武林の誉れに恋しなさい!   作:水華

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暑中見舞い申し上げます。
暑い日々が続いていますね、私も熔けそうです。
(;´д`)ゞ

それと1話でまとめる予定でしたが、書いていてまた妄想が膨らみ分割してしまいました。

予定通りに進まずグダグダです...ハッ!?妖怪のせい?


夏は企画が盛り沢山!
水上体育祭-午前の部


時は過ぎて、6月27日、この日は川神学園のイベントとして水上体育祭が開催(かいさい)されていた。

 

水上体育祭、それは8日に行われる体育祭取り決めの儀で体育祭、水上体育祭、球技大会の中から人気投票(とうひょう)で決定される。

そして今年も圧倒的得票数で水上体育祭に決定していた。

 

燦々(さんさん)と照りつける太陽、青い海、白い砂浜、そして水着の美女!ク~生きてて良かったぜ♪」

此処(ここ)に夏のリビドーをもて(あま)した男が1人。

 

「ガクト、少しは落ち着きなよ~」

そんな興奮(こうふん)する岳人をたしなめるのはモロ。

 

「水着だぞ水着!これが興奮せずにいられるか!そうだよなヤマト!」

「いや、俺にふるなよ、まぁ否定はしない!」

「ヤマトまで...」

 

腕を組んで(うなず)き合う、二人に(あき)れていると矛先(ほこさき)がモロへと向いた。

 

「モロはむっつりだからな~」

「いやヤマト、(むし)ろモロが着たいんじゃないか?似合いそうだし」

「何でさ!そんな分けないでしょ?」

モロは全力で否定するも暖簾(のれん)腕押(うでお)しだった。

 

「く~早く始まらねーかな、ワクワクが止まらないぞ!」

風間はいつも通り平常運転だが。

 

「さぁ、待たせたな野郎共、美女の水着だぞ、(おが)(あが)めるが良い!」

『『『ウォーーー!!』』』

そんな中、百代がそのこぼれ落ちそうな豊満な胸を包む黒のビキニ姿で現れ、ガクトを含む野郎共が雄叫(おたけ)びを上げる。

 

そして百代の後ろには風間ファミリー女性陣が、ワン子はスポーティーな赤い水着、クリスは白のワンピースタイプ、由紀江は緑のパレオ、京は敢えてスクール水着だが、その胸元は色々と突っ込み(どころ)が満載だった。

 

「フフン、どうだ弟たちよ、見惚(みと)れたか?」

「ちょっと待って姉さん」「ん?」

大和は百代の絡みをスルーして京へと近く、そして期待の眼差(まなざ)しで見詰(みつ)める京にチョップする。

 

「あいた!?」

「どういうつもりかは聞かん!今すぐ着替えろ!」

大和はスクール水着を着替えて来るように言ったつもりだったが、京には伝わらず。

 

「もう、ヤマトったらこんな所で脱げだなんて大胆なんだから、でも出来れば二人っきりでが()いかな?」

大和のお願い(京の妄想)に身体をクネクネさせて(ほほ)を赤らめる京だが、大和は慣れた感じにスルーする。

 

「違う!そのふざけた水着を止めろ!」

京の着ているスクール水着は胸元に名前を書けるタイプでそこには『なおえ』と書かれていた。

 

「大丈夫!近い将来そうなるから、だからヤマト付き合って♪」

「そんな予定は無い!、お友達で」

 

そんな何時もの()り取りをしているとざわめきが聞こえてきた。

 

―翠蓮side―

 

【は~視線がうざったいですね】

翠蓮は川神の生徒、特に男子の残念そうな視線にウンザリとしていた、何故残念そうな視線なのかそれは...

「何か見られてるね羅濠(らごう)ちゃん」

「えぇそうですね、耳を()ぎ目を(つぶ)してしまいましょうか?」

原作の教主様(きょうしゅさま)(よう)な思考を口にする翠蓮だが、それを聞いた清楚(せいそ)が注意する。

 

「ちょっと羅濠ちゃん、冗談(じょうだん)でもそんな事言っちゃダメだよ?」

 

「・・・そうですね、気を付けます。」

【いけませんね、無意識に口にしてしまいました。】

 

翠蓮は(おのれ)言動(げんどう)に反省しつつ軽めの殺気を放って視線を()らす。

 

【!は~更に面倒なのが来ましたか】

内心で溜め息を()く翠蓮、二人に近付く風間ファミリー、っとくれば理由はお分かり頂けるだろう。

 

「な、なん...何で二人とも水着じゃないんだー!」

雄叫びを上げる百代、物凄く残念そうに地面を(たた)く岳人と何故か居る福本育郎(いくろう)は無視の方向で、まぁ手に持つカメラが理由を雄弁(ゆうべん)に物語ってもいるが。

 

そして二人の現在の格好(かっこう)は清楚が川神学園指定の体操着(たいそうぎ)で翠蓮は動きやすく改造したチャイナドレス、(あお)基調(きちょう)とし、膝上(ひざうえ)のミニスカートの様な感じだがスパッツを()いている為、見える事はない。

 

「ふん、この様な場で(さら)す程、私の肌は安くはありません!」

最もらしい理由を述べて居るが、転生者としての前世を持つ翠蓮は女性用の水着に抵抗があった。

 

「それに、私達の出場は制限され、本気を出せないのを忘れましたか?武神、川神百代」

「うっ、そうだが・・・でも技の制限や出て良い競技の指定だけで参加は出来るんだよな?」

「えぇ、でも水には入りませんし、()れる事はありません」

 

「それでも折角(せっかく)の海だぞ!なら水着を着るのはもはや礼儀だ、分かるか()()!」

「バカな事言ってないで落ち着きなさい()()!」

興奮気味に(まく)し立てる百代を翠蓮が(なだ)める。

 

(なお)、お互いの呼び方が翠蓮ちゃんと武神から変わったのには(わけ)があり、鉄心から百代の組み手の相手をお願いされ、その条件に名前を呼ばない事を提示(ていじ)、かなり悩んだ百代は『名前で呼んでくれるなら』と逆に条件を出す駆引(かけひき)きの(すえ)双方了承(そうほうりょうしょう)したのだ。

 

「ムー、じゃあ清楚ちゃんは?」

その質問に清楚は顔を赤くしながら小声で答える。

 

「えっと、私のは今、従者の方に取りに行って(もら)ってて、前のはその、胸がキツくて///」

『『『・・・ブハ!?』』』

それを聞いて鼻血を出す男達に女子はゴミを見る様な視線を送る。

 

「そっか~ならどのぐらい育ったか確かめないとな~♪」

わきわきとイヤらしい手付きをする百代。

 

「止めなさい、貴方は何処のエロ親父ですか!」

「だって気になるじゃないか、ついでに羅濠の、も!」

百代は翠蓮の胸に向かって右手を()ばすが簡単に(はら)われる、しかし想定内とばかりに次々に手を延ばすも(ことごと)く防がれる。

 

「ニャハハハ、さすが羅濠!ならこ『紫燕抄水(しえんしゃすい)!』、え?」

さらにペースを上げようとした百代だったが、何時(いつ)の間にか、脇腹を(かか)え込む様に密着した翠蓮に投げられていた。

「クッ!?」

しかし百代も空中で体勢を整えて難なく着地する。

 

「ハハハ、今度はこっちの番『取敢(とりあ)えず、胸を押さえておきなさい』...は?」

翠蓮の指摘に訳が分からず(ほう)けていると、上の水着の(ひも)(ほど)けて、落ちそうになった。

 

「なっ!?///」

『『『おぉーーー』』』

何とか先端が見える前に押さえる事が出来たが、百代は顔を真っ赤にしながら翠蓮を(にら)み付ける。

若干(じゃっかん)目尻(めじり)に涙も溜まっている。

 

【あぁ、何て良い表情...いけない!危うく変な扉を開きかけました】

トリップ仕掛けるも、(すん)での所で思い止まった翠蓮は気を取り直して言う。

 

「百代、一先ず更衣室に行って来なさい」

「うぅ、羅濠ぉ覚えておけよ!」

「えぇ、良いですよ、真っ赤に()めて涙を浮かべた顔を覚えておきます」

「それは、忘れろ!!」

百代はそのまま更衣室へと走っていった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

「それでは、ここに川神学園!水上体育祭の開催をぉ宣言する!!」

『『『ウォーーー!』』』

川神学園、学園長の川神鉄心の宣言で水上体育祭が始まった。

 

あの後、清楚の水着がヘリコプターで届けられたり、仕事で遅れる紋白にどこぞのハゲが落ち込んだり、岳人が()りずに筋肉アピールするも全く興味を()けずに終ったりなど、特にたいした事もなく開始の時刻となった。

 

水上体育祭、それは紅白に別れる通常の体育祭と異なり組毎(くみごと)に別れる為、クラス対抗戦の要素が強い。

 

そして百代は例年(れいねん)通りだが、今年は翠蓮も学園側より出場制限がかかり、これ(さいわ)いと水着を着ない理由を()ていた。

 

「フフ、皆さん元気が有って良いですね」

「ん?冬馬、僕はいつでも元気だよ?」

「ええ、そうですね」

はしゃぐ生徒達を見て(つぶや)いたのは(あおい)冬馬(とうま)、そしてそれに返事をしたのは榊原(さかきばら)小雪(こゆき)、とうまは微笑みを浮かべて返す。

 

「やっぱりさ、女性は12歳までだと思うんだよ、あっいや変な意味じゃなくね?」

同じく生徒達を見ていたロリコ...井上(じゅん)が呟くと小雪が井上の頭をペシペシと叩きだした。

 

「うぇ~い、ハゲの頭がいろいろ終わってる~」

「こら、小雪、無闇に人の頭を叩くんじゃありません!!」

 

弁慶(べんけい)義経(よしつね)はクラスの為にも頑張るぞ!」

「そうですね、(あるじ)

【あのダラケた空気はやる気無いな、普段なら歓迎なんだが、さて】

そしてクローン組の主従、源義経はやる気満々な様子だが、武蔵坊弁慶はヤル気は無いが、義経の為にもどう立ち回るか思案する。

 

「フッ、闇の住人に、光の世界は合わないのさ」

『ワン♪』

何時もの様に絶賛(ぜっさん)、中二病を発病中の那須(なす)与一、しかし頭に乗るチワワのケルベロスがとてもシュールだった。

 

「あっ!犬だ~♪、マシュマロ食べる?」

ケルベロスに気付いた小雪が近付き何処に持っていたのか、マシュマロを取り出して差し出すも、ツーンとそっぽを向いた。

「あれ?美味しいよ~」

「あっ榊原さん、ケロちゃんは人見知りだから食べないと思う」

「ほんと、何でか与一に一番なついているね~、その子の(あるじ)と一緒でさ」

それを見ていた義経が小雪に教え、弁慶は肩を(すく)めた、後半はカラかいの色も含んで居たが。

 

(わらわ)眷属(けんぞく)はそれぞれ独立しておると何度も言っているのだがな、弁慶。」

「!?、こ、この美しい声は...」

井上は声が聞こえた方を向いて、固まる。そこにはフリルの付いた白のワンピースタイプの水着を着たアテナがいた。

 

「だがペットは飼い主に似るって言うじゃないか」

「フン・・・」

弁慶の返しに鼻を鳴らすアテナ、反論しても無駄だと悟って居るため何も言わない。

 

「ウォー神は此処(ここ)にいた!」

いきなり雄叫びを上げた井上にビックリしたアテナは与一の背に隠れる。その仕草に弁慶はニヤニヤし、井上は更に興奮する。

 

「なっ!!、(うらや)ましいぞナス!代わりやがれ、さぁアテナ様わたくしめの後ろに」

「落ち着きなさい(じゅん)!小雪ぃ!」

「うぇ~い」「カハッ!?」

暴走し始めたロリコンをみかねた冬馬が、小雪に指示をだし、小雪の蹴りでロリコンが気を失う。

 

「やれやれ、アテナ様、(うち)の準がご迷惑をお掛けしました。」

冬馬は与一の背から出て、いつも通りの様子に戻ったアテナに向かって謝罪する。因みに様付けなのはクローンとは言え女神だからである。

 

「フム、しかと受け取った、(わらわ)も身の危険を感じた(ゆえ)、少々取り乱したが問題無い」

 

「ふ~ん、少々ね~」

「何が言いたいのだ弁慶よ?」

「いや~、やっぱり与一の側がアテナ的に安心出来るのかな~ってさ?」

「・・・」

弁慶の(いじ)りにアテナは黙秘(もくひ)を行使する。

 

「おや、そうなのですか?残念、お()びに今度食事に誘おうと考えていたのですが」

残念そうに肩を(すく)める冬馬。

 

「ん?なんで食事に誘っちゃいけないのだ?」

「フッ、我等は影に住まう者、光の住人とは相容(あいい)れないのさ」

「???」

疑問を口にした義経だったが与一の中二で(さら)に分からなくなっていた。

 

「ほらほら美味しいよ~」

「...」プィ、ツーン

与一の頭の上では呑気なやり取りが続いていた。

 

◆◆◆◆◆◆

 

その後、水上体育際のプログラムは順調に消費されていった。

 

ビーチフラッグでは瞬発力と素早さに自信の有る生徒達が競い合いう。

 

借り物競争では箱が二つ用意され、手前が難題(なんもん)、奥が容易(ようい)なお題が入っており、殆どが手前で引いて混沌(こんとん)としていた。

 

船渡りアスレチック、水上に浮かべた船を渡りながらゴールを目指す、風間が奮闘するも義経が八艘飛(はっそうと)びを披露して勝利を(さら)う。

 

遠投では力自慢達がそれぞれ良い結果を残すも弁慶がボール回収が不可能な測定不能(EX)を叩き出し文句なしの勝利。

 

遠泳、50メートル先のブイまで泳ぎ、ボートに乗っている先生に(あかし)を貰い折り返す。

 

三人四脚、3人で力を合せて障害物を越える(まさ)に共同作業!京が嬉々(きき)として大和と参加しようとしたが、大和は(すで)に風間と岳人と組んでいたので断念(だんねん)、だが(ころ)んでも(ただ)では起きず!妄想を膨らませる。(おも)にBL的な物に・・・尚、遅れて参加した九鬼紋白とアテナ、武蔵小杉のトリオにどこぞのロリコンが鼻血を流しつつ小杉に嫉妬(しっと)の眼差しを向け、小杉は謎の悪寒を感じていた。

 

益男(ますらお)決定戦、各クラスより1人の男子が(はりつけ)にしてそれを女子が誘惑する、誘惑に負けると電流が流れて失格となるこの競技では風間や葵が適任だが本人が嫌がって代りに出た井上は幼女のあられもない姿と言う(うそ)で落ち、大和も倒されて視界を奪われヤドカリ達の話しに興奮して失格。

 

歌唱(かしょう)大会、各々が好きな歌を歌う中、2-Fの椎名(しいな)京が優勝と思われたが、ダークホースとして()翠蓮が参戦し()(うた)い、その美声で人民(生徒)の心を掌握(しょうあく)する。

出場が制限されない競技なので翠蓮は参加したが、同じく参加可能な百代が出ないのは『()くのが好きだから』と本人(だん)

 

そして、午前の部が終了し、昼食の為の(しば)しの休息(きゅうそく)

 

―翠蓮side―

 

「あっ!羅濠ちゃんお疲れ様、とても良かったよ」

「フム、始めは出場しているのを見て言霊でも使うのかと思ったがな」

 

「えぇ、ありがとう清楚、それと彦一、私を見縊(みくび)っては成りません!、今回は見逃しますが次はありませんよ」

威圧を()めて言う翠蓮に京極は(ほほ)を引き()らせて謝罪する。

「あ、あぁ悪かった」

 

「でも意外だね、羅濠ちゃんが参加するなんて」

純粋に疑問に思った清楚が問い掛けた。

 

【ん?、清楚の中で私のイメージがどうなっているか気になりますが...まぁ良いでしょう】

「百代の(げん)では在りませんが、折角参加したのですから多少はクラスに貢献しないといけません・・・それに私以上に私の活躍(かつやく)を期待しているのも居ましたし」

後半の(つぶや)きは良く聞えなかったが、清楚達は納得した。

 

「それよりも、この前言った事は覚えていますね?」

「う、うん」「あぁ、言われた通り弁当等は用意して居ないが...本当に良いのか?」

翠蓮の問い掛けに答える二人、それは今日のお昼を翠蓮が用意する代りに一緒にいて欲しいと切羽詰まった物だった為、二人は疑問に思いつつも了承(りょうしょう)したのだ。

 

「えぇ勿論(もちろん)です」

(むし)ろ居て貰わないと困ります、アレの相手は私では無理です。】

内心を顔に出さすに笑顔で答える。

 

そしてそれは(あらわ)れた!

 

「あっ!翠蓮さ~ん、やっと見つけましたよ~」

手を大きく()りながら笑顔で()け寄って来る美少女、普通ならとても嬉しいシチュエーションだ。しかし翠蓮は苦笑いを浮べる。

 

「キャッ!」「!?」

そんな美少女が砂に足を取られて転び掛けた時、翠蓮は咄嗟(とっさ)に身構えた。それは彼女の事を知っている為に次に何が起こるかも予想出来たからだ。

 

『『『キャーーー!?』』』

突如として突風(とっぷう)吹荒(ふきあ)れ辺りの物が飛交(とびか)い、翠蓮達にも飛んで来たが、それらは翠蓮によって(はじ)き落された。

 

そして転び掛けて居た美少女はと言うと

「まぁ、何方(どなた)のかは存じませんが助かりましたわ♪」

突風によって飛んで来たマット状の浮輪(うきわ)がクッションになって怪我(けが)どころか(よご)れてすら居なかった。

 

「「・・・」」

その偶然にしては(あま)りの光景に絶句する二人、周りの生徒達は突然の突風に軽くパニックになっていた。

 

「いいですか二人とも、決して私から離れてはいけませんよ?」

翠蓮の言葉に二人は黙ってコクコクと(うなず)いた。

 

【まぁ、元凶(げんきょう)は目の前に居るのですがね】

そして嫌々ながらも翠蓮は浮輪から立ち上がった彼女に声を掛ける。

 

「久しぶりですねアイーシャ、来るかもとは聞いておりましたが...本当に来るとは」

「もう、親友(しんゆう)の晴れ舞台を応援するのは当り前じゃないですか」

満面の笑顔は(まさ)に聖女と呼ぶに相応(ふさわ)しいものだが、翠蓮の目には悪魔の笑みに様に見えていた。

「そ、そう、ところでアイーシャだけですか?」

 

翠蓮の問い掛けにアイーシャは困った様に(ほほ)に手を当てた。

「それがアリスさん達も居たのですが途中で(はぐ)れてしまって」

 

【何となく分りました、(わか)りたくは無かったですが...】

アイーシャの権能、幸いなる聖者への恩寵(グランド・ラック)を知っている翠蓮は巻き込まれたと理解していた。

 

「やっほ~清楚ちゃん、羅濠ちゃん、一緒に食べ・・・」

そこに松永燕が食事に誘いに来たが、アイーシャを見た途端(とたん)に固まる。

【あ、あの人って天災聖女のアイーシャさんだよね...なんで居るの?】

そして後退(あとずさ)り、離脱(りだつ)しようとした。

 

(つばめ)、食事ですか?良いですね皆で食べましょう!」

「まぁ良いですね♪」

翠蓮の言葉に両手を合せて同意するアイーシャ、完全にタイミングを失った燕と翠蓮の視線が交差する。

【ふふ、逃しませんよ】【くっ!?(はか)られた!】

 

翠蓮の体に(さえぎ)られてアイーシャの姿が燕の死角に有ったのは偶然では無いのだろう、しかし証拠(しょうこ)も無ければ仮に証明(しょうめい)出来ても今更どうすることも出来ないので(あきら)めた。

 




久々登場、アイーシャさん!うん聖女様は好きですね♪
遠くから見てる分には・・・

「天災聖女」...なんだろうとてもしっくり来る感じが、取敢えずプロフィールに追加して置きますね。

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