トニー・スターク が あらわれた !   作:クレイジー松本キヨシ

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恒例のセッシーイベント

しかしこの千冬さん、ノリノリである。


鰻のゼリーが好きな方、先に謝っておきます。
ごめんなさい!

※6月4日20:29
誤字修正


教師としての威厳

SHRが終わった後。

通常通りに授業が始まった。

IS学園は一般の授業に加え、ISに関しての授業もある為、かなり詰め込まれたスケジュールである。

 

今は1時間目が終わり一夏はぐったりと、一秋は静かに本を読んでいた。

 

トニーと千冬は廊下に出ていた。

 

「それにしても、ここに来てから驚かせられたよ」

「何がだ?」

「大半の生徒はISが兵器としての側面があるってことを理解してないこと」

 

腕を組みつつ、壁に寄っ掛かるトニーはそう言った。

 

「仕方ないだろう。彼女達はスポーツとしてのISしか見たことがないのだからな」

「それにしてもだ。充分に危険だということくらいはわかって欲しいものだね」

「その為のIS学園だよ……」

 

千冬は苦笑する。

 

「しかし君の兄弟は実に優秀だな。片方はギリギリ理解できているかどうかだが、もう片方はクラスで1番じゃないか?前者に関しては全く理解していないと思っていたが、驚いたよ」

「一秋か。一秋はISができる前まで束に色々と教えてもらっていたからな。元々こういうのが好きなのかもしれないな」

「気に入ったよ。もう片方は?」

「一夏は確かに勉学では一秋に劣るが、運動面に関してはなかなかの物を持ってる。それと家事は一夏の方ができる」

 

「しかし」と千冬は続ける。

 

「入学前に渡した必読の参考書を一夏が古い電話帳と思って捨てて、勉強はしてこないだろうと私も思っていたが……。大方、一秋と一緒に少しは勉強したのだろう。優秀な弟達を持って嬉しいよ」

 

それを聞いたトニーは苦笑し、千冬に言った。

 

「……君、ブラコンだろ」

「何?」

「君の家庭事情を考慮すればそうなるのも当たり前かもしれないがな。恐らく兄弟もシスコンだろうね」

「そう、なのか……?」

 

千冬は自分で理解していなかったのか、首をかしげる。

 

「まぁ、家族で仲が良いのは良いことだ。だが、一線は越えるなよ?」

 

薄く笑いながら千冬にそう言い、トニーは教室に戻った。

 

「一線を越えるな?……!?するわけがないだろ!」

 

少し遅れてトニーの言葉を理解した千冬は顔を少し赤くして後を追った。

 

トニーの頭に出席簿が振り下ろされたのは言うまでもない。

 

○○○

 

休憩時間が終わり、2時間目が始まる。

 

生徒と真耶は千冬の顔が少し赤いのが気になったが、千冬から発せられる圧力のせいで聞けなかった。

 

「2時間目はクラス代表を決める」

 

生徒の1人が質問する。

 

「クラス代表って何ですか?」

「クラス対抗戦に出場する代表のことだ、クラスの顔と言っても良い。自薦他薦は問わん。誰かいないか?」

 

千冬の言葉に一斉に女子生徒の手が挙がった。

 

「織斑一夏君が良いと思います!」

「えっ、俺?」

 

「私は一秋君!」

「やっぱりか。予想はしてたけどさ……」

 

素っ頓狂な声を一夏は出し、予想していたのか溜め息を吐く一秋。

 

「ふむ、一夏と一秋か。他にいないか?いなければ……「納得いきませんわ!」何だオルコット?」

 

イギリス代表候補生のセシリア・オルコットが机を叩き、声を上げる。

「このクラス唯一の救い代表候補生である私を差し置いて、何故彼らをクラス代表にしなければならないのですか!?」

「自薦他薦は問わんと言った筈だ。人の話を聞いてなかったのか?」

「うっ……。わ、私セシリア・オルコットが立候補しますわ!」

 

痛いところを突かれたセシリアであったが、すぐに立ち直り、自分で立候補した。

 

「3人か。そうだな、3人で闘って勝った者がクラス代表になるというのはどうだ?」

 

千冬の言葉を聞いたセシリアは勝ち誇った笑みを浮かべ、自慢気に喋り始めた。

 

「その様な勝負、やる前から結果がわかっていますわ。それでもやるというのならば、やって差し上げないこともありませんよ?」

 

その言葉に一夏が食いかかった。

 

「随分と上から目線だな」

「当たり前じゃないですか。極東の猿など相手になりませんわ」

「よく言うぜ、イギリスも大した国じゃない癖にさ。イギリスは世界メシマズランキング何年間1位だよ」

「わ、私の祖国を侮辱しますの!?」

「先に言ったのはそっちだろ!」

「おい一夏抑えろ!オルコットさんもだ!」

 

一秋の仲裁も虚しく、一夏とセシリアの口喧嘩がヒートアップしていく中、今までの話を聞いていたトニーは静かに呟いた。

 

「鰻のゼリーは最悪だったな」

 

あの特有の泥臭さと悪臭が何とも言えない。

それを思い出したトニーは軽い吐き気も思い出す。

 

「トニー、お前もどうだ?」

 

突然、千冬がトニーにそう言った。

 

「どう、って何の話だ?」

「聞いてなかったのか……。お前も決闘に参加するということだ」

「おいおい、僕は生徒じゃないんだぞ?」

「教師の威厳を示しておける絶好の機会だぞ?アイアンマンとISの闘いに興味のある奴もいるだろうしな」

「アイアンマンは見世物じゃないぞ?」

「お前、さっき自分で言った言葉を忘れたのか?」

 

『なんなら放課後、見せてやってもいいぞ』

 

SHRの時間にトニーはそう言っていた。

それを思い出したトニーは、先程の言葉なんてなかったかのように、すぐに千冬の意見に賛成した。

 

「良いね、動いてる方が見栄えが良い。ただ、オルコットとだけ闘うことにしよう」

「……何でです?」

 

トニーの言葉に名前を呼ばれた本人であるセシリアが反応する。

 

「初心者相手に闘って勝っても意味がないだろ?」

「確かにそうですわね」

 

トニーの言葉に気分を良くしたセシリアであったが、トニーの次の言葉に顔を青く染める。

 

「それに、"極東の猿は相手にならない"と言ってたんだ。少なくとも千冬レベルということだろ、オルコット嬢?楽しみにしてるよ。あぁそうだ。スーツの整備をしなくちゃな」

「なっ、なっ!?」

 

トニーはそう言って、教室を出る。

 

「ふっ、確かにそうだな。では、一夏、一秋、オルコットの3人で決闘を行うことに決定だ。トニーはオルコットとの対戦のみだ」

 

千冬はトニーの言葉に悪乗りして、話を進める。

 

入学初日で短縮授業の為か、早いチャイムが鳴り、2時間目が終わる。

 

「一週間後にアリーナで行う。各自は準備をしておけ。それとオルコット」

 

千冬は教室を出る前にセシリアの方を見る。

 

「発言には気を付けろ?」

 

口元をニヤリとさせながら、忠告した。

 

 

 

 

 

 

後にセシリアはその時のことを、「まるで死神に命を狙われているかの様でしたわ……」と、身体を震わせながら語ったと言う……。

 




大人2人が大人気ない。

裏設定集
・織斑千冬
今作の千冬は優秀(予定)。
ブラコンの疑惑あり。



織斑千冬、24歳、独身です。
うわっ、ちょ、やめ(ry

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