千夜「新作の和菓子を作る度にアイデアが降ってくるのよ」
イズミ「しかし、これじゃ何がなんだか分からないな…」
千夜「あ、指南書には普通に書いてあるわ」
イズミ「普通のあるのかよ」
今日もラビットハウスでバイト。店にはいつもの四人が揃っていた。さっきまでいた客も引いていき、落ち着いてきた所でココアが切り出した。
「ラビットハウスに新メニューを作らない?」
「新メニュー ですか?」
チノちゃんが問い直す。
「そう、新メニューだよ!」
改めて元気に答えるココア。 新メニューか。何を作るんだろう
「新メニューって何を作るんだ?」
「それ、俺も気になってたんだ。何を作ろうと思ってるの?」
リゼさんナイス!俺の心を読み取ったかのような質問だ。
「パンを作ろうと思って、うち実家がパン屋さんだから。」
「へえ〜実家がパン屋ねえ。ココア、パン作るの得意なの?」
「そうだよ〜。じゃあ今度の休日にラビットハウスで作らない?」
「おっ良いっすなー。リゼも来るよなあ?」
「ああ、もちろんだ。」良い返事が返ってきた。リゼにしては珍しく気合い入ってんな。
「なんか今失礼な事考えなかったか?」チャキ
「イエイエベツニナニモー」
怖っ!!なんで俺の考えてる事が分かるんだ?まさか本当に俺の心が読めるんじゃ・・・ってか銃!早く仕舞ってくだせえ。まだ仕事中ですよぉ!
「そっそれより、パンを作るならオーブンが必要だよね。この店に有るの?」
「オーブンならありますよ。昔、おじいちゃんが調子に乗って買ったやつが。」
チノちゃんが答えた。ていうかあるんだ。
「じゃあみんな、休日楽しみにしててね♪」笑顔でそう言うココア。
まあココアが一番楽しみにしてそうだけどな。俺はそう思いながら仕事を再開した。
そして、休日 パン作りの日がやって来た。パンに入れる材料を持って一階の厨房の方へ行くとそこには千夜の姿があった。
「千夜!」「イズミくん!」 二人は揃って声をあげた。
「あれー?イズミン、千夜ちゃんと知り合いだったの?」
「ああ、ついこの前な。」
「そうだったんだ。まあ、リゼちゃんとチノちゃんは初めましてだろうし紹介するね。こちら千夜ちゃんだよ。」
「初めまして、宇治松千夜です。今日はよろしくね。」
「私はチノです。今日はよろしくお願いします。」
「リゼだ。今日はよろしくな。」
「さーて、軽い自己紹介も済んだところでパン作り始めましょうやあ!」
「「「「おー!!」」」」
こうして、パン作りが始まった。
「じゃあまずは、各自パンに入れたい材料提出ー! 私は新規開拓に焼きそばパンならぬ焼きうどんパンをつくるよ!」
「私は自家製あずきと、海苔と梅を持ってきたわ。」
「冷蔵庫にイクラと鮭と納豆とゴマ豆腐がありました。」
「俺はチョコレートと煮干しとポテトチップ持ってきたぞ。」
みんなそれぞれ様々な食材を持って来ていた。おっリゼはいちごジャムとマーマレードか。なんかさっきから
リゼ固まってるけど・・・どうしたんだろう、考え事か?
「なあ、イズミ これってパン作りだよな?」リゼが小声で聞いてきた。
「そうだけど?」
俺がそう返すとリゼは そうだよな・・・ と言って、また考え事をしていた。今日はどうしたんだ?リゼ。俺にはさっぱり分からなかった。
白髪祭です。
第四話 読んでいただきありがとうございます。
とりあえず今回はパンを作る話です。全部書こうと思ったんですけど、(作者の力不足により)分けました。
次回は後半を書こうと思います。
それでは次回お楽しみに
ご意見、ご感想お待ちしております。