ティッピー「そうじゃよ小僧」
イズミ「小僧ってなんd・・・ウサギが喋った!?」
チノ「それは私の腹話術です」
イズミ(チノちゃん、あんなおっさんの声出せるのか…)
「では、イズミさんとココアさんには早速働いてもらいます。」
チノちゃんは俺らにそう言ってきた。あれ?他に従業員は?
「あのさ」 「はい、なんでしょう」
「今この店チノちゃん以外誰もいないの?」
「いえ、父とバイトの子がもう一人・・・」
「私をお姉ちゃんだと思って頼ってね!」
あ、ココア早とちりしたな。
「じゃあココアさん仕事してください」
「お姉ちゃんって呼んで」
「ココアさん」「お姉ちゃんって呼んで」
「ココアさん」「お姉ちゃんって呼んで」
「ココアさん」「お姉ちゃんって呼んで」
このやりとりを数回繰り返したのち、やっとココアが諦めた。そんなにチノちゃんを妹にしたいのか。それとも誰かのお姉ちゃんになりたいのか。
両方な気もしてきた…
「とりあえず二人共制服に着替えてください。更衣室はあちらです。」
「分かった。すぐに着替えてくるよ」
チノちゃんに言われて着替えてくる事にした。制服ってどんななんだろう。
「おっ、バーテン服じゃん!」
良い感じのバーテン服だ。うん、悪くない。
鏡を見ながら自分の制服姿に酔いしれていると
「キャアアーー!」
この声、ココアか!しかも女子更衣室の方からだ。何があったんだろうか。
もしかしたら危ない目に会っているかもしれない。
俺はすぐに駆けつけた。
「大丈夫かー!ココア」
しかし、俺の目に広がっていたのは信じられない光景だった。
ココアが紫髪のツインテールの少女に銃を向けられていたのだ。
しかも銃を向けている少女は 下着姿 だったのだ。
すると、銃を持った少女がこちらに気づいた。途端に、顔を真っ赤にした。どうやら自分の今の状況を理解したようだ。
「えっと・・・どうしたの?」 冷静に問いかけた。
「・・・見るな」 「えっ」
「こっちを見るなああああああああ!!」
言い終わると同時に俺は少女のパンチをもろに顔面にくらった。
「グボアッッッ・・・」 なんか変な声出ちゃった。
良いパンチだったぜ、嬢ちゃん……
俺の記憶は一旦そこで途切れた。
「イズミン、イズミン!」
ん?誰かが俺を呼んでいるような・・・・・
「イズミン、イズミン!」
「・・・っ!」
俺は目を覚ました。どうやらここはベッドの上でさっきの声の主はココアだったようだ。
どうやら30分の間、俺は寝ていたらしい。丁度帰ってきたタカヒロさんと、ツインテールの子で俺をここまで運んで来てくれたそうだ。
しかしパンチといい、俺を(タカヒロさんと一緒にだが)運んでくれたといい怪力だなぁあの子は。
「良かったあ、イズミンもう目を覚まさないのかと思っちゃったよ〜」
笑顔でココアはそう言った。本当に俺の事を心配してくれてたらしい。
「いや、流石にパンチ一発では死なないよ。」
結構いたかったが。
すると、紫髪のツインテールの子が部屋に入ってきた。
「さっきはすまなかった。いきなり殴ってしまって」
謝りに来てくれたようだ。 別に良いよ、大丈夫。 と返す。
「私は天々座理世、リゼとでも呼んでくれ。よろしくな」
「俺は小宮泉。ココアからはイズミンって呼ばれてるけど・・・」
「いっいや、いきなり男の子をあだ名で呼ぶのは・・その・・・//」
どうしたリゼ、顔が赤いぞ。
「ああ、ならイズミで良いよ。」
「そ、そうか。ならイズミ、これからよろしくな」
「おう、よろしく リゼ。」
二人はガッチリ握手をした。
こうして、ラビットハウスでの仕事が始まった。
まずは、コーヒー豆を運んだ。大きい袋はかなり重かったがリゼは軽々と持っていた。どこにそんな力があるんだよ。
次にラテアート。リゼの作ったものはメチャメチャ上手かった。チノちゃんのは斬新で、ココアの作ったうさぎの絵はとても可愛かった。俺? 全然出来ませんでした。
他にも接客や料理などの飲食業の全ての仕事を行った。
辺りはすっかり暗くなっていた。
「皆さんお疲れ様です。もう上がって良いですよ」
チノちゃんの一言で俺は肩の力を抜いた。今日は初めての事ばかりでいろいろ疲れた、早く寝たい。
私服に着替えて戻って来ると三人が待っていた。
「ねえ、イズミン。この四人でメアド交換しない?」
衝撃だった。
「マジで?良いの?」
「良いよ♪」「良いですよ」「ああ、いいぞ」
こんなに嬉しいことは無い。三人の女子とメアド交換するなんて、神よ 感謝します!!!
とまあココア、チノちゃん、リゼとメアド交換した。
リゼが帰った後は、二人と一緒に夕飯を作って食べた。
その日はシチューだった。今まで食った夕飯の中で一番美味かった。
白髪祭です。
第二話、読んでいただきありがとうございます。
次の回で、千夜(できればシャロ)を登場させたいと思っています。
ではまた次回をお楽しみに。
ご意見、ご感想、お待ちしております。