さて、今回の話はサブタイトルの通りです。
ここから物語がかなりシリアスになってきます。それではどうぞ!
八百屋佐倉店では、家族そろってテレビを見ながら朝の朝食をとっていた。
「キョウコ、しょうゆ取ってくれ」
「はい、しょうゆね」
ユイはキョウコに顔を向ける。ユイは昨日の出来事、そして、カンパニーの1員で、キョウコの双子の妹、スバルのことをまだ話せていない。そんな中、テレビのニュースの訃報が映し出された。
『ヴァンガード普及教会の名誉会長である明神リューズ氏がお亡くなりになりました』
「⁉ぶほおお⁉」
リューズが亡くなったと聞いたゲンゾウは口に含んでいた味噌汁を噴き出す。
「ちょっ⁉あなた大丈夫⁉」
「ゴホッ!ゴホッ!あ、ああ、ちょっとびっくりしただけじゃ・・・」
『明神リューズ氏はヴァンガード普及協会を設立、ヴァンガード文化に進行と発展に大きく貢献しました。しかし最近は、人前に姿を現すことがありませんでした。謹んで、ご冥福をお祈りいたします』
ユイはニュースを真剣な表情で見た後、朝食を終えてから学校に向かう。
「・・・行ってきます」
「はい、気をつけてね」
ユイが学校に向かったことを確認すると、ゲンゾウは深いため息をこぼす。
「・・・自分の目的も達成できず死亡・・・。どうにもすっきりせんな・・・」
「あら?どうして?」
「あいつはそう簡単に自分の理想を諦めるような奴じゃない。それが死んだと発表されて・・・いやな予感しか浮かばんわい・・・」
ゲンゾウは再び深いため息をこぼす。
TURN86「明神リューズ」
トライフォーが通う学校、今日は新学期を向かえるので、生徒全員は自分のクラスがどこになるかを確認している。トコハやクミ、クロノも自分のクラスがどこなのかを確認している。
「あった!B組!」
「あ、私も~」
「やった!また一緒だね!あ、クロノ、あんたは?」
「俺もB」
どうやらこの3人はまた同じクラスになったようだ。そこにシオンとユイが現れる。
「やあ。僕も同じクラスだよ」
「私もBだよ!3年生はみんな一緒だね!」
5人全員が同じクラスという事で喜びあっている。
「・・・でも、またあのヒゲが担任なんだよね・・・」
「3年連続となると、もはや運命を感じてしまうね、特にユイは」
「「「あはは・・・」」」
☆
教室に入り、クミは別の友人と話している間、トライフォーは昨日の出来事と、今朝のニュースについて話し合っている。
「今朝のニュースでやってたぜ。リューズのこと」
「ああそれ、私も見た」
今朝のリューズが死んだことについて、シオンとユイも首を縦に頷く。
「リューズは死んだ。でも、問題が解決したわけじゃない」
「そうだね。むしろ問題が山積みって感じだよね・・・」
トライフォー全員が悩んでいると、クロノが口を開く。
「・・・あいつ・・・リューズが妙なことを言ってたんだ」
「「「?」」」
「12枚のディペンドカードが揃った時、ストライドゲートが開かれ、完全なる未来へと世界が導くことができるって」
トライフォーはその言葉の意味がどういうことか、考えるのであった。
☆
とある場所にて、伊吹とキョウヤ、マモルが集まって、現在のことを話し合っていた。
「リューズは死に、その意志はカンパニーと称する者たちに引き継がれた」
「江西サトル、守山ヒロキ、若水ソウスケ、東雲ショウマ、そして、佐倉スバル・・・」
「ダークゾーンの支部長である江西が姿を消したよ。支部のスタッフも連絡が取れないようだ」
「そうか・・・」
江西はカンパニーとして現れたその日から、ダークゾーン支部から姿を消したようだ。
「リューズは召喚したユニットの力でストライドゲートを開き、完全な世界をこの地上に実現しようとしていた」
「それが現実となった時、いったい何が起きるんだろうね?」
「さあな。だが、世界が未曽有の危機にさらされることは間違いないだろう」
「今クリストファー・ロウが明神リューズのラボを調査している。だが、データのほとんどが消去され、その解明にはかなりの時間が要するそうだ」
「カンパニーの手元には、ディペンドカードの最後の1枚がある。それが覚醒する前に、何としても奴らの行方と、転送されたユニットの場所を突き止めなければならない」
伊吹はリモコンのスイッチを押し、モニターの画面を映させる。そこには世界の図が記されている。
「雀ヶ森や葛城たちが、すでに動いている。櫂はヨーロッパに飛び、日下部リンは南米に戻った。仲間たちも、それぞれの活動拠点でカンパニーを追う。必ず奴らを見つけ出す!世界のどこに潜んでいようともな!」
「俺も、レンや葛城と共に、日本中を徹底的に探し出すとしよう。奴らの手がかりになりそうなものは、1つたりとも残さん!」
「僕は自分に与えられた役目を果たすよ。リューズが残した不正腐敗を排除し、普及協会を組織としてあるべき姿に変革する」
マモルの言葉に、伊吹とキョウヤは首を縦に頷く。
「まずは支部長会議を開く必要があるな。それから、不正による流用された資金の流れを・・・」
「・・・For a righteous man may fall seven timesAnd rise again」
「む?それは旧約聖書第24章16節の、正しいものは7度倒れてもまた起き上がる・・・」
「なんだい?」
「リューズが最後に残した言葉だ。まるで予言のようにな」
「予言・・・」
「ロクでもないことにならなければいいがな・・・」
3人はリューズの言葉に気がかりになりつつも、行動を開始することにした。
☆
学校が終わり、シオンは私服に着替えてからブラッディエンジェルの拠点に来た。シオンはブラッディエンジェルに東雲の写真を渡す。
「東雲ショウマ。かつてユナサン支部に所属していたファイターだ。この半年間、この男が何をしていたのか知りたい。現在の動向も。簡単ではないと思うが・・・」
「いいぜ。こうなったら、とことん付き合ってやるよ」
ブラッディエンジェルのリーダー格の男は、東雲の写真を受けとり、シオンの頼みを引き受けた。シオンはブラッディエンジェルの頼もしさに笑みを浮かべる。
☆
八百屋佐倉店では、ユイは休憩時間を使って、キョウコにスバルのことを問いだした。事情を聞いたキョウコは驚愕を混じりながらも、どこか安堵した表情をしていた。
「そう・・・。スバルはカンパニーって組織に・・・。・・・でも、今は生きていたことに喜ぶべきね・・・」
「ママ、どうして叔母さんのことを黙っていたの?今までそんな話、1回もしたことなかったけど・・・」
「・・・昔、お父さん・・・ユイのおじいちゃんと、スバルの関係がちょっとゴタゴタになってね、その際に家を出ていったのよ。私とスバルは、それきりになってしまってね。あれから十数年も経ったから、話す機会がなくてね・・・」
「十数年⁉探しに行こうとは思わなかったの?妹なんでしょ?」
「そりゃ町中探し回ったわよ。あの子が行きそうなところ、気に入っている場所、何もかも全部、必死にね。・・・でも、どこを探してもいなかった」
「・・・・・・」
「けど、ようやく、スバルが生きていたことを聞けた。よくない場所にいるようだけど、今は生きていたっていう事実がうれしくて・・・」
「ママ・・・」
キョウコは事実を知って、少しだけうれし涙が出ており、ユイはキョウコの顔を見て、少し複雑な表情をしている。
☆
トコハとクミは学校の帰りにラミーラビリンスに電話をかけてみている。しかし結果は・・・
≪電波が届かない場所にあるか、電源が入っていないため、かかりません≫
見ての通りかからなかった。
「やっぱりだめ。クミちゃんは?」
「こっちも同じ。メールの返信も全然来ないよ」
「そっか・・・」
「3人とも全然連絡取れないね。アイドルのお仕事忙しいのかな~?」
ラミーラビリンスと連絡がつながらないことにトコハは悲しそうな表情をしている。
☆
一方のラミーラビリンスはというと、会議室らしいところで江西から次のプロジェクトについて聞かされていた。
「Gクエストが終わり、間もなく次のプロジェクトが始動する。新たなステージへの挑戦だ。今まで以上に頑張ってほしい」
「「はい!」」
「・・・・・・」
江西の言葉にルーナとユキノは返事をする一方、アムは会議室に入る前のことを思い返していた。
☆
『ずいぶん早いね』
『頼みがある』
『何かな?』
『ルーナとユキノの仕事はアイドルだけでいい。裏のプロジェクトの話はしないで!私がちゃんとやってみせる!だから、あの2人は必要ない。ルーナとユキノを巻き込まないで!』
『・・・君が結果を出せば、弓月ルーナと水城ユキノの出番はない。全ては君の努力次第だ』
☆
ルーナとユキノを巻き込ませないため、アムは1人でカンパニーの計画に挑む決意を固めるのであった。そんな中、ルーナが江西に恐る恐ると質問をする。
「あの~・・・やっぱり友達とあったり、何てできないんですか?」
「極秘プロジェクトのなんだ。理解してほしい」
「でも・・・連絡するのもずっと禁止だし・・・」
「どこから情報が洩れるのかわからないのでね。君たちを信用していないわけではない。だが、慎重を期したい」
「そうですか・・・わかりました・・・」
ルーナは渋々ながら納得する。
「アム、ちょっといいかしら?」
「何?」
今度はユキノがアムに対してこんなことを聞いてくる。
「昔、アムは江西さんに会ったことある?」
「は?昔って、5歳くらいの?あるわけないでしょ」
「やっぱり?だとしたらやっぱり気のせいかしら・・・?」
「何の話?」
「いや、ダークゾーン支部の時からずっと思ってたんだけど、私、江西さんと会ったことがないのに、初めてって感じになれないのよね」
ユキノの言葉に反応してか、江西はユキノの顔を見つめる。
「なんで私に聞くのよ?自分のことなんだからちゃんと覚えてなさいよ」
「どこかで会ったのかしら?でもそれはどこで?考えれば考えるほど謎だわ・・・」
ユキノは頭に?をつくりながら首を捻っていた。
☆
ドラエン支部でクロノは支部に集まっている様々なファイターたちを見て回っていた。ファイターたちは施設内を見ていたり、ファイトを楽しんでいたりと、みんな笑顔だった。クロノはそれを見て自然と笑みを浮かべる。
(やっぱ楽しいもんだよな、ヴァンガードは)
そんなクロノの頭の中では、召喚されたユニットたち、目の前でリューズが死んでしまったことでもやもやとしていた。
「・・・うあああああああ!!」
クロノはもやもやが爆発し、思わず声を上げる。クロノは自分のスマホを取り出し、電話をかける。かけた相手はタイヨウだった。
≪あ、クロノさん?どうしたんですか?≫
「あ、えっと・・・別に何かあったって訳じゃないんだけど・・・お前とファイトしたくなってさ、今から時間あるか?」
≪いいですよ≫
その後はファイトする場所を決める。
「そうか。じゃあ待ってるぜ」
クロノはそう言って電話を切ると・・・
「・・・えっ⁉」
「やっぱりそうだ!」
「この髪型間違いないよ!」
「ジェネレーションマスターの新導クロノだ!」
いつの間にかクロノの周りにはいろんなファイターたちが集まっていた。
「わあ、本物だ!」
「Gクエストすごかったです!見てましたよ!」
「ど、どうも・・・」
クロノはそう言って立ち去ろうとすると・・・
「ファイトしてください!」
「私も!」
「僕も!」
「ぜひとも俺と!」
いろんなファイターたちからファイトをお願いされる。
「い、いや、あの・・・これから用事が・・・」
『お願いします!!』
「ご・・・ごめんなさい!!」
そう言ってクロノはファイターたちを押し切ってドラエン支部から出ていく。その際にテーブルに座っていた1人の少年がクロノを見て口元に笑みを浮かべる。
☆
ドラエン支部から出たクロノは1人桜の木の下の道のりを歩いていた。歩いている途中クロノは、風で長い髪をなびかせている少年がいた。不思議な雰囲気を纏う少年を見て、クロノは呆けている。クロノの存在に気付いているのか、少年はクロノに語りかけてくる。
「桜の花が何故、こんなにきれいなのか知っているか?」
「え・・・?」
「桜の木の下には、死体が埋まっている」
「・・・っ!!」
少年の言葉にクロノが連想させたのは、先日の亡くなったリューズだった。
「小説の一文だ。昔の作家のな」
「・・・・・・」
「死体の血を吸って、花は美しく彩る」
クロノは少年の元に少し近づく。
「・・・ファイトしよう、新導クロノ」
「え?ああ、いや、俺は・・・」
少年にファイトを申し込まれ、断ろうと思った時、少年の持ったデッキのクランを見る。
「ギアクロニクル・・・ギアクロニクルを使うのか?」
「ああ」
今思えば、クロノ以外のギアクロニクルを使っている人間はほとんどいない。自分と同じギアクロニクルを使う事を知ったクロノは少し考える。
(タイヨウが来るまでまだ時間があるしな・・・)
クロノはそう考え、少年のファイトの申し込みを受ける。
「いいぜ、ファイトだ」
クロノの答えに少年は首を縦に頷く。そしてお互いにファイトの準備を終え、ファイトをスタートさせる。
「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」
「ガンナーギア・ドラコキッド!」
「クロノ・ドラン!」
ガンナーギア・ドラコキッド PW5000
クロノ・ドラン PW5000
(クロノ・ドラン・・・)
少年はクロノのクロノ・ドランを見つめた後、ファイトを進める。
「ドロー。ライド!メーザーギア・ドラゴン!ガンナーギアは先駆で移動!ターンエンド」
メーザーギア・ドラゴン PW8000
R メーザーギア R
R ガンナーギア R 少年の手札5枚 山札43枚
「俺のターン!ドロー!ライド!タイムブレイク・ドラゴン!クロノ・ドランは先駆で移動!スチームブレス・ドラゴンと、ドキドキ・ワーカーをコール!スチームブレスのスキル!手札のグレード3を見せて、クロノジェット・ドラゴンを手札に!手札の1枚はドロップゾーンに!」
タイムブレイク・ドラゴン PW7000
スチームブレス・ドラゴン PW7000
ドキドキ・ワーカー(☆) PW4000
スチームブレス タイムブレイク R
ドキドキ ドラン R
「クロノ・ドランのブースト、タイムブレイクでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード」
「ドライブチェック『クロックフェンサー・ドラゴン』」
「ダメージチェック『スチームスカラーエメルアンナ』」
「ドキドキ・ワーカーのブースト、スチームブレスでヴァンガードにアタック!」
「ガード『スチームファイタールガルバンダ(☆)』」
「お、ガードされたか!やるな!ターンエンドだ!」
PW12000➡PW7000
PW11000➡PW7000+SH10000=17000 クロノの手札4枚 山札41枚 少年のダメージ1枚
「スタンド&ドロー。ライド!スモークギア・ドラゴン!アップストリーム・ドラゴンと、スチームナイトムダルをコール!」
スモークギア・ドラゴン PW10000
アップストリーム・ドラゴン PW9000
スチームナイトムダル PW9000
ムダル スモークギア アップストリーム
R ガンナーギア R
「ムダルで、スチームブレスにアタック!」
「ノーガード!」
「ガンナーギアのブースト、スモークギアでヴァンガードにアタック!」
「ノーガードだ」
「ドライブチェック」
少年はドライブチェックを行う際、口元に笑みを浮かべる。
「・・・ヴァンガードはいい。野蛮な暴力とは違い、理性的に、論理的に決着を図ることができる」
「・・・・・・」
「私は暴力が嫌いでね『パラドクスカノン・ドラコキッド(☆)』クリティカルトリガー。パワーはアップストリームに、クリティカルはヴァンガードに」
「くっ!ダメージチェック『スチームメイデンメラム』『スチームブレス・ドラゴン』」
「アップストリームでヴァンガードにアタック!」
「ガード!『スチームスカラーカー・ランマ(☆)』」
「誰もがヴァンガードのように、明確な判断力と明確な結果に従って生きていたのならば、世界は変わる。そうは思わないか?ターンエンドだ」
PW9000➡PW7000
PW15000➡PW7000
PW14000➡PW7000+SH10000=17000 少年の手札3枚 山札40枚 クロノのダメージ2枚
「(なんだこいつ?子供のくせに・・・)ライド!ヒストリーメーカー・ドラゴン!クロックフェンサー・ドラゴンをコール!」
ヒストリーメーカー・ドラゴン PW9000
クロックフェンサー・ドラゴン PW9000
クロックフェンサー ヒストリーメーカー R
ドキドキ ドラン R
「ドキドキ・ワーカーのブースト、クロックフェンサーでヴァンガードにアタック!」
「ガード『パラドクスカノン・ドラコキッド(☆)』」
(さっきの言葉・・・まるで同じじゃないか・・・あいつと・・・)
クロノは目の前にいる少年を、亡くなっているあの男と重なっているように見えた。
「!!」
「どうした?」
「!何でもねぇ。続けるぜ。クロノ・ドランのブースト、ヒストリーメーカーでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード」
「ドライブチェック『スチームスカラーカー・ランマ(☆)』ゲット、クリティカルトリガー!効果は全てヒストリーメーカーに!」
「ダメージチェック『スチームスカラージジ』『スチームブレス・ドラゴン』」
「ターンエンドだ」
PW13000➡PW10000+SH10000=20000
PW14000(+5000)➡PW10000 クロノの手札3枚 山札37枚 少年のダメージ3枚
(・・・こいつの目・・・似てる・・・あいつの目と・・・)
「そう、世界は変わる。ヴァンガードによって。それが、私がヴァンガード普及協会をつくった目的だ」
「!!!」
クロノの目には少年があの男、明神リューズに完全に重なっていた。
「ヴァンガードで世界を完全なる未来へと導く」
「・・・お前・・・誰だ・・・?」
「導け!完全なる未来をこの地へ!ライド!クロノファング・タイガー!!」
クロノファング・タイガー PW11000
「クロノファング・・・タイガー・・・?」
ムダル クロノファング アップストリーム
R ガンナーギア R
「アップストリームでクロックフェンサーにアタック!」
「の、ノーガードだ!」
「ガンナーギアのブースト、クロノ・ファングタイガーでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード!」
「ツインドライブ『変革を呼ぶギアイーグル』『スチームスカラーカー・ランマ(☆)』ゲット、クリティカルトリガー。パワーはムダルに、クリティカルはクロノファング・タイガーに」
クロノファングは猛スピードで巨大な拳型兵装を搭載した腕でヒストリーメーカーを掴み、いたるところに突進する。そしてクロノファングはヒストリーメーカーを投げ捨てる。
「ダメージチェック『クロノジェット・ドラゴン』『スチームメイデンアルリム』」
「ムダルでヴァンガードにアタック!「ガード!『スチームスカラーカー・ランマ(☆)』」ターンエンド」
PW9000➡PW9000
PW16000➡PW9000
PW14000➡PW9000+SH10000=19000 少年の手札4枚 山札35枚 クロノのダメージ4枚
「お前は・・・いったい・・・」
クロノが少年に問いかけると、少年は驚くべき名を口にする。
「私はリューズ。明神リューズだ」
「お前・・・何を言って・・・」
自らを明神リューズと名乗る少年に対して、クロノは訳が分からないと言った表情になる。
「・・・ユニットの召喚。その際に招じる時空の歪みの影響を受け、肉体は深刻なダメージを負う。最初のユニット召喚で、私はそのことを知った。己の身をもって」
「・・・・・・」
「ユニットの召喚に、私の体は耐えられない。なら、どうすればいい?私は考え、そして思い至った。ならば、新たな肉体を用意すればいいと」
「・・・・・・っ!」
「そして、自らの英知と、記憶の全てを移し替えた。私の・・・クローン体に。新たな明神リューズとして、生まれ変わったのだ!」
「・・・!!」
少年の言葉にクロノは驚愕な表情へと変化していった。
「そ、そんなこと、信じられるか!!」
「言ったはずだ。For a righteous man may fall seven timesAnd rise again」
「・・・っ!!」
この言葉を発していた人物は、亡くなった明神リューズ以外いなかった。それを知っているという事は、この少年は本当にクローン体に自分の記憶と知識を全て移し替えた、明神リューズ本人であること意味している。
「くぅぅ!うああああああ!クロノジェット・ドラゴン!!」
クロノジェット・ドラゴン PW11000
「ストライドジェネレーション!!!時空獣メタリカ・フェニックス!!!」
ジェネレーションゾーン コスト『変革を呼ぶギアイーグル』グレード3
時空獣メタリカ・フェニックス PW26000 ハーツ『クロノジェット・ドラゴン』
「クロノジェットの
スチームファイターバリフ PW11000
バリフ メタリカ R
ドキドキ ドラン R
「ドキドキ・ワーカーのブースト、バリフでヴァンガードにアタック!」
「インターセプト『スチームナイトムダル』」
「くぅ!メタリカ・フェニックスでヴァンガードにアタック!ドキドキ・ワーカーのスキル!ソウルに送り、1枚ドロー!パワープラス5000!さらに、メタリカフェニックスのスキル発動!Gゾーンのワープドライブを表にして、クロノ・ドランを
「ノーガード」
「トリプルドライブ『スチームメイデンメラム』『スチームファイターバリフ』『ドキドキ・ワーカー(☆)』ゲット、クリティカルトリガー!パワーはクロノジェットに、クリティカルはメタリカ・フェニックスに!」
メタリカは自身に炎を纏い、クロノファングの周りを飛び回る。周りについた炎は炎の竜巻となってクロノファングを襲う。
「ダメージチェック『スモークギア・ドラゴン』『メーザーギア・ドラゴン』ヴァンガードが世界を司る真理そのものであるならば、その勝敗の結果は、世界が告げる絶対的な朴線のようなもの。すなわち、運命によって決定づけられた正義だ」
「エタナのブースト、クロノジェットでヴァンガードにアタック!」
「つまり、ヴァンガードで勝つという事は、世界が勝者に正義を託したという事に他ならない」
「うおおおおおおおお!!」
「ジェネレーションガード。遡る時乙女ウルル。スキルでノーマルユニットとトリガーユニットを1枚戻し、シールドプラス5000!」
ジェネレーションゾーン コスト『キラキラ・ワーカー(治)』
遡る時乙女ウルル SH15000
戻したカード『スチームナイトムダル』『パラドクスカノン・ドラコキッド(☆)』
「よって、敗者に与えられるのは、正義を託された勝者が行使する罰。ファイトが審判、裁きの場であり、出された結果はその判決なのだ」
「・・・ターンエンド・・・。エタナは山札の下に、クロノジェットは手札に・・・」
PW15000➡PW11000+SH5000=16000
PW31000➡PW11000
PW23000➡PW11000+SH2000=31000 クロノの手札5枚 山札29枚 リューズのダメージ5枚
「天網恢恢、疎にして漏らさず、超越せよ!!」
ジェネレーションゾーン コスト『変革を呼ぶギアイーグル』グレード3
雲行きが怪しくなり、クロノファングに雷鳴が降り注ぐ。雷鳴が晴れるとそこには、雷鳴を纏いし時空の竜が舞い降りられた。
「時空竜バインドタイム・ドラゴン!!!」
時空竜バインドタイム・ドラゴン PW26000 ハーツ『クロノファング・タイガー』
「バインドタイム・・・ドラゴン・・・?」
「ガンナーギアのスキル。カウンターブラストと、ガンナーギアをソウルへ。山札からグレード3を1枚手札に『スクエアワン・ドラゴン』。スクエアワン・ドラゴンをコール。スチームファイターナンネアをコール。変革を呼ぶギアイーグルをコール」
スクエアワン・ドラゴン PW11000
スチームファイターナンネア PW6000
変革を呼ぶギアイーグル PW11000
「スクエアワンでヴァンガードにアタック!「く!ガード!『スチームメイデンメラム』」ナンネアのブースト、バインドタイム・ドラゴンでヴァンガードにアタック!バインドタイムの
「バリフを山札の下へ・・・」
「ナンネアのスキル。バインドゾーンにカードが送られた時、ナンネアにパワープラス4000!」
「ご、合計46000・・・。くっ、ノーガードだ」
「トリプルドライブ『クロノファング・タイガー』『スチームメイデンエメルアンナ』『パラドクスカノン・ドラコキッド(☆)』クリティカルトリガー。パワーはギアイーグルに、クリティカルはバインドタイムに。私は、ギアクロニクル、十二支刻獣の力を持って、この世界に、争いも、憎しみもない、完全なる幸福なる未来へと導きたい。しかし、残念ながら私の理想を理解しようともぜず、逆らう輩もいる」
バインドタイムは咆哮を荒げながらクロノジェットに向けて雷鳴を放つ。クロノジェットはその雷鳴をもろに喰らってしまった。
PW11000➡PW11000+SH5000=16000
PW46000➡PW11000
ダメージチェック『ヒストリーメーカー・ドラゴン』『スチームスカラージジ』
クロノのダメージ6枚 リューズのダメージ5枚 勝者リューズ
「間もなく、彼らにも裁きが下るだろう。私ではない。ヴァンガードが、彼らの過ちを断罪するのだ!・・・もう1つ、君に言っておきたいことがある。君自身にもかかわる問題だ」
「!」
「君の父親、新導ライブのことだ」
突然リューズから自分の父親の話が出てき、目を見開くクロノ。そして、驚愕なことを言い放つ。
「君は死んだと思っているようだが、ライブは生きている」
「・・・・・・・え?」
「生きているのさ、新導ライブは。このことは、君が行動を共にしている伊吹コウジも当然知っている。伊吹はライブから直々に私たちの因縁を聞かされて、行動を開始したのだからな」
クロノの父、新導ライブは実は生きていて、その事実は伊吹も知っている。そのことを聞かされたクロノは話にまるでついていけてないような表情をしている。
「君は何も聞かされていないのか?なぜだろうな?」
「親父が・・・生きている・・・?」
クロノの脳裏に映ったのは、ギアースクライシスの際、イメージで見た小さな生き物を連れたフードの男が目に浮かぶ。その瞬間、クロノに少し頭痛がはしる。
「・・・そうか。覚えていないのか、何も。・・・私はこの世界を正しくしたいだけだ。君と私が敵対する理由はない」
リューズは頭痛で頭を片手で抑えているクロノにこう口にした。
「新導クロノ、真に未来を求めるならば、私の元へ来るがいい!」
「!!」
「待っている」
リューズはそれだけを言い残し、その場を去っていった。クロノはただその場で立ち尽くすことしかできなかった。
to be continued…
リューズ「君はライブのことを何も聞かされていないのか?なぜだろうな?」
クロノ「親父が・・・生きているだと・・・?ま、まさか・・・」
リューズ「信じたくなければ、信じなければいい。その自由は君にある」
クロノ「俺は・・・俺はいったいどうすれば・・・?」
リューズ「間もなく、私の悲願は達成される。クロノ、君も私と共にくるか?」
TURN87「守山ヒロキ」