ご注文はイズミンですか?   作:マスタべえしょん

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イズミ「あんな事、俺に教えてよかったんです?」

タカヒロ「君は明るいけど口が軽い訳じゃない、他言なんてしないだろう。アイツみたいに」

イズミ「・・・・ありがとう、ございます」

タカヒロ「気にするな」


第八話 シャロとカップ選びですか?

「わーかわいいカップがいっぱいー!」

 

ココアが嬉しそうにそう言った。確かにそこには沢山のカップがズラリと並んでいた。

 

今、イズミたちは喫茶店ラビットハウスで使うカップを買いに来たところだ。

と言っても、別にカップに困っているということも無いのだが

 

じゃあなぜ此処に来たかと言うと___

 

 

 

 

「このお店のカップって無地だよね」

 

これもまたココアの一言からだった。

 

「シンプル イズ ベストです」 チノちゃんがそう答える。なんか大人っぽいな

 

「ん〜でも柄があった方が面白いんじゃないか?うさぎのマークとか」

 

「・・・なるほど、いいかもしれませんね。」

 

「そうだよ!もっと色んなのがあったらきっとみんな楽しいよ!」

 

おっ、言って見たら結構乗ってきてくれた。それなら・・・

 

「じゃあ今度みんなで買いに行こうぜー」

 

「はい」「うん!」

 

よし、決まりだな

 

「そうそう、この前面白いカップ見つけたんだー」

 

「へえ どんな」 料理を配り終えたリゼが話に加わってきた。

 

「んーとね〜、こんなの!」

 

そう言ってココアが浮かび上げたのは、手持ちがちょっと曲がった感じのかわいいカップだった。

いや待て、それは飲み物を淹れるカップじゃない気がする

 

「それ、アロマキャンドルじゃないか?」

 

リゼの冷静なツッコミがはいる。喫茶店にアロマの香りは・・・ないなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____とまあ、こういう訳で今に至る。相変わらずココアはテンションが高い。

 

「ココア、あんまはしゃぐなよー。ここ、割れ物ばっかだかr『ゴッ』」

 

イズミが言い終わる前に何か鈍い音がした。ココアがカップの棚にぶつかった音だ。

 

(((予想を裏切らない))) 全員がそう思った。

 

棚の上のカップが落ちそうになる。

イズミとチノちゃんで落ちてくるカップをキャッチし、リゼが倒れそうになったココアを支える。一緒に働いてるからかコンビネーションは抜群だった。

 

「気をつけてください、ココアさん。」 「はーい」

 

気を取り直してイズミたちはカップ選びを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

ふーん。カップにもいろいろあるんだなー。おっ、あれなんか良さそう!

 

イズミはそのカップに手を伸ばす。と、誰かと手が触れあった。

 

「おっとすいません・・ってシャロじゃん。」

 

「あら、イズミじゃない。どうしたのこんなところで」

 

さっきの手の主はシャロだった。

 

「喫茶店のみんなとカップを買いに来たんだよ。」

 

イズミはココア達を指差してそう言った。

 

「あれ よくみたらシャロじゃん」

 

「て、天々座先輩!?どどどどうしてここに・・・」

 

シャロはリゼを見て急に動揺しだした。

 

「知り合いですか?」

 

「私の学校の後輩だよ。ココア達と同い年」

 

あ、シャロとリゼって同じ学校だったんだ ・・・え?

 

「「リゼ(ちゃん)って年上だったの?」」

 

ココアとセリフが被った。なんかみんなから 今更 って顔されてるんだけど…

 

「そっそれより二人っていつ知り合ったの?」

 

「私が暴漢に襲われそうになった所を助けてくれたの」

 

なにそれリゼめちゃめちゃカッコイイじゃん!

 

「『この私が断罪してくれる!』とか言いそう!」

 

「そんなこと言わないぞ!!」イズミはリゼに全力で否定された

 

「ちがうちがう、本当はー」「あっ言っちゃダメです!」

 

そう言ってリゼは説明した。

どうやらシャロが不良野良うさぎが通行のジャマして困っている所をリゼが助けたようだ。

 

「うっうさぎが怖くてわっ悪い!?」

 

シャロは顔を赤くしながら言った。うさぎカワイイのになー

 

 

 

おっと本来の目的を忘れてた。カップを探さねば

 

「にしてもどのカップが良いのかサッパリだ」

「そうですね、違いが分かりません」

「どれも同じように見えるよー」

 

イズミ達は口々に言った。みんなこういう知識はないようだ

 

「じゃあみんな、このティーカップなんてどう?香りが良く広がるの。」

 

そう言ってシャロはティーカップを手に取り勧めてきた。

 

「へーそうなんだあ。」「カップにも色々あるんですね」

 

「こっちは取っ手のさわり心地が工夫されてるのよ。」「なるほどねー」

 

「詳しいんだな」

 

「上品な紅茶を飲むにはティーカップにもこだわらなきゃです!」

 

シャロはリゼに笑顔で言った。

 

「うちもコーヒーカップには丈夫で良いものを使ってます」

 

「私のお茶碗は実家から持って来たこだわりの一品だよ」

 

「俺も修学旅行で作った湯飲みを今でも大切にしてるよ」

 

 

「何張り合ってるんだ。あとイズミ、お前のはそれほど愛着ないだろ」

 

チッ バレたか。俺もこだわりが欲しかったんだよ……

 

 

 

「でもうちの店コーヒーが主だからカップもコーヒー用じゃないとなー」

 

「えっそうなんですか!?」(リゼ先輩のバイト先行ってみたかったのに・・・)

 

シャロはリゼの一言に一瞬驚き、そして悔しそうな表情を浮かべていた。

 

「もしかしてコーヒー苦手? 砂糖とミルクいっぱい入れればおいしいよ」

 

「にっ苦いのが嫌いなわけじゃないわよ!」

 

ココアに子供扱いされたのが嫌だったのかシャロは力強く訂正した。その後

 

「ただ、カフェインを摂りすぎると異常なテンションになるみたいなの。自分じゃよく分からないんだけど」

と続けた。

 

「「「「コーヒー酔い!?」」」」

 

(コーヒーで酔うのか、すごい体質だな。シャロがハイテンションになってるとこ見てみたい気もする…)

 

「イズミ、今変なこと考えなかった?」「ヒャい!いえ、なにも」

 

変な声が出てしまった。シャロも俺の考えが読めるのか 、恐ろしいな。

 

 

 

 

 

 

この後も、ティッピーがカップの中に入ったり、リゼが昔五万もするアンティークのカップを的にして打ち抜いたことを知って驚愕したり、シャロがリゼと色違いのカップ買ってたりしてみんな楽しんでた。

 

すると、

「シャロちゃんて高いカップ詳しくてお嬢様って感じだね。」

 

と、ココアが言った。シャロは「お嬢様!?」と驚いていたけど、言われてみれば確かにお嬢様っぽい。

チノちゃん曰く、リゼ達の学校にはお嬢様と才女が多いそうだ。

 

 

その後少し話をした後、イズミ達はシャロと別れた。

結局、喫茶店でつかうカップは買いませんでした。何しに行ったんだか 楽しかったけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、シャロちゃんお帰りなさい」

 

「・・・・・・・・・」

 

「どうしたの?」 元気のないシャロに千夜が訊く

 

「リゼ先輩達に余計なイメージ持たれた・・・」

 

「ココアちゃん達に会ったのね!」

 

「・・・絶対内緒よ」

 

「なにが?」

 

「私がこんな家に住んでいるっていうことをよーーーー!!」

 

シャロの家は甘兎庵の隣のボロい小屋みたいな家だ。

更に言うと、シャロはお嬢様ではない。一般的な庶民である。

 

 

イズミ達がこの事実を知るのは後の話_____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ども、ハロにちはー 白髪祭です。

急で申し訳ないですが次回は展開を前倒ししてあの作品とクロスさせたいと思います。





それでは次回お楽しみに

ご意見、ご感想お待ちしております。

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