やはり俺がボーダーA級部隊隊長をやっているのはまちがっている。(更新停止)   作:新太朗

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番外編であの男が登場!

では番外編をどうぞ。


番外編④ 二宮匡貴

中間試験期間はどの部活も休みなのに奉仕部はそのような事なく、いつも通りにやると雪ノ下の決定を由比ヶ浜経由で聞かされた。

 

二宮さんからの電話から二日後の夜。俺は陽乃さんと一緒にスーツを買いにデパートまで来ていた。スーツを着て来いと二宮さんの指示があったからだ。

今まで、スーツを着る事なんて無かったものだから選び方が分からないので陽乃さんに付いて来てもらった。

 

「すいません、陽乃さん。わざわざ、スーツ選びに付いて来てもらってありがとうございます」と俺が言うと

「気にしなくていいよ。それに今日は暇してたし。・・・うん、良く似やってるよ」と言ってくれたので素直に嬉しい。

 

「後は髪型をオールバックにして、伊達メガネを付ければ完成だね。・・・それにしても二宮君からの呼び出しか~・・・話ってのは鳩原ちゃんの事だね。・・・喋って大丈夫なの?」と心配している。

 

「・・・大丈夫ですよ。俺が話せる事なんて限られていますし。どちらかと言うと俺に推理させようとしているのかもしれないですし・・・」

俺のサイドエフェクト『脳機関強化』で残されている資料から真相を導き出そうとしていると俺は考えている。

 

俺のサイドエフェクトはそれなりに応用することができる。頼りにされるのはいいけど。相手があの二宮さんだしな・・・。

スーツを購入して試着室で着替えて、すぐに二宮さんから指定があったバー『エンジェル・ラダー 天使の階段』に向かった。

 

ちなみに陽乃さんもドレスアップしていた。うん・・・似合っているなドレス。

バーに入って待ち合わせをしている二宮さんを探しているとカウンターの方ですでにお酒を飲んでいた。

二宮さんを見つけて声を掛けようとした時に一諸に来ていた、陽乃さんが俺より先に声を掛けた。

 

「やっほー二宮君。こんばんは・・・・・・そんなにあからさまに嫌な顔をしないでよ。折角のお酒が不味くなるよ?」と陽乃さんが声を掛けた途端に二宮さんの顔が歪んでいた。

 

二宮匡貴。B級二宮隊隊長でシューター。ボーダーナンバー1シューターの大学生だ。

マスター級のアタッカーとガンナーを率いる部隊だ。

A級の部隊だったがスナイパーの鳩原さんがトリガーの横流しをして、更に一般人数名と共にネイバーフッドに行ってしまって、二宮隊はB級に降格になってしまった。

 

鳩原さんは隊務規定違反でクビということになっている。詳細は不明で終わってしまった。今日はそのことだとで話があるのだろう。

 

「・・・比企谷。なぜ、その女がここにいるんだ?俺が呼んだのは比企谷一人だけだ。お前は呼んでいない。今すぐ帰れ・・・」

と二宮さんは陽乃さんのことが相当嫌いらしい。まぁ、陽乃さんはウチの隊のメンバー以外では仮面を被って相手にしているからな。無理もないか。

 

「そんな事を言わないでよ。それに二宮君、八幡一人でこんな店に入れるわけないじゃない。・・・それに私も気になるしね。・・・鳩原ちゃんの事」

 

「・・・好きにしろ」と二宮さんは、どうやら諦めたらしい。

 

「それで、話ってのは鳩原さんの事でいいんですよね?二宮さん」と二人の戦いが始まる前に間に入って話を進めた。

 

「・・・そうだ。鳩原があんな事をやるとは思えない。裏で糸を引いている黒幕がいるはずだ。・・・俺はそいつが誰かのか知りたい。だから、お前の力を貸せ比企谷」

と言う二宮さん。まぁ、それくらいならいいか。

 

「・・・分かりました。あまり期待しないでください」と俺は言うと二宮さんは持って来ていた資料を見せてきた。

鳩原さんと一緒に消えた人物は三名。その中に一人、気になる人物がいた。

 

「・・・雨取麟児・・・」と俺の呟きを二宮さんが聴いて質問してきた。

 

「・・・その男がどうかしたのか?」と二宮さんもこの男が気になっているようだった。

 

「・・・この人だけ、他の二人と違って家族をネイバーに攫われたり、殺されたりしていないんですよ。だから、ネイバーフッドに行く理由がないんですよ。そこが気になって、俺の思い過ごしかもしれませんが・・・」

 

「・・・その男もそうだが、鳩原と他二人の家からもそれらしき手がかりは発見できてはいない」と二宮さんはもうすでに、そこまで調べていたのか。

 

「その雨取麟児が今のところの一番の黒幕候補だね」と陽乃さんが言うが、まさにその通りだ。この人だけが、ネイバーフッドに行く理由が無い。

家族は全員が無事なのに、妹がいるのに、全く兄が妹を悲しませるなんて兄として失格もいいところだ。

 

一応、名前だけでも覚えておくか。『雨取千佳』。近くの中学生で2年生か・・・それ以外で覚えておく必要なところはないな。

とりあえず、俺の考えを二宮さんに伝えておくか。

 

「・・・俺の考えは、この雨取麟児が鳩原さんと共謀してトリガーを横流しをして他二名と鳩原さんと共に向こう側に行った。・・・おそらくですが、雨取麟児が向こう側に行ったのは妹のためじゃあないかと思います」

 

「・・・なぜ?そう思う・・・」と二宮さんは不思議がっていた。それも無理ないか。

 

「兄は妹のためになら、どんな無茶だって出来るんですよ」と俺の答えが二宮さんには理解できないらしく呆然としていた。

 

「さすがはシスコンの八幡だね!その気持ち、わからなくもないよ」と陽乃さんが賛同してくれた。うん、妹とは上の姉兄にとってはそれだけ価値のあることなのだ。

 

「・・・そうか。すまなかったな・・・手間を取らした。ここは俺の奢りだ、好きな物を頼め。・・・俺は先に帰る。じゃあな・・・」

と二宮さんはバーから居なくなってしまった。

 

「しかし、二宮君は大変だね。鳩原ちゃんの事を調べるにしても情報が少なすぎるからそんなに詳しくは分からないと思うしね」と陽乃さんも二宮さんのことを気に掛けているようだ。

 

「まぁそこはあの人次第ですから俺はここまでです。下手したら、俺らまでB級降格になりかねませんし、深くは関わるつもりはないですよ」とここまで俺が言うと陽乃さんはそれでも励ましてくれた。

 

「そうだね。だけど、八幡が決めたことに私は・・・違うね。私達は隊長の八幡が決めたことに従って行くだけどけど。・・・それにもし、八幡が間違いそうになったら、それを全力で正していくから。大丈夫だよ」

 

「・・・陽乃さんが男で俺が女だったら、間違いなく惚れていますよ。・・・今のセリフ、カッコよすぎです・・・」

 

「ふふふっ。それ、逆になっているよ。惚れているのは私の方だよ。・・・じゃあ、私達も帰ろっか?あんまり遅くなると小町ちゃんが心配しそうだし」

 

「そうですね。小町が待っている我が家に帰りますか・・・ん?」とバーのカウンターでコップを磨いている女性を見て気が付いたことがあった。

 

「どうしたの?・・・まさか、バーのカウンターの女性バーテンダーに見惚れている。なんてことないよね?」と陽乃さんその笑顔は怖いです。目が笑っていないんで。

 

「ち、違いますよ。・・・ただ、カウンターでコップを磨いている女性。たしか、俺のクラスメートだったはずです」と俺の言葉を聞いて陽乃さんは

「そんなことはありえないよ。ここ、未成年は働けないよ。・・・だけど八幡の記憶力を疑うわけじゃないけど・・・間違いないの?」

 

「はい。・・・あの青みかがったポニテの女性です。たしか名前は・・・川崎沙希だったとおもいます」

 

「ふ~ん。まぁ、後で年齢がばれて困るのは彼女自身だし、私達には関係なし行こっか」と陽乃さんの言う通りだな。まぁ、いっか。

と俺と陽乃さんはバーを後にした。

まさか、俺が後日またこのバーに来る事になるなんて微塵も思っていなかった。

 

 




次にチェーメールの話を書いて、サキサキの話をしてから

職場見学に入ろうと思います。

次回の更新をお楽しみに。

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