ボーボボたちが幻想入り   作:にゃもし。

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2016/11/10 に投稿した短編です。


書物「お前を首領パッチにしてやろう」

 

 

人里にある貸本屋「鈴奈庵」

そこには人だけではなく、人ではない…

例えば妖精、妖怪、はたまた神なんてのもやって来る。

 

 

「転生者ものが流行ってるらしいから、この俺も書いてみたぞ!」

 

 

後はところてんの付喪神(?)なんてのもやって来たりする。

余程傑作なのか自信の満ちた表情で本を見せびらかしていた。

 

 

「その名も『お前を首領パッチにしてやろう』だ!」

 

 

店番をしていた小鈴が口の端を上げて引きつらせたのは致し方あるまい。

 

 

 

 

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「よし、お前を 首領パッチ にしてやろう」

 

 

一人の男が目覚めると目の前にボーボボがいて開口一番にそう宣い

言い終わると同時に男の姿が首領パッチへと変わった。

 

 

「ええええっ!!!? 何で首領パッチ!? っていうかここ何処なんだよ!?」

 

 

男は突然の出来事に狼狽し、ボーボボに詰め寄る。

 

 

「人間ごときが 〝 神 〟 である俺に気安く触るんじゃねぇ!」

 

 

自称神の後ろ回し蹴りが首領パッチの側頭部に炸裂

首領パッチは堪らず頭の横を両手で押さえながらゴロゴロと転げ回る。

 

 

「神である俺に非は全く無いが、それでも事故は事故ということで下等な生き物である貴様を転生させてやることになった」

 

「事故って何だよ?」

 

「お前の『命の蝋燭』を面白半分に水に浸からせたら、火が消えてお前が死んだ」

 

「非しかねえ! っていうか100%お前のせいじゃねか!?

 

「ちょっと水に浸かった程度で消える貴様の命が悪い!」

 

 

メリケンサックを填めた拳が首領パッチの腹に深く突き刺さり

再度、地面を転がる首領パッチ。

 

 

「俺としてはそのまま『無間地獄』に叩き落としたい所だが…

 ある物好きの神が超人に身を落とす代わりにお前にチャンスを与えたいとほざきやがってな」

 

 

首領パッチは名の知らない恩人に涙を流した。

因みに『無間地獄』は大罪を犯した罪人が送られる場所である。

 

 

「さらにスタンド能力をつけることになった」

 

「え!? マジで!?」

 

 

突然の好境遇に思わず聞き返す。

 

 

「スタンド『チープ・トリック』だ。ありがたく受け取れ」

 

「あんぎゃあ~~~!? 世界で一番いらねえスタンドじゃねえか――――っ!!!!」

 

 

小柄なスタンドが首領パッチの背中にベッタリ張り付いた。

 

 

「おいコレ、他人に背中を見られたらどうなるんだよ!?」

 

 

背後にいるスタンドを指差す。

数あるスタンドの中でもこのチープ・トリックは本体に害を与える特殊なスタンドであり

他人に背中を見られると、背中を抉り取られた上に全エネルギーを吸収されて殺される。

 

 

「安心しろ。チープ・トリックが憑いたまま復活する。

 人に迷惑かかるとイケないからな」

 

「ひぃぃぃぃぃっ、デメリットしかねぇ!」

 

「安心しろ。他のスタンド使いと遭遇しても戦えるように『スター・プラチナ』と同じ能力を付けてやろう」

 

「おお!?」

 

 

最強のスタンドと呼び声の高い『スター・プラチナ』

その一因たるが「時を止める」という能力である。

 

 

「指が伸びる」

 

「スタンド背中に張り付けたままじゃ意味がないんですけども!?」

 

 

首領パッチの背後で指をびょんびょん伸び縮みさせるチープ・トリック。

 

 

「無理だから! こんな張り付いた状態で指が伸び縮みできても戦えないから!」

 

 

涙を流しながら抗議の声を上げる。

やがて鬱陶しいと感じて根負けしたのか…

 

 

「それじゃあ、もう一つ特典つけてやるから、これで最後にしろ」

 

 

渋々、実行に移す。

 

 

「奮発して尻相撲の技全部

 

「何でだよ!?」

 

「『競女!!!!!!!!』見てたら尻こそが至高であり、最強にして最高なんじゃないかと思ってな」

 

「最強で最高でも、俺背中を見られると死ぬんですけど!?」

 

 

片手をパタパタ振って、特典の変更を望む。

 

 

「うるせえ! 転生トラックをぶつけるぞ!?」

 

 

ぶちギレた神が派手な装飾が施されたデコトラで撥ね飛ばし、さらに轢く。

 

 

 

 

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――――んで、どうだ?」

 

 

一通り読み終わった小鈴に意見を求める天の助。

 

 

「専門家の阿求に聞いてみよう」

 

 

小鈴は友人を巻き込ませることにした。

 

     




(´・ω・)にゃもし。

地道に増やしていくよー。

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