流。

 

光が収まるとフェイトは気を失って海に落ちた。

 

「フェイトちゃん!」

 

慌ててフェイトを追いかけて海に飛び込むなのは。

 

すぐに上がってきた。

 

「ごめんね、大丈夫?」

 

「うん」

 

「私の、勝ちだよね」

 

「そう…………みたいだね」

 

バルディッシュからジュエルシードが出された、次の瞬間。

 

『なのはちゃん!上空より魔力反応だよ!』

 

通信を聞いて上を見たら、紫の雷がなのはたちに降ってきた。

 

「きゃあ!」

 

「っ!バルディッシュ!」

 

ジュエルシードが奪われ、バルディッシュにヒビがはいった。

 

「大丈夫!なのは!」

 

「フェイト!」

 

『なのはちゃん!フェイトちゃんを連れてアースラに戻ってきて!』

 

なのはたちはアースラに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はあの子に負けて、今は拘束されてアースラにいる。

 

ブリッジに向かい…そこで真実を聞いてしまった、

 

私がアリシア・テスタロッサのクローンだってこと、お母さんの本音を、私は人形だってこと、お母さんが私のことを大嫌いだってことを。

 

そこからはもう何も覚えていなかった、次に目を覚ましたのはベッドの上だった。

 

「アルフ……」

 

「フェイト!目が覚めたの!」

 

「ここは…」

 

「医務室だよ、まだゆっくり寝てて。私はあの子たちが心配だから、ちゃんと行ってくる」

 

アルフが手を握ってくれて。

 

「全部終わったら、ゆっくりで良いから、私の大好きな本当のフェイトに戻ってね。これからは、フェイトの時間は全部、フェイトが自由に使って良いんだから」

 

そう言い残しアルフは出て行った。

 

私はぼんやり天井を見つめ。

 

(母さんは、最後まで私に微笑んではくれなかった。私が生きたいと思ったのは、母さんに認めてほしかったからだ。どんなに足りないと言われても、どんなに酷いことされても。だけど、笑って欲しかった。あんなにはっきり捨てられた今でも、私はまだ母さんにすがりついている)

 

備えつけられたディスプレイを見た、アルフとあの子たちが映っていた、一緒に戦ってくれるアルフに笑っていた。

 

ふと、あの男の子の顔が浮かんだ。

 

(見ず知らずの私に優しくしてくれた、魔法なんか関係なく。冷たい心を溶かしてくれた、暖かい存在。私の…心の在りどころ、私の道を見せてくれた大切な人)

 

ベッドから起き上がり。

 

「生きていたいと思ったのは、母さんに認めてもらいたいからだ。それ以外に、生きる意味なんてないと思っていた。それができなきゃ、生きていけないんだと思っていた。捨てれば良いってわけじゃない。逃げれば良いってわけじゃ…………もっとない」

 

画面の向こうで戦う、白い服の女の子。

 

「私の、私たちの全てはまだ始まってもいない。そうなのかな、バルディッシュ。まだ始まっても無かったのかな」

 

バルディッシュは起動して。

 

《イエス、サー》

 

「そうだよね。バルディッシュも、ずっと私の傍にいてくれたもんね」

 

涙が溢れ出す。

 

「お前も、ここまま終わるのなんて、嫌だよね」

 

《イエス、サー》

 

立ち上がり、涙を拭う。

 

「上手くできるか分からないけど、一緒に頑張ろう」

 

バルディッシュに魔力を補給して傷を直した。

 

《リカバリー》

 

「私たちの全ては、まだ始まってもいない。だから、本当の自分を始める為に…」

 

バリアジャケットを纏い……

 

「今までの自分を、終わらせよう」

 

前に進む為に、母さんと、プレシア・テスタロッサに話しをつける!

 

「ようやくわかったみたいだね」

 

「全く、ひやひやさせやがって」

 

「誰!」

 

突然声をかけられ、構える。

 

「本当の真実を…伝えようと思ってね」

 

「話しを聞くだけでもいいんじゃないか?」

 

「っ!、あなたたちは……!」

 

レンヤが持っていたぬいぐるみ達だった。

 

「あの時はしゃべれなかってけど、私はモコナ・ソエル・モドキ」

 

「モコナ・ラーグ・モドキだ、改めて聞こう。本当の真実を知りたくないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちは現れた傀儡兵に苦戦していた。

 

「くっ一体一体がAクラス相当に強い!」

 

「このままじゃ…」

 

ユーノ君がチェーンバインドで敵を捕らえていますが、これ以上手がありません。

 

その時、一体がユーノ君の魔法から脱出して、私に襲いかかります。

 

「なのは!」

 

斧を投げつけられた、凄まじい勢いで迫るそれに思わず目を瞑る。

 

が、次の瞬間……

 

ガキィィンッ!

 

金属音が響く、目を開けると。そこにはフェイトちゃんがバルディッシュで斧を弾いていた。

 

いつもよりマントが大きかったが……

 

「サンダーレイジ!」

 

真上から雷が直撃して吹き飛ばした。

 

「フェイトちゃん!」

 

フェイトちゃんに近づこうとした時、近くの壁が爆破する。

 

「「!」」

 

そこから、他の傀儡兵より巨大な傀儡兵が出てきた。

 

「だけど、2人でなら」

 

思いもよらない言葉に私は喜ぶ。

 

フェイトちゃんのサンダースマッシャーと、私のディバインバスターで敵を捕らえて……

 

「「せーーーの!」」

 

その後、時の庭園の奥に進みます。

 

「フェイト!」

 

アルフさんがフェイトちゃんに抱きつきます。

 

「心配かけてごめんね。ちゃんと自分を終わらせて、始めるよ。本当の私を」

 

その言葉は昔、レン君に言ってもらった言葉にそっくりでした。

 

いい子な自分を捨てて、本当の気持ちを…自分を伝えると。

 

「あっそうだ!フェイト!フェイトの言っていたレンヤって奴に会ったよ」

 

「「えっ?」」

 

レンヤ?レンヤってあの?

 

「とっても優しい奴だったぞ、フェイトが惚れるのも……」

 

「わあぁーー!わあぁーー!わああぁーーーーー!」

 

顔を真っ赤にして、手を大きく振りながら、叫ぶフェイトちゃん。

 

「あ、あっアルフ!レンヤといつ会ったの⁉︎」

 

「フェイトから離れた後に……」

 

「………あれから一度も会っていないのに………」

 

このフェイトちゃんの反応は。

 

「フェイトちゃん、レン……そのレンヤ君とはどう言う関係なのかな?」

 

「なっなのは?」

 

ユーノ君?少し黙ろうか。

 

「はっはい!」

 

「どう言う関係って!レンヤとは初めての友だちで、でもレンヤがいいなら………」

 

くっレン君!帰ったら“お話し”なの!

 

私より早くフェイトちゃんとお友だちになるなんて!

 

「君たち!ふざけてないで急ぐぞ!」

 

「「はっはい!」」

 

急いで奥に進み、駆動炉に続くエレベーターホールに着いた。

 

「ここからは別行動だな」

 

「私は母さんと話しをつけてくる」

 

「なのはと僕で駆動炉を止めに行くよ」

 

「みんな!無事でいてね!」

 

渡さんたは二手に分かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきから虚空震が連続で来てかなり気持ち悪い。

 

『レンヤ君!これは一体……』

 

『ちょっとどうにかしなさいよ!ワンちゃんたちが不安がっているわ!』

 

『そんなこと言われても……』

 

数分前から魔力が急激に減っている、あいつら一体何やってんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次元震が止んだ、なのはたちがやったんだ。

 

クロノが説得しても母さんは諦めなかった。

 

「母さん!」

 

「ここへ一体何をしに来たのかしら?」

 

「あなたに言いたいことがあって来ました」

 

私はもう……怖がらない、怯えない!

 

「私は、アリシア・テスタロッサではありません。貴方が作った人形かもしれません。だけど私は、フェイト・テスタロッサは貴方に生み出して貰って育ててもらった貴方の娘です」

 

「だからなんだと言うの?今更あなたの事を娘だと思えと言うの?」

 

「あなたがそれを望むなら、私は世界中の誰からも、どんな出来事からもあなたを守る。私があなたの娘だからじゃない。あなたが私の母さんだから」

 

「くだらないわ」

 

「…はい、そうですね。でも…私は……あなたを…母さんたちを救いたい」

 

私はマントを翻して……

 

「お願い!ラーグ!ソエル!」

 

「「任されたーー!」」

 

「なっ!」

 

フェイトはマントの中にラーグたちを隠していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「母さんが薬を盛られている⁉︎」

 

「そうだよ、昔ある奴らの陰謀でね」

 

「じっくり回るタイプの物だから、前まで優しかったのも頷ける」

 

「どうして……そんなことが…」

 

「私たちなら助けられる」

 

「協力してくれるか?」

 

「…わかった、お願い母さんを助けて!」

 

「「了解!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーーーバクッ!」

 

ラーグがプレシアの頭に齧りついた。

 

プレシアが暴れるも外れない。

 

「ハーーーーパクッ!」

 

ソエルがアリシアの入ったカプセルごと飲み込んだ。

 

「なっなんだ、これは」

 

クロノが状況が飲み込めないでいる。

 

少しずつプレシアが暴れるのをやめる。

 

「んーーーーバッ!」

 

プレシアからラーグが離れた。

 

「母さん….」

 

「はぁ、はぁ…フェイト…ごめんね、私がもっとしっかりしていればこんな事には…」

 

「母…さん?」

 

「薬と病は取り除いたぜ、ちょっと若返っちまったが」

 

「本当にごめんなさい、こんな私を…許さなくても…」

 

「母さん!」

 

フェイトがプレシアを抱きしめた。

 

「悪いのは別の人!母さんは何も悪くないよ!」

 

「フェイ…ト…」

 

「だから、私の母さんでいて!」

 

「フェイト!」

 

2人は今までの時間を埋めるように抱きしめた。

 

「コホン、えーお楽しみのところすみません」

 

「プレシアが途中で魔法をやめたから、ジュエルシードが暴走して。この時の庭園は消滅します」

 

「「「えっ」」」

 

ジュエルシードが暴走を始めて、周りが崩れ始めている。

 

「脱出する!早くアースラに!」

 

「母さん!」

 

「待って!アリシアがいないの!」

 

「アリシアならここにいるよ」

 

ラーグがソエルのお腹を指す。

 

「食べたってことなの!」

 

「大丈夫だから、ほらほらいっくよー」

 

その後なのはたちと合流してアースラに戻った。

 

脱出後すぐに時の庭園は消滅、大きな次元震がおきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『気持ち悪いよ〜〜』

 

『ちょっと……レンヤーーーー!』

 

『待って!本当に待って……ギャア!』

 

虚空震と余波による地震の影響で被害にあってるレンヤたちであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アースラに帰還した全員は事後処理に追われていた。

 

治療を受けた後、フェイトとアルフとプレシアは重要参考人として拘束、リンディとクロノによって取り調べを受けていた。

 

「今回の事件は、一歩間違えれば次元断層さえ引き起こしかねないものでした、もちろん、あなたが薬の影響でまともな判断ができなかったこともありますが。ラーグ君が提出した資料により無罪放免とまで行きませんが、できるだけ保護観察処分までは行けます」

 

「これだけの事をしでかして、その程度の処分。十分すぎます」

 

「はい、それと……」

 

全員の視線がラーグたちに向けられる。

 

「契約によりあなたたちの正体は聞きませんが、アリシアさんを飲み込んでどうするんですか?」

 

「う〜〜ん、うん!ちょうどいいね!」

 

ソエルはアリシアを光の玉に包まれた状態で吐き出した。

 

「クロノ!」

 

「ギャア!目が、目がーーー⁉︎」

 

裸のアリシアを見せまいと、リンディがクロノに目潰しをした。

 

「アリシア!」

 

プレシアの手に収まるアリシア。

 

「ん……お母……さん…?」

 

アリシアが目を覚ました。

 

「アリシア!」

 

プレシアはアリシアに抱きついた。

 

「うー、痛いよ〜お母さん〜」

 

「これは…一体…?」

 

「企業秘密だよ♪」

 

口に手を当てるソエル。

 

「うん?」

 

「っ!」

 

アリシアはフェイトを見た。

 

「私にそっくり〜、お名前は!」

 

「ふぇ、フェイト……」

 

「フェイトって言うの⁉︎あなたは私の妹⁉︎」

 

「えっ?」

 

「私はアリシア!お姉ちゃんって呼んでね!」

 

手を握って大きく振るアリシア。

 

「あ…うん!こちらこそよろしく!お姉ちゃん!」

 

フェイトは今までで1番の笑顔だった。

 

話しは戻ってラーグたちについて話した。

 

「うう、目が……」

 

目に涙を浮かべながら、目をこするクロノ。

 

アリシアはすでに服を着ていた。

 

「リンディにも行った通り、俺たちの正体は言うことはできない。それはいいよな」

 

「ええ、そうよ」

 

「ただ、私たちの出した条件は言える。その条件は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神崎 蓮也を管理局に入れる。それが時の庭園に入るための条件だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神崎…蓮也?」

 

「使い魔で言う、俺たちの主だ」

 

「でもこの海鳴にはなのは以外に魔力を持つものが……」

 

「いるんだよね、それがね」

 

「私たちが魔力隠蔽用のペンダントを上げているの、近づかない限りわからないよ」

 

「しかし、今までジュエルシードや僕たちの魔力を感知して近づいてもおかしくない!」

 

「あのペンダントは外からも内からも魔力を隠蔽する、同じペンダントをつけていない限り魔力を感知することはできない」

 

「あの……レンヤが魔導師だとして、魔力量はどれくらいなんですか?」

 

「ざっとS+、まだまだ伸びるぞ」

 

「「「!」」」

 

「それだけの魔力量……条件を飲むわけですね」

 

「ええ、耳が痛いですが」

 

「条件によりレンヤ自身が管理局の存在に気づかない限り、勧誘は禁止だ」

 

「わかっています」

 

「後、ミッドチルダに帰るときフェイトをレンヤに合わせてくれるかなぁ」

 

「なに!」

 

「そっソエル……」

 

「いいでしょう」

 

「母さん!」

 

「艦長と呼びなさい」

 

「はい!質問!」

 

アリシアが手を上げる。

 

「それってつまり、そのレンヤって人が私たちを救ってくれたんだよね」

 

「ああ、魔力を沢山もらったからな」

 

勝手にだが。

 

「ふーーん、興味が出ちゃったね〜」

 

「お姉ちゃん⁉︎」

 

「はは、じゃあまたな!」

 

「また会おうね〜」

 

ソエルたちは転移してしまう。

 

「ふう」

 

「リンディさん?」

 

「いえ、レンヤ君という子も数奇な運命を歩いていると思うと…」

 

「レンヤ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのはたちが帰って来て、俺たちは喜んだ。

 

美由希姉さんがなのはを抱きしめたりした。

 

「なのは」

 

俺は羽根を取り出し。

 

「レン君!」

 

なのはも羽根を取り出した。

 

黄色く染まった羽根をくっつけ。

 

「おかえり」

 

「ただいま!」

 

俺たちの挨拶だ。

 

次の日、学校に行って。

 

なのははアリサとすずかに再会した。

 

すずかは目に涙を浮かべながら喜んで、アリサは平静そうなふりをして内心喜んでいる。

 

ラーグ達も帰って来て、虚空震の事情を説明してくれた。

 

『特異点による空間の断層?』

 

『そう、特異点を中心とした空間の捻れが今回のことの顛末だ』

 

『あんなに揺れた後で何か問題はなかったのよ』

 

『地震もすごかったしね』

 

『とにかく今は、虚空震による被害を見る。また忙しくなるぞー』

 

『やってやろうじゃないの!』

 

『最後まで手伝わせてもらうよ!』

 

『ああ、みんなで頑張ろうか!』

 

『『『『『『おおー!』』』』』』

 

「はいでは神崎君、この問題を解いてください」

 

「あっはい」

 

『締まらないわね』

 

『うるさいやい』

 

そんな感じでなのはが帰って来たら1日なんか早く過ぎるように感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、なのはが遠くへ行く友だちに合わせたいとのこと、ついていくことになった。

 

「ほら、いたよ!フェイトちゃーん!」

 

「えっフェイト?」

 

視線の先にいたのはフェイトだった。

 

「れっレンヤ!ひっ久しぶり!」

 

「フェイト!久しぶり、なるほどねなのはの大切な友だちはフェイトの事だったのか」

 

「えへへ、うん!そうだよ!」

 

なのはは自分の事の様に喜ぶ。

 

フェイトと2人きりで話しがしたいので、後でフェイトと話すことにした。

 

「あなたは……」

 

「あの時はごめんね!」

 

手を合わせて謝る女性。

 

「いえ、反省しているなら大丈夫です」

 

「そうか、ありがとうな」

 

「あっそうだ!あなた似で、同じくおでこに赤い宝石をつけた犬って知っていますか!」

 

「さっさあ、知らないね〜」

 

なんでそっぽを向くんですか。

 

「君が神崎 蓮也か」

 

「えっと、あなたは?」

 

「僕はクロノ・ハラオウン、なのはにお世話になったものだ」

 

「そうですか!俺は神崎 蓮也です!なのはが迷惑かけませんでしたか?」

 

「ああ、勝手に行動したりしたな」

 

「………すみません」

 

「いいさ、言う事を聞く立場でもない」

 

「ありがとうございます!これからもなのはよろしくお願いします!」

 

俺は握手を求めた、潔く応じてくれた。

 

「ああ、もちろん……!」

 

「?、どうかしましたか?」

 

「っ!いや…なんでもない」

 

どうかしたんだろう

 

「あなたが神崎 蓮也君?」

 

「はい、あなたは?」

 

「私はプレシア・テスタロッサ、フェイトの母親よ」

 

「そうですか!俺は神崎 蓮也です、フェイトとはとても大切な友だちです!」

 

「ふふ、そう。あなたにはお礼を言わなくちゃね」

 

「お礼?」

 

「あなたがフェイトを励ましてくれたおかげで、私たち家族は救われたの。だから感謝しているわ」

 

「そんな、それにそれはフェイト自身の力です。俺はただ話していただけです」

 

「それでも感謝してるのよ」

 

プレシアさんは手を伸ばして握手を求めた。

 

俺は応じて……

 

「はい!これからも力にならさせてもらいます!」

 

「……………………」

 

「プレシアさん?」

 

「あっ…何?」

 

「どうかしましたか?」

 

「大丈夫よ」

 

「そうですか……プレシアさん、このフェイトそっくりな子は」

 

さっきっから、俺の周りを回ってジロジロ見てる。

 

「フェイトの姉のアリシアよ」

 

「姉⁉︎」

 

妹だろ⁉︎見た目からして!

 

「ふーーむ、ふむふむ」

 

「あのーー」

 

「うんうん、なるほどなるほどー」

 

「だからーー」

 

「ん、なかなかいいわねー。気に入っちゃった!」

 

ちょいちょいと耳打ちしたいのか手招きをする。

 

それで顔を近づけて……

 

「ありがとう……私のナイト様」

 

「えっ!」

 

チュ!

 

「にゃあ!」

 

「あっ!」

 

「あら」

 

「なっ!」

 

「お姉ちゃん!」

 

気づいたときにはキスをされていた。

 

「にゃははは!怖いな、怖いなー」

 

悪ふざけをした様な感じなのか、笑っている。

 

フェイトたちも話しが終わったのか戻ってきてた。

 

「ん?なのはとフェイト、リボンを交換したのか」

 

「うん!友情の証として!」

 

「俺もあげられたらいいんだけど……大切なものだから」

 

頭のリボンを触り、感触を確かめる。

 

「別に大丈夫だよ!交換できるリボンもないし!」

 

「じゃあ私が……」

 

「やめなさい」

 

「うーん、あっそうだ!」

 

ソエルの口に手を突っ込んだ。

 

((((((うわぁ))))))

 

「あった、あった、はい!どうぞ!」

 

「これは…」

 

「羽根?」

 

フェイトとアリシアに渡したのは、黄色と緑の模様がある白い羽根。

 

「そう!心の羽根って言って。持ち主の心を現すんだ」

 

「こっ心を///」

 

「へぇ〜すごいねー!」

 

フェイトはピンク色に、アリシアは黄色く色が染まった。

 

「本当に心を表しているのか」

 

「すごいねぇ」

 

「興味が出るわね」

 

他の3人も興味深々だ。

 

そしてそろそろ別れの時間……

 

「レンヤ…なのは…本当にありがとう!」

 

「うん!また会おうね!」

 

「俺たちは待っているぞ」

 

「私も私も〜!」

 

「そうだ!レン君あれやろう!」

 

なのはは羽根を取り出した。

 

「ああ、そうだな!」

 

俺も取り出して、羽根をくっつけた。

 

「ほら、2人とも」

 

「うっうん!」

 

「いいよ!」

 

フェイトとアリシアの羽根もくっつけた。

 

「これは俺たちの絆の証だ!」

 

「そうだね!」

 

「うん!」

 

「やったー!」

 

俺たちの羽根は黄色く染まった。

 

そして、フェイトたちは外国へ帰って行った。また会える、確証はないけどそう思える。

 

まだやる事はいっぱいあるんだ!俺も負けていられない!

 

 

 


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