誰がファイトするかは・・・本編でお楽しみください。
相変わらず文章の表現と心情がへたくそな私ですが、応援してくれる人がいるならもっとやる気が出せます。
それでは本編をどうぞ!
江西は自身の記憶を思い返している。どこかの病院でとある少女とヴァンガードファイトをしている。
『ダメージチェック!あー、また負けちゃった。サトル君すっごく強くなっちゃって、もう敵わないなぁ』
少女が小さな笑み浮かべて、子供の江西も笑みを浮かべる。
『ねぇ、このカードのスキルを上手に使うのって、どうすればいい?』
『あのね、それはまず・・・』
江西と少女のこのやり取りはずっと続くものだと思っていた。だが、それは叶わなかった。その少女は病によってなくなってしまったのだから・・・。
「・・・・・・」
江西はあれからずっと寝たきりの状態のルーナをじっと見つめる。
「・・・今度こそ・・・必ず君を守る」
TURN98「江西の罪」
カンパニーの休憩室で東雲は自分のパッドで何かを調べている。そんな休憩室にスバルが入室してきて、冷蔵庫から何か飲み物を取り出そうとしている。
「・・・スバルさん、伊吹さんの所在地は掴めましたか?」
「・・・お前、知っててそれ聞いてるだろ?どこ行っても見つかんねぇよ。たく、余計な仕事を増やしやがって・・・」
スバルが受け持っているカンパニーの仕事は始末屋だ。カンパニーの邪魔をする輩にヴァンガードによる審判を下し、裁きを与える仕事だ。現在スバルはカンパニーにとって邪魔者の存在である伊吹を追っているのだ。スバルは苛立ちながらサイダーの蓋を開け、一気に飲み干そうとする。そこに江西が入ってくる。
「若水さんから連絡があった。ストライドフォースの収集は順調だそうだ」
「・・・で?後どんくらいかかんだよ?」
「それはまだ・・・」
「それがもどかしいつってんだよ。こっちには12枚のディペンドカードを回収し終えて、ピースメイカーの確保もできた。後は最後のユニットの召喚だけだってのに、それにいつまでの時間を費やす気だよ?そんなんじゃこっちの仕事もいつまでたっても終わんねぇよ」
「スバルさん、あんまり怒ると、美しい顔にしわができますよ?」
「うるせぇ!余計なお世話だっつーの!」
スバルはピンポイントでサイダーの瓶をゴミ箱に向けて投げる。瓶は見事にゴミ箱の中に入った。スバルは休憩室を後にしようとする。
「どこに行く?」
「仕事だよ。あー、めんどくせぇ。最後のユニットが召喚できれば、延々続くクソな仕事が終わるってのによ・・・」
スバルは愚痴をこぼしながら休憩室を後にする。
☆
ルーナが眠る部屋にこっそりと近づく影がある。その影の正体はユキノだった。ユキノはカプセルを操作する機会の前に立つ。
「ルーナ、ずっとそこにいるのは窮屈でしょ?ちょっとは外の空気でも吸いに行きましょう?私が誘導してあげるから」
ユキノはルーナを外に出そうと機械を操作しようとすると・・・
「やめるんだ」
「!江西さん・・・」
休憩室から戻ってきた江西に止められる。
「彼女に手を出すことは許さない。ルーナはストライドゲート計画に必要な存在だ。ピースメイカーである彼女を失えば、我々の理想が実現することはない」
「・・・全部聞いてるわよ。この計画が完遂すれば、ルーナは・・・。だからこそルーナをあんたたちには任せておけない!この計画にルーナは必要ない!」
「・・・我々の理想を邪魔するものは、誰だろうと私が排除する。もちろん君も例外じゃない」
「・・・だったら、私と江西さん、世界の真理がどちらに与するか、審判を仰ごうじゃない!それがここの流儀・・・でしょ?」
「・・・いいだろう」
ユキノは自身のデッキを出し、江西にファイトを申し込む。江西はそれを了承する。
「私が勝ったら、ルーナを解放しなさい!ピースメイカーの件なら、私が何とかする!」
「・・・君が負けた時は?」
「・・・判断はあなたに任せるわ」
互いに審判の条件を提示し、ファイトの準備を進める。準備を終え、審判に委ねるファイトが始まる。
「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」
「禁書の魔女シナモン!」
「エニグマティック・アサシン」
禁書の魔女シナモン PW5000
エニグマティック・アサシン PW5000
「私の先攻。ドロー。ライド、エッジ・イン・ザ・ダークネス!ターンエンド」
エッジ・イン・ザ・ダークネス PW7000
R ダークネス R
R R R 江西の手札5枚 山札43枚
「私のターン!ドロー!ライド!次代の神器スクルド!シナモンは先駆で移動!もう1体スクルドをコール!」
次代の神器スクルド PW7000
R スクルド スクルド
R シナモン R
「リアガードのスクルドでヴァンガードにアタック!」
「ガード『悪夢の国のダークナイト(☆)』」
「シナモンのブースト、スクルドでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード」
「ドライブチェック『神界獣スコル』」
「ダメージチェック『エッジ・イン・ザ・ダークネス』」
「ターンエンド」
PW7000➡PW7000+SH10000=17000
PW12000➡PW7000 ユキノの手札5枚 山札42枚 江西のダメージ1枚
「私のターン。ドロー。ライド、デモンテッド・エクセキューショナー!さらにもう1体デモンテッドをコール。
デモンテッドのスキル。山札の上から7枚見て、
デモンテッド・エクセキューショナー PW9000
デモンテッド デモンテッド R
R R R
「ヴァンガードのデモンテッドでヴァンガードにアタック!」
「ガード!『ドリーミング・ドラゴン(醒)』」
「ドライブチェック『グレンツェント・ヴァンピーア』リアガードのデモンテッドでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード!ダメージチェック『黄昏の神器ヘスペリス』」
「ターンエンド」
PW9000➡PW9000+SH10000=19000
PW9000➡PW9000 江西の手札4枚 山札39枚 ユキノのダメージ1枚
「私のターン!スタンド&ドロー!ライド!黄昏の神器ヘスペリス!スクルドを移動!戦巫女コトノハをコール!」
戦巫女コトノハ PW9000
「コトノハの天啓発動!」
天啓とは、山札の上を1枚見てそのカードを山札の上に置くかソウルに置くかを決め、ソウルに置かれた場合はリアガードを1体レストさせるというジェネシスの新しいスキルだ。
「山札の上1枚を見て、その置き場所を決める!これはソウルに!シナモンをレスト!
コトノハのスキル!カードがソウルに入るたびに、パワープラス1000!さらに、天啓能力でソウルが入った場合、さらにパワープラス1000!」
R ヘスペリス コトノハ
R シナモン(レスト) スクルド
「ヘスペリスでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード」
「ドライブチェック『今世の神器ヴェルザンディ』」
「ダメージチェック『ディメンジョン・クリーパー』」
「スクルドのブースト、コトノハでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード。ダメージチェック『シャルハロート・ヴァンピーア』」
「ターンエンド!」
PW9000➡PW9000
PW18000➡PW9000 ユキノの手札4枚 山札38枚 江西のダメージ3枚
(あの日からルーナは眠りについたまま。ルーナはストライドゲートを開くための道具となってしまった。アムもあの後、1人で考えることが多くなった。・・・絶対に守ってみせる。2人の笑顔のために!)
「ライド。シャルハロート・ヴァンピーア」
シャルハロート・ヴァンピーア PW11000
「グレンツェント・ヴァンピーアをコール」
グレンツェント・ヴァンピーア PW11000
「グレンツェントのスキル。カウンターブラストを払い、山札の上から5枚見て、
独眼のサキュバスをコール」
ソウルの枚数6枚
独眼のサキュバス(☆) PW4000
デモンテッド シャルハロート グレンツェント
R R 独眼
「独眼のサキュバスのブースト、グレンツェントでヴァンガードにアタック!」
「ガード!『遠見の神器クリア・エンジェル(☆)』」
「シャルハロートでヴァンガードにアタック!
独眼のサキュバスのスキル。ヴァンガードがシャルハロートならば、ソウルに置き、1枚ドロー。パワープラス5000」
「ノーガード!」
「ツインドライブ『純愛のサキュバス』『悪夢の国のダークナイト(☆)』ゲット、クリティカルトリガー。パワーはデモンテッドに、クリティカルはシャルハロートに」
シャルハロート(江西)は翼のような爪を伸ばし、ヘスペリス(ユキノ)の腹部に打撃を与える。
「くぅ!ダメージチェック『枷の戒めゲルギャ』『運命の神器ノルン』」
「デモンテッドでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード!ダメージチェック『慈悲の神器エイル(治)』ゲット、ヒールトリガー!ダメージを1回復、パワーをヴァンガードに!」
「ターンエンド」
PW15000➡PW9000+SH10000=19000
PW16000➡PW9000
PW14000➡PW9000(+5000) 江西の手札5枚 山札31枚 ユキノのダメージ3
「ダメージは3対3か・・・。だけど私だってピースメイカーだ!一気にダメージを与えるなんて、造作もないこと!ライド!今世の神器ヴェルザンディ!!」
今世の神器ヴェルザンディ PW11000
「ストライドジェネレーション!!!聖火の究極神器デメテール!!!」
ジェネレーションゾーン コスト『神界獣スコル』グレード1+2
聖火の究極神器デメテール PW26000 ハーツ『今世の神器ヴェルザンディ』
「ヴェルザンディをコール!」
ヴェルザンディ デメテール コトノハ
R シナモン スクルド
「ヴェルザンディでヴァンガードにアタック!」
「ガード『悪夢の国のダークナイト(☆)』」
「シナモンのブースト、デメテールでヴァンガードにアタック!
デメテールのスキル!ハーツが神器ならカウンターブラストを払ってソウルチャージ『真昼の神器へメラ』『氷紋の女神スヴァーヴァ』『春眠の女神ターロ(醒)』そして、カウンターチャージ!
ヴェルザンディの
コトノハのスキル!同じくパワープラス3000!」
「完全ガード『貪欲のサキュバス』(コスト『グレンツェント・ヴァンピーア』)」
デメテール(ユキノ)は聖火の炎をシャルハロート(江西)に向けて解き放つ。炎はシャルハロート(江西)に向かっていったが貪欲のサキュバスによってそれは防がれた。
「くっ・・・トリプルドライブ『吉凶の神器ロット・エンジェル(引)』ドロートリガー!パワーはコトノハに、1枚ドロー!『凍気の神器スヴェル』『吉凶の神器ロット・エンジェル(引)』ドロートリガー!パワーはコトノハに!1枚ドロー!スクルドのブースト、コトノハでヴァンガードにアタック!私は、2人が笑顔でいられる世界があるなら、それでいい!」
「ノーガード。ダメージチェック『エキセントリック・ディセクター』」
「ターンエンド!私はそのために協力してるのよ!なのに、2人の笑顔を奪ってまで協力するつもりはさらさらない!!」
PW11000➡PW11000+SH10000=21000
PW11000➡PW11000(完全ガード)
PW29000➡PW11000 ユキノの手札6枚 山札36枚 江西のダメージ4枚(裏1枚)
「・・・なるほど。君自身は我々の計画に賛同的で、本来ならばこのような反逆はありえない。だが、弓月ルーナや蝶野アムのことであればまた別の話、という訳か」
「それが何か?」
「君の思考と行動原理は理解できた。だが、ゆえに理解できない部分もあるのも事実」
「はぁ?」
「愚かなる反逆者に、冷厳たる制裁を!!ストライドジェネレーション!!!鮮血の叛臣フレデリック!!!」
ジェネレーションゾーン コスト『純愛のサキュバス』グレード1+2
鮮血の叛臣フレデリック PW26000 ハーツ『シャルハロート・ヴァンピーア』
「
ディメンジョン・クリーパーのスキル。ソウルからドロップゾーンに送り、ソウルチャージ『ヒステリック・シャーリー(引)』『ディメンジョン・クリーパー』
もう1度、ディメンジョン・クリーパーのスキル。ソウルチャージ『貪欲のサキュバス』『エキセントリック・ディセクター』悪夢の国のモノクロームをコール」
悪夢の国のモノクローム(醒) PW4000
「モノクロームの
さらにフレデリックのスキル。手札から1枚選び、ソウルに置く『ディメンジョン・クリーパー』ソウルの合計13枚で、パワープラス13000。そして前列のリアガードにパワープラス5000。
さらにデモンテッドの
ソウルの枚数13枚
デモンテッド フレデリック グレンツェント
R R R
「2人の笑顔のために幸せにしようという意思は伝わる。グレンツェントでヴァンガードにアタック!」
「ガード!『吉凶の神器ロット・エンジェル(引)』『吉凶の神器ロット・エンジェル(引)』
ロット・エンジェルのスキル!ソウルチャージ『戦巫女コトノハ』『神界獣スコル』」
「フレデリックでヴァンガードにアタック!スキル発動。相手は自分のリアガードを1体選び、退却させる」
フレデリック(江西)の瞳が不気味に光り、ヴェルザンディ(ユキノ)はその瞳を見てしまう。瞳を見たヴェルザンディ(ユキノ)は視線にスクルドを捕え、自身の腕を振りかざし、スクルドを攻撃する。
「ちぃ!ノーガード!」
「トリプルドライブ『悪夢の国のモノクローム(醒)』ゲット、スタンドトリガー!グレンツェントをスタンド、パワープラス5000。セカンドチェック『ドッペル・ヴァンピーア』サードチェック『独眼のサキュバス(☆)』ゲット、クリティカルトリガー。パワーはデモンテッドに、クリティカルはフレデリックに。だが君は、2人を優先し過ぎている。それ故に、自分が示す未来が見当たらない。違うか?」
「!!」
「君が目指そうとしている世界は、いったいどこに存在している?本当はどこにも存在しないのではないのか?」
フレデリック(江西)は両手を掲げ、闇の力を創造し、その闇の力をヴェルザンディ(ユキノ)に向けて放つ。ヴェルザンディ(ユキノ)は直で闇に包まれる。
「きゃあああああ!ダメージチェック『戦巫女コトノハ』『真昼の神器へメラ』くっ、ダメージ5・・・リアガードの攻撃が後2回・・・」
「デモンテッドでヴァンガードにアタック!」
「ジェネレーションガード!!天蓋の戦乙女ハナサツキ!!」
ジェネレーションゾーン コスト『慈悲の神器エイル(治)』
天蓋の戦乙女ハナサツキ SH15000
「ハナサツキのスキル!コトノハを選択!ソウルに選択したユニットがいるため、シールドプラス10000!」
「グレンツェントでヴァンガードにアタック!」
「ガード!『凍気の神器スヴェル』スヴェルのスキル!カウンターブラストを払って、山札の上から5枚をガーディアンサークルへ!クインテットウォール!」
クインテットウォール 『運命の神器ノルン』『遠見の神器クリア・エンジェル(☆)』『次代の神器スクルド』『宇宙の神器CEOユグドラシル』『黄昏の神器ヘスペリス』
「ターンエンド」
PW16000➡PW11000+SH10000=21000
PW39000➡PW11000
PW24000➡PW11000+SH25000=36000
PW21000➡PW11000+SH25000=36000 江西の手札4枚 山札19枚 ユキノのダメージ5枚(裏1枚)
「・・・あなたの言う通り、私には進みたい未来なんて、どこにもない」
「・・・・・・」
「でもね、そんな私にだって、その子の未来を共に進んでみたいといえるようになった!歩き出せ!!光り輝く未来をつくるために!!ストライドジェネレーション!!!!」
ジェネレーションゾーン コスト『今世の神器ヴェルザンディ』グレード3
暗闇の世界に1筋の光が照らしだされる。その光から1人の美しき女性が現れる。その神々しい姿は、過去をつかさどる女神そのものであった。
「先史の神器ウルズ!!!!」
先史の神器ウルズ PW26000 『今世の神器ヴェルザンディ』
「ウルズのスキル!カウンターブラストと、Gゾーンのウルズを表に!ハーツが神器なので、ドロップゾーンにある神器のカードを全部ソウルに入れる!現在ドロップゾーンにある神器は12枚!12枚の神器をソウルに!
コトノハのスキル!パワープラス12000!
ウルズのスキル!Gゾーン表の神器が2枚以上で、ソウルブラスト6!『今世の神器ヴェルザンディ』『吉凶の神器ロット・エンジェル(引)』『遠見の神器クリア・エンジェル(☆)』『運命の神器ノルン』『黄昏の神器ヘスペリス』『慈悲の神器エイル(治)』ウルズにパワープラス10000!クリティカルプラス1!
ノルンのスキル!ソウルからドロップゾーンに置かれた時、神器のヴァンガードにパワープラス5000!
ヘスペリスのスキル!ソウルからドロップゾーンに置かれた時、アタックがヒットすればリアガードを1体退却させる!枷の戒めゲルギャをコール!」
枷の戒めゲルギャ PW7000
「ゲルギャの天啓!山札の上1枚を見て、置き場所を決める!これはソウルに!コトノハをレスト!
コトノハのスキルでパワープラス2000!さらにもう1体のゲルギャをコール!
天啓!山札の上1枚見る!これは山札の上に!
ウルズのスキルをもう1度!『春眠の女神ターロ(醒)』『宇宙の神器CEOユグドラシル』『吉凶の神器ロット・エンジェル(引)』『黄昏の神器ヘスペリス』『次代の神器スクルド』『凍気の神器スヴェル』ウルズにパワープラス10000!クリティカルプラス1!
ドロップゾーンに送られたターロの
同じスキルをもう1度!『戦巫女コトノハ』『真昼の神器へメラ』『氷紋の女神スヴァーヴァ』『宇宙の神器CEOユグドラシル』『黄昏の神器ヘスペリス』『次代の神器スクルド』パワープラス10000!クリティカルプラス1!」
ヴェルザンディ ウルズ コトノハ
ゲルギャ シナモン ゲルギャ
「アムが望む世界をルーナが望む意思であるなら、私はその道を進む!2人の望む世界が今の私の全てだから!ヴェルザンディでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード。ダメージチェック『ヒステリック・シャーリー(引)』ゲット、ドロートリガー。シャルハロートにパワープラス5000。1枚ドロー」
「でもルーナは意識を失って、自由を奪われた!ここの装置が、ルーナの意思を踏みにじったんだ!!シナモンのブースト、ウルズでヴァンガードにアタック!74000のパワーと、クリティカル4の攻撃じゃ、どんなに足搔いても防ぐことなんてできないわよ!!」
「完全ガード『貪欲のサキュバス』(コスト『ドッペル・ヴァンピーア』)」
ウルズ(ユキノ)は本を開き、空中に魔力を集中させる。魔力を一定以上まで溜め終えたらシャルハロート(江西)に向けて一斉に発射する。魔力がシャルハロート(江西)にあたる直前で貪欲のサキュバスに防がれる。
「くっ・・・さっきのドロートリガーか!トリプルドライブ『春眠の女神ターロ(醒)』ゲット、スタンドトリガー!ヴェルザンディをスタンド!パワープラス5000!『衰微の女神ヘル』『ドリーミング・ドラゴン(醒)』ゲット、スタンドトリガー!パワーはヴェルザンディに!あと1ダメージ!ゲルギャのブースト、ヴェルザンディでヴァンガードにアタック!」
「ジェネレーションガード!!夜陰の紳士サン・ジェルマン!!」
ジェネレーションゾーン コスト『カースド・ドクター(治)』
夜陰の紳士サン・ジェルマン SH15000
「ソウルのカードが10枚以上のため、シールドプラス10000!さらに、インターセプト『デモンテッド・エクセキューショナー』」
「なっ・・・」
「君や蝶野アムを含め、ピースメイカーの候補者たちは皆、その肉体に変調をきたした。それは明神氏も同じことだった。そんな中唯一、ルーナだけが精神を閉ざした。それはなぜか?それこそが、彼女の意思だからではないだろうか?」
「!!なんですって・・・?」
ピースメイカーの道を行くことがルーナの意思という江西の言葉にユキノは言葉を失う。
「蝶野アムの夢を叶えるために、ストライドゲートを守り続けることが、ルーナの望む未来なのだ」
「そんな・・・」
「誰もが幸せになる崇高なる未来の為に、彼女は自分自身というコストを払ったのだ。それは尊い、尊敬に値する行為だ。君も彼女のことを思うのであれば、彼女の意思を尊重すべきではないのか?」
「・・・っ!ゲルギャのブースト、コトノハでヴァンガードにアタック!!」
「ガード『悪夢の国のモノクローム(醒)』『独眼のサキュバス(☆)』」
「ターン・・・エンド・・・」
PW23000➡PW11000(+5000)
PW74000➡PW16000(完全ガード)
PW35000➡PW16000+SH25000=41000
PW30000➡PW16000+SH20000=36000 ユキノの手札3枚 山札29枚 江西のダメージ5枚(裏3枚)
「・・・じゃあどうすればいいっていうのよ・・・。姉さんがいなくなり・・・また私の大事な人が目の前で消えるのを黙って見てろっていうの・・・?」
「?姉さん?」
「・・・難病で死んだ私の大事な姉よ。あんたなんかに言ったってわかんないだろうけど・・・」
「・・・・・・っ!!」
江西はユキノの顔を見て何かに気付き、目を見開き、自身の記憶を振り返る。
☆
子供の江西はいつものように少女の病室に入ろうとしているとしていると、水色の髪の女の子が江西に声をかける。見た目からして江西より5歳年下であることは理解できる。
『あれ?おにいちゃん、おねえちゃんのびょうしつになにかよう?』
『えっ・・・?』
『あ、もしかして、おにいちゃんでしょ?おねえちゃんとなかよくしてるおともだちって。えっと、おねえちゃんのなまえはね・・・』
少女は自分の姉の名前を言う。
『えっと、うん。そうだよ』
『やっぱり!おねえちゃん、おにいちゃんのことうれしそうにはなすからいっかいあってみたかったんだー!』
少女は少し考えるようなしぐさをし、江西に向けてにこやかな笑みを浮かべる。
『おにいちゃんがおねえちゃんのおともだちなら、きょうからわたしのおにいちゃんでもあるね!』
『え・・・お兄ちゃんって・・・僕?』
『ほかにだれがいるの?あー、でもそうかんがえたらあしたからたのしみになってきたよ!』
『君のお姉ちゃんのところ、行かなくてもいいの?』
『きがかわったの。きょうはわかいおふたりにまかせて、わたしはあむちゃんとあそんでくる!じゃあおにいちゃん、またあしたね!』
『あっ・・・』
少女はそう言って病院を後にする。病室から江西の友人の少女が出てくる。
『サトル君、さっきユキノちゃんの声が聞こえたんだけど・・・もしかして帰っちゃった?』
『ユキノちゃん?さっきの子の名前かい?』
『うん。もう話したよね?私の大切な妹の話を。江西君と話してた子がそうなんだ。かわいかったでしょ?』
『慌ただしい子だったね』
『かもね。・・・サトル君、ユキノちゃんのことも仲良くしてあげてね?』
『・・・うん』
☆
「・・・そうか。やはりそうだったのか。君は彼女の・・・」
「は?」
江西の急な言葉にユキノは怪訝な顔をする。
「そんなはずはないと・・・ずっと思い込んできたが・・・」
「ちょっと、何の話をしてるのよ?」
「・・・ならば私は何に変えても、私はルーナも、君も守り抜く!それは私にとって、贖罪でもあるのだから」
「守るって・・・私も?それに贖罪?どういうこと?」
江西が急に自分のことを守ると言い出し、さらには贖罪という言葉に疑問符が大きく生まれるユキノ。
「・・・幼い頃、病を患っていた。生存率50%。サイコロをふって奇数が出るか偶数が出るか、それと同じ確率。子供の私には、神の気まぐれで自分の運命が決まるように見えた。そんな日々が続いたある日、彼女に出会った。彼女もまた、同じ病にかかっていた。君にはわかるはずだ、その彼女が誰であるのかを。・・・君の姉君だ」
「!!?」
まさか自分の姉の友人が江西であることに驚愕していた。そして、自分が今まで疑問に思っていたことが、ようやく答えが出た。
「まさか・・・"サトル義兄さん"・・・なの・・・?」
「・・・ああ。久しぶりだな、ユキノ」
義兄さんと呼ばれ、江西は辛そうな表情をして、再会の言葉を述べる。
「君の姉君と友達になるのに、時間はかからなかった。そして私たちは・・・いつも死と隣り合わせだった」
『じゃあ、また明日・・・』
『・・・明日って・・・いつまでやってくるんだろう?私たちに、幸せの未来ってあるのかな?』
『・・・あるよ。絶対ある。大丈夫。僕が君を守るから』
「それは彼女を救いたいという、必死の思いから出た言葉だった。だが彼女は・・・」
「死んでしまった・・・。そこは私もよく知ってる・・・私にとって唯一の家族だから・・・」
「その後、開発された新薬によって、私は病を克服した。彼女の命を犠牲にして、私は生き延びたのだ」
「!!!」
命を犠牲にして生き延びたと聞いて、ユキノは手が震えていた。その瞳にも涙が浮かび上がりそうになっていた。
「守ると誓った少女・・・だが守られたのは、私の方だった。彼女は自分自身というコストを払い、私を助けてくれた。そうやって、私に明日を、未来を与えてくれたのだ。そして私は、明神氏と出会い、その理念に触れた。ヴァンガードによって、誰もが幸せになれる完全なる未来が実現するという理念に。そんな世界が現実のものになれば、彼女のように命を亡くすようなものはいなくなり、全ての人が安らかな未来を手にすることができる」
江西は決意を込めて声を上げる。
「ならば!私はその実現のため、力を尽くす!いかなる犠牲を払おうと、必ず現実のものにしてみせる!!そして・・・」
「もういい聞きたくない!!!」
江西の言葉にユキノは首を俯かせて声を荒げる。
「・・・あんたが死ねばよかったのよ。そうすれば・・・姉さんが死ぬことなんてなかった!!」
ユキノは江西に向けて涙を流しながら声を荒げる。
「どうして姉さんじゃなくてあんたが生きてるのよ・・・。返してよ・・・私の唯一の家族!私の大切なお姉ちゃんを返してよ!!!」
ユキノは両手を涙を流す瞳にのせる。江西はユキノの言葉を受け止め、真剣みを込めた瞳でユキノを見つめる。
「・・・君は私のことを憎んでいるだろう。当然だ。君自身の望む未来を、私が潰してしまったも同然だ。この命で償えるのなら、私は喜んで君に差し出そう。だが・・・今は待ってほしい。君が望む未来を・・・私が取り戻すまでは!!スタンド&ドロー!」
江西の手札は0枚。次でストライドできるかどうかが怪しいところだが・・・。
「・・・この世界を司る真理も、私にそうしろと言っている」
江西が引いたのはシャルハロート・ヴァンピーア、グレード3だ。つまりはストライド可能という事になる。
「ストライドジェネレーション!!!!」
ジェネレーションゾーン コスト『シャルハロート・ヴァンピーア』グレード3
暗闇が渦巻く中、蝶が1体の吸血鬼の爪に止まる。吸血鬼の周りには同じ蝶が同じく舞っている。この吸血鬼が、シャルハロートの未来の姿だ。
「罪深き者シャルハロート!!!!」
罪深き者シャルハロート PW26000 ハーツ『シャルハロート・ヴァンピーア』
「
ディメンジョン・クリーパーのスキル!自身をドロップゾ-ンに置き、ソウルチャージ『エッジ・イン・ザ・ダークネス』『カースド・ドクター(治)』」
ソウル16枚
R シャルハロート グレンツェント
R R R
「エニグマティック・アサシンの
エニグマティック・アサシンのブースト、グレンツェントでヴァンガードにアタック!君の未来を潰してしまったこと、それは私の罪であり、私への罰だ」
「グス・・・。完全ガード『衰微の女神ヘル』(コスト『春眠の女神ターロ(醒)』)」
「だが、約束する。君が望む未来を、君自身の幸せを、私が取り戻す!それが、私に託された、彼女の願いだから!罪深き者シャルハロートでヴァンガードにアタック!
カウンターブラストを払い、リアガード全てをソウルへ!パワープラス10000!
そしてソウルが10枚一上で、相手のリアガード全てを退却!」
シャルハロート(江西)はグレンツェントとエニグマティック・アサシンを闇に変え、それに包み込む。それと同時に、ヴェルザンディ(ユキノ)のリアガードが全て闇に包まれてしまった。
「そしてソウルが15枚以上で、この攻撃は
「・・・ノーガード・・・」
「トリプルドライブ『純愛のサキュバス』『純愛のサキュバス』『悪夢の国のダークナイト(☆)』ゲット、クリティカルトリガー!効果は全てシャルハロートに!」
シャルハロート(江西)は闇を操り、ヴェルザンディ(ユキノ)を捕え、締め上げる。そしてそのまま、翼の爪でヴェルザンディ(ユキノ)を貫いた。
PW31000➡PW11000(完全ガード)
PW36000(+5000)➡PW11000
ダメージチェック『今世の神器ヴェルザンディ』
ユキノのダメージ6枚 江西のダメージ5枚 勝者江西
「・・・・・・」
ファイトに敗れたユキノは力なくその場に座り込む。江西はユキノに近づき、彼女をそっと抱く。
「・・・君の悲しみと辛さは全て、私が受け止める。必ず君の本当の笑顔を取り戻して見せる。だから・・・これ以上自分を追い込まないでくれ。君に涙は似合わない」
「・・・う・・・うぅ・・・」
ユキノの瞳に大量の涙が溢れ、彼女は我慢できずにいた。
「うわああああああああん!!」
彼女は自分自身の悲しみずっとを押し殺してきた。それが今全てを解き放ち、彼女は初めて、人前で大きく、声を上げて泣いたのである。
☆
あのファイトの審判の結果によって、ユキノは長期間の自室謹慎を言い渡された。この結果にスバルは江西に対して「審判の結果が甘すぎる」と愚痴っていた。
(・・・頭の中ではわかってる。サトル義兄さんは何も悪くない。悪いのは・・・私自身だ。私が・・・姉さんの様態なんか構わずにずっと連れまわしていたから・・・)
ユキノはドアの窓をじっと見つめる。
(私はアムとルーナに幸せになってほしい。それは今も変わらない。けど・・・ルーナがアムのために身を捧げたいと、本気で願うなら・・・罪人の私がどうこう言う資格はない。なら・・・)
ユキノはベッドから立ち上がる。
「アムの未来を・・・ルーナの意思を・・・私が守る。そのためなら、誰を敵に回したって構わない。全て・・・2人の願いを叶えるために!それが私自身が望む・・・真の未来だから!」
ユキノは決意を込めて、拳を握るのであった。
to be continued…
スバル「江西よぉ、今回の審判、甘いしお前らしくねぇんじゃねぇのか?」
江西「何が言いたいのだ?」
スバル「見た感じ力もねぇしここにいる価値もなかったぜ?なのに、何で長期間の謹慎なんだよ?意味わかんねぇ」
江西「・・・力はそれなりの結果を出している。彼女がここに残る意思があるのであれば、わざわざ追い出す必要もないと判断した。それだけだ」
スバル「けっ、ご苦労なこった。あたしだったら誰彼構わず裏切り者を消すっていうのによぉ。・・・本当にそんだけなのかよ?」
TURN99「ライブとリューズ」