やはり俺がボーダーA級部隊隊長をやっているのはまちがっている。(更新停止)   作:新太朗

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ついに、あの子が出ますよ。

早く、職場見学の話をして雪ノ下や三浦をボコボコにしたいです。

では本編をどうぞ。


職場見学 比企谷隊④

葉山からのチェーンメールの一件も無事に終わり、放課後に俺はボーダー本部へ向かっていた。

理由は、総武の職場見学の日に防衛任務を入れてもらい職場見学に参加しないようにするためだ。

 

(あ~でも、戸塚の訓練服は見て見たかったな。・・・でもしかたがない。あまり、俺がボーダーだと知られたくないな。特に雪ノ下が知ったら、変な文句とか言ってきそう出し、三浦は三浦で俺の事をバカにしそうだしな。)

と、考えていると後ろから声を掛けられた。

 

「・・・八幡?」「・・・比企谷先輩?」

と俺は後ろに振り返るとそこにいたのは、俺の隊のシノンと雪菜だった。

 

比企谷隊スナイパー 朝田詩乃。あだ名はシノン。

 

ボーダーナンバー3スナイパーの称号を持ち、その狙撃は正確無比。

普段はメガネを掛けているが、トリオン体の時は掛けていない。

本人曰く『メガネを掛けたままだとスコープが覗きづらい』とのこと。

ゲーマーでよくA級の1位の太刀川隊のオペレーターの国近先輩とゲームをしている。

 

ボーダーに入隊したのは、中学に入ってすぐいじめに遭っており、いじめていた側に警戒区域へ無理矢理に入れられて、その時にネイバーに遭遇したところを俺が助けて、その後、自分も何かできないか?と思い入隊したようだ。

 

ただ、人見知りでコミュケーションが苦手でウチの隊以外では俺の妹の小町と国近先輩くらいとしかうまく話せない。

なぜか?俺のことを『八幡』と呼び捨てにしている。俺は先輩で隊長なのに。

でも任務中やランク戦の時は『隊長』と言うので、菊地原よりかは生意気ではない。

 

 

 

比企谷隊アタッカー 姫柊雪菜。

 

ボーダーではあまり使う人間はいない、弧月:槍を使う。ウチのエースだ。

三輪隊の米屋の弟子で槍の扱いは、米屋と同等くらいの実力がある。

陽乃さんとは同期で、ウチの隊の中では最年少に当たる。

猫好きでよく家に遊びに来た時は家で飼っている猫のカマクラと遊んでいる。

見た目が可愛いくて、真面目な性格でボーダーにはファンがそれなりにいる。

 

「・・・たしかに、ファンがいるのは納得だな。可愛いし」

と、言っていると、シノンからは何だかごみを見るかの如く目を細めている。

一方、雪菜は顔を真っ赤に染めている。

 

(雪菜の奴、熱でもあるのか?顔が真っ赤だな)

と、考えてもしょうがないので雪菜の額を右手で触り、自分の額には左手を付けて体温を測った。

 

(熱は、ないようだが一応薬くらいは医務室から貰ったほうがいいかな?)

と、考えていると雪菜の顔が更に赤く染まった。

 

「って、おい!雪菜、大丈夫か?顔が真っ赤だぞ。具合でも悪いのか?医務室で薬を貰ってきてやろうか?」

と、俺が聞いたら、雪菜は

「・・・え?・・・あ、えっと・・・そ・・・」

と、何だか壊れたPCのような感じだな。

 

俺はさらに顔を近付けていくと、いきなり雪菜が俺の手を振り払って走って行った。

俺は呆然として立ち尽くし、見ているしかなかった。

 

「・・・シノン。俺、何か不味いことでもしたのか?」

とすぐ側にいたシノンに聞いてみた。

 

「・・・あんたは、今すぐ馬に蹴られて死ねばいいよ」

と、いきなりの辛口のコメントが帰ってきた。

 

「いくらなんでも、それはあんまりだろ!」

と、俺は少し考えることにした。

 

(いったい何だと言うんだ?雪菜の奴は?本部に走り去っていったし、訳がわからないな?)

と、考えても答えは出てこなかった。

 

その後、シノンはスナイパーの合同訓練に行くとのことで分かれて、俺は説得のために本部長の下に向かった。

総武高のボーダー本部の職場見学の日に防衛任務に付くためにも、あの人を納得できるか不安だ。

 

 

 

 

本部長室で、俺は目的の人物に会って話をしてみたが、

「無理だ」

と、一言で断られてしまった。

 

「・・・そうですよね。やっぱり・・・当日はサボるか」

と、俺は当日サボるための言い訳を考えていた。

 

「・・・比企谷。君は行事に参加するという選択肢はないのか?」

と、聞いてくるので俺は、きっぱりと話した。

 

「それはないですね。俺がボーダー隊員と知られたら、変な文句を言ってくる奴がいるので。

それに、目立ちたくないので」

と、俺は忍田本部長にそう言った。

 

忍田真史。ボーダー本部本部長。

最前線に立つ戦闘指揮官で

ボーダーの創設時の初期メンバーの一人でA級1位の部隊長の師匠だ。

ボーダーの三つある派閥の一つ『町の平和を守っていこう』派閥の筆頭に居る人だ。

 

「・・・まったく、君は相変わらずだな。・・・それで話は変わるのだが、

実は比企谷隊にも訓練生の入隊日に説明役をやってもらいたいと、そういう話があるのだが、

どうだろうか?」

と、忍田本部長は言ってくる。

 

「・・・それは、嵐山隊のようなことをウチの隊にもしろと?」

と、俺が聞くと

「まぁ、そうだな。・・・それでどうだろうか?」

 

「・・・そうですね。・・・他のメンバーと相談してみないと、何とも言えませんね。

いつまでに、返事をすればいいですか?」

と、忍田本部長は少し考えてから言った。

 

「そうだな・・・できれば、今年の9月からやってもらいたいと思っている。

だから、8月の上旬までには返事を聞かせてくれ」

と、言うがまだ1ヶ月以上あるので、じっくりと考えられるな。

 

「わかりました。それまでには決めておきます。・・・では、失礼します」

と言い、本部長室を後にした。

 

 

本部長室を出た俺はまっすぐに比企谷隊の作戦室に向かった。

部屋には、誰かがいるだろうと思うからだ。

部屋に入って一番に目に入ってきたのは、机に顔を押し付けている雪菜だった。

 

「・・・お~い、雪菜。そんなに顔を机に押し付けていたら、顔が潰れてしまうぞ」

と、注意したのだがそれでも止めなかった。

 

「・・・一体、何があったんだよ?」

と、俺が聞いてみると、雪菜は

「・・・比企谷先輩の所為です。いきなり、女の子の顔に手を付けるなんて、ビックリしました。・・・次からは、事前に言ってください。・・・いいですね!」

と、俺は雪菜を怒らてしまった。

 

「・・・はい。すいません。・・・そういえば、何で雪菜は俺を『比企谷先輩』呼びなんだ?

他のメンバーは名前呼びなのに?」

と、俺が雪菜に質問すると、また顔を赤くしてそっぽを向いた。

 

「・・・それは、その・・・・・・からです」

と、雪菜の言葉の最後の方が小さくて、よく聞こえずらかった。

 

「・・・すまん。もう一度、言ってもらってもいいか?」

と、俺が言うと、雪菜は顔をさらに赤くして俺の方へと向き

「恥ずかしいからです!!二度も言わせないでください!!」

と、怒鳴られてしまった。

 

「お、おう。すまん。でも、怒鳴ることはないんじゃないか?

その声の大きさにビックリしたぞ」

と、俺が言うと、雪菜は顔を俯かせてしまった。

 

「その、なんだ。恥ずかしいなら、無理に言うこともないだろう。

まぁ言えるようになってからでいいから」

と、俺が言うと、雪菜は顔を上げてから

「そ、そうですか?わかりました。で、でも頑張って言えるようにはしたいです」

と、言うのでこの事はこれで終わりだろう。

 

「・・・そういえば、雪菜。少し話しがあるんだがいいか」

と、俺は忍田本部長から聞かされたことを雪菜に話した。

 

「・・・そうですね。私は別に構いません。・・・でも、先輩の目はどうするんですか?そのままだと、不味いですよね」

と、雪菜は俺の目の事を言っている。

たしかに、自分で言うのは何だが、俺の目は濁っているからな。

 

「そのことなら大丈夫だ。メガネを掛ければ、目の濁りは隠せることが分かったからな。説明の時はメガネを掛ければ問題無いと思う」

と、俺が言うと雪菜は納得したような表情をしていた。

 

「・・・なるほど。確かにメガネを掛ければ、隠せますね」

と、それで納得するのは少し癪だが、まぁいいか。

 

その後、雪菜の勉強に付き合ってから少し雑談をした。

(やはり、隊のメンバーと過ごすのは気を使わなくていいから楽だ)

と、思っていた。




次回は川崎さんの話をしてから、ボーダー本部の職場見学に入ります。

では次回の更新をお楽しみに。

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