ご注文はイズミンですか?   作:マスタべえしょん

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第二十二話 ゴールデンラビッツ

黄金のオーラが眩しい。

 

日常生活では普通こんな感想は起きてこない。

眩しいなんて感想が起こるのは反射した太陽光が目に入った時か直視できないほど素晴らしい物を見た時ぐらいだろう。しかもそこに「黄金のオーラ」なんて主語はつかない

 

しかし、俺は今それを目の当たりにした

ツインテールで可愛く纏められた金髪、カールのかかったショートの金髪、さらさらとしたストレートの金髪

三種盛り合わせの美しさからは気品ある輝き、「黄金のオーラ」を放っていた。

 

金髪トライアングルを見た俺は、一瞬で心を奪われていた

俺は無意識に手を組み、片膝をついて祈るような姿勢でこう呟いた

 

 

心からの笑顔で

 

 

「天使様が降臨なさった…!」

 

「「「イズミ!?」」」

 

 

三人は若干引いていた

 

 

 

 

 

というわけで三人の金髪少女がシノをトライアングルのように囲んでいる

 

「はあ、はあ、天国です・・・!」

 

こけしがもうそろそろ本当に召されそうです

 

 

「カレン、私たちなんでこんな事やってるの?」

 

「ブロンドヘアーが三人ナノデ、シノに贅沢な使い方させて見たかったデス!」

 

「なんで私まで・・・」

 

 

アリスとシャロは呆れた顔をしていた。

どうやらカレンが思いついた茶番につき合わされてるらしい

 

 

「シノ、カレン。二人が微妙な表情になってるからそれくらいにしておけ」

 

「・・・そうですね、充分堪能しましたし」

 

そう言った忍はムフーッと満足げな様子だった。

かなりの時間楽しんだらしい、ちくしょう…

 

仕返しとばかりにこう言った

 

「次俺の番ね!」

 

「あっ、ずるいですよイズミくん!」

 

他愛のない小競り合いが続いている間、アリスとシャロはソファーでぐでーとしてた

 

 

 

 

 

 

 

「うぅぅ・・・負けた」

 

「今回は私の勝ちですねイズミくん。金髪トライアングル権は私が貰いますよ」

 

「そんな権利ないわよ!」

 

小指相撲(第九話参照)の果てに勝利し、勝ち誇っている忍にツッコミを入れるシャロ

 

「はあ、イズミのお友達も大概ね。疲れるわ」

 

「そ、そうか。まあご苦労さん」

 

「特にカレン。私の手には負えないわ。ココアとは別種の元気少女ね」

 

「まあ否定はしない」

 

「少し休んでスッキリしてくるわ」

 

「おう、ゆっくりしろよ」

 

俺の言葉を背に受け、シャロはさっきの金髪二人の方へ戻った

アリスとカレンは今しがたチノちゃんが淹れたコーヒーを飲んでいる

 

シャロもそこに混ざって・・・いやちょっと待って

 

 

「キーンパーツイェーーーイ!」

 

 

案の定、コーヒーを飲みました(キメました)

休むんじゃなかったのん?

 

 

 

 

 

「カレーン!アリスー!二人共超カワイイー!!」

 

「ありがとうデース!シャロもとってもキュートデスヨ!」

 

「か、可愛いだなんてそんな・・・」

 

シャロの突然なハイテンションな発言にカレンはノリノリで、アリスは少し照れながら返す

当の彼女は二人の反応が嬉しいのか二人に抱きついてる。 眼福眼福

 

 

「シャロはコーヒー飲むとこんな風にハイテンションになるんだ。だかr」

 

「イズミー!」「うわっ!?」

 

二人に説明している途中でまたシャロにど突かれてしまった。ドテッと俺は倒れる

 

「痛ててて、びっくりしたあ」

 

「イズミーイズミー♪」

 

 

床に打った体の部分をさすっていると、シャロが俺にくっついてきた。

態勢的にはかなり密着している

なんか顔近いし体温伝わってくるし金髪は輝いてるしちょっと色々ヤバい

 

 

「シャロ!とりあえず一旦離れよう、このままはまずいから」

 

「・・・びし・・たのよ・・・」

 

「え?」

 

「・・寂しかったのよ・・・急に居なくなるから・・」

 

 

消えいるような弱い声でそう言われた

ハイテンションだったシャロの声が急にか細くなって驚いた。

しまったな、とも同時に思った

木組みの街を離れるのは数日の事だから別に話さなくてもいいと勝手に思っていたが、それは違った

木組みの街の生活が楽しかったのは俺だけじゃなくてシャロやココア達もだったのかもしれない

だとしたら、今回の俺の行動は反省しなくっちゃな

 

 

「寂しい思いをさせて悪かった。もう勝手にどっか行ったりなんてしないから」

 

「くー・・・」

 

「あれ、寝てる?」

 

謝りながらシャロの方を見ると、シャロは寝息を立てていた。え、うっそだろおい

なんと間の悪い事に今の謝りが伝わったどうかすら分からない感じになってる

せっかく・・・良い雰囲気だったのに・・・

 

あと我に返って気づいた

アリスとカレンは今の一部始終をバッチリ見ていて少し顔を赤くしている

後ろをむけば千夜がバッチリケータイのカメラで録画している

 

 

・・・・チクショウ!絶対ネタにされる!ゆっくり寝ろよシャロ!

 

シャロをソファに寝かせた後、俺はケータイを奪うべく千夜を追いかけた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バッチリ聞いたわよ、もう・・・・///」

 

そんな小さな呟きは彼女だけにしか聞こえなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イズミーン!リゼちゃんが二人いるよ〜」

 

「綾!?どっちが本物の綾なんだ!?」

 

 

ココアと陽子の慌てた声が聞こえる。

手にはしっかりとコーヒーの入った紙コップが持たれていた

ココア、チノちゃん、リゼのラビットハウスのいつもの面子と綾、陽子が固まって話していた。

と思うのだがお互いにどっちがどっちか分からなくなってるっぽい。え、普通にヤバくね

 

 

「いやいやいやいや、いくら何でもそんなまさか・・・」

 

 

言われてみると確かに。パッと見じゃ区別がつかん。しかし、じーっと見て当ててるようじゃ二人に対して失礼だろう。

 

「よし、じゃあちょっと二人「あー」って言ってみてくれ」

 

「そうか!声ならわかるかもしれないな!」

 

 

「「あー」」

 

 

「・・・なんか、大体同じだなイズミ。私わかんない」

 

最初は俺の提案に乗り気だった陽子もいざ実施すると区別がつけられなかった。

声質が一緒なのかな?数年の付き合いの陽子でも分からんとか二人シンクロし過ぎじゃない?

でもなんか片方が肩をプルプル震わせながら陽子を睨んでいる。・・・綾だなあれ

 

陽子もそれに気づいたのか綾を指差し見事正解した

 

「もう酷いわ!陽子は私の事を忘れちゃったのね!」

 

「わ、悪かったよー。ごめんって綾」

 

ポカポカと陽子を叩く綾とそれを宥めつつ受ける陽子。いつもと変わらぬ光景だった

 

 

「リゼちゃんダメだよ!陽子ちゃんをいきなり叩いちゃ!」

 

「ココア!?」

 

「ココアさん違います。あの人は綾さんです。リゼさんじゃないです」

 

 

おっと、未だ判別がついてない方約1名。

というわけでもう一度綾を呼びリゼと並べる

 

 

「さあ問題、リゼはどっちでしょう?」

 

「イズミさん、何だかクイズ番組みたいになってます」

 

「まあそう言わずチノちゃんも一緒に考えよう!」

 

「考えるまでもなく左がリゼさんだと分かるのですが」

 

 

今の並びはココアや俺たちからみてリゼが左で綾が右に立っている。チノちゃんは即答したがココアはまだ悩んでいるようだ。

 

「うーん。イズミン!50:50を使うよ!」

 

「二択なのでもうなってるんですがそれは」

 

「そうだった!どうしよ〜」

 

ココア数学得意だったよな?暑さでダメになったのか・・・

 

「ココア、思い出せ!ラビットハウスの思い出は何だったんだ、リゼやチノちゃんとの日々を忘れてしまったのか?」

 

「そんな事ないよ!チノちゃんとリゼちゃんと三人でお仕事してた事は私の大切な思い出だもん!」

 

 

清々しいまでにココアは言い切った

その言葉にリゼもチノちゃんも「ココア・・・」とか「ココアさん・・・」とか言って少し驚いた後嬉しそうな表情をしている

 

でも気づいて欲しい。俺ナチュラルにハブられてる事に

 

 

「千夜ちゃんやシャロちゃん、イズミンとの日々だって忘れてないよ!」

 

「ココアちゃん!」

 

千夜も嬉しそうに微笑んだ

というか俺も覚えられてた。ココアー!ありがとー!よかったー!

 

とまあ俺が心の中でぴょんぴょん飛び跳ねてる、略して心ぴょんぴょんしてるとココアは一つ案を思いついた

 

 

「そうだ!二人に質問をして、その答えからどっちがリゼちゃんか当てればいいんだよ!」

 

「なるほど。では一つの質問でどっちがリゼかを決めてください!」

 

 

「私の質問はこれだよ!『ご飯はあるけど冷蔵庫がほぼ空っぽ!一、二種類の食材で出来る即席の朝ごはんといえば?』」

 

「右の方!」「えーと、卵かけごはんかしら」

 

「左の方!」「レーションとかならご飯がなくてもいけるぞ!」

 

「あ、左がリゼちゃんだねイズミン」

 

「うん正解」

 

「あっさりと終わりましたね」

 

チノちゃんのいう通りである。めっちゃ分かりやすくてコメントいらないレベルのリゼらしい答えだった

 

 

 

「今週のどっちがどっちでSHOW!はこれで終了です。それではまた来週ー」

 

「「しないわよ(からな)!!」」

 

 

二人のツッコミは今日一番でハモってた

 

 




更新が大分遅くなってしまいました。m(_ _)m
お久しぶりです。白髪祭です

登場人物11名、イズミンはともかく女の子10人を偏りなく登場させたい!どうする?って考えてたらあれよあれよと数ヶ月。申し訳ないっす
一ヶ月一回更新の方針は変えませんが今年は忙しかったりもするので予定通りには中々いかない事をお伝えしておきます。勉強つらいお・・・


それではまた次回お楽しみに


ご意見ご感想、更新遅いんじゃボケえ!等のコメントお待ちしております

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