魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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151話

 

 

憶測だが2人に元凶の正体を説明した後、衝撃の事実に驚いているキャロを引き連れて風芽丘に向かった。 到着すると、雨風がさっきよりも増して激しさを増している。 遠くに見える川は今にも氾濫しそうな勢いだ。 それからすぐに、後ろからフェイト達がやって来た。

 

「レンヤ!」

 

「お待たせ!」

 

フェイト、アリシア、コウ達のメンバーがここに集まって来た。 他はまだ交戦中だろう。

 

「私達も今来た所だ」

 

「大体の状況は聞いているな?」

 

「はい。 まさか美由希さんが連れ攫われるなんて……」

 

「あの、さっき言っていたヤマタノオロチというのは?」

 

エリオの質問に、フェイトが答える。

 

「そうだね……簡単に言えば昔のお話に出てくる8つの頭と尻尾を持つ神獣だよ。 洪水の化身とも言われているんだ。 まさかこの地にその骸があるとは知らなかったけど……」

 

「骸というより、おそらく宝玉かなんかの核だろう。 骸は別の神社にあるって聞いているし。 そもそも、本当に八首の龍かどうかもまだ確証はないねえし」

 

「……7年前、レムがここの龍の力を一部分だけを借りて私達を試した。 けど、今回はロストロギアの影響で本体が目覚め、贄を求めた……」

 

暗そうに言うが、一転変わって、アリシアは何事もなかったような顔になる。

 

「ま、そもそもヤマタノオロチが載っている古事記は、天皇と天照御神についてが主に書かれている書記。 それ以外の事は曖昧で矛盾していて、ヤマタノオロチもそれに当たるんだよ」

 

「高天ヶ原を追放されたスサノオが、どうやって高天ヶ原にいる天照に天叢雲剣を献上したとかね」

 

「部分的にいい加減だったんですね……」

 

「……今はそんな事はどうでもいいだろう。 問題はどうやって高町さんを助け出すかだ」

 

「……推測だけど、なのはちゃん達が戦っている全ての神龍を倒した時……道が開けると思うよ」

 

「だといいんですけど……」

 

ソラの懸念ももっともだ。 このままでは激しい雨風降る丘の上で待ちぼうけになってしまう。 その時……目の前の空間から強大な力の奔流を感じた。

 

「っ!?」

 

「これは……」

 

突如として現れたのは赤いゲート、しかもエルダーグリードが潜んでいると思われる通常のゲートとは形状が異なるものだ。 そしてその中から感じられる気配も……

 

「この圧倒的なオーラは……!」

 

「す、すごい……」

 

「この感じ……前にも。 でも、似ているけど決定的に違う!」

 

「ふむ、どうやら途轍もない相手が待ち受けているようだな……」

 

……この先にはエリオとキャロは同行させる訳にはいかない。 2人をリンス、シグナム、アギトに任せて残りの7名が突入することになった。

 

「これより、異界に突入する。 目標、異界内の元凶及び高町 美由希の身柄保護……皆、全力を尽くしてくれ!」

 

『おおっ!!』

 

「皆さん、頑張って下さい!」

 

「気を付けて行くのだぞ」

 

作戦開始な合図を言い、全員から響くような応答を受ける。 エリオとリンスの声援をもらいながらゲートを潜り抜け、俺達は異界に突入した。 光が晴れると……そこは大きな空間が広がっていた。 どうやら谷底のような場所で、周囲には鳥居が、崖の上は木々で覆われていた。

 

「ここって……」

 

「……やっぱり海鳴温泉で現れた異界と似ているね」

 

「どうやらここも迷宮にはなっていないようだな」

 

「! レンヤ、あれ!」

 

フェイトが指差した方向に、球体が浮かんでいた。 その中には……気絶している姉さんがいた。

 

「姉さん!」

 

「……怪我はないみたい」

 

「そうだね、どうやら無事みたい」

 

『ーー何者だ』

 

突然、頭に響くような重々しい声が響いて来た。 次の瞬間、周囲にある8つの鳥居が揺らぎ、何かが飛び出し異界の中心でぶつかりあった。 8つの力が交わり……一体の巨大な怪異……8つの首をもつ龍が現れた。

 

「これは……!」

 

「なんて力……」

 

八頭(やず)ノ神龍……」

 

「あの神龍の集合体……まるで格が違う……」

 

「こいつぁ……九尾と同等かもしんねえな」

 

皆、目の前の強大な存在に視線が釘付けなってしまう。 だが、俺はそんな事よりも……胸の中に渦巻いている感情が出てしまいそれどころではなかった。

 

「……アンタが一体何者かはこの際どうでもいい……俺が聞きたいのはただ一つ、姉さんを一体どうする気だ!?」

 

奴に向かって怒り混じりに問い質した。 八頭ノ神龍はその16の眼で見下ろし、首の一つが口を開いた。

 

『ーー我は遥か太古の時よりこの地で眠りにつきし存在(もの)。 名は失われ、我の存在を知る者はいないが……この霊域で理由のない眠りについていた』

 

「……あ……」

 

「これほどの神格の存在がこの世にあったなんて……」

 

「か、神様……?」

 

サーシャがポツリと呟いた言葉に、八頭ノ神龍は静かに首を振る。

 

『我は神ではない……我は厄災を呼びよせる存在……いつの時代、我が同胞が討たれたのもしかり。 龍とは災害の象徴であるがゆえに』

 

「あ………」

 

「随分と謙虚な奴だな」

 

この事態を引き起こした元凶にしては、そうかもしれないな。

 

「……アンタがそういう存在というのは分かった。 ならなおさら、なぜ姉さんを攫った。 一体何をするつもりだ!」

 

『此度の目覚めは異様な力によって、我の眠りを妨げられた。 そして、この地の中で最も輝く魂を贄として……我は現世に出る』

 

「なっ……!?」

 

「なんでそんな事を!?」

 

今までの言動とは真逆の答えに、すずかは思わず声を上げた。

 

『このまま眠り続けてこの星、この世界の行く末を見届けるのも悪くないが……この手で終焉を向かわせるのもまた一興。 ゆえに、力を取り戻すためにこの娘を贄として喰らう、ただそれだけだ』

 

「っ……!」

 

「なんて事を……!」

 

「とんだふざけた野郎だ……」

 

「神の気まぐれ……そこに人の意志はない、か……」

 

目が覚めたから世界を滅ぼす……気まぐれで、理由もなく、ただ滅ぼそう、動機はそれだけ。 たったそれだけで……しかも、力を取り戻すと言った。 ヤマタノオロチが討伐され、力を失ったと仮定すれば……現世の影響が洪水程度なのも納得できるが。 あの大雨が異界化(イクリプス)のほんの片鱗だとすれば……本来の力で現世に出られでもしたら……!

 

「……そんな事……そんな事させるか! 神だろうがなんだろうが、そんな事のために人の命を……姉さんの命を使わせる訳には絶対にいかない!!」

 

「うん……レンヤとなのは……それにエイミィを悲しませないためにも。 あなたを倒します!」

 

『……くくく……はっははははは! いいだろう、終焉前の余興だ……存分に楽しませてみろ!!』

 

俺とフェイトは啖呵を切り……八頭ノ神龍は全ての口で笑い声を上げながら8つ首を広げ、16の眼で睨みつけてきた。 俺達はデバイスを起動し、バリアジャケットを纏い。 コウとソラはソウルデヴァイスを起動……コウは蛇腹剣型のレイジングギアを、ソラは手甲型のバリアントアームを装備した。

 

「ーー総員、迎撃準備! 全力を持って目標を撃破する!」

 

『おおっ!!』

 

それと同時に、八頭ノ神龍が8つの口で咆哮を轟かせた。 俺とアリシアは怯むことなく飛び出し、左右から胴体に斬りかかった。

 

「っ……固っ!」

 

「いつつ……伝承通りなら……鱗は鋼のように固いわけだね。 属性としては鋼属性と、洪水の化身でもあるから霊属性もあり得るかな……」

 

「隼風拳! やっ!」

 

「スノーホワイト!」

 

《スナイプフォーム、フリージングショット》

 

軽くアリシアが神龍の情報を説明し、ソラが神龍の顔に向かって手甲に溜めた力を拳を撃ち出す事で放出、それを連続で行い神龍を怯ませ。 その隙にすずかはスノーホワイトを槍から狙撃銃に変形、地面と接している部分を凍らせて神龍の動きを妨げる。

 

「サーシャちゃん!」

 

「うん! ラクリモサ……モード、メゾルーナ!」

 

サーシャはすずかの合図で飛び出し、両手で輪刀の左右の取っ手を掴み……輪刀を割って2つの半月刀にした。 右を順手で持ち、左は逆手に持って構え、八頭ノ神龍に接近する。

 

「奏輪舞踏!」

 

三頭の神龍が噛み付いて来たが、サーシャは回転しながら避け、すれ違い際に斬りつけた。 その時、八頭ノ神龍は巨体を縮め、首を引っ込み出した。 次の瞬間、神龍は水を発生させる事で氷を砕き、水を纏って捻りながら突進して来た。

 

「きゃあっ!?」

 

「くっ……さながら洪水が襲ってきたみたいですね!」

 

「上手い例えだね!」

 

《プラズマランサー》

 

「はあっ!」

 

フェイトがプラズマランサーを放ち、背中に直撃すると八頭ノ神龍は少し苦悶の声を漏らした。 直撃した部分を見ると僅かだが傷ついたいた。 フェイトの攻撃なら確実にダメージは通っている。

 

「フェイト! 私に雷を!」

 

「分かったよ、姉さん!」

 

アリシアに向かってもう一度プラズマランサーを撃ち、アリシアはそれを小太刀で受け止め……

 

《エンハンス》

 

「雷鳴の刃!」

 

プラズマランサーを受け取った勢いで飛び上がり、一頭に斬りかかる。 だが浅く入っただけで、鋼のように固い鱗は突破出来てない。

 

「っ……やっぱり固い!」

 

「固いのなら……」

 

《モーメントステップ》

 

一気に飛び出し、八頭ノ神龍の周りを疾走する。 襲ってきた首を避けながら短刀を投擲、それを3回繰り返して八頭ノ神龍の胴体に3本の短刀が突き刺さった。

 

「ーー砕くまで!」

 

《ドライブウィッジ・トライアル》

 

そして3本の短刀のカートリッジを炸裂、3箇所からヒビが走り……背中が一気にボロボロになった。

 

「そこだああ!」

 

「天翔脚!」

 

間髪入れずコウがレイジングギアを振るい、ソラが大きく跳躍して風を切り裂く鋭い前蹴りを放つ。

 

バリッ……

 

不意に、何かが割れる音が聞こえてきた。 次の瞬間、八頭ノ神龍は一瞬で脱皮し、2人の攻撃は残った皮が受けて砕け散り……中から無傷の八頭ノ神龍が現れた。

 

「なっ……!」

 

「嘘っ!? 脱皮して避けた!?」

 

しかも、脱皮のせいで今まで八頭ノ神龍が受けていたダメージはほぼ無くなっている。 鱗も新品のように輝いている。 飛んで来た短刀をキャッチしながら神龍を警戒する。

 

「蛇の脱皮は死と再生の象徴……神龍とはいえ、まさかそんな力まで持っていたなんてね」

 

「……反則すぎる能力だな!」

 

そう罵倒しても怪物相手に意味はなく、八頭ノ神龍は8つの口を開け……8柱の激流の如きブレスが放たれた。

 

「くっ……アンカースライド!」

 

コウは水平に伸ばしたギアが空間を掴み、刃先を収納する反動を利用して前方へ一気にスライド移動を行う。 それで八頭ノ神龍のブレスを避け、移動の際に発生した衝撃波で牽制する。

 

だが八頭ノ神龍はブレスを辞めず、続けて首を全方位に広げて回転を始め……避けきれず直撃してしまう。

 

「きゃあ!?」

 

「ぐっ……!」

 

とっさにプロテクションで防ぐも衝撃は防げず、かなり後退させられた。

 

「はあはあ……曲がりなりにも神……そう簡単には倒させてはもらえないか……」

 

「これで本調子じゃなえってのが反則だよな」

 

「それがせめてもの救いですね」

 

「……それでも、負けるわけにはいかない。 必ず倒して美由希を助けてやるんだから!」

 

「まだまだ、行けますよ!」

 

アリシアの気合いに皆が反応し、再び八頭ノ神龍に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ん…………」

 

レンヤ達が八頭ノ神龍と戦っている中……空中で浮かんでいた球体内で気絶していた美由希が目を覚ました。

 

「……ここは…………確か……私はーー」

 

現状を理解しようと頭を働かせようとした時……下から轟音が響いて来た。

 

「ふひゃ!?」

 

美由希は驚いて飛び上がり、下を見下ろすと……レンヤ達が八頭の怪物と戦っていた。

 

「レンヤ!? それにフェイトちゃんにアリシアちゃん、すずかちゃん……それにコウ君とサーシャちゃん、ソラちゃんも!」

 

戦っている事に驚愕したが、それよりもどうして自分がここにいるのか疑問に思い。 自分が球体の中にいる事を理解すると……

 

「私……捕まったの!?」

 

そして記憶が途切れる前に、コテージで何かに捕まった事も思い出した。

 

「くっ……この! 壊れろ、壊れろ!」

 

ここにいては迷惑どころか戦いの妨げになってしまう。 美由希は足場を何度も蹴るように踏みつけ、脱出を試みる。

 

「壊れろ……! 壊れろって!!」

 

だが、何度やっても球体は振動すらせず……美由希は勢い余って躓き、転倒していまう。

 

「はあはあ……くっ……!」

 

美由希は転倒して横向きになった体を仰向けにし、悔しそうに下唇を噛む。 美由希は悔しさよりも、自分の不甲斐なさに落胆の方が強かった。 肝心な時に足手纏いになっている事を悔い、今まで培ってきた剣も役に立たない。

 

「何か……何か方法が……!」

 

微かな希望にすがる一心で自分に言い聞かせるが、絶望に完全に呑まれそうになった時……

 

チリン……

 

『ーーへえ、これは……』

 

突然、鈴の音と共に少女の声が響いてきた。 美由希は飛び起きると……目の前にいきなり少女が現れた。 不思議な雰囲気を出している半透明な少女……レムがいた。

 

「!」

 

それと同時に何か変な感覚を感じた……まるで世界に影響しているような。 それを証明するように、今まで聞こえていた戦闘音がピタリと止んでいた。 慌てて下を見ると、レンヤ達と怪物がまさしく時を止められたように固まっていた。

 

「な、なにこれ……」

 

度々重なる異常事態にとうとう頭が追いつかなくなってきた。

 

『予期せない事態が起きたけど……それよりも本来紡がれるはずのない因果が紡がれるなんて。 本当に君達には驚かされる』

 

視線を下に向け、レムはレンヤとコウを見ながらそう呟いた。

 

「あ、あなたは一体……」

 

『ふふ……今はそんな事より彼らを助けたいんでしょう? だったら……』

 

唐突にレムは美由希の胸を指差した。 すると美由希の胸が淡い光を放ちながら輝き出した。

 

「ーーえ……」

 

『これはただのきっかけ……後は君次第だ。 君という新たな存在がこの先どんな因果が紡がれるのかーーー見届けさせてもらうよ』

 

美由希は何がなんだか理解不能になっているが……胸に手を当て、光を掴む。

 

(これだけは分かる……戦える!)

 

『ふふ……さあ、行くといいよ。 全ては()()()()だ……』

 

パチン……

 

美由希の決意が決まった顔を見て、レムが指を鳴らすと同時に……美由希を閉じ込めていた球体にヒビが入り……崩壊と同時に世界は再び動き出した。

 

「ーーうおおおおおおっ!!」

 

『むっ!?』

 

「み、美由希さん!?」

 

「あの光は……!」

 

突然美由希が解放された事にレンヤ達と八頭ノ神龍も含めて驚愕し、美由希は雄叫びを上げながら落下する。

 

「斬り開けーーアストラル・ソウル!!」

 

右手を前に突き出し、水球が現れるとそれを握り潰し……1本の小太刀が顕現した。

 

「ふうっ……渦流刃(かりゅうじん)!」

 

美由希はその小太刀を両手で握り締めて構え……水を噴出して加速、さらに刃のように形成して高速にスピン回転をかけながら八頭ノ神龍を斬り裂いた。 その行動で落下の勢いを殺し、レンヤ達の前に降り立った。

 

「あなた……私を食べたいんだってね?」

 

1歩前に進み、剣先を八頭ノ神龍に突き付け……

 

「だったら……私を仕留めず、踊り食いする気で来なさい!!」

 

意気揚々と盛大に啖呵を切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次々と起こる出来事に、俺達は魂消た。 突然姉さんを捕らえていた球体が破壊され、姉さんがいきなり小太刀を顕現すると同時に八頭ノ神龍を斬り裂いて目の前に立ったんだから。

 

「ね、姉さん……?」

 

「その小太刀は……」

 

「小太刀型のソウルデヴァイス……まさか、美由希さんが《適格者》だったなんて……」

 

適格者……確かソウルデヴァイスを顕現できる者の名称だったな。 姉さんの持っている小太刀……コウの蛇腹剣のソウルデヴァイスとソラの手甲のソウルデヴァイスとどこか酷似している。

 

「助太刀するわよ。 自分が狙われているのにおちおち寝てられないし」

 

「姉さん……」

 

「止めないでよ。 今まで私はレンヤ達が頑張っていた事を他人事だと思っていた……とても辛く苦しい事だとわかっていても自分とは縁遠い、力になれないと思っていた。 それがとても最低な事だって……捕まって初めて自覚した! もう、私は……レンヤ達から目を背けたりしない!!」

 

「だ、だからって……いきなりこのレベルの敵と戦うのは無茶です! いくら御神流で身体を鍛えたとしても、ソウルデヴァイスの使い方がわかっていたとしても……」

 

フェイトは納得していないが、同意できないわけでもないのか歯切れが悪い。 と、そこでコウが2人の間に手を入れて会話を止めた。

 

「ーーぐだぐた言っている暇はねぇみてぇだぞ」

 

「……そう、みたいだな」

 

姉さんから視線を少しずらして前を向くと……8箇所からシューーという蛇の鳴き声がして来た。 音源の正体はもちろん八頭ノ神龍。 やつは地面に尻尾を突き刺すと、そこから地面が針のように隆起して迫ってきた。

 

「しまっーー」

 

澪弧斬(みおこざん)!」

 

「ブーメランエッジ!」

 

隆起を回避しようと行動する中、姉さんとサーシャがほぼ同時にその場で一回転。 その勢いで姉さんは小太刀に纏った水を、サーシャは輪刀をブーメランのように放ち……2人は神龍に向かって飛び出した。 2つの回転する刃は隆起した岩を斬り裂くと、2人は足元が隆起する前に飛び上がり神龍に接近した。

 

「捻り押し!」

 

サーシャは無手の状態で真ん中の神龍の牙を掴み、捻りを加えて横に押し……他の神龍を巻き込みながら押し倒し……

 

飛瀑衝(ひばくしょう)!」

鋭く八頭ノ神龍に向かって飛んだ姉さんは、小太刀を両手で逆手で構え……激流を纏いながら振り下ろした。 背に突き刺さった小太刀から衝撃が発散、水が空気を震わせながら飛び散った。

 

「す、すごい……」

 

「さすが美由希さん……もうソウルデヴァイスを使いこなしている」

 

「俺達も負けてられねぇな!」

 

結局、姉さんの参戦はそのまま続行となり。 攻撃パターンも読めて来たので一気に畳み掛けた。

 

「マキシマムレイジ!」

 

「裂空……爪牙!」

 

コウはアンカーギアを巨大化させ神龍の胴体に刺突し、ソラは隙間のない乱舞で突き進み……最後に強烈な一撃を入れて吹き飛ばした。 それを見た姉さんは興味津々に目を輝かせた。

 

「何それ……どうやったの!?」

 

「え、えっと……こう、溜まった気を一気に解放する感じで」

 

「う〜ん……こうか、なっ!!」

 

ソラが漠然と説明し。 姉さんはその通りに、本能に従って抜刀したまま居合いの構えを取り、小太刀の刃渡りを水で広げ……

 

荒海(あらがみ)……大蛟(みずち)!!」

 

居合いで振り抜き、水の斬撃が放たれた。 水の斬撃は同じ大きさのまま枝分かれし、八頭ノ神龍を滅多斬りにした。

 

「おお……! できた」

 

「嘘だろ……射撃、飛翔、剛撃スキルをあっと言う間にものにしただけでも驚きだってのに。 1発でEXスキルを習得しやがった」

 

「コウ先輩は初めての時、結構苦戦しましたからね」

 

「うっせ」

 

2人は軽口を叩きながらも攻防を続け、サーシャが二頭の首筋を斬り裂くと……怒り狂った八頭ノ神龍が力任せに突進しながら頭突きを繰り出した。

 

《ノーザンウォール》

 

「っ! まだまだ!!」

 

すずかが槍を横に構え、地面から氷壁を出現させ突進を防いだ。 八頭ノ神龍は連続で頭突きをして突破しようとするのをすずかは氷壁を維持して堪えた。

 

「一気に決めるぞ!」

 

『おおっ!』

 

俺の掛け声に応答し、八頭ノ神龍を取り囲み一世に攻撃をした。 全体に圧力をかけ、八頭ノ神龍は痛みで咆哮を上げる。

 

「今だ!」

 

「九頭龍・川崩れ!!」

 

間髪入れず3本の短刀を投擲、長刀を振って収束した魔力を飛ばし。 短刀に上乗せすると同時に短刀のカートリッジを炸裂……九頭の龍が八頭ノ神龍に襲いかかった。 八頭ノ神龍は一頭ずつ対処するが、頭一つ足りず、一頭が神龍の空いた胴体に直撃した。

 

「八が九に勝てるかよ」

 

「姉さん!」

 

「行っくよー!」

 

合図で飛び上がり、自分の周りに無数の水の小太刀を創り出した。

 

「ほらほらほら!」

 

ソウルデヴァイスの小太刀を放り投げて水の小太刀を掴んでは投げ、掴んでは投げを一瞬の間に何十回も行い、刃の雨が八頭ノ神龍に降り注ぐ。

 

「あれは……ソウルデヴァイスの力を極限まで引き出した時に発動できる……X(クロス)ドライヴ……そして、そこから放たれるX(クロス)ストライク……」

 

コウは驚きと少し関心混じりで戦闘を眺める。

 

「援護します! はあああ……せいっ! やっ! はっ!!」

 

その隙を狙ってソラが超スピードによって生み出した分身で流れるような連打を繰り出して離脱……そして、着地した姉さんは落ちて来た小太刀を掴み……

 

水華(すいか)……千瀑破(せんばくは)!!」

 

刹那の間に神龍を小太刀を振り抜いた状態で通り過ぎ……1秒後、八頭ノ神龍から無数の斬撃が飛び散り、首の1つが地に落ちた。 八頭ノ神龍は消えはしなかったものの、倒れ伏した。

 

『イエーイッ!』

 

姉さんとアリシアはハイタッチし、勝利を喜び合うが……自分の命が関わっていたのに呑気なものだな。 ま、姉さんらしいといえば姉さんらしいが。

 

「これで、終わりなのかな……?」

 

「どうだろう? まだ首が7つあるし……」

 

「気は抜けないね」

 

ソラは目が閉じている残りの首を見て、改めて緊張を表す。 サーシャも半月刀を持ちながら同意し、すずかも頷いた。 すると……切れた首の傷口から神龍の顔が出てくるように再生し、一瞬で八頭ノ神龍が復活した。

 

「っ!」

 

「やっぱり……!」

 

「姉さん達! 浮かれてないで構えて!」

 

『ーーその必要はない』

 

突然、戦い始めてから今まで口を開かなかった八頭ノ神龍が喋った。 しかも自ら始めた戦いを止めたのだ。

 

「え……」

 

「いったいどういう……」

 

『我は先ほどの者とは違う者だ。 我らはそれぞれ人格を持っているがその中で最も強い一体が主人格となり、残りは眠ったままだ。 我は2番目に強い者なり。 主らが先の首を落としたおかげで出てこられた』

 

「そ、そんな事が……」

 

「え、えとえと……それで、あなたはその……美由希さんを……」

 

サーシャが恐る恐る、姉さんを狙っているか聞いてみると。 神龍は首を横に振った。

 

『先の首は傲慢であった。 確かにその者の魂を手放すのはとても惜しいが……その者の力が覚醒した以上、我の手に余る。 それに現世に出て厄災を振り撒く気もない』

 

八頭ノ神龍は16の眼でコウ達を見下ろし……

 

『次こそは主らに滅せられるだろう』

 

唇を釣り上げるように笑って言った。

 

「あ、あはは……」

 

「ま、否定できねぇな」

 

そう指摘されてソラは苦笑いし、コウは納得する。 何はともあれ、これで異変は解決したと考えてもいいだろう。

 

『さて……せめてもの詫びだ。 受け取るといい』

 

姉さんの目の前に青と黄色光が集まり始め……1つの2色が交わっている、青と黄色の太極図のような宝石が精製された。

 

『霊と鋼の力を秘めた守護石だ。 そなたに加護があらん事をーー』

 

それを皮切りに、白い光が溢れ出し……異界が収束していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異界が収束し、現実世界に帰還した。 立ち上がると、そこは風芽丘だったが……すでに雨が上がっていて上は星空がよく見える。 緊迫していた空気が終わり、それぞれ息を大きくはいたりその場に座ったりして緊張を解いた。

 

「ふう……戻って来たね」

 

「うん、そうだね」

 

アリシアは伸びをして、フェイトは夜空を見上げながら緊張をほぐした。 俺は丘に大の字で寝そべっている姉さんの元に行った。

 

「姉さん、怪我はない?」

 

「ううん、ぜーんぜん。 むしろ体力気力がスッカラカンだよ……」

 

姉さんは脱力するように息をはき、夜空を見上げる。 そんな姉さんの隣に腰を下ろした。

 

「……レンヤ。 レンヤは子どもの頃からこんな大変な事を続けていたんだね」

 

「今回のは異例だよ。 いつもはもっと安定している」

 

「そっか……」

 

喋るのも億劫なのか、それ以降黙ってしまった。 それからなのは達が到着し、今回の異変の概要を説明した。 ロストロギアが間接的に関わっていたとしても、放っておいたらかなりの大事件になっていただろう。 その後、なのは達が到着した。 先ほどまでの状況を詳細を説明したら……

 

「え!? お姉ちゃんが……適格者で、戦ったの!?」

 

「ああ、さすがに俺も驚いたよ。 姉さんはどうやってソウルデヴァイスを出現させたんだ?」

 

「あ、うん、それはねー……あれ? どうやったんだっけ?」

 

「無我夢中だったのかしら?」

 

「うーん、そうかも。 いきなり出て来たような感じだったし……」

 

「そうですね。 私の時もそんな感じでした」

 

「コウもそうだったの?」

 

「いや、俺はちょっとばかしレムに手助けしてもらったんだ」

 

……ホント、何がしたいんだろうな。 傍観者と言っておきながら助けてくれるし。

 

「そうなんだ……私とアリサちゃんもソウルデヴァイスじゃないけど、魔法、異界と関わるきっかけをくれたのはレムちゃんなんだ」

 

「へえ、意外な共通点やなあ」

 

「レム? レム、レム、レム……ん〜〜?」

 

「姉さん、どうかした?」

 

「もしかして美由希もーー」

 

「ーー分かんないや!」

 

悩んだ末に笑顔で言い、思わず俺達はズッコケてしまう。 人を期待させておいて……

 

「さて、そろそろ帰るとしよか。 後片付けやロストロギアの運送や、やる事はまだまだ残っとるし」

 

「そうだな……それでは機動六課、帰投準備!」

 

『了解!』

 

指示を出し、シグナム達が持って来てくれた車に乗り込みコテージに向かった。 到着すると、フォワード達に指示を出して使用したコテージの後片付けと清掃をしている中、姉さんとエイミィさんが無事を確かめながら抱き合っていた。

 

「本当に仲良いね。 2人共」

 

「ああ、それにかなり心配していたみたいだし。 そういえば、風芽丘に来るのに時間がかかってたけど……何かあったのか?」

 

「ええ、ティアナとスバルが神龍との戦闘で負傷してしまったのよ。 シャマルに治療をしてもらったんだけど……全員バラバラの場所だったから時間がかかっちゃったの」

 

なるほど、道理でティアナの表情が思わしくなかったのか。 落ち込んでいないといいが……その後、姉さんはどこかに向かい。 エイミィさんはフェイトと話していた。

 

「そっか、もう帰っちゃうんだね」

 

「一晩だけでも……ってわけにもいかないんだよな?」

 

「ごめんね……エイミィ、アルフ」

 

「今度は休暇の時に、遊びに来るよ」

 

なのはとフェイトは、早く別れることを残念に思いながらも再開を約束をしていた。

 

「パパ、怪我してなーい? 痛いとこなーい?」

 

「大丈夫だよヴィヴィオ。 心配させたな」

 

「えへへ……」

 

心配してくれたヴィヴィオの頭を撫で、ヴィヴィオは気持ちよさそうに笑った。 その後ヴィヴィオをすずかに預け、一度外に出た。

 

「ってわけで、これからそっちにシグナムが届けるから」

 

外では、はやては空間ディスプレイを開いて、依頼人であるカリムに報告していた。

 

『ありがとう、はやて。 今回の早期解決は、部隊にとっては順調な成績よ』

 

『騎士シグナム、途中まで私が向かえに行きますね』

 

「はい、ありがとうございます。 騎士シャッハ」

 

すると、カリムの視線がはやてに向いて……

 

『でも、いいの? 少しくらい休んで、会ってきていいのよ?』

 

カリムが遠回しに言っているのは、この地に眠るはやての両親のことであろう。 しかしはやては。カリムの言葉に静かに首を振った。

 

「私の帰る場所は……機動六課や。 地球……ここには、何時でも来れる……せやから、大丈夫や」

 

『そう……』

 

はやての言葉に、カリムは微笑んでいた。 フェイトがメールを確認していると……本局の捜査部からメールが届いていた。 どうやらスカリエッティの件らしいな。 報告書を作成しながら湖畔付近を歩いていると……姉さんとコウ達が湖の側にいた。 姉さんとコウはメイフォンーーコウのはサイフォンだがーーを取り出して何かしていた。

 

「これで……よし」

 

ピロンピロン♪

 

「お、きたきた。 これが?」

 

「ああ、ソウルデヴァイスの保存と展開を司るアプリだ。 機種が違うから出来ねえと思ったが……上手くいったようだな」

 

「姉さん、コウ、何してるんだ?」

 

「あ、レンヤ。 ちょっとソウルデヴァイスを使えるアプリをもらったんだぁ」

 

「ソウルデヴァイスを……アプリで? どう言う原理だ?」

 

「あー、そこはネメシスに……アスカにでも聞いてくれ。 それとこいつも」

 

ポケットから財布を取り出すと、1つの名刺を姉さんに渡した。 名刺には鍛冶金物《倶々楽屋》 と書かれていた。 どうやら東亰の杜宮にある店のようだな。

 

「そこでソウルデヴァイスの強化が出来ます。 話は通しておきますので、暇があったら来てみてください」

 

「へえ〜……ありがとね」

 

姉さんはまじまじと名刺を見つめた後、財布にしまった。

 

「……姉さん。 姉さんはこれからどうする気?」

 

「え……」

 

「姉さんは“力”を手に入れてしまった。 その力を一体どうするつもり? 護身用として放置して、今まで通りの生活を送る? コウ達の元に行って異界に関する……裏の世界に入るつもり?」

 

これは真面目な話だ。 姉さんなら力の使い方を見誤らないとは思うが……聞いておきたかった。

 

「……決まってるよ。 この力は誰かを助けるために……そして、レンヤとなのは、皆を手助けするために使いたい」

 

「姉さん……それって……」

 

「ーーじゃ、私は用事が出来たから先に帰るね!」

 

その意味を聞く前に……目の前から消えてしまい。 姉さんはいつの間にか車のまで移動した。

 

「えっ!?」

 

「いつの間に!」

 

「神速!? 逃げるために御神の奥義を使うな!」

 

「車は返しておくから、エイミィに先に帰るって言っておいてねー!」

 

返事も待たず車に乗り込み、姉さんはこの場から去って行った。

 

「あ、あはは……美由希さん、あんな事があった後なのにすごい明るいですね」

 

「はあ……まあそれが姉さんだからな。 いつだって変わらない、俺となのはの姉だ」

 

「一人っ子には分かんねえが……羨ましいな、そう言うの」

 

その後、なのは達と清掃を終えたフォワード達が帰投準備が整い。 俺達はエイミィさん達とコウ達に別れを告げて、地球を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、機動六課、部隊長オフィスーー

 

「やっほー、来ちゃった♪」

 

正午、昨日と今日で溜まった2日分の雑務業務を終わらせ。 いざ昼食を済ませようとした時はやてに呼ばれ。 オフィスに向かうと……そこには、側にキャリーバッグを置いている姉さん……高町 美由希がいた。

 

「……いや、来ちゃったじゃないよ」

 

軽く頭痛がして額を押さえる。 昨日、ソウルデヴァイスの使い道を考えさせたが……昨日今日でここに来るなんて。 フットワーク軽過ぎだろ……

 

「父さんと母さんには説明したんだよね?」

 

「もちろん、2人共喜んで許可してくれたよ。 それでリンディさんに事情を説明して、クロノ君の責任の元、民間協力者として機動六課に参加するよ。 よろしく〜」

 

姉さんはとてもいい笑顔でピースする。 視線を逸らし、デスクに座って手を組んで口元を隠している、少しうつむき気味のはやてを見た。

 

「……クロノ君はもちろんの事、カリムからの推薦もあってな。 断る事が出来なかったんよ。 しかも管理局は適格者の取り扱いは当然初めて……そういう意味で六課は一応実験部隊やし、今後もし他の適格者が現れると想定してどうしてもデータを取りたいと上層部も……」

 

「へぇ……世界は違っても公務員だし。 やっぱり大変なんだね、そういうの」

 

「誰のせいだと思ってるんだよ……!」

 

思いっきり怒鳴りそうだったが、怒りを拳を握り締め構えて抑え。 静かに怒鳴った。 と、その時ドアがノックされ……

 

「ーー失礼する。 捜査方針の確認をしに来た」

 

ティーダさんが入って来た。 捜査方針というと……スカリエッティの件か。 そういえばゼストさん達と一緒に担当してたな。

 

「あ、分かりました。 今フェイト隊長を呼びますんでお待ちください」

 

「……………………」

 

「? 姉さん?」

 

姉さんがティーダさんを見つめ固まっている。

 

パキューン……!

 

「ストライク!」

 

「……はい?」

 

……なんか幻聴と錯覚で姉さんの心臓が撃たれた気がし、姉さんは目を輝かせてグッと親指を立てている。

 

「あー、あなたは?」

 

「は、はい! 今日から機動六課に民間協力者として配属される事になりました高町 美由希、27歳です!」

 

……背筋を張って自己紹介してるし。 ほらティーダさんも困惑してる、姉さんらしくないというか……あ、そういえば姉さんとティーダさん、同い年だ。

 

「あ、ああ……ティーダ・ランスターだ。 ん? 高町……もしかして、高町 なのはの?」

 

「姉です! そういうあなたは、もしかしてティアナちゃんの?」

 

「はは、高町は羨ましいな、素直で可愛い妹がいて。 ウチのはツンケンしてるからな」

 

「いえいえ、むしろあれくらいが一番可愛いですよ。 なのはは優秀過ぎて姉の威厳が丸潰れになりますから」

 

「なるほど、確かにな」

 

2人だけで会話が盛り上がり、俺は呆然としていた。 はやては姉さんの表情を見て、納得し。 面白そうにニヤニヤ笑いながら2人を見守るのだった。

 

 




レム「本来紡がれるはずのない因果が紡がれるなんて」

別訳
レム「この作品であなたの出番はもうないのに、まさか今後も続けて出て来るなんて」

美由希「酷い!」

※どのSSを見ても美由希さんが活躍するあんまり作品がなかったなぁー、と思い。 思い切って適格者にしちゃいました♪

ちなみに、ティーダさんと美由希さんの年齢は原作のプロフィールを見て……

ティーダ……正式な年齢は書かれてませんでしたが、ティアナと11歳差らしく。 StrikerS時のティアナが16歳なので27歳。

美由希……無印のプロフィールで17歳。 10年経って27歳。

以外にも同い年でした。

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