トニー・スターク が あらわれた ! 作:クレイジー松本キヨシ
ま、まぁこれ以上は上がらないやろ(震え声)
知名度あるうちに更新しなきゃ(使命感)
そんなことより、次話でやっとワンサマーとその弟、オリキャラが出ると思います。
それに先駆け、オリキャラの名前を発表しておきます。
織斑一秋(おりむらかずあき)
これがワイの限界や…。数と季節縛りの名前なんて難しすぎるやろ…。しかも数は前で季節は後ろ…。ウボァ…。
※5月28日11:46
オリキャラの名前を変更
かずと→かずあき
漢字の変更はありません。
スターク・インダストリーズ社の面接室前には、かなりの数の人が並んで座っていた。
何故こんなにも人がいるのか。
それは、トニーがISのテストパイロットを募集した為である。
会社が起業したと同時にテストパイロットを募集した以来である。
つまりこれで2回目の募集だ。
1回目は誰もテストパイロットになっていない。
何故か。それはトニーが必要としている条件を満たしている女性がいなかったからだ。
今回の募集はトニーによるものだが、本人は今回もテストパイロットになる者はいないだろうと踏んでいる。
監視カメラを通して、別室でその女性の列を見ていたトニーは呟く。
「人数が増えてないか?」
『前回よりも2倍近く増えています』
「……前回落ちた奴もいるな」
トニーは溜め息を吐く。
トニーがテストパイロットを募集するということは、かなりの話題となる。それを聞きつけた女性が、今ここに並んでいるのだ。
「とりあえず、面接を始めよう。頼んだぞF.R.I.D.A.Y.」
『お任せください』
『面接を開始します。1番の方、面接室へお入りください』
「はい」
F.R.I.D.A.Y.によるアナウンスで、面接が始まる。呼ばれた女性は、早速部屋に入る。
「誰もいないじゃない」
女性がそう言った通り、部屋の中には1つのイスとビデオカメラが向かい合うようになっている。更に部屋は辺り一面真っ白である。面接官らしき者はどこにも見当たらない。
『今回の面接官はそのカメラを通して貴女を見ています』
「そう」
女性は
『……申し訳ありません。貴女は不採用となります』
それを見たF.R.I.D.A.Y.は残念そうに言った。
「はぁ?何でよ!?」
女性は勿論、抗議する。突然不採用と通告されたからだ。
『貴女のような
「ふざけてるのかしら?私がテストパイロットをやってあげるっていうのに!」
『話になりませんね。この方を連れ出してください』
F.R.I.D.A.Y.がそう言うと、女性が入ってきた扉から、黒服を着た女性が2人、入ってくる。
そしてその黒服を着た女性2人が、面接を受けに来た女性の両腕をそれぞれ掴み、外へ連れ出す。
「ちょ、離しなさい!周りから天才って言われてるからって調子に乗ってるんじゃないわよトニー・スターク!」
その言葉を最後に、女性は面接室から追い出された。
「今回も合格者は出なさそうだな……」
『私もその意見に同意します』
その後も、女尊男卑に影響を受けた女性が面接を受けては追い出される。それの繰り返しだった。
○○○
面接も終盤に差し掛かってきた。
「まさか最後の1人を残して全員が女尊男卑の奴らとは思ってなかったよ」
トニーは欠伸をし、退屈そうにそう言った。
そして、最後の1人もきっとそうなのだろうと、勝手に決めつけていた。
『最後の方、どうぞ』
「は、はい!」
F.R.I.D.A.Y.に呼ばれ、最後の女性は緊張しながら面接室へと入る。
中は最初と変わっておらず、周りも一面真っ白である。
それに女性は驚くが、声には出さなかった。
『……それでは
「し、失礼します」
そう指示されると、女性は恐る恐る座る。
ここまで来たのは彼女が初めてである。
それにトニーは興味を示す。
『それでは、貴女の名前と出身国を教えてください』
「は、はい。ナターシャ・ファイルス、アメリカ出身です」
F.R.I.D.A.Y.による、彼女への面接が始まった。
ビデオカメラを通して、トニーが見ていることは勿論の事、嘘発見器のような機能も搭載されており、嘘をついたらすぐに不採用ということになる。
『貴女は今朝、何を食べて来ましたか?』
「え?あ、すみません!シリアルとバナナ1本を食べてきました……。すみません、この質問って何か意味があるんですか?」
『どうやら貴女が緊張しているようなので、素っ気ない質問をしてみました』
「すみません、ありがとうございます……」
確かに、ナターシャの生体反応を見れば、動悸が激しくなっているのがわかる。
よほど緊張しているのだろう。
いくつかF.R.I.D.A.Y.が質問し、ナターシャが答える。
緊張も解けたのか、先程よりもスムーズに受け答えが出来ていた。
そして最後にF.R.I.D.A.Y.が1つの質問を投げかける。
その質問が、最も重要な質問だ。
『貴女はISに乗って、何をしたいんですか?』
ナターシャは少し間を取って、答えた。
「宇宙を……、宇宙を自由に飛んでみたいんです」
ナターシャは続けて言った。
「私、知ってます。ISが本当は兵器じゃないってこと。本当の使用目的が別にあることも。だから、私はこの会社のテストパイロットの募集を見て、やってみたいと思ったんです。兵器として使おうとしない、この会社のテストパイロットを」
ナターシャの目は真っ直ぐ、カメラの先にいるトニーを見据えているかの様だった。
トニーはそれを見て、ニヤリと口元を崩す。
「嘘はついていないようだ……。日本のことわざ、"残り物には福がある"とはよく言ったものだ。F.R.I.D.A.Y.、彼女をこの部屋に通せ」
『かしこまりました』
F.R.I.D.A.Y.がトニーの指示を受け、ナターシャが入ってきた扉の位置と向かいにある扉が開いた。
『おめでとうございます、ナターシャ・ファイルス様。貴女はスターク・インダストリーズのテストパイロットになる資格があります』
「え……?本当ですか!?」
『はい。ですので、この先へお進みください。トニー様がお待ちです』
ナターシャは頷いて、立ち上がり、奥へと進む。
すると、その奥には拍手をナターシャへ送っているトニーがいた。
「素晴らしいよ。正に僕が求めていた人材だ」
「あ、ありがとうございます」
ナターシャは大物有名人を前にして、また緊張感してまう。
「最後に1つだけ質問だ。世界が変わっても君のそのISへの考え、そして――その夢を変わることなくテストパイロットをやっていく自信はあるかね?」
ナターシャはそう訊かれ、すぐに答えを示す。
「この先の世界、どうなるかなんて私はわかりません。だけど、私の考えとその夢は変わらないと、誓えます」
ナターシャは自信に満ち溢れた顔でそう言い切ったのだ。
トニーはそれを訊いて、口元に笑みを浮かべる。
「知っているかもしれないが、僕の名前はトニー・スタークだ。よろしく、ファイルス」
「みんなからはナタルと呼ばれています。なのでナタルで構いません。よろしくお願いします、スタークさん」
今日、スターク・インダストリーズ社に、初めてのISテストパイロットが誕生した。
次回は第2回モンド・グロッソ。
やっと主人公が出るね!
やったねワンサマー!出番だよ!(出番が多いとは言ってない)
裏設定集
ナターシャ・ファイルス
愛称はナタル。原作ではアメリカ軍に所属するISのテストパイロット。今作ではスターク・インダストリーズのテストパイロットになった為、軍には属していない。
純粋に宇宙へと行くことに興味を示しており、それに束は共感を示したのか、ナタルはすぐに束の身内扱いとなった。
ちなみに千冬、束と同年代である。
そういえば一応、マドカの織斑としての本名も考えてありますよ〜。