亡霊&坊ちゃん 『悪霧』   作:マチカネ

4 / 6
 ルパン三世、次元大介、石川五右エ門が揃いました。ジャケットの色はイタリア版の青いジャケット。



第4章 【外】の怪物

 変装を解いだルパン三世はブルーのジャケットに着替える。

「ところで不二子ちゃんは、そっちには来てないの」

 再会は嬉しいが、ルパン三世の口から峰不二子の名前で出て、ムスッとするレベッカ。

「島までは来たんだがよ、何か金目の物を見つけたようで、どっか、行っちまった。まっ、あの女のことだ、無事だろうさ」

 次元大介の言う通り、最終戦争が起こったとしても、きっと生き残る。

 

 

 

 ルパン三世が仕留めた怪物の遺体を調べている来人。こいつは干からびていない。ホテル内で倒された怪物は干からびていないが、人間の部分を攻撃されたり、切り離された怪物は干からびている。

「間違いない、こいつらは【外】から来たんだ……」

 この世界とは異なる世界。

「それは、どんな意味かな」

 いつの間にか、ライが来ていた。その後ろにはジャスティンも。

 にわかに信じてもらえない話だけど、

「怪物は、この世界の【外】から来た。この世界のとは違う世界の住人なんだ」

 ライなら信じてもらえるかもしれないと思い話す。

「なるほど、道理で見たことない奴らなわけだ」

 あっさりと信じる。

 ジャスティンは半信半疑であったが、確かに、この怪物たちは世界中、どこにも、存在しない生命体。

 来人の話以外に、納得できる説明がないのなら、信じる以外の選択肢はない。

「あっ」

 背後で声が上がる。誰だろうと、ライ、来人、ジャスティンが見てみると、歳を取った小太りの男がそこにいた。

「すいません、偶然、話が聞こえてしまって」

 3人の視線を受けて、緊張、無理もない。いろんなタイプの視線。

「それで、以前、この島に住んでいた男が、同じような話をしていたのを思い出しましたので」

 ハンカチを出して、額の汗を拭き拭き。

「詳しく話を聞かせてくれるか」

 ジャスティンに凄まれ、ますます、緊張。折角拭いた汗が、また噴き出す。

 当の本人には、そんなつもりはないのだが、素人にはジャスティンの迫力の威力は十分すぎる。

「その方は、この島の町長さんですよ」

 以前、撮影の交渉を直にしたロブソン。その頃から、面識あり。

 ルパン三世、次元大介、石川五右エ門、銭形警部、レベッカも話を聞きに来る。

 

 

 

「この戸巣見島に安内重太郎という男がいまして、学校の成績は良くて、機械いじりが得意な男でしてね。ある時、世界は一つだけではなく、複数あると言い出しました」

 ライや来人、ルパン三世、次元大介、石川五右エ門、銭形警部、レベッカ、ロブソン、ジャスティンの前で話を始める町長。

「元々、性格が悪くて嫌われていたこともあり、安内重太郎は、島の皆に馬鹿にされ、必ず壁をこじ開けて【外】があることほ証明し、皆をひれ伏させると言い残し、島を出て行きましたが、先日、【外】の説で学会からも追放されたと、風の噂で聞きまして」

 世界は一つだけではない。それは来人は知っている。100万世界の存在を。

 

「じゃ、そいつが自分の正しかったことを証明したってことだ」

 村長の話を聞き終えたルパン三世がボソッと。ライと来人を除く、全員の視線が集中。

「考えてみな、あの化け物は、世界中、見回っても見たこともないものばかり、なら【外】からやって来たんだろ」

 ルパン一味は世界中を飛び回って、泥棒をやっていた。それ追い掛け回している銭形警部。

 いろんな不思議なものと遭遇したが、このような怪物との遭遇経験はなし。

「この島の出身者が【外】の壁をこじ開けると言っていた。で、そいつが学会から追放された。そしたら、この島に【外】の化け物が現れた。なら、答えはでてるじゃん」

 町長の話と、今の現状を組み合わせれば、答えは出ている。俄かには信じられないが、答えは出ている。

 学会から追放された安内重太郎が、なんだかの方法で、強引に【外】との通路を開いてしまった。

「この霧も【外】から、来たんだね。それに……」

 ライは、皆を手招きして玄関へ。そこには干からびた怪物の亡骸が。

「見てごらん、この怪物、干からびているだろう」

 説明の必要なく、どう見ても、干からびている。

「それに、あっちは干からびていない」

 ホテル内の怪物の遺体は、干からびていない。人間の部分を攻撃されたり、切り離された怪物以外は。

「きっと、こいつらは霧の中でしか生きられない。だから人間と融合するんだ。そうすることで、この世界でも活動できるようになる。でも融合した部分を失い、霧から分断されると、こうなる」

 石川五右エ門の斬鉄剣で斬られて、次元大介がドアを閉じて、霧をシャットアウトしたら、確かに干からびてしまった。

「じゃ、この霧を何とかしたら、ぐっと状況は楽になるということ」

 レベッカの意見は希望的観測ではない。

「なら、その霧の出口を閉じればいいでござるな」

「問題は、そこがどこだってことだな」

 煙草の一本でも吸いた次元大介だが、ライの目の前では許してもらえない。

「で、その安内重太郎の家と家族は?」

「両親は数年前に亡くなっております、家は……」

 ルパン三世から質問され、町長はロブソンの持ってきた地図で、安内重太郎の家の場所を説明。

 

 

 

 【外】との通路を閉じに行くメンバーは、ライ、来人、ルパン三世、次元大介、石川五右エ門、銭形警部、ジャスティン。

 スリルをこよなく愛するレベッカも着いて行きたがったが、ロブソンに反対され、当然のごとく、引き下がらなかったが、

「ここで俺たちの帰りを待っていてくれ」

 と、ルパン三世に目を見つめられ、至近距離で言われてしまい、従ってしまう。

 

 

 

 出発しようとした時、ロブソンがライを呼び止める。

「町長に聞いたのですが、鬼火神社の御神体は太刀だと。神社の場所も目的地の途中なので、寄られてはどうかと」

 そういえば地図にも神社の印があった。

「ただ、御神体の太刀は妖刀らしく……」

 御神体の太刀の謂れを話す。

 

 

 

 




 今回は短めでした。
 ルパン三世のセカンドシーズンにネッシーとUFOや吸血鬼が出ていたような覚えがあります。うろ覚えですが。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。