魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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※初投稿です。おかしな所もあると思いますが、
どうかよろしくお願いします。


空白期
1話


 

某所 海鳴市

 

12月25日

 

海鳴孤児院前

 

その日 世界が動きだした。

 

 

 

「うーん今日も寒いのー」

 

雪が降り積もる中、一人の老人が孤児院の方向へ帰っていた。

 

「今日はクリスマスかーなにかもらえる・・・わけないか」

 

歩きながらそう呟くと……

 

「んっ・・・なんだあれは」

 

門の前になにか置いてあるのが見えた。

 

 

そしてーー

 

 

「これは、とんだクリスマスプレゼントじゃなサンタさんや」

 

長いリボンに包まれた赤ん坊と白と黒のぬいぐるみが置いてあった。

 

 

世界が動きだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5年後 海鳴孤児院ーー

 

 

一人の少年が部屋の隅で白と黒のぬいぐるみで遊んでいた。

 

少年の名は神崎 蓮也(かんざき れんや)

 

長い黒髪におでこにリボンをあて螺旋を描きながら髪の毛の先端でしばっている。

 

「おい!男女、今日もぬいぐるみ遊びか⁉︎」

 

孤児院の最年長が黒いぬいぐるみを取り上げながら蓮也をいじめた。

 

「返せ、関係ないだろ!」

 

ぬいぐるみを奪い返して部屋から出てった。

 

「大丈夫、ラーグ?」

 

もちろん返事などしないが、それでも蓮也にはとても大切な友達だった。

 

ぬいぐるみの形は色が違うだけで二匹とも丸こっい身体に短い手足、うさぎのように長い耳をしていて、目は閉じられていている。

 

おでこに宝石がついており白いのには赤い宝石、黒いのには青い宝石が付いている。

 

耳にもイヤリングがついていて黒いのが左耳に、白いのが右耳にそれぞれついている。

 

名前は白いのがソエル、黒いのがラーグと言う。

 

「全く毎回しつこいな、男だからって髪が長くてもリボンしてもぬいぐるみで遊んでもいいじゃんか。」

 

やはり返事はないが、それでも誰かに愚痴を言いたかった。

 

歩きながら人がいない場所を探してたら、前から女の子が近づいてきて。

 

「いた!蓮也君ぬいぐるみかーしーてー」

 

と頼んできた。

 

見た目のせいかよく遊びにつきあわされているが……

 

「ごめん、今日はダメだから」

 

「えーーちょとくらいいいじゃないの」

 

さっきのこともあり気分がよくなかったから断った。

 

「じゃあまたこんどね」

 

手を振りながら他の女の子達と遊びに行った、手を振り返しながら眺めていたら。

 

「はーー」

 

この二匹とリボンは赤ん坊の時、一緒にあった物で両親の唯一の手がかりだった。

 

ため息をつきながら孤児院裏に行った。

 

「友達、少な・・・いないな」

 

ソエル達を抱きしめながら小さくつぶやく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1年ーー

 

「どういうことですか‼︎」

 

蓮也は声を荒げていた。

 

「だから、白いぬいぐるみは今日養子になった子が持っていったのよ」

 

そう最近新しく入った孤児院の先生はそう言った。

 

「あのぬいぐるみは俺のだとわかっていたでしょう!なのになんでそのままにしたんですか!」

 

「だってあれは君のものじゃないでしょう?」

 

「え?」

 

蓮也はほうけた、新任だからって最初から持っていたのは蓮也であった他の子ども達もぬいぐるみを……

 

自分の物だと言わなかったはずなのに。

 

「男の子なんだから女の子のぬいぐるみをとっちゃダメなんだからね」

 

ただの勘違い、蓮也は周りを見渡した。

 

誰もが此方を見て笑っていた。

 

(ここに味方はいない!)

 

すぐに部屋に戻って必要最低限の荷物とラーグを持って孤児院をでた、呼び止める人は少なかった。

 

何の根拠もなくただ走りけた。

 

「ソエルー!ソエルー!」

 

呼んでも返事はない、ぬいぐるみだからかここにいないからか、そんな感覚が悲しみに変わろうとした時……

 

「蓮也♪」

 

そんな楽しいそうな声が聞こえた。

 

「私がどこかにいくわけないよ」

 

「そう言うことだ」

 

目の前の塀にソエルが立って喋っていて、抱えているラーグが喋っていた。

 

「……………………」

 

言葉が出なかった、ただわかったことは。

 

「「蓮也?」」

 

「1人じゃなかった…」

 

二匹を力いっぱい抱きしめた、いつもより暖かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、この町を出よう」

 

「いいのか?」

 

「ああ、このまま両親を探しにいく、このリボンとおまえ達二匹ともいれば大丈夫だろう、あとおでこの痣」

 

「「二匹じゃないよ(ぞ)、モコナ数え方は1モコナ、2モコナだ(よ)」」

 

「ははっ」

 

「改めまして、神崎 蓮也だ」

 

「モコナはモコナ・ソエル・モドキだよ♪」

 

「俺はモコナ・ラーグ・モドキだ」

 

そう言い握手をする。

 

「さてと……」

 

モコナ達を顔が出るようにバッグに入れて。

 

「行くか!」

 

「「おお〜!」」

 

当てのない、気の向くままの旅が始まった。

 

 


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