アニメ、シンデレラガールズに準拠。
作者知識不足の為オリジナル設定が入ってくるかも
問題なければどぞ。
新社会人の皆、これからの夢、展望はあるだろうか?
駅で見かける新品のスーツを着てどこかワクワクとした表情を伺わせる人達。
俺には夢はない。
いや破れてしまってもうないと言うべきか。
破れたその時、見える景色が全て灰色に染まった。
時間が解決するとは聞くが一向にその気配はなく、外の世界に怯え肩を狭め、背中を丸め生きていく姿はさながらねずみといったところだろうか。
「にしてもまあ、なんでこんな会社に入れる事になったんだろ?」
見上げるはプロダクション大手346プロである。
誰もがcmやドラマで見たことがある川嶋瑞樹や歌唱力と美貌で世間の注目を集めている高垣楓の所属する会社である。
短大卒、訳あって22歳
試験はスラスラ通り、常務との個人面談もあったがまさかと言ったところ。
学校側にどういう内容だったか根掘り葉は堀聞かれたがまったく覚えていなかった。
「入社式、配属前研修も先週終えたし、配属はアイドルプロデュース部門ね・・・」
高垣楓とかのサインもらい放題かな・・・?母さんが好きだったからなー
貰えたら貰っておくか・・・
ふと時計を見る。
「遅刻なんてありえないが、一時間前それはそれで迷惑だよな。」
たしか入社式で社内には独自のカフェテリアがあると言ってたような。
「よし、そこで時間を潰そう。」
これから毎日のように通る自動ドアをくぐり抜け、カフェの階数を確認してエレベーターのボタンをおした。
ドアは待ち時間などなく開き、俺をカフェがある階へと運ぶ。
途中でエレベーターが止まり、軽快な音と共にドアが開いた。
「あ、おはようございます!」
会釈と挨拶を咄嗟に行う。
「ん、おはよう。」
アルトボイスの声が綺麗に通る長身の女性がそこにいた。
「ああ、君は真壁君だったね?今日からこちらで勤務か。」
その女性とは面談の際に会った常務である。
「はい、美城常務。配属先はアーーーー」
俺の言葉を遮るように続けて美城常務が口を開いた。
「イドルプロデュース部門だろう?」
呆気にとられた俺の表情を見てかクスリと笑う。
「知っていたさ、いや知っていたと言うよりはそうした。と言ったほうがいいか。私自身がそうなるようにしたからな。」
「は、はあ・・・」
常務が俺の配属先を直々に決めた?
正直なところ、自分自身でもそこまで高い評価をされているとは思っていなかった。
「これから部内でも色々変えていくつもりだ。時がくれば君には手足になって貰いたい。今はまだ気負わず日々の業務を覚えていってくれ。」
現実味を帯びない言葉の羅列に戸惑いながらも投げ掛けられた言葉を少しずつ飲み込む。
新入社員、常務直々配属、手足?
「呆けるのはいいが真壁君、君はここでおりるのだろう?」
口許には小さな笑みが見える。
「が、ご期待に沿えるようがんばります!」
理解が出来ないままエレベーター外に出て常務に礼をした。
「心配はしていない、いや今の君は少し心配か。期待しているよ時間をとらせたなでは。」
また軽快な音と共にエレベーターはしまった。
「緊張した・・・カフェで少し落ち着こう。」
体の強ばりを解すように上がらない肩を回す。
「いてててて、・・・あっ!」
すぐ近くにカフェのメニューを書いたオシャレ?ファンシーな看板が目についた。
「なんというか、うさぎキャラクターが全面に押し出されているけどなんかのコラボレーション企画かな?」
何処か懐かしいような、既視感を感じるが、過去346プロに来たことはないのできっと気のせいだろう。
懐かしさを感じながらスタッフの誘導にしたがい窓際の席に座った。
すぐにスタッフは水とおしぼりを手渡しし注文を取ろうとする。
「コ、コーヒーでお願いします。」
飲めない物を注文するあたり、初日ということも自分自身でも知らない間に緊張していたということだろうか。
注文を受けたスタッフは俺が今日必要な書類等の確認を行っている内にコーヒーは手元に持ってきた。
「お待たせしました、こちらがご注文のコーヒーでございます。あ、それと新生活応援キャンペーンで(これから)人気(が出る)アイドルとのコラボクッキーも一緒にお付けいたします。」
うん、さっき見たウサギのキャラクター型のクッキーである。
「へえーやっぱり人気アイドルとのコラボ商品なんだ。」
あまり世間の流行りをしらないからか、呆けた反応しかだせないが346に居れば自ずと知ることになるだろう。
ご厚意で頂いたクッキーをひと摘まみし口へ運ぶ。
うん、甘くておいしい・・・
「コーヒーに合うなこれ。」
これからも付け合わせに居てくれるのであれば是非ともブラックさんとの付き合いも考えていきたいところである。
そうこうしている内にカフェを出る予定時間を迎えた。
さて、社会人としての開幕といこうか。
カフェを出て再度エレベーターに乗り事前に指定されていたフロアを選択する。
エレベーターから降りてすぐ近くに目的地はあった。
俺はその目的地の入り口、オフィスに繋がるドアをノックする。
「失礼致します。」
不安はいくらでも浮かんでくるがなるようにしかならないし、今を精一杯邁進させていただこう。
過去の事だって、時間が解決しないなら自分で解決するしかない。
社会人という区切りはある意味その転機、是非に活かしたいところである。
「アイドルプロデュース部門に配属されました真壁草太と申します。若輩者ではございますがご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します!!」
開いた扉から光が差し込みこれからの門出を祝うように思えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「は?」
開けた先、目の前には野球のユニフォームを着た
メガホンをバットよろしくこちらに構えウィンクをする顔の整った女性がいた。
「初めまして!これからよろしく!何か考え事?固まっちゃってー!自己紹介は置いといてキャッチボールする?」
「は?」
初の担当アイドルとなる姫川友紀と顔合わせを行ったのだった。
タイトルからしてうさみん優遇だと思ったか?あれは詐欺だ。
嘘ですごめんなさい。ヒロインだけど登場大分遅れます。
あと2話目投稿できるようがんばりたいです。