やはり俺がボーダーA級部隊隊長をやっているのはまちがっている。(更新停止)   作:新太朗

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今週のワートリを見たけど、ヒュースは玉狛第二に入るのか?
次回が楽しみだ。

では本編をどうぞ。


職場見学 比企谷八幡⑤

ボーダー本部。

それはネイバーの第1次大規模侵攻跡地に建設された巨大な建物。

そこにはボーダー隊員のための様々な設備が存在する。

 

今日はその設備などを使えると興奮している生徒が大勢いた。

まぁ、ラノベみたいなことが出来るのだからそれは人気があるのも納得だな。

そして今、壇上で忍田本部長がボーダーについて話していた。

 

「ボーダー本部長、忍田真史だ。君達の入隊を歓迎する。君たちは本日C級隊員・・・訓練生として入隊するが、三門市、そして人類の未来は君たちの双肩に掛かっている。日々研磨し正規隊員を目指して欲しい。君たちと共に戦える日を待っている。

・・・私からは以上だ。この先の説明は嵐山隊に一任する」

と、その言葉の後に周りがざわつき始めた。

 

嵐山隊。

ボーダーで広報を担当しているA級部隊。

編成はオールラウンダー3人、スナイパー1人という。

様々な状況に対応できる部隊と言えるだろう。

 

(ウチの隊も似た感じだしな。まぁ雪菜はガンナーを持っているだけで

本職はアタッカーだから少し違うか・・・)

と、考えていると、五つの星のエンブレムが特徴の赤い隊服を着た四人組が現れた。

 

「やあ、みんな!今日の職場見学を案内する嵐山隊隊長の嵐山准だ。よろしく!」

と、嵐山さんの挨拶に女子連中はキャーキャーと騒いでいる。

 

嵐山准。嵐山隊隊長にしてオールラウンダー。

正義感に溢れる広報部隊長だ。

広報というめんどくさい仕事をこなしている凄いイケメンだ。

ただ一般にはあまり知られてはないが、かなりのブラコンとシスコンだ。

 

「これから入隊指導を行う前にボーダーのトリガーについて説明しよう。まずトリガーを起動して換装したら、左手の甲を見て欲しい。数字があるのが分かるだろうか?そのポイントを4000まで溜めるのが正規隊員になるための条件だ」

と、嵐山さんが説明すると、生徒が次々にトリオン体に換装し始めた。

 

「まず最初の訓練は・・・対ネイバー戦闘訓練だ。仮想戦闘モードの部屋の中でボーダーの集積データから再現されたネイバーと戦ってもらう」

と、説明の後に周りの生徒がざわついた。

 

(俺の時もやったな、これ。大体のセンスがこれでわかってしまうからな。

でも、それは訓練であって実践ではない。実践で動けないなんて

邪魔でしかない。まぁ1分を切ればそこそこ優秀だろう)

と、考えていると、次々と生徒が大型ネイバーに向かって行った。

 

俺は隅のほうで嵐山さんに見つからないようにしていると

一人、俺に近付いてくる人影がいた。

 

「・・・てっきり、サボるものかと思っていましたよ。比企谷先輩」

 

「・・・お前は俺をなんだと思っているんだ?木虎」

 

木虎藍。嵐山隊オールラウンダーでエース。

たゆまぬ努力を糧に駆け上がったエースだ。

ガンナーとして入隊したが、トリオンが少なくガンナーとして

戦うのは難しく、B級に上がってすぐに対人戦で勝てなくなった。

それでまだ個人だった俺の所に来てアドバイスを求めてきた。

 

隊を作る前は個人の隊員と組んだりして防衛任務に当たっていたので

木虎ともその時に知り合った。

それで木虎にオールラウンダーになることを進めたり、

スパイダーのことを教えたりして、まだB級だった嵐山隊に入りA級に上がった。

 

「・・・それは、鬼畜のサボり魔、ですかね?」

 

「・・・何だよ。・・・それに俺は鬼畜でもサボり魔でもないぞ」

 

「それより比企谷先輩。この後、私と戦ってください」

 

「・・・話を急に変えてくるなよ・・・木虎。

俺は一応、ここに見学に来ている生徒なんだが・・・

そうだな、なら俺がボーダー隊員だとバレたら考えてもいいぞ」

 

「わかりました。このところ、広報の仕事が忙しくてリベンジする機会が無かったものですから」

 

「ホント木虎、お前は・・・。そろそろ、お前は嵐山さんの下に戻っていろ。

お前が近くにいると目立つからな」

 

「わかしました。約束、守ってくださいね」

と、木虎は言い残し、戻っていった。

 

訓練を見ていると葉山達が戦っていた。

葉山はアステロイドで三浦は弧月か、由比ヶ浜はバイパーだった。

由比ヶ浜の弾はまったくと当たっていなかった。

 

(素人がバイパーなんて、扱いが難しいもの使うなよ・・・

やはりアホの子か?由比ヶ浜・・・)

と、見ていると、雪ノ下の番になっていた。

使っていたのは、ボーダーでも珍しい弧月:槍だった。

 

『3号室終了 記録23秒』

と、アナウンスが流れてきた。

部屋から出てきた雪ノ下が俺の近付いてきて、勝ち誇った顔をしていた。

 

「あら、比企谷君。貴方はやっていないの?でも、やったとしても私の記録には到底、勝てないでしょうけど」

 

「そうだなー。流石は雪ノ下だなー(棒)」

と、俺の言い方が気にいらなかったようで睨んできた。

だったら言わなきゃいいのに、こいつは学習能力皆無なのか?

 

「いや~なかなか、いい記録だね。初めてであそこまでのタイムは出せないからな」

 

「ありがとございます。それで今までの最高記録とは何秒なのでしょうか?」

と、雪ノ下が嵐山さんが質問してきた。ここに来ても負けず嫌いか?

 

「そうだな。ウチの木虎が9秒。緑川と言う中学生が4秒で、それで最高記録が2秒だよ。これまで破られたことはないんだ」

 

「・・・2秒・・・ですか・・・」

と、雪ノ下が言うのを見て、嵐山さんがフォローした。

 

「しかしこれは訓練の記録であって、実践ではないし記録だけが全てではないから。

だから、気にする必要は無いんだよ。・・・・・・比企谷?」

と、雪ノ下に言って、近くにいた俺と目が合った。

 

「なんだ、来ていたのか?比企谷」

 

「どうも、嵐山さん・・・お疲れ様です・・・」

 

「・・・嵐山さん。これとはお知り合いなんですか?」

と、俺を物扱いするとは相変わらずの雪ノ下だった。

 

「あぁ、比企谷はA級部隊の隊長を務めている男でさっきの記録の2秒を出したのが比企谷なんだよ」

と、嵐山さんが即効でバラしてしまった。

 

「・・・貴方が・・・隊長で2秒を?・・・ありえないわ」

 

「それなら、比企谷。実際やって見てくれ。そうすれば、彼女も納得するだろう」

と、嵐山さんにお願いされては、断れないないな。

 

「・・・自分のでいいですかね?」

 

「あぁ、構わないぞ。ただ、本気で頼む」

 

俺はトリガーを起動しトリオン体に換装して仮想訓練室に入った。

仮想の大型ネイバーが現れた。

俺は左手で鞘を持ち、右手を柄に軽く添えて待っていた。

 

『仮想訓練開始』

と、アナウンスが聞こえてきた瞬間に俺はジャンプをして

大型ネイバーを飛び越えるようにして、弱点の目を切った。

 

『1号室終了 記録0.4秒』

と、アナウンスが流れてきて、俺は前より早くなったと思った。

 

(まぁ、当たり前か。2秒を出したのが約4年前だしな・・・)

と、考えていると、雪ノ下が近付いてきて、とんでもない事を言った。

 

「・・・比企谷君。・・・いくら何でズルはよくないわよ」

 

「・・・いや。ズルなんてしてないから」

 

「嘘ね。貴方のような人間にあんな記録出せるはずないわ」

と、雪ノ下の声を聞いて、三浦がそれに乗ってきた。

 

「へぇ~、ヒキタニって、ズルしたんだ~。それでA級に上がったんだ~。

じゃあ、隼人。あーしたちもすぐにA級にあがれるんじゃない?」

 

「ど、どうだろうね。もしかしたら難しいかもしれないよ」

 

「そんなことないって隼人。どうせ、ズルしてA級に上がったヒキタニが居るんだし

あいつの隊はみんな、ズルしているんだよ。

それにあんなキモくて冴えない奴がマトモなやり方でA級になれるわけないし!」

と、三浦は言って、周りの人間を巻き込んで笑っていた。

だが、俺は特にいい返すこともせず、ただ傍観していた。

 

「・・・どうしていい返さないんですか。比企谷先輩・・・」

と、木虎がかなり不機嫌になっていた。

 

「いい返さないってどういう意味だ。木虎?」

 

「・・・比企谷先輩は、今バカにされたんですよ。それを何もしないで悔しくないんですか?」

 

「あぁ、そのことね。別になんとも思ってないけど?」

 

「なんとも思っていないって、どういうことですか!!」

 

「・・・何をそんなに怒っているんだ木虎?別に職場見学の後に三浦が自宅謹慎になるか停学処分になるんだしさ。そんなに怒る必要ないからな」

と、俺が言った途端に周りが静かになった。

 

「そ、それは、どういう意味なんだい?ヒキタニ君」

と、葉山が俺に聞いてきた。

 

「どういう意味って、そのままだけど?三浦はボーダー隊員である俺をバカにする発言をした。それを俺が上層部に報告すれば、ボーダーは組織として抗議文を学校側に送る。そうなると、送られてくる原因となったのは三浦の発言だ。

ならば、三浦に罰を与えるのは、至極当たり前のことだと思うけど?何か違ったか?葉山」

 

「・・・・・・。頼む!!ヒキタニ君。優美子を許してくれないか。

優美子も悪気があったわけじゃないんだ。だから頼む!!」

と、葉山は頭を下げて謝ってきた。

三浦は「隼人・・・」とまるで自分を助けてくれる王子様にでも見えているのだろうな。

 

「・・・なるほど。友達のために自分が頭を下げるか。友情があっていいもんだな」

 

「それじゃあ、許してくれるんだね」

 

「あぁ、もちろん。上層部にはきっちりと報告しておくから、安心してくれ」

と、俺は満面の笑みを浮かべて、葉山にそう答えた。

 

「な、なんで、そうなるんだい?ヒキタニ君・・・」

と、葉山は信じられないというような顔をしていた。

 

「なんでって、それは葉山。お前が間違っているからだ」

 

「ま、間違っているって、どういうことだい?」

 

「分からないのか?・・・それはな、三浦が俺に謝っていないからだよ。

そもそも、三浦の発言で葉山、なんでお前が謝るんだ?

俺にはそれが分からないんだが?」

と、俺が言ったことで葉山は理解したようだった。

 

友達のためと言っていながら、葉山は一人で謝ってきた。

この場合は三浦が謝るべきなのに、そうはしなかった。

 

その時、生徒達の後ろからある男の声が聞こえてきた。

 

「・・・何だか、楽しそうなことになっているな比企谷」

と、声の方を見てみると、そこには黒いロングコートを着た三人組みがいた。

 

 




次回は八幡対葉山&三浦をやっていこうかなって思っています。

次回をお楽しみに。

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