魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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127話

 

 

同日、15時ーー

 

俺達はVII組に協力の要請をするため、他の下級生に話が聞かれない第3学年VII組の教室で事情を説明していた。

 

「ーーなるほど。 そんなことになっていたとはな」

 

「うーん、最近失踪者が続出しているって言う噂があるのは知っていたけど……」

 

「こっちも情報は掴んでいたけど、完全に出遅れちゃったな」

 

「しかもよりによってあの教団が出てくるなんて……」

 

説明を終えると、各自はことの重大さを実感していた。

 

「それにしても、まさか教団がフェノールを隠れ蓑にしとったとはなぁ……計算高いカクラフ会長にしては少し違和感を感じる気もするんやけど」

 

「確かに、あの教団を匿ったりしていると分かったら放っておかない所は多いハズだよ。 管理局はもちろんだけど……聖王教会とか他の組織とかも」

 

「となると……まだ見えていない事情が存在しているのか?」

 

「その可能性はあるけど……でもそれを確認する時間はなさそうだね。 今は手分けして、マフィアと失踪者を追わないと」

 

「おそらくそれが、教団の正体を炙り出すことにも繋がりますね」

 

「え、てことは……」

 

「協力してくれるの……?」

 

すずかがおずおずと聞いてみると、全員強く頷いてくれた。

 

「うん、もちろんだよ!」

 

「市民から失踪者が出ている時点でもう無関係ではいられないからね」

 

「それに薬物被害もなぁ」

 

「……助かる。 どうかよろしくお願いするよ」

 

「うん、こちらこそ。 そうと決まれば、役割分担を決めないといけないね」

 

「今日中に目ぼしい場所は回れるようにしておきたいな」

 

「そうだね……とりあえずあたりを念威で探ってみるよ」

 

そうと決まれば皆はさっそく行動を開始し、あっという間に教室から消えて行った。 そして残った俺達4人だが……これ以上目立つ訳にもいかないので一旦寮に戻ることにした。

 

「ただいまー」

 

「あ、帰ってきた! おかえりー!」

 

帰宅と同時にまたヴィヴィオがタックルしてきて、それを甘んじて受け止めた。 ふと、ヴィヴィオから視線を上げると……そこにはクロノがいた。

 

「やあ、お邪魔してるよ」

 

「珍しいね、ここにいるなんて」

 

「ちょっと事情ができてね。しばらくの間ユノを預かってくれないか?」

 

「ユノちゃんを?」

 

視線をクロノの足元に移すと、ユノが床に座ってアタックと遊んでいた。 クロノはソファーから立つと俺達を部屋の隅に寄らせ、事情を説明してくれた。

 

「……今、管理局はフェノールや薬物の一件で不安定になっているんだ。 父さんと母さんはこの件で家にいられないし、ユノの安全を考えると本局の住宅区に1人で居させるのは少々危険だと思ってここに来たんだ。 ここなら安心してユノを任せられる」

 

「えっと、私達は常にここにいることは出来ないんだけど……」

 

「ファリンもそこそこ強いし、なのはちゃん達もいるから下手な護衛より安心できるよ」

 

「……上層部も信用出来ない以上、どこに内通者がいるか分からないからな。 クラウディアのクルーは大丈夫か?」

 

「ああ、全員信用出来る部下だ、問題ない。 ーーそれじゃあ、僕はこれで……ユノをよろしく頼む」

 

「ええ、請け負ったわ」

 

クロノはそれだけを言い残して寮を後にした。 ユノはヴィヴィオと一緒にヴィヴィオの部屋に遊ぶ事になり、それにアタックが付いて行った。 そして残った俺達は……

 

『………………………』

 

静かに食堂の席に座っていた。 自分のメイフォンを目の前に起き、今日来る予定のはずの連絡を待っていた。

 

「ああもう! 遅い、遅すぎるよ! あの先生、午後には連絡をくれるんじゃなかったの⁉︎」

 

痺れを切らしたアリシアが怒鳴るように叫んだ。 そう、昨日ホアキン先生に依頼したネクターの成分調査、その結果が今日の午後に来るはずなのだが……3時のおやつ時を過ぎても先生からの連絡はなかったのだ。 ちなみにその3時なので、自分で作った菓子を皆で食べて待っていたりする。

 

「医療院の受付に連絡したら、どうやら研究室に閉じこもって熱心に調べているらしいけど……」

 

「薬の成分の解析に手こずっているのかもしれないよ……もしくはサボって釣りをしている、とか?」

 

「さ、さすがにそれは無いと思うけど……」

 

「それでしたら、もう自分から行った方が早いのでは?」

 

紅茶のお代わりを受け取りながら、ファリンがそう提案してきた。 アリサは紅茶を一口飲みながら、それはいいと頷いた。

 

「ふう……そうね、被害者が出ている以上、薬の成分は確かめておきたいわ」

 

「私の方でもそれなりに調べたけど……ついでだったし、1割も分からなかったなからぁ」

 

「とりあえず、行くだけ行ってみよう」

 

ホアキン先生に進展を聞くために聖王医療院に向かった。 その途中、ミッドチルダ北部から郊外へ向かうバスの停留所に人が多めに立っていた。

 

「あれ……結構並んでいるな?」

 

「この時間にしては珍しいわね」

 

「……おかしいよ。 確か5分前に前の便が出たはずだけど……」

 

「そうなのか?」

 

「ふーん……」

 

アリシアは車を降りて、近くの男性に話しかけた。

 

「すみません、もしかしてバスが遅れているんですか?」

 

「ん? ああ、そうみたいだ。 俺も20分くらい前から待っているんだが、中々来なくってさ。 参ったな……面会時間を過ぎちまうよ」

 

「そっか……ありがとね」

 

アリシアは男性にお礼を言って戻って来た。

 

「やっぱり遅れているみたい」

 

「何かトラブルでもあったのかしら?」

 

「なら、とりあえず私達が行って確かめればーー」

 

ピリリリリリリリ♪

 

その時、また唐突にメイフォンが着信した。 どうやらゼストさんからのようだ。

 

「はい、異界対策課、神崎 蓮也です」

 

『ゼストだ。 そちらの状況はどうだ』

 

「はい。 VII組の協力は無事、取り付ける事ができました」

 

俺はゼストさんにVII組の全員がマフィアと行方不明者達の捜索を引き受けてくれた事を説明した。

 

『そうか……レンヤのクラスメイトだ。 何らかの成果は期待できるだろう。 こちらはようやく、マフィアの姿が消えた事実に上が騒ぎ始めたところだ。 だが、まともに動けるにはもう少し時間がかかるかもしれん』

 

「了解しました。 そういえば……空港の件はどうなりましたか?」

 

『そちらは完全にガセだった可能性が高いな。 サーチャーで空港内をくまなく調べたが、何も出てこなかった』

 

「やはりマフィアの動向と何らかの関係が……?」

 

『今、その線も探っている。 お前達も今は捜索を続けているのか?』

 

「いえ、実はこれから聖王医療院に向かうところです。 成分調査の連絡が遅れているので直接訪ねてみようかと」

 

『ふう……そういう時はもっと正確に時間を決めておけ』

 

「す、すみません」

 

確かに大雑把過ぎたか……

 

『薬の成分が判明すればこちらも上を動かしやすくなる。 その担当した医師には期待したいところだが………そういえば、何という名前の医師なんだ?』

 

「はい、ホアキン・ムルシエラゴと言って神経科と薬学担当の准教授です。 30台半ばくらいですけど、かなり有能という評価ですね」

 

『ふむ、それなら期待はできそうだな………む?』

 

突然、何か引っかかる事があるのか、ゼストさんが怪訝そうな声を出した。

 

「? どうかしましたか?」

 

『今、ホアキン・ムルシエラゴと言ったか? それは眼鏡をかけた飄々とした感じの男か?』

 

「ええ、そうですが……面識があったのですか?」

 

そう聞いてみるが、考え込んでいるのかゼストさんは黙ってしまった。

 

「あの、ゼストさん……?」

 

『……会ったのは2ヶ月ほど前のことだ。 新立会の時ミゼット議長を観察しようとした犯人ーーエリン元秘書の取調べをしている最中にな』

 

「え」

 

『すでに聞いているとは思うが、エリンは完全に錯乱していた。 そこで仕方なく、彼女が以前から相談していたというカウンセラーを聖王医療院から呼び寄せたんだ。 それでようやく、まともに事情聴取が出来るようになったのだが……』

 

「まさか、ホアキン先生がエリンの……主治医だったのですか?」

 

『ああ、その時はさすが聖王医療院の医師だと感心していたが……」

 

お互い黙ってしまう。

 

「……分かりました。 本人にそれとなく当たってみます」

 

『ああ、頼んだぞ。 また連絡する』

 

そこで通信が切れたが……俺はしばらくメイフォンを耳に当てたもまま放心気味になり。 その後ゆっくり耳から離した。

 

「どうかしたの? 妙な話をしていたみたいだったけど……」

 

「ミゼット議長の元秘書の方とホアキン先生が何か関係してたの?」

 

「ああ……」

 

俺はゼストさんからの情報をアリサ達に伝えた。

 

「それは……」

 

「……考えてみれば、あの時のエリンの態度と異常な馬鹿力はどう考えても……」

 

「鉱員のクイラさんのケースと似ているね。 しかもその主治医だった人がホアキン先生というのは……」

 

あらぬ疑いかもしれないが……前例があるのなら何故昨日の時点で言わなかったのか。 2ヶ月とはいえ、そうやすやすと忘れられる事件でもなかったし、主治医ならなおさら……

 

「ちょっと待ってなさい。 医療院の受付に確認をとってみる。 ホアキン先生が今医療院にいるか確認してみるわ」

 

「ああ、頼む……」

 

アリサが確認するようにメイフォンを操作してから耳を当て、しばらく待ったが……

 

「…………………駄目、出ないわ。 話し中というわけでも無さそだけど……」

 

この状況を証明するように医療院から応答はなかった。

 

「ーー遅れているバスに連絡の付かない医療院……そして新たに判った関係かあ……」

 

「……さすがにちょっと出来過ぎているかも」

 

「そうだな……じきに日も暮れる。 急いで聖王医療院に向かおう。 急いで自体を把握しないと」

 

「ええ……!」

 

「ちょっ⁉︎ まだ私が乗ってないよ!」

 

アリシアが乗り込むと同時に車を発進させ、医療院に向かった走った。

 

「あれは……!」

 

その道中、道路脇にバスが停めてあった。 おそらくクラナガンと医療院を往復して運行するバス……先ほどの停留所に来るはずだったバスだろう。 俺達は車から降りて、バスに近寄った。

 

「どうしてこんな場所を停車を……しかも誰も乗っていない?」

 

「そうみたいだね……それに、この辺りにそれらしき人影もないし」

 

アリシアがサーチャーで付近を調べるが、結果は出なかった。

 

「……マフラーが少し温かい……もうかなり時間が経っているよ」

 

「それに乗客や運転手はどこに……? 襲われた雰囲気でもなさそうだし……」

 

「ああ……ちゃんと路肩に停車している。 運転手が自分の意志でこちら側に寄せて停車したんだろう。 もしくは停車せざるを得ない何らかの事態が起きたのか……このまま中も調べててみよう」

 

「ええ……」

 

バスの中に入り、車内を見渡した。 やはり人はいなく、座席には花や果物といった見舞いの品がそのまま放置されていた。

 

「……どうやら医療院に向かう途中だったみたいだな」

 

「ぬいぐるみ……子どもの患者へのお見舞いかな……?」

 

「うん……そうだろうね」

 

異常事態が発生したのは間違いない。 一度この事を伝えるために異界対策課にいたソエルに連絡した。

 

「ああ、ああ………分かった。 連絡はそっちに任せる。 こっちはこのまま医療院に向かう。 ーーわかってる。 十分気を付ける」

 

通信を切り、皆の方を向いた。

 

「ソエルちゃんは何て?」

 

「とりあえず陸士108部隊に連絡してくれるようだ。 ゲンヤさんに協力を要請してみるらしい」

 

「そう……助かったわ」

 

「ゲンヤさんなら絶対に力になってくれるからね」

 

「とりあえず私達はこのまま医療院に向かう……?」

 

「ああ、医療院はもうすぐだし、ひょっとしたら乗客が歩いて医療院に向かった可能性もある」

 

「ま、お見舞いの品を置いている時点でただ事じゃなさそうだけど……」

 

「とにかく急ぐわよ。 このままだと日が落ちるわ」

 

「了解だよ」

 

急いで聖王医療院に向かったが、到着する頃には日が落ちて夜になってしまった。 正面の門はすでに閉じており、医療院の中は屋外にある照明はついているが……建物の明かりは点灯してなかった。

 

「日が落ちてしまったわね……でも、これは……」

 

「外の照明はともかく建物の明かりは が点いてない。 どう考えも様子がおかしいよ」

 

「それに、まだ夜も早いのに正門が閉じられている。 警備員の人はどこに……」

 

「とにかく、中の様子を確認してーー」

 

グルルルル……

 

その時、背後から唸り声が聞こえてきた。 そして後ろから数体のアーミーハウンドが現れた。

 

「こいつらは……⁉︎」

 

「マフィアのグリード……!」

 

「っ……気配はなかったのに⁉︎」

 

「! 後ろからもくるよ!」

 

すずかの声と同時に正門が開けられ、失踪していたフェノールの構成員2人が出てきた。 アーミーハウンドと合わせて前後に挟み撃ちされた。

 

「あんた達は……!」

 

「姿が見えないと思ったらこんな場所に……⁉︎」

 

「あなた達……一体何をしているの!」

 

質問するが、マフィア2人は無反応で……問答無用で武器を構えた。

 

「くっ……」

 

「何なの、この人達……?」

 

「来るわよ!」

 

マフィア2人はあり得ない身体能力で、だが何の考えもないかのように真っ直ぐに突っ込んできた。

 

「ぐっ、何て力だ……!」

 

「まさか……この人達もうネクターを……⁉︎」

 

攻撃を受け止め、異常な力に驚く。 だが驚いている暇もなく後ろからアーミーハウンドが牙を向いて飛びかかって来た。 すぐに男から離れ、アーミーハウンドから避けると同時に顔に蹴りを入れて蹴り飛ばした。

 

「うわ! グリードも強くなっているよ⁉︎」

 

「こんなの……一組織で出来る事じゃ……」

 

「確かに厄介だな。だがーー」

 

いくら攻撃力が上がろうと、素早くなろうも。 動きが以前と似ていて単調ならーー

 

「はあっ!」

 

またあり得ない速度で直進して来たマフィアの男2人だが……攻撃を避け、納刀した刀の鞘で両腕と両足、そして鳩尾を一瞬で突いた。 すると2人はデバイスを手放し、膝をつかせて無力化した。 いくら頑丈になって、痛みに強くなっても……隙だらけなら意味はない。

 

「行くよ……」

 

《ネイルフォーム》

 

「やあっ!」

 

すずかはスノーホワイトを槍から両手に爪のあるグローブに変形させ、爪を振り下ろしてきたアーミーハウンドに胴を斬り裂いた。

 

「捕らえる!」

 

アリサが残りのアーミーハウンドを纏めてチェーンバインドで拘束し、一か所に集め……

 

《アステロイドインパクト》

 

「行っけぇ!」

 

アリシアがその周りにいくつもの魔力球を浮かばせ、アリシアが指を鳴らした瞬間、爆発した。 アーミーハウンドは大きなダメージを負ったが、まだ健在していた。

 

「すずか!」

 

「うん!」

 

《アイシクルクロウ》

 

すずかがネイルフォームの爪に氷を纏わせ、爪の長さを延長させ。 両手を内側に向けて交差するように爪を振り下ろし、アーミーハウンドをまとめて斬り裂いた。

 

「全く……以前とは比べ物にならないわね」

 

「やっぱり例の薬で身体能力を強化してみるみたいだな……グリードの方も同じだろ」

 

「それにしても……この人達一体どうしたんだろう? 一言も喋らないで黙々と襲ってきて……」

 

「薬の副作用かもしれないよ。 感情が希薄になっているのかも……」

 

「……ゥルルル……」

 

その時、蹲っていたマフィア達が突然獣のような唸り声を上げたと思ったら……紫色のオーラのようなものを放ちながら立ち上がった。

 

「こいつら……!」

 

「嘘でしょ……完全に無力化したはずなのに⁉︎」

 

「これが、ネクターの力……!」

 

「くっ、すぐに気絶させるわよ!」

 

また制圧しようとアリサが剣を構え直した時……

 

「! この気配はーー」

 

「ーー失礼しますよ」

 

横から気配を感じた瞬間、飄々とした声が同じ方向から聞こえてくると……2個の紋様が刻まれた石が飛んできて、マフィア達に直撃した。 マフィア達は鈍い声を上げるとオーラが消え、そのまま倒れ伏した。

 

「今のは……!」

 

空白(イグニド)ーー殺したのか⁉︎」

 

今の攻撃には見覚えがあり、その人物の名を呼ぶと……またどこからともなく黒い帽子を目深く被った黒いスーツの男ーー空白が現れた。

 

「ふふ、脈絡を叩いて気絶させただけです。 いくら身体を強化したとしてもしばらく寝ているでしょう」

 

「そうか……」

 

「しっかし、相変わらず神出鬼没だね……フェノールの動向を探ってここに来たって所?」

 

「ある方の依頼でしてね。 しかし思っていた以上に厄介な事になっているようですね。 ネクター……噂としか思っていませんでしたが」

 

すでにそこまでの情報は入手しているようだな。

 

「どうしてその名前を……」

 

「貴方……一体どこまで知っているのかしら?」

 

「ふふ……あなた達が掴んでいる程度です。 フェノールの失踪と、D∵G教団の存在……それ以上のことは何も」

 

「そうか……」

 

それを聞いてからようやく警戒しつつも武器を納めた。 だがこのままだとお互い、無駄に睨み合うだけだ……

 

「ーーそっちの目的はどうあれ、今は緊急事態だ。 おそらく医療院内はマフィアで占拠されている可能性も高い。 一刻も早く医療院関係者の安全を確認しないといけない。 だから空白ーーこの場は協力してくれないか?」

 

俺の発言にアリサ達はおろか空白自身も驚きを表した。

 

「ええっ……⁉︎」

 

「ちょっと、レンヤ……」

 

「ふふ……何を言い出すかと思えば。 あなた達は本来、取り締まるべき犯罪者の力を必要とするということですか?」

 

「言っただろ、緊急事態だって。 それに、お前はお前で真実を知りたいようだし。 だったら医療院関係者を助けて話を聞くメリットはあるだろう?」

 

「ふふ……あくまで対等な協力関係ということですか。 ーー分かりました。 その誘いに乗らせてもらいましょう。 あなた達と一緒なら安全かつ、楽に事が運びそうです」

 

「ああ、存分にこき使ってやるよ」

 

軽く空白と売り言葉に買い言葉の応酬をし、提案の了承を確認した。

 

「まったくもう……思い切りがいいというか」

 

「こういう時のレンヤ君って大胆過ぎるよね……」

 

「まあ、グダグダ言っている場合でもないのは確かだし。 それじゃあ、さっそく、医療院内の探索を始める?」

 

「ああ、とにかく医療院関係者の安全を確認していこう。 その時話を聞ければ何が起きたか分かるはずだ」

 

「ええ……!」

 

「了解だよ」

 

「ふふ……それでは行きましょうか」

 

空白が加わったメンバーで、この自体を確認すべく医療院内に入って行った。

 


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