魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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11話

 

 

初登校日、空は雲ひとつない快晴!

 

絶好の登校日よりです!

 

「それじゃあなのは、先に行ってくるな」

 

「うん!同じクラスになるといいね!」

 

ランドセルにラーグとソエルを括り付けて背負い。

 

「行ってきます!」

 

「行ってらっしゃい!」

 

「行ってこい」

 

「ふふ、行ってらっしゃい」

 

「頑張ってきなさい」

 

みんなに見送られて、聖祥に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが職員室……だな」

 

聖祥に着き、職員室の前に来ていた。

 

深呼吸をしてドアをノックした。

 

「失礼します、今日聖祥に編入してきました神崎 蓮也です」

 

一斉にこちらに向き、その後担任と思われる女性が来た。

 

「えっとあなたが…神崎 蓮也君?」

 

「はい、これでもれっきとした男です」

 

「あっ、あーごめんね少し混乱しちゃった。コホン、あなたが行くクラスの担任を務めさせてもらっています、穂高ですどうかよろしく」

 

「よろしくお願いします」

 

それから簡単な説明を受けて、今は先生に続き教室に向かっている。

 

「後で呼ぶから廊下で待っていてね」

 

「はい」

 

少し暇になったな。

 

「みなさん、おはようございます!」

 

「「「「おはようございます!」」」」

 

「今日はみなさんにお知らせがあります、このクラスに編入生がやって来ます!」

 

先生の言葉に周りがざわつく。

 

「先生!男ですか女ですか!」

 

「それは自分で確かめてください、それでは入ってきてください」

 

呼ばれたので扉を開けて教室に入る。視線が…刺さる…、教卓の前に立ち。

 

「この聖祥に編入してきました、神崎 蓮也です。どうかよろしくお願いします」

 

言い終え一礼、…………返事がないただの屍のようだ。

 

ただ小声で隣の人と会話している。

 

「えっ男子?女子?」

 

「かわいい〜〜」

 

「一応男子なんだろう」

 

「いや男装女子だ」

 

言いたい放題である。

 

「コホン、こう見えても男子です。できればみなさんと仲良く………」

 

「「「「「ええええええええええ!」」」」」

 

ぎゃああ、耳が耳が!

 

「全然見えない!」

 

「負けた……」

 

「そうなのか」

 

「ありじゃないか?」

 

最後の人?ないから。

 

教室を見渡すとなのは、すずか、アリサがいた。

 

「神崎君の席は高町さんの隣ね」

 

「はい、わかりました」

 

席まで行き、座る。

 

「今朝ぶりだな、なのは」

 

「うん、一緒のクラスになれて嬉しいの!」

 

「俺もだ」

 

「それじゃあ、この時間は質問タイムにしましょう」

 

それでいいのか名門。

 

それから質問攻めにあった、ほとんどが見た目についてだったが。

 

「高町さんとはどう言う関係なの?」

 

「俺はなのはの家に住んでいるからな」

 

「えっ」

 

あれ?これ言っちゃまずかった?

 

「えっと…神崎君の親は?」

 

「俺が赤ん坊の時に捨てられたよ」

 

場の空気が固まった。

 

「ん?どうかしたか」

 

「あんたはもっとよく考えてからしゃべりなさい!」

 

痛った、アリサに打たれた。

 

「あっそっか、大丈夫だよ今の両親にも良くしてもらっている、ここにも通わせてくれて感謝している」

 

それでみんなは納得してくれた、無言で肩を叩かれもした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在はお昼、3人がいつもいると言う屋上にいた。

 

「全く、なんであんなことを言うのかしら」

 

「いや〜面目ない」

 

「でもそんな素直なのが、レンヤ君なんだから」

 

4人で集まり昼食を食べていた。

 

「いい場所だなここは眺めもいいし、いつもここで食べているのか?」

 

「うん、だいたいいつもここだよ」

 

おしゃべりをしながら、ごはんを食べた。

 

予鈴が鳴り、教室に戻ろうとした。

 

「アリサ、すずか」

 

「なによ」

 

「これを、ラーグから渡すように」

 

渡したのは俺が持っているのと同じ、銀のペンダントだ。

 

「魔力を周りに気付かれないようにする為のものらしい」

 

「これが?」

 

「ああ、これから魔法の練習をする時に役に立つ」

 

「それは助かるよ!周りにばれない様にするの大変だったから」

 

「ありがたくもらっておくわ」

 

それから放課後……

 

「レンヤ君、お姉ちゃんが呼んでいるから私の家に来てくれる?」

 

「すずか、それは」

 

「うん、あの事についてだよ」

 

あの事とは異界関係のことだ。

 

「わかった、なのは先に帰ってくれるか?」

 

「むう、私だけ仲間はずれなの」

 

「ごめん、この埋め合わせはちゃんとするから」

 

「むうぅ、わかったの。絶対だよ!」

 

「ああ、約束だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すずかの家に着き、忍さんと会った。

 

「久しぶりねレンヤ君、制服よく似合っているわよ」

 

「ありがとうございます、それでラーグが頼んでいた物は?」

 

「ええ、出来たわよ」

 

テーブルに置かれたのは、探知機の様な物だった。

 

「異界サーチデヴァイス、半径100mの異界が発生している場所を数値として表す事が出来るわ」

 

「俺が注文した通りのできだ、サンキュー忍」

 

「それはちゃんと作動してから言ってよ、まだ起動テストしてないんだから」

 

「えっしてないの?」

 

「この家に異界があっても困るわよ」

 

逆に言えば、ここの敷地100m以上あるんだ。

 

「なら、地脈付近に行ってみようよ、異界があるかもしれないよ」

 

「それはいいけど……」

 

「もちろん、私たちもついて行くわ!」

 

「足手まといにはならないよ!」

 

「アリサ、すずか…」

 

《お嬢様の実力は前回より確実に上昇しています、私も全力でサポートします》

 

「フレイムアイズ」

 

《あなたはもう、1人では無いのですよ》

 

「スノーホワイト」

 

デバイス達にも説得された。

 

「……わかったよ、むしろこっちからお願いしたいくらいだ」

 

「決まりね」

 

「ふふ、行きましょうか」

 

「それじゃあ行こうぜ、地脈の場所は海鳴温泉!」

 

「いっくよー!モコナ・モドキのドッキドッキ〜ハーフ〜〜!」

 

バサッ!

 

「なっなによこれ!」

 

「ただの転移魔法だよ」

 

「これが…」

 

魔法陣がレンヤたちを包み込み。

 

「ハーーパック!ポーン」

 

レンヤたちを飲み込み、魔法陣の中に入っていった。

 

「……頑張りなさいよ、みんな」

 

忍にはそれしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは…!」

 

「すごい…!」

 

アリサとすずかはこの空間に見惚れた。

 

「ほら手をつないで、バランスが取れないよ」

 

俺は2人に手を伸ばした。

 

「あっありがと///」

 

「ありがとうレンヤ君」

 

するとすぐに出口が見えた。

 

転移が終わると森の中に出た、近くに川も見える。

 

「よっと、お疲れソエル」

 

「ありがとう、レンヤ」

 

落ちてきたソエルを受け止めた。

 

「ここは…どうやらいつも私たちが使っている旅館の近くね」

 

「だったらそこに行ってみよう、異界は人が集まる場所にできやすい」

 

「わかった、こっちだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旅館に着くと早速サーチデヴァイスが反応を示した。

 

「この数値はなんなの?」

 

「ここが100%になる様にするみたい」

 

「よし、探そう」

 

数値が高い場所に行くと大きな石に囲まれた池があった。

 

「ここみたいね」

 

「なにも無いけど」

 

「待って、今からゲートを顕現させる為の電波を出すから」

 

すずかがデヴァイスを操作して電波出した。

 

ファン、ファン、ファン………スーー

 

すると黄色のゲートが現れた。

 

「本当に出たわね」

 

「なんで黄色なんだ」

 

「これはフェイズ1、迷宮のヌシも、エルダーグリードほどの脅威ではない。でもこのまま放っておいたら、エルダーグリードが現れて周りに被害が及ぶ赤いゲート、フェイズ2になっちまう」

 

「なら今のうちに潰しましょう」

 

「よし、行こうか」

 

俺たちはゲートに入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲートの中は前と同じような遺跡だが細部の形状が違っていた。

 

「改めて見るとやっぱり異世界よね」

 

「うん、現実とは思えない」

 

「だけど俺たちがやるしかない、行くぞ!」

 

ソエルとラーグから双剣、双銃をもらい身につける。

 

「フレイムアイズ!」

 

《かしこまりました》

 

「スノーホワイト!」

 

《はい、ロード》

 

「「セ〜トッ!ア〜プッ!」」

 

デバイスを起動させ、バリアジャケットを見に纏う。

 

「準備完了だよ」

 

「そういえば、レンヤは何でデバイスを持っていないのよ」

 

「俺にあうデバイスがないらしい」

 

「でも、大変じゃないの」

 

「最初はそうだったけど、今はそこまで苦でもないよ」

 

「そう……」

 

すずかは少し考え事をする。

 

「ほら、今はデバイスじゃなくて、目の前の迷宮だ」

 

「あっごめん!」

 

俺たちは迷宮に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徘徊する怪異やギミックを攻略しながら奥に進んでいった。

 

「ここが最奥かな」

 

「それにしては、狭いわね」

 

「油断するな、来るぞ!」

 

目の前にいきなり大型の怪異が現れた。

 

「きゃあ!」

 

「オークタイプの亜種だね、Sグリード化してるね。ここのヌシってところだよ」

 

「よし、倒すぞ」

 

「「ええ(うん)!」」

 

大型の怪異と戦いが始まった。

 

「やっ、はあ!」

 

すずかが斬りつけ……

 

「すずか!下がりなさい!」

 

アリサが援護する。

 

「はあああ!」

 

俺は縦横無尽に切りまくり、怪異の体制を崩した。

 

「今だ!アリサ!」

 

「任せてちょうだい!」

 

フレイムアイズのトリガーを引いて剣に炎を纏わせ。

 

「はああああああ!」

 

怪異を斬り裂いた、そのまま一瞬で消えるグリード。

 

「ふう」

 

「やったね、アリサ」

 

「すごいよ!アリサちゃん!」

 

「カッコ良かったよアリサ」

 

「まあまあ上出来だな」

 

「当然よ、私はバニングスよ!」

 

それ、関係ある?

 

「あっ奥にゲートがある」

 

「異界も消える気配がないし、そこから出よう」

 

すぐに異界から脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現実世界に戻ると元の池の側にいた。

 

「戻ってこれたわね」

 

ゲートを見ると黄色から青に変わり消えた、消えた空間には揺らぎが残った。

 

「これは、フェイズ0、ほっといても何の害もない。ただの接点だけが揺らぎとして残る」

 

「てことは、いつでもここに入れるってことだよね」

 

「そうなるな」

 

空を見ると赤く染まりかけていた。

 

「すっかり夕方だ、早く戻ろう」

 

「ソエルちゃん、お願いできる?」

 

「…………………」

 

「ちょっとどうしたのよ」

 

「…いや〜2人以上の転移は初めてで、まだ魔力が回復していないんだ」

 

「どうするんだよ」

 

「ふっふっふ〜忘れていないか、お前たちは魔導士なんだぜ」

 

「ああ、そっか空を飛んでいけばいいんだ」

 

「それならすぐに着くね」

 

「認識阻害は任せとけ」

 

レンヤとすずかは飛行魔法を使って飛んだが。

 

「アリサは飛ばないのか?デバイスに魔法が入っているでしょう」

 

「人が飛べるわけないでしょう!」

 

《お嬢様は常識的に物事を見ていますから》

 

「頭が固いんだね」

 

「うるさ〜〜い!」

 

「しょうがないなぁ」

 

アリサに近づきお姫様だっこした。

 

「キャッ!」

 

「これで我慢してくれよ」

 

「あっありがと///」

 

夕陽のせいか顔が赤い。

 

「………いいなあ、アリサちゃん………」

 

「何か言ったか?すずか」

 

「なっ何でもないよ!」

 

疑問に思いながらも、すずかの家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむふむ、動作も問題なし、誤差も範囲内…うん!これで複製の目処が付いたわ!」

 

「これからもよろしくな、忍」

 

「こちらこそ、ラーグ君」

 

2人は握手をした、なんか凶悪な組み合わせだ。

 

「しっかし、飛行魔法は疲れるなぁ、バカみたいに魔力を使う」

 

「デバイスがないから通常より多くの魔力を消費するからね」

 

「そういえば、私たちの魔力を数値にすると、どれくらいなのよ」

 

「アリサはAA、すずかはAA+、レンヤS+だよ」

 

「それは高い方なの?」

 

「うんすごく高いよ、それにまだ伸びしろもある」

 

「それだけ高いから、バカみたいに魔力を使っても平気なのか」

 

「そうなんだ……ソエルちゃん」

 

「なに、すずか」

 

「私にデバイス関係の資料をくれないかな、レンヤ君にデバイスを作ってあげたいの!」

 

「「すずか⁉︎」」

 

「レンヤ君が少しでも楽にできるようにしたいの!」

 

「………いいよ、こっちからお願いしたいくらいだよ」

 

ソエルが口から出したのは、デバイス関係の本だった。

 

「デバイスの構造基礎から応用、開発関係覚えることは山程あるよ、覚えるまで最低でも5年はかかる」

 

「望むところだよ、レンヤ君待っててくれる?」

 

「ああ、いつまでも待っているよ」

 

「ありがとう!///」

 

「て言うか、これ何語よ。英語に近いけど」

 

「それはミッドチルダ語って言って異世界の…」

 

「ラーグ!」

 

「あっ……」

 

ソエルが大声を出してラーグを止めたが……

 

「異世界とはどういうことかな」

 

「この魔法も関係してるのよね」

 

「教えてくれるかな?」

 

「あっ私も知りたい!」

 

4人でソエルたちを見下ろしながら囲む。

 

「「ひええぇ…」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどね、魔法やデバイスの技術はその異世界の物か」

 

「次元世界があるなんて」

 

「でもそれなら、納得するよ」

 

「異界は関係ないみたいだけど…」

 

ソエルたちからミッドチルダのことを聞いた。

 

「魔法のことを知っているソエルたち、その元がミッドチルダってことは、俺の出身って…」

 

「うん第1管理世界、ミッドチルダだよ」

 

「はー、探しても見つからないわけだ」

 

あれから何1つ情報は入って来なかった、いつの間にかこの生活に馴染んでいた。

 

「レンヤ、ミッドチルダに行く?」

 

「ソエルの転移でか?」

 

「うん、魔力が溜まったらいつでも…」

 

「いかない、手掛かりは見つかった。今はこの生活が1番だ」

 

「レンヤ……」

 

「えーとコホン、ちなみにここはなんて呼ばれているのよ」

 

アリサが話題を変えて、場を明るくしようとした

 

「第97管理外世界、地球だ」

 

「そう………」

 

効果が薄かった……

 

「あっそうだ!ラーグ君!このペンダントは何なの?これをつけると周りの魔力を感じなくなるんだけど」

 

「そのペンダントには、つけると魔法非使用時、内外の魔力を感知されないようにするんだ。相手も気付かなければ自分も気付かない、その方が都合がいいからな、触ると気づかれるがな」

 

「だから、レンヤ君とアリサちゃんの魔力が感じられないんだ」

 

「とにかく!俺は大丈夫、むしろ目標ができて元気一杯だ!」

 

「それでこそレンヤね」

 

「うん、そうだね」

 

「子どもは元気が一番よ」

 

それから一言二言話し、家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レン君!アリサちゃんたちと何をしていたの!」

 

「いや忍さんに呼ばれたんだって」

 

「なら忍さんと何を話してたの!」

 

「えっと〜そう!すずかをこれからもよろしくって言われたんだよ」

 

「にゃっ!……まさか家族公認⁉︎……」

 

「なのは〜?」

 

 


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