トニー・スターク が あらわれた ! 作:クレイジー松本キヨシ
まぁ自分でミサイルを日本に撃ったわけじゃないですしね。
てかモッピーの性格違うッ!ってなるくらいに大人しい。
一夏が絡んでないとこうなるのかな…?
4コンマの授業が終わり、昼休み。
生徒達は昼食を摂る。
大半の生徒は食堂へ行き、残りの生徒は自分で作ったお弁当などで済ませる。
職員もその例外ではない。
1組のあの騒動から整備室に篭っていたトニーは空腹を感じ、食堂へ来ていた。
トニーが食堂に来たことにより、周りの視線は集まり、騒がしくなる。
しかし、普段から騒がしい所や視線に慣れている為、気にせずに券売機へと向かい、券を購入する。
「お姉さん、これ頼むよ」
「もうお姉さん何て呼ばれる歳じゃないよ」
「そうかい?若く見えるよ」
「人を煽てるのが上手いねぇ!サービスだよ!」
「ありがとう」
食券をカウンターにいる従業員に渡し、頼んだ料理を受け取る。
他国からも入学してくる生徒が多数いる為、食堂のメニューも多種多様な物を揃えている。
トニーが注文したのはピザ。それとサービスされたポテトだ。
「さてと……。ん?」
それらが載せられたトレーを持ち、テーブルを探していると、1人で食事をしている生徒がいた。
1組で見たことがある生徒だった為、それとその生徒にある人物から頼まれごとをされている為、そのテーブルへと向かった。
「相席いいかね?」
「スターク先生……」
その生徒が「どうぞ」と言って、トニーは椅子に座る。
「ありがとう。ここに来て早々アレなんだが……。君に訊きたいことがある――Ms.篠ノ之」
トニーにそう呼ばれた箒は若干不機嫌な顔になり、トニーに言った。
「姉さんの居場所なら知りませんよ」
大人達は多くの場合、自分の姉を探していたり、姉のことを聞いてくる。
そう思って箒は言ったが、トニーは違った。
「その姉さんからの頼まれごとだ」
「……姉さんと知り合いなのか?」
「知り合いも何も、今は僕の自宅に住んでるぞ?」
「えぇ!?」
予想外の返答に箒は素っ頓狂な声を出す。
その声で周りの視線が自分達に集まっていることに気付いた箒は咳払いをし、トニーに顔を近づける。
「で、その姉さんが私になにかあるんですか?」
「そうだな、ここだと人が多い。場所を移さないか?」
トニーの提案に箒は頷き、2人は急いで昼食を摂った。
○○○
急いで昼食を摂り終えた2人が向かったのは校舎裏。
並んで壁に寄っ掛かり、会話を再開させた。
「スターク先生。先に私が質問しても良いか?」
「いいぞ。色々と聞きたいことがあると思うからね」
箒は道中で購入したお茶のペットボトルを手の中で回しつつ、聞きたいことを一度整理してからトニーに訊く。
「姉さんとはどうやって知り合ったんだ?」
「互いに初めて会ったのは発表会。そこからもう一度会う機会があって知り合いになったよ」
「極度の人見知りの姉さんが……?」
「僕もそう聞いた。けど彼女は僕の事を尊敬していたらしくてね。そんなに抵抗はなかったみたいだ」
そう言った後、缶コーヒーの蓋を開けて一口呑む。
「他に聞きたいことは?」
「とりあえずは無いです。姉さんからの頼まれごとというのを聞いてからにします」
「よし、なら僕の番だな。束から頼まれごとと言っても、質問だな」
トニーは横にいる箒を見て、続けて言った。
「"私のことをどう思っているか"だそうだ」
その質問をしてから少し間を置き、箒は静かに質問に答えた。
「家族がバラバラになったのは姉さんのせいだ」
「……」
トニーは束から聞いていた。篠ノ之家は重要人物保護プログラムによってバラバラになってしまったと。
「でも……、私にとっては尊敬する姉だ」
その言葉にトニーは驚いた。
「てっきり憎んでるのかと思ったよ」
「確かに家族がバラバラになったのは姉さんのせいだが、それは家族を守った結果だ」
「?」
「姉さんは誰よりも家族の為に行動し、家族を守る為にミサイルを撃ち落とした。日本を守ったのはその結果に過ぎない」
「君は白騎士事件のことについて知ってるのか?」
「姉さんが造ったISでミサイルを撃ち落とすって言ってて、それで姉さんと千冬さんがやったんだろうって何となく察してた。この事は誰にも言ってないが……」
「流石は妹と言ったところか……」
箒の推理力に感心し、トニーはそう呟いた。
「姉さんは元気ですか?」
「元気すぎて僕達の身が持たないよ」
「……すみません」
箒は苦笑しつつ、頭を軽く下げる。
「最後に僕からの質問良いかな?」
トニーがそう言うと、箒は軽く頷いて了承する。
「君は何故IS学園に入ったんだい?」
その問いに、今度はすぐに答えた。
「姉さんの夢の手伝いをしたい、それだけです」
その返答に満足したのか、トニーはニヤリと笑った。
そして腕時計を見つつ箒に言う。
「Ms.篠ノ之、質問に答えてくれてありがとう。そろそろ時間だから戻ったほうが良いだろう」
「そうですね。ありがとうございました。それと私のことは箒って呼んでもらって構わない」
「そうか?なら箒、また話そう」
「はい」
箒は教室に向かうべく、校舎裏を離れた。
トニーは胸ポケットに入れているポールペンのキャップ部分を押す。
すると……
『うわぁぁぁぁぁぁぁん』
そのボールペンから泣いている束の声が聞こえ始めた。
それにトニーは呆れて声をかける。
「うるさいぞ。そんなに嬉しかったのか?」
『嬉゛し゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛。グスン、ヒグッ……』
既に声が女性のそれではない物に変わっていることに、トニーはさらに呆れる。
「僕もそろそろ時間だから切るぞ?」
『うんっ……』
少しだけ泣き止んだ束にそう言って、トニーは胸ポケットのボールペンのキャップ部分をもう一度押して、束との通信を切った。
「全く、不器用にも程があるだろう」
トニーはそう言うものの、薄く笑っていた。
これで箒ちゃんが専用機を持った時に他の生徒からの不満やヘイトを回避するフラグ?(その1)を建てた。
裏設定集
・篠ノ之箒
原作よりも姉妹間の仲は良好。姉を尊敬しており、姉の研究を見て、その手伝いをしたいと思っている。一夏に好意を抱いているのはそのまま。将来は篠ノ之神社を一夏と一緒に……(ry
箒ちゃん優遇されてね!?と思いの方。
気のせいだよ()