初登校日、空は雲ひとつない快晴!
絶好の登校日よりです!
「それじゃあなのは、先に行ってくるな」
「うん!同じクラスになるといいね!」
ランドセルにラーグとソエルを括り付けて背負い。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
「行ってこい」
「ふふ、行ってらっしゃい」
「頑張ってきなさい」
みんなに見送られて、聖祥に向かった。
「ここが職員室……だな」
聖祥に着き、職員室の前に来ていた。
深呼吸をしてドアをノックした。
「失礼します、今日聖祥に編入してきました神崎 蓮也です」
一斉にこちらに向き、その後担任と思われる女性が来た。
「えっとあなたが…神崎 蓮也君?」
「はい、これでもれっきとした男です」
「あっ、あーごめんね少し混乱しちゃった。コホン、あなたが行くクラスの担任を務めさせてもらっています、穂高ですどうかよろしく」
「よろしくお願いします」
それから簡単な説明を受けて、今は先生に続き教室に向かっている。
「後で呼ぶから廊下で待っていてね」
「はい」
少し暇になったな。
「みなさん、おはようございます!」
「「「「おはようございます!」」」」
「今日はみなさんにお知らせがあります、このクラスに編入生がやって来ます!」
先生の言葉に周りがざわつく。
「先生!男ですか女ですか!」
「それは自分で確かめてください、それでは入ってきてください」
呼ばれたので扉を開けて教室に入る。視線が…刺さる…、教卓の前に立ち。
「この聖祥に編入してきました、神崎 蓮也です。どうかよろしくお願いします」
言い終え一礼、…………返事がないただの屍のようだ。
ただ小声で隣の人と会話している。
「えっ男子?女子?」
「かわいい〜〜」
「一応男子なんだろう」
「いや男装女子だ」
言いたい放題である。
「コホン、こう見えても男子です。できればみなさんと仲良く………」
「「「「「ええええええええええ!」」」」」
ぎゃああ、耳が耳が!
「全然見えない!」
「負けた……」
「そうなのか」
「ありじゃないか?」
最後の人?ないから。
教室を見渡すとなのは、すずか、アリサがいた。
「神崎君の席は高町さんの隣ね」
「はい、わかりました」
席まで行き、座る。
「今朝ぶりだな、なのは」
「うん、一緒のクラスになれて嬉しいの!」
「俺もだ」
「それじゃあ、この時間は質問タイムにしましょう」
それでいいのか名門。
それから質問攻めにあった、ほとんどが見た目についてだったが。
「高町さんとはどう言う関係なの?」
「俺はなのはの家に住んでいるからな」
「えっ」
あれ?これ言っちゃまずかった?
「えっと…神崎君の親は?」
「俺が赤ん坊の時に捨てられたよ」
場の空気が固まった。
「ん?どうかしたか」
「あんたはもっとよく考えてからしゃべりなさい!」
痛った、アリサに打たれた。
「あっそっか、大丈夫だよ今の両親にも良くしてもらっている、ここにも通わせてくれて感謝している」
それでみんなは納得してくれた、無言で肩を叩かれもした。
現在はお昼、3人がいつもいると言う屋上にいた。
「全く、なんであんなことを言うのかしら」
「いや〜面目ない」
「でもそんな素直なのが、レンヤ君なんだから」
4人で集まり昼食を食べていた。
「いい場所だなここは眺めもいいし、いつもここで食べているのか?」
「うん、だいたいいつもここだよ」
おしゃべりをしながら、ごはんを食べた。
予鈴が鳴り、教室に戻ろうとした。
「アリサ、すずか」
「なによ」
「これを、ラーグから渡すように」
渡したのは俺が持っているのと同じ、銀のペンダントだ。
「魔力を周りに気付かれないようにする為のものらしい」
「これが?」
「ああ、これから魔法の練習をする時に役に立つ」
「それは助かるよ!周りにばれない様にするの大変だったから」
「ありがたくもらっておくわ」
それから放課後……
「レンヤ君、お姉ちゃんが呼んでいるから私の家に来てくれる?」
「すずか、それは」
「うん、あの事についてだよ」
あの事とは異界関係のことだ。
「わかった、なのは先に帰ってくれるか?」
「むう、私だけ仲間はずれなの」
「ごめん、この埋め合わせはちゃんとするから」
「むうぅ、わかったの。絶対だよ!」
「ああ、約束だ」
すずかの家に着き、忍さんと会った。
「久しぶりねレンヤ君、制服よく似合っているわよ」
「ありがとうございます、それでラーグが頼んでいた物は?」
「ええ、出来たわよ」
テーブルに置かれたのは、探知機の様な物だった。
「異界サーチデヴァイス、半径100mの異界が発生している場所を数値として表す事が出来るわ」
「俺が注文した通りのできだ、サンキュー忍」
「それはちゃんと作動してから言ってよ、まだ起動テストしてないんだから」
「えっしてないの?」
「この家に異界があっても困るわよ」
逆に言えば、ここの敷地100m以上あるんだ。
「なら、地脈付近に行ってみようよ、異界があるかもしれないよ」
「それはいいけど……」
「もちろん、私たちもついて行くわ!」
「足手まといにはならないよ!」
「アリサ、すずか…」
《お嬢様の実力は前回より確実に上昇しています、私も全力でサポートします》
「フレイムアイズ」
《あなたはもう、1人では無いのですよ》
「スノーホワイト」
デバイス達にも説得された。
「……わかったよ、むしろこっちからお願いしたいくらいだ」
「決まりね」
「ふふ、行きましょうか」
「それじゃあ行こうぜ、地脈の場所は海鳴温泉!」
「いっくよー!モコナ・モドキのドッキドッキ〜ハーフ〜〜!」
バサッ!
「なっなによこれ!」
「ただの転移魔法だよ」
「これが…」
魔法陣がレンヤたちを包み込み。
「ハーーパック!ポーン」
レンヤたちを飲み込み、魔法陣の中に入っていった。
「……頑張りなさいよ、みんな」
忍にはそれしかできなかった。
「ここは…!」
「すごい…!」
アリサとすずかはこの空間に見惚れた。
「ほら手をつないで、バランスが取れないよ」
俺は2人に手を伸ばした。
「あっありがと///」
「ありがとうレンヤ君」
するとすぐに出口が見えた。
転移が終わると森の中に出た、近くに川も見える。
「よっと、お疲れソエル」
「ありがとう、レンヤ」
落ちてきたソエルを受け止めた。
「ここは…どうやらいつも私たちが使っている旅館の近くね」
「だったらそこに行ってみよう、異界は人が集まる場所にできやすい」
「わかった、こっちだよ」
旅館に着くと早速サーチデヴァイスが反応を示した。
「この数値はなんなの?」
「ここが100%になる様にするみたい」
「よし、探そう」
数値が高い場所に行くと大きな石に囲まれた池があった。
「ここみたいね」
「なにも無いけど」
「待って、今からゲートを顕現させる為の電波を出すから」
すずかがデヴァイスを操作して電波出した。
ファン、ファン、ファン………スーー
すると黄色のゲートが現れた。
「本当に出たわね」
「なんで黄色なんだ」
「これはフェイズ1、迷宮のヌシも、エルダーグリードほどの脅威ではない。でもこのまま放っておいたら、エルダーグリードが現れて周りに被害が及ぶ赤いゲート、フェイズ2になっちまう」
「なら今のうちに潰しましょう」
「よし、行こうか」
俺たちはゲートに入っていった。
ゲートの中は前と同じような遺跡だが細部の形状が違っていた。
「改めて見るとやっぱり異世界よね」
「うん、現実とは思えない」
「だけど俺たちがやるしかない、行くぞ!」
ソエルとラーグから双剣、双銃をもらい身につける。
「フレイムアイズ!」
《かしこまりました》
「スノーホワイト!」
《はい、ロード》
「「セ〜トッ!ア〜プッ!」」
デバイスを起動させ、バリアジャケットを見に纏う。
「準備完了だよ」
「そういえば、レンヤは何でデバイスを持っていないのよ」
「俺にあうデバイスがないらしい」
「でも、大変じゃないの」
「最初はそうだったけど、今はそこまで苦でもないよ」
「そう……」
すずかは少し考え事をする。
「ほら、今はデバイスじゃなくて、目の前の迷宮だ」
「あっごめん!」
俺たちは迷宮に向かった。
徘徊する怪異やギミックを攻略しながら奥に進んでいった。
「ここが最奥かな」
「それにしては、狭いわね」
「油断するな、来るぞ!」
目の前にいきなり大型の怪異が現れた。
「きゃあ!」
「オークタイプの亜種だね、Sグリード化してるね。ここのヌシってところだよ」
「よし、倒すぞ」
「「ええ(うん)!」」
大型の怪異と戦いが始まった。
「やっ、はあ!」
すずかが斬りつけ……
「すずか!下がりなさい!」
アリサが援護する。
「はあああ!」
俺は縦横無尽に切りまくり、怪異の体制を崩した。
「今だ!アリサ!」
「任せてちょうだい!」
フレイムアイズのトリガーを引いて剣に炎を纏わせ。
「はああああああ!」
怪異を斬り裂いた、そのまま一瞬で消えるグリード。
「ふう」
「やったね、アリサ」
「すごいよ!アリサちゃん!」
「カッコ良かったよアリサ」
「まあまあ上出来だな」
「当然よ、私はバニングスよ!」
それ、関係ある?
「あっ奥にゲートがある」
「異界も消える気配がないし、そこから出よう」
すぐに異界から脱出した。
現実世界に戻ると元の池の側にいた。
「戻ってこれたわね」
ゲートを見ると黄色から青に変わり消えた、消えた空間には揺らぎが残った。
「これは、フェイズ0、ほっといても何の害もない。ただの接点だけが揺らぎとして残る」
「てことは、いつでもここに入れるってことだよね」
「そうなるな」
空を見ると赤く染まりかけていた。
「すっかり夕方だ、早く戻ろう」
「ソエルちゃん、お願いできる?」
「…………………」
「ちょっとどうしたのよ」
「…いや〜2人以上の転移は初めてで、まだ魔力が回復していないんだ」
「どうするんだよ」
「ふっふっふ〜忘れていないか、お前たちは魔導士なんだぜ」
「ああ、そっか空を飛んでいけばいいんだ」
「それならすぐに着くね」
「認識阻害は任せとけ」
レンヤとすずかは飛行魔法を使って飛んだが。
「アリサは飛ばないのか?デバイスに魔法が入っているでしょう」
「人が飛べるわけないでしょう!」
《お嬢様は常識的に物事を見ていますから》
「頭が固いんだね」
「うるさ〜〜い!」
「しょうがないなぁ」
アリサに近づきお姫様だっこした。
「キャッ!」
「これで我慢してくれよ」
「あっありがと///」
夕陽のせいか顔が赤い。
「………いいなあ、アリサちゃん………」
「何か言ったか?すずか」
「なっ何でもないよ!」
疑問に思いながらも、すずかの家に向かった。
「ふむふむ、動作も問題なし、誤差も範囲内…うん!これで複製の目処が付いたわ!」
「これからもよろしくな、忍」
「こちらこそ、ラーグ君」
2人は握手をした、なんか凶悪な組み合わせだ。
「しっかし、飛行魔法は疲れるなぁ、バカみたいに魔力を使う」
「デバイスがないから通常より多くの魔力を消費するからね」
「そういえば、私たちの魔力を数値にすると、どれくらいなのよ」
「アリサはAA、すずかはAA+、レンヤS+だよ」
「それは高い方なの?」
「うんすごく高いよ、それにまだ伸びしろもある」
「それだけ高いから、バカみたいに魔力を使っても平気なのか」
「そうなんだ……ソエルちゃん」
「なに、すずか」
「私にデバイス関係の資料をくれないかな、レンヤ君にデバイスを作ってあげたいの!」
「「すずか⁉︎」」
「レンヤ君が少しでも楽にできるようにしたいの!」
「………いいよ、こっちからお願いしたいくらいだよ」
ソエルが口から出したのは、デバイス関係の本だった。
「デバイスの構造基礎から応用、開発関係覚えることは山程あるよ、覚えるまで最低でも5年はかかる」
「望むところだよ、レンヤ君待っててくれる?」
「ああ、いつまでも待っているよ」
「ありがとう!///」
「て言うか、これ何語よ。英語に近いけど」
「それはミッドチルダ語って言って異世界の…」
「ラーグ!」
「あっ……」
ソエルが大声を出してラーグを止めたが……
「異世界とはどういうことかな」
「この魔法も関係してるのよね」
「教えてくれるかな?」
「あっ私も知りたい!」
4人でソエルたちを見下ろしながら囲む。
「「ひええぇ…」」
「なるほどね、魔法やデバイスの技術はその異世界の物か」
「次元世界があるなんて」
「でもそれなら、納得するよ」
「異界は関係ないみたいだけど…」
ソエルたちからミッドチルダのことを聞いた。
「魔法のことを知っているソエルたち、その元がミッドチルダってことは、俺の出身って…」
「うん第1管理世界、ミッドチルダだよ」
「はー、探しても見つからないわけだ」
あれから何1つ情報は入って来なかった、いつの間にかこの生活に馴染んでいた。
「レンヤ、ミッドチルダに行く?」
「ソエルの転移でか?」
「うん、魔力が溜まったらいつでも…」
「いかない、手掛かりは見つかった。今はこの生活が1番だ」
「レンヤ……」
「えーとコホン、ちなみにここはなんて呼ばれているのよ」
アリサが話題を変えて、場を明るくしようとした
「第97管理外世界、地球だ」
「そう………」
効果が薄かった……
「あっそうだ!ラーグ君!このペンダントは何なの?これをつけると周りの魔力を感じなくなるんだけど」
「そのペンダントには、つけると魔法非使用時、内外の魔力を感知されないようにするんだ。相手も気付かなければ自分も気付かない、その方が都合がいいからな、触ると気づかれるがな」
「だから、レンヤ君とアリサちゃんの魔力が感じられないんだ」
「とにかく!俺は大丈夫、むしろ目標ができて元気一杯だ!」
「それでこそレンヤね」
「うん、そうだね」
「子どもは元気が一番よ」
それから一言二言話し、家に帰った。
「レン君!アリサちゃんたちと何をしていたの!」
「いや忍さんに呼ばれたんだって」
「なら忍さんと何を話してたの!」
「えっと〜そう!すずかをこれからもよろしくって言われたんだよ」
「にゃっ!……まさか家族公認⁉︎……」
「なのは〜?」