空を舞う仮想の世界の剣士たち   作:バリスタ

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プロローグ
終演の始まり


「リンクスタート!」

 

今思えば、あの頃はこのゲームに夢を持っていた

 

友達のいなかったあの頃の俺はゲームだけが

 

唯一の居場所だった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒースクリフ

「キリト君、君には私の正体を看破した

 

 報奨(リワード)をあたえなくてはな。

 

 

 

 チャンスをあげよう。

 

 

 

 

 

 今この場で私と一対一で戦うチャンスを。

 

 

 無論不死属性は解除する。

 

 

 私に勝てばゲームはクリアされ、

 

 全プレイヤーがこの世界から

 

 ログアウトできる……

 

 

 

どうかな?」

 

 

嘲笑うような表情でキリトを見つめる、ヒースクリフ

 

 

 

アスナ

「駄目だよキリト君!挑発に乗っちゃ!」

 

 

ヒースクリフの企みに気付き

 

彼を必死に止めようとする、アスナ

 

 

 

キリト

「・・・・・ふざけるな…」

 

 

 

いくつもの出会い…いくつもの別れ

 

その記憶…その感情が

 

濁流のように押し寄せる

 

 

 

 

キリト

「いいだろう。決着をつけてやる!」

 

アスナ

「キリト君っ・・・・・!」

 

今にも泣きそうな顔をし、キリトを見つめる…

 

キリト

「ごめん、アスナ…

 

俺、ここで逃げるわけにはいかないんだ」

 

アスナ

「死ぬつもりじゃ・・・・・ないんだよね・・・・・?」

 

キリト

「ああ、必ず勝つ。

 勝ってこの世界を終わらせる」

 

アスナ

「解った…信じてる」

 

彼の諦めてない顔を見てしまったら…

 

もう…信じる他ない…

 

彼女は、彼に最後の希望を託す

 

 

 

エギル

「キリト!やめろ!」

 

クライン

「キリト!」

 

 

 

2人の男性が声を荒らげる

 

 

キリトは2人に一方的に答えていく

 

 

キリト

「エギル。

 

 今まで、剣士クラスのサポート、

 

 サンキューな。

 

 俺、知ってるぜ…お前が儲けのほとんど全部、

 

 中層ゾーンのプレイヤーの

 

 育成につぎ込んでたこと」

 

 

エギル

「!!」

 

 

 

キリト

「クライン・・・・・・・・・・あの時、

 

 お前を・・・・・置いてって、悪かった。

 

 ずっと、後悔していた」

 

 

始まりの街での彼との別れをずっと悔いていた…

 

謝れず…気まずい間柄になってしまい

 

ずっと言えなかった謝罪

 

 

クライン

「てっ!……てめぇ!キリト!

 

 謝ってんじゃねぇ!今謝るんじゃねぇ!

 

 許さねぇぞ!ちゃんと向こうで、

 

 メシのひとつも奢ってからじゃねぇと、

 

 絶対に許さねぇからな!!」

 

 

キリト

「あぁ、わかった」

 

 

ミヤ

「キリト!」

 

レイカ

「キリト君!」

 

ナツ

「キリトさん!」

 

ホンネ

「キリトさん!」

 

 

4人の若者が声を上げる

 

また、キリトは一方的に答えていく

 

 

キリト

「ミヤ・・・・・お前がいなかったら俺、

 

 ここまで来れなかったと思うよ

 

 ありがとな、色々励ましてくれたりして」

 

 

ミヤ

「ふざけるなキリト!アスナはどうするんだよ!

 

 お前が守るって言ってたじゃねぇか!

 

 おい!ヒースクリフ!俺と戦え!」

 

 

ヒースクリフ

「それは出来ない相談だな、私を倒せるのは

 

 キリト君…ただ一人だけだ」

 

 

ミヤ

「クソッタレが!!

 

こんな時ぐらい思い通りに動けよ!!!」

 

 

 

 

キリト

「レイカ、ミヤをよろしくな」

 

レイカ

「…えぇ、絶対に勝ちなさいよ」

 

 

 

キリト

「ナツ、もしもの時はお前に託す。」

 

ナツ

「無理ですよ!

 

 あなたが勝てない敵に、勝てるわけが!」

 

 

 

キリト

「ホンネ、ナツを・・・・・よろしくな」

 

ホンネ

「うん、勝って!絶対に!」

 

 

 

 

キリト

「ヒースクリフ、ひとつ願いがある。

 

 簡単に死ぬつもりはないがもし、俺が負けたら

 

 アスナが自殺できないようにしといてくれ」

 

アスナ

「そんな・・・・・キリト君!!」

 

 

ヒースクリフ

「承知した、さて、そろそろ始めようか

ルールは全損決着でいいかな」

 

 

キリト

「ああ・・・・・絶対に・・・・・殺す!」

 

 

 

 

 

 

そして決着がつく

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒースクリフ

「残念だが、キリト君、これで終わりだ!」

 

 

ヒースクリフの剣がキリトを貫く……

 

その寸前、ひとつの影がキリトに重なる

 

 

アスナ

「ひとりぼっちにはさせないよ」

 

 

キリト

「・・・・・!アスナ!」

 

アスナ

「えへへ、死ぬときは一緒だよ・・・・・」

 

キリト

「・・・・・あぁ、ごめんなみんな・・・・・」

 

 

 

そしてキリト達は静かに目を閉じる

 

 

9

 

ミヤ

「ヴァァァァァ!!!!!!」

 

ナツ

「ウォォォ!」

 

言葉にならない咆哮をあげる二人の騎士

 

8

 

ホンネ

「ナツ君!ミヤさん!」

 

レイカ

「無謀よ!やめなさい!

 あなた達までいかないで!」

 

7

 

ミヤ

「勝てば即ログアウトなら、

 十秒だけ時間があるはず!」

 

6

 

ナツ

「どちらかの剣が弾かれてもどちらかは届く!

 これが最後の賭けだ!!」

 

5

 

ミヤ

「敵を穿て!奥義!夢幻武装!」

 

ナツ

「貫け!白雪狼!」

 

 

 

 

俺達二人の剣がヒースクリフを貫き、

 HPバーを全損させる

 

ヒースクリフ

「驚いたよ、アスナ君に続き君たちまで

 麻痺を解くとは・・・・・君たちの勝ちだ」

 

 

3

 

 

システム音

『ゲームはクリアされました』

 

 

 

 

2

 

システム音

『全プレイヤーのログアウトを開始します』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリト

「かっこつけたものの、アスナを巻き込んで

 ゲームオーバーか・・・・・」

 

アスナ

「あとどれくらいいられるんだろう」

 

 

 

 

 

ヒースクリフ

「…君たちは勝ったんだよ」

 

 

 

不意に背後からの声がする

 

 

 

キリト

「ヒースクリフ!? それはどういう・・・・・」

 

ヒースクリフ

「君達が完全に消える前に君達の仲間が

 ゲームを終わらしたのだ」

 

アスナ

「じゃあ、帰れるんですか、現実世界に」

 

ヒースクリフ

「あぁ、約束しよう」

 

 

 

 

 

ミヤ

「よかった、間に合ったんだ、本当によかった」

 

キリト

「ミヤ・・・・・」

 

レイカ

「全く、ヒヤヒヤしたわよ」

 

ナツ

「まぁ、2人同時に最上位スキル発動したんだから

 

 そりゃ1秒も持たないよなw」

 

キリト

「レイカ、ナツ・・・・・」

 

ホンネ

「ナツ君・・・・・心臓に悪いからもう、止めてね?」

 

アスナ

「ホンネちゃん・・・・みんな・・・・・ありがとう」

 

ミヤ

「礼なんて要らねぇよ、仲間なんだから」

 

アスナ

「ミヤ君・・・・・」

 

ヒースクリフ

「さて、そろそろ君達もログアウトの時間だが

 

 自己紹介でもしたらどうかね?」

 

キリト

「あぁ、そうさせてもらう。

 俺は桐ヶ谷和人、16だ」

 

アスナ

「私は結城明日菜、17です」

 

ナツ

「お、俺は織斑一夏、15歳です」

 

ホンネ

「私は、布仏本音、ナツ君と同じ15歳です」

 

ミヤ

「俺は、篠木ミヤ、17だ。」

 

レイカ

「私は、相川麗華、17です」

 

ヒースクリフ

「やはり、若い者達の成長する力は

 

 

 本当に…予測不能だな、さて、そろそろ時間だ

 

 

 いつかまたどこかで会おう…若者達よ」

 

 

 

 

俺達は白い光に包まれる

 

 

 

 

 

 

 

キリト

「ここは・・・・・」

 

直葉

「お兄ちゃん!!!」

 

キリト

「スグ・・・・・」

 

 

そうか、帰ってこれたんだな・・・・・




ALO編は書きません
長くなってしまうので・・・・・

と言いたいところですが…夏休み編あたりで書きます…



多分





次回からはALOアスナ救出後からの
ISとの絡み開始です

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