リゼ「落ち着け私。これはパン作りこれはパン作り・・・」
イズミ「どうしたリゼ?ブツブツ何か言ってるけど」
リゼ「ん? ああ、ちょっとな」
イズミ「そっか」モグモグ
リゼ「イズミ、何食べてるんだ?」
イズミ「煮干しだけど?」リゼ「使わないのか!?」
「パンをこねるのって時間がかかるんですね。」
チノちゃんがそう呟く。確かにさっきからずっとこねてるもんな。俺も少し疲れてきた。
「腕が・・・もう動かない・・・」千夜が力無い声でそう言う。っていうかもうそんなにバテたのかよ。
「大丈夫か千夜。無理すんなよ。」「ええ、分かったわ。」
「チノちゃんも辛かったら、言ってね。」「子供じゃないです。」
チノちゃんは頬を膨らませて俺に言った。子供扱いされたのが嫌だったのかな?まあでも二人がまた疲れてたら代わってやらないとな。
「まあリゼは平気だろうな。」
俺はリゼの方を見た。リゼは何食わぬ顔でパンをこねていた。と、リゼはこちらに気づき
「なぜ決めつけた?」そう言って俺を睨んだ。おー怖っ。
だってリゼ俺より力あるじゃん。この前リゼと腕相撲したけど俺三秒で負けたからね・・・
まあそんな事はどうでもいい。
ココアの方は大丈夫だろうか。そう思いココアの方を向くと
「このときのパンがもちもちしててすごくカワイイんだよ!」
ココアがパン生地を持ちながら笑顔で言った。なんか謎のオーラ出てるし!凄い愛だな。
多分この二人は心配しなくていいだろう。俺もさっさとこねないとな。
「よし、まあこんなもんだろ。」パンの生地をいい感じのところでこね終え、俺はそう言った。
パンの形はエッフェル塔だ。なんでかって?イギリスっぽいからかな。ん?エッフェル塔はフランスにあるって?まあ細けえ事はいいんだよ。
みんなもそろそろ終わるみたいだ。みんなはどんなの作ったんだろう。まずはチノちゃんにでもきいてみるか。
「チノちゃんはどんな形のパンにするの?」
「おじいちゃんです。小さな頃から遊んで貰っていたので」
「おじいちゃん子だったんだな。」
「はい、コーヒーをいれる姿はとても尊敬していました。」
そうだったんだ。チノちゃんのおじいちゃんのコーヒー飲んでみたかったな
「リゼは何の形にした?」
「私はうさぎの形だ。中々いいだろ。」
ほう、うさぎか。ってかめちゃめちゃカワイイ!!
「ああ、良いな。すごくカワイイ!!」 俺は変にテンションが上がった。
「そ、そうか・・・//」
急にリゼが黙り込んでしまった。顔が少し赤くなってる。褒められたのがそんなに嬉しかったのか?
あ、余ったパン生地で凱旋門も作ろうかな。
そして、俺は凱旋門の形のパンを作った。時間もそんなに無かったから焦って作った。
「じゃあみんなーそろそろオーブン入れるよー」
ココアが言った。俺も おう、と返す。オーブンでパンを焼くとき、チノちゃんが
「今からおじいちゃんを焼きます。」って言ってて怖かった。ティッピービビってたし。
その後チノちゃんはずっとオーブンを見てた。
「パンを見ててそんなに楽しいか?」
「はい、どんどんふくらんで大きくなってます。」
チノちゃんは楽しそうだった。
「でもイズミさんのパンは全然ふくらんでないです。イズミさん、もっとがんばってください。」
チノちゃんは俺にそう言った。いや、何をどう頑張ればいいんだ?
どうすればいいか分からなかった俺は仕方なくオーブンの前でガンバレ、と応援していた。何やってんだ、俺。
「パン、焼けたよー!」
おっ焼けたか。ん〜パンのいい匂い!
「早速みんなで食べましょう。」
みんなそれぞれ自分のパンを一口食べた。
「美味しい!」「いけますね」「おおっ美味い。」「これなら看板メニューにできるね!」
「この、焼きうどんパン」
「この、梅干しパン」
「この、いくらパン」
「この、煮干しパン」
「どれも食欲そそらないぞ。」
リゼから冷たい一言が入った。良いと思ったのになー。煮干しパン。
その後ココアが作ったティッピーパンがもちもちしてて好評だった。中身はいちごジャムでちょっとエグかったけど。俺は煮干しパンもラビットハウスに出してくれと頼んだけど、リゼに却下された。