ご注文はイズミンですか?   作:マスタべえしょん

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イズミ「ティッピーパン、店で販売されるの?」

チノ「せっかく作ったので一応出してみようとは思います」

ココア「きっと看板料理になるよ!」

イズミ「だな(エグかったけど)」


第六話 イズミンと甘兎庵と喋るウサギですけど?

朝だ。イズミは目を覚ました。

 

(まだ眠い、でも腹も減った。朝メシ食べよー。)

 

一階に降りた。朝食はすでに用意されていてそこにはチノちゃんもいた。

 

「おはよう、チノちゃん。いつも早いね。」

 

「おはようございますイズミさん。」

 

チノちゃんは丁寧に挨拶を返してくれた。ホントええ子や。

 

「そういえば今日は甘兎庵に行くんだよね。」

 

「はい、千夜さんがパン作りのお礼にとの事で。」

 

甘兎庵、和の趣がある良い店だったな。この前食った金の鯱スペシャルは良かった。今度は違うやつ頼もー

そんなことを思いふけってるとチノちゃんから 早く食べてください と急かされた。

よく見たら俺は朝食に全く手をつけて無かった。やべえ、冷めちまう。

 

 

 

 

 

 

二人が朝食を食べ終えると、誰かが階段を下りてくる音がした。

 

「ふわぁ〜チノちゃんイズミンおはよう。」「おおココアおはよう」

 

(今日は一人で起きれて偉いなココア・・・って遅えよ!)

 

イズミは心の中でツッコんだ。

 

「ココアさんもっと早く起きてください。」

 

チノちゃんが注意する。微笑ましいわ、この光景。

 

 

 

 

 

 

という訳で彼らは今千夜の家、甘兎庵に向かっているところだ。

チノちゃんの話によると、おじいちゃんの時代に張り合っていたらしい。何故かティッピーの表情が強張ってたけど・・・まあいっか。

 

甘兎庵に着いた。

 

「オレ、うさぎ、あまい・・・」

 

「ココア、甘兎庵な。」

 

ココアが訳が分からなそうに看板の文字を左から一文字ずつ読んでいた。すかさずイズミが訂正する。

 

「あ、いらっしゃいみんな。来てくれたのね。」

 

店の扉を開けると千夜が初めて会った時と同じ制服姿で出迎えてくれた。

 

「あっ初めて会った時もその服だったね。制服だったんだ!」

 

「あれはお仕事で羊羹をお得意様に配った帰りだったの。」

 

「あの羊羹美味しくって三本いけちゃったよー」

 

「三本丸ごと食ったのか!?」 リゼは驚きつつツッコんだ。

 

「バカな・・・俺でも二本がやっとなのに・・・」

「イズミさん、どうしたんです?」

 

どうやら一番衝撃を受けてたのは彼のようだ。チノちゃんの言葉で我に帰る。

 

「あ、ウサギだ!」

 

「看板ウサギのあんこよ」

 

ココア達の方を見ると、毛色の黒いうさぎが台の上にちょこんと座っていた。つぶらな瞳と小さな口が可愛らしいウサギだ。あれ?でも・・・

 

「千夜、前来たときこのうさぎいたか?」

 

「イズミくんが来てた時は丁度いなかったのよ」

 

「そうだったのか」 (なんて間の悪い…)

イズミはあんこを撫でながらそう思った。初対面のイズミに撫でられても動じない辺り、あんこはかなり人間慣れしているようだ。

 

が、チノちゃんが触ろうとして近づくと、あんこが急に飛びついてきた。あんこはチノちゃんの頭のティッピーに体当たりした。

 

「チノちゃん大丈夫?」 「びっくりしました」

 

ココアが反動で尻餅をついたチノちゃんに近寄る。怪我はしてないようだ

 

「縄張り意識が働いたのか?」

 

「いえ、あれは一目惚れしちゃったのね。」

 

「一目惚れ?」

 

「恥ずかしがり屋くんだったのにあれは本気ね。」

 

千夜は嬉しそうに言った。あれ?あんこがオスってことは

 

「なあ、チノちゃん。ティッピーってメスなの?」

 

「はい、ティッピーはメスですよ。」

 

そう言ったチノちゃんの後ろではティッピーの逃走劇が繰り広げられていた。その時のティッピーの声は、

どうみてもおっさんの声だった。

 

「チノちゃん、もしかしてだけどティッピーの 中身 はおっさんだったりして?」

 

俺はちょっと冗談っぽく言ってみた。

チノちゃんはちょっと驚いて

 

「・・・イズミさんは勘が鋭いですね。分かりました、後で全てを話します。」 と言った。

 

それを聞いて俺はさっきのチノちゃんより驚いた。

 

(ん?え?どゆ事?まさか本当に中身違うの?いやいやいやいやそんなのないよありえないって。

でもさっきの意味深な発言は?)

 

「イズミ〜ン。どうしたの?」

 

「ん?あっいや何でもないよ。」

 

ココアが考え込む俺をみて心配そうに言った。俺は一拍遅れて返事を返した。

 

「私お腹すいちゃったよー。何か頼もう」「おう」

 

二人は席に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんなどうだった?初めての甘兎庵は。」

 

甘兎庵からの帰り、イズミは三人に聞いた。

 

「いろんなメニューがあって目移りしちゃったよー。」

 

「メニュー名は個性的なのばっかだったけどな。」

 

リゼが言う。確かに俺も初めてみた時は面食らった。

 

「千夜さんの抹茶のラテアートはすごかったです。」

 

ラテの中に俳句書いてあったもんな。季語が無かったけど

 

「でもチノ、昔はあの店とライバルだったんだよな。」

 

「はい。今はそんなこと関係無いですけどね。」

 

リゼの問いにチノちゃんはそう答えた。

そうだよな、平和が一番だ。いがみあわずに仲良くやっていければいいだろう。

ま、俺達もラビットハウスで頑張らないとn

 

 

・・・あ。

 

俺は重大な事に気付いた。チノちゃんの頭に乗ってるのティッピーじゃなくてあんこだ。

 

「チノちゃん、頭に乗ってるそれ、あんこだぞ。」

 

「「「あ!本当!」だ!」です!」

 

三人は揃って声をあげた。ていうか今まで誰も気づいて無かったのかよ!

 

「しゃあねえ、みんな先行ってろ。俺はティッピーとあんこ取り替えて来るから。」

 

そう言って俺はあんこを抱えて甘兎庵に向かって走った。

 

 

 

 

 

 

 

(はあ、はあ、やっと着いた・・・)

甘兎庵に到着したイズミ。

「おーい。千夜ー」

 

「あら、どうしたのイズミ君。」

 

千夜は丁度店の片付けをしていたところだった。

 

「いや、ティッピーとあんこ入れかわってないか?今俺の手元にあんこがあるんだが」

 

「あら、台の上に毛玉・・・全然気づかなかったわ」

 

千夜、お前もか。というかティッピーを毛玉て。

 

 

 

「じゃあな千夜。」「ええ、またね。」

 

俺はティッピーを抱え甘兎庵を出た。

 

(ふう。無事ティッピー捕獲っと。チノちゃんにメールでもしておくか。)

 

俺はティッピーをチノちゃんみたいに頭にのせながらそんな事を考えていた。

 

(にしてもあのチノちゃんの言葉、本当にこいつ中身がうさぎじゃないのか?だとしたら・・・)

 

「ティッピー、お前喋れるのか?」

 

俺は頭の上のアンゴラうさぎに問いかけた。勿論返事はない。

 

「・・・まさかね」諦めかけたその時、

 

「そのまさかじゃよ小僧」

 

はっきりと俺の頭の上のうさぎ、ティッピーは喋った。しかもめちゃめちゃ渋い声で。

 

「う、う、・・・・・・」

 

 

 

「ウサギが喋ったあああああああああああアアアアアアアアアアアア」

 

俺の驚きの叫びが木組みの街中に広がった。




どうも白髪祭です。

一週間ぐらい見ない間になんか面白そうな作品が次々と・・・負けてられませんね

ちなみにこの空白の時間自分は何してたかというと

五話投稿

一週間後テストがある事に気づく

猛勉強

テスト終わり六話投稿

という感じです。テスト疲れたー。え、結果?聞かないでください・・・

ま、そんなわけでまたバンバン書いていこうと思います
それでは次回お楽しみに

ご意見ご感想お待ちしております。


追記 次回はイズミンの正式なプロフィール書きます

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