やはり俺がボーダーA級部隊隊長をやっているのはまちがっている。(更新停止)   作:新太朗

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川崎編に入りました。

もう少しで、ボーダー本部の職場見学です。

内容はある程度、考えているので早めに投稿できると思います。

では本編をどうぞ。



職場見学 川崎沙希①

総武高校もテスト期間に入り、テストに向けて追い込みを始めている生徒が何人もいた。

俺は普段からしっかりと勉強をしているので追い込む必要はない。

俺が強制的に入部させられた奉仕部も、テスト期間はやはり空き教室のカギを

貸してもらえるはずも無く、結局のところ休みになった。

 

まぁ俺としては、そのその方がいい。毒舌で性格最悪の雪ノ下には会わずに済むし、

アホの子で罵倒しかしてこない由比ヶ浜とも会わずに済む。

なので、俺は本屋に足を伸ばし久し振りにラノベを買いあさった。

 

A級に昇格して固定給料を貰うようになって、

今まで以上にお金が入るようになった。

これも陽乃さんのおかげかもしれない。

 

今日は深夜からの防衛任務があるので外で食べようと思い、小町に連絡したところ

相談があるとのことで、サイゼで待ち合わせをすることになった。

その途中で雪菜にとばったり出会ったのでついでに食事に誘ったら喜んで付いて来た。

 

店内に入り席を探してしると、ある席にいる三人組が目に入って来た。

戸塚、雪ノ下、由比ヶ浜の三人だった。

雪ノ下が問題を出していた。

 

「・・・では次の問題。普段からよくあることを何と言う?」

 

「・・・あ、わかった。答えは日常根性」

と、由比ヶ浜は答えたが、日頃から何を頑張っているんだ?

 

「・・・答えは、日常茶飯事だ。これくらい、間違えるなよ・・・」

 

「え?・・・あ、ヒッキー!何でここにいるの?」

と、由比ヶ浜の質問の後に向かい側に座っていた戸塚が挨拶してきた。

 

「あ、八幡。こんばんは。八幡も勉強会に呼ばれたの?」

 

「・・・比企谷君を呼んだ覚えはないわ。どうしてここにいるのかしら?」

と、雪ノ下は俺をきつく睨みつけた。

 

「たとえ、呼ばれていてもお前や由比ヶ浜とは、一緒に勉強はしたくはない。

どうせ、由比ヶ浜に教えて時間が経過するのがオチだしな」

 

「それじゃ。早くここから消えてくれないかしら?貴方と知り合いと

勘違いされたくないから」

と、雪ノ下は相変わらずだった。戸塚ですら苦笑していた。

 

「言われずとも、そうするさ。人と待ち合わせているからな」

 

「あら、孤独体質の貴方が人と待ち合わせている事なんて

有り得ないわ。そのつまらない嘘を早くやめなさい」

一体、雪ノ下は俺の何を知っているんだ?

 

「・・・いいかげんにしてください。貴女は八幡先輩の何を知って、

そのような事が言えるのですか?」

と、いままで黙っていた雪菜が、雪ノ下に食いかかった。

できれば、最後まで静かなままが良かったんだが仕方がない。

 

「・・・比企谷君。そちらの女性は一体、誰なのかしら?説明しなさい」

と、完全に上から目線だな。雪ノ下は。面倒になりそうだったので説明した。

 

「こっちにいるのはバイトで同じ班にいる、姫柊雪菜。・・・雪菜。

そっちにいる可愛いのが戸塚彩加で、団子髪のが由比ヶ浜。

それで、黒髪のが雪ノ下。以上」

と、説明すると雪ノ下が疑惑の目を向けてきた。

 

「ちょっと、ヒッキー!何で、さいちゃんは名前まで言うのにあたしやゆきのんは

苗字だけなの!!説明するし!!」

 

「何でって、俺が知っている下の名前は戸塚だけだし」

(実は雪ノ下の名前は知っているけどな)

と、思っても口には出さないようにした。

 

「目が腐ってきたと思ったら、次は脳までも腐ってきたようね。

どう見ても、彼女は中学生。バイトが出来る年齢ではないわ」

 

「知らないのか?最近はそんなこともないんだよ。

もっと世間のことを知ったらどうだ?箱入りお嬢様?」

と、皮肉を込めたセリフを雪ノ下に送ったら、さらにきつく睨んできた。

睨むしかしてこないなら、最初から相手にしてくるなよな。

その時、後ろから妹の小町の声が聞こえてきた。

 

「あ、お兄ちゃん。やっと見つけたよ。あ、雪菜ちゃん。こんばんわ」

 

「お、小町。やっと来たか。・・・後ろの男子は一体誰なんだ?」

小町の後ろにいる男子について聞いてみた。

 

「こっちにいるのは川崎大志君。同じ塾に通っている子でね。

今日はお姉さんのことで相談されて、お兄ちゃんにも協力してほいんだ」

 

「もう、頼れるのはお兄さんしかいないんです。どうか、お願いします」

と、頭を下げてお願いしてきたが、俺が気になったのは別のことだった。

 

「・・・お前に、お兄さんと呼べれる筋合いはない。

次に俺のことをお兄さんと呼んで見ろ。死ぬほど後悔されてやる」

 

「・・・何を頑固親父みたいなことを言っているの」

と、俺の言葉に雪ノ下が呆れていた。俺の義弟のことは死活問題だろ。

 

「ところで、お兄ちゃん。この人達、誰?」

小町がテーブルに座っている三人に視線を向けた。

 

「・・・そうね。自己紹介がまだだったわね。初めまして、

私は雪ノ下雪乃。奉仕部部長をしているわ。どうぞ、よろしく」

 

「は、初めまして。わ、私は由比ヶ浜結衣って言います。よろしくね・・・」

 

「僕は、戸塚彩加です。八幡とはクラスメートです」

と、三人が自己紹介していった。

由比ヶ浜だけなぜか、いつもの元気がなかったのは気のせいか?

 

「お兄ちゃん!三人ともすごく綺麗で可愛いね!」

 

「・・・小町。戸塚は、女じゃなくて男だぞ」

 

「・・・・・・お兄ちゃん。何、言っているの?そんなことある訳ないじゃん。

こんなにも可愛いんだしさ。これで男はないよね、雪菜ちゃん」

 

「そうですね。男ではないと思います。すごく綺麗で

ちょっと嫉妬してしまいます」

と、小町と雪菜が揃って戸塚を女だと勘違いしている。

 

「・・・えっと。僕、男です。よく、間違えられるけど・・・」

 

戸塚の言葉を聞いた二人は心底驚いていた。

確かに、初見では戸塚は女に見えてしまうよな。

 

「・・・それで、相談と言うのは小町ではなくて、こっちの川崎大志で

いいんだな?なら早く話して小町の前らか失せろ」

 

「もう、お兄ちゃん。大志君とは『ただのお友達』だよ。塾が同じだけで」

と、小町が言うが、お友達の部分だけを強く言っている。

それ、決まり文句だな。貴方とは恋人関係にはなりません。と、言っているようなものだな。少しだけ哀れに思えてくる。ドンマイ川崎大志。

 

「実は、俺の姉のことなんです。あ、名前が川崎沙希っていいます。

実は最近、やたら帰りが遅いんです」

 

「川崎さんってあたしと同じクラスだよ。少し、目つきが怖いけど・・・」

と、由比ヶ浜が説明してきた。

 

「遅いって、何時頃に帰ってくるんだよ。お前の姉は」

と、俺は川崎の姉の帰りが何時か聞いた。

 

「朝の五時ごろです」

 

「朝かよ。・・・お前の姉、何かヤバイ仕事でもしているのか?

朝帰りは不味いだろ。両親は何か言わないのか?」

と、俺の質問に大志は顔を下に向けて答えてきた。

 

「ウチは両親が共働きで、姉弟も多いので強く言えないんです。

姉に言っても、関係ないの一点張りで、もうお手上げなんです」

 

(こいつは、本気で姉のことを心配しているんだな)

と、俺が考えていると、雪ノ下が話に加わってきた。

 

「・・・お姉さんは、総武の生徒なのよね?」

 

「はい!そうです。一年の時は真面目だったのに

二年になってから帰りが遅くなりだして、俺、心配なんです!」

 

「・・・二年になってから、つまり比企谷君と同じクラスになってからね」

 

「・・・なるほど。つまりは、俺が学校をやめたら川崎は元通りになる。

と、そう言うことだな?それで直らなかったら、とんだ恥だな」

と、俺がそこまで言うと雪ノ下は俺を睨んできた。

 

「川崎弟は真剣に相談しているんだ。つまらない事を言うなら

もっとマシな案をだしたらどうなんだ?学年次席が呆れるな」

俺の皮肉が効いてのか、雪ノ下は下唇を強く噛んでいた。

 

(よほど、悔しいと見えるな。バカな奴。)

と、俺は内心笑っていた。

 

「話は大体は理解した。だが、何でそんなに焦っているんだ?」

 

「・・・それは昨日、姉のバイト先からだと思うところから電話がありまして

エンジェル・何とかって言う店からで。エンジェルですよ、

聞くからにやばそうな感じですよね!」

 

「・・・それは、お前の思い過ごしだ。そもそもエンジェルだけで

判断するには、情報が少ないだろ。・・・まぁ、わかったよ。

お前の姉の朝帰りの原因を突き止めればいいわけだ」

 

「・・・何とかしてくれるんですか?お兄さん!」

 

「・・・兄と呼ぶなと言ったよなと俺は。ただし無事に解決できたら

二度と小町に近付くな、いいな」

 

「もう、お兄ちゃん。大志君は『ただのお友達』だってば

でも、小町の事を心配してくれる、お兄ちゃんは小町的にポイント高いよ」

 

「はいはい、高いな。・・・雪菜、俺は少し遅れるかもしれないから

他のメンバーに説明しといてくれるか?」

 

「はい。でも、八幡先輩もお節介ですね。直接関係がない人のことを

気に掛けるなんて。でも、頑張ってください」

 

俺は、雪菜の応援を受けて、川崎をどう説得するか考えた。

こうして、俺は川崎大志のお願いを小町経由で聞く羽目になった。

でも、川崎沙希のバイト先は分かっているので今晩にでも行って見るか。

 




次回、川崎を説得します。

その際に川崎沙希を説得する雪ノ下雪乃の様子を
見て笑う八幡を想像してしまいます。(笑)

では次回の更新をお楽しみに。

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