ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】 作:オレの「自動追尾弾」
「アーニャ!?(スタンドで攻撃された……今の一瞬………!!)」
「アスナ!早く火を!」
「う、うん!」
手が燃えるアーニャにネギが焦る。明日菜が直ぐに駆け寄り、火を消すべく噴水の方に連れて行く。
「命をもらい受けるって………誰のかは知らないけれど、雇われたスタンド使いかしら?」
ルル・ベルがシャランに問いかける。シャランは鼻で笑った。
「はっ、嘲笑~!依頼人の情報を簡単に漏らすとでも思ったぁ~?けどまあ、『
シャランは馬鹿にしたように笑いながら、手の甲が下になるようにして、右手人差し指でルル・ベルを指さした。
「抹殺対象はあなたよ、
「な………!?」
「ルル・ベルさんを………!?」
シャランの告げた事に、ネギとのどかは息を呑んだ。ルル・ベルは、唇をかんだ。
(やはり、お母さまは私を………!)
覚悟はしていた。復讐に駆り立てられた母が自分を抹殺すべく刺客を送り込んでくる事は………
「………今は考えている場合じゃないわ………今は、この場を乗り越える時よ………!」「ルルちゃん………!」
気丈に叫ぶルル・ベルを、スバルが不安そうな目で見つめた………
#72/セブン・カラー ①
「
明日菜がアーニャの手の火を噴水で鎮火させると、気を取り直したらしいルル・ベルが、シャランについて憶えている事を口に出す。4人はシャランから一定の距離を取りつつ、様子を伺っていた。
「ある時は焼殺、ある時は刺殺、そしてまたある時は溺死に毒殺に凍死………統一性のない殺害方法故に能力がはっきりしとしない……ついた異名が『
「こ、殺し屋って………何でそんなのに狙われてるのよアイツ!?」
火は鎮火したものの、殺し屋という単語に混乱して声を荒げるアーニャ。ネギとルル・ベル、のどかはスタンドを出したまま、シャランと一定の距離を取る。
「………戯笑、アンタたち、こう考えてるでしょ?『コイツのスタンドは近接タイプだ』、『射程距離は広い方だが、近づかなければ問題ではない』って………」
「………」
シャランがそう言うが、ネギたちは黙ったままであった。シャランは懐に手をやると、馬鹿にしたように笑った。
「けど、甘い考えなのよねぇ~♪」
パンッ
「え………?」
気づいた時には、ルル・ベルの右足に『白いペンキ』がついていた。何だろうと、ルル・ベルが思った瞬間、
パッキィインッ
「!?」
「な………!?」
色の部分を中心に、ルル・ベルの足が『
「私は既に、『セブン・カラー』の弱点を熟知してんのよぉ!!」
シャランが手にしていたのは、消音使用のリボルバーだった。シャランはスタンド『セブン・カラー』に右手のボックスを操作させると、右手指先から青いペンキを垂らし、形状が弾丸の形に形成されて、シャランの手元の薬きょうに収まった。
「ペイント弾!?」
「嗤笑、気づいても遅いわよ!!」
瞬間、シャランは銃口をルル・ベルに向けた!
「(ペンキの色によって、攻撃が違う……あれが能力!)ルル・ベルさん!!」
ネギとスバルは咄嗟に『魔法の射手』でシャランの拳銃を狙うが、素早く『セブン・カラー』が前に出て拳で弾いてしまう!
その隙にシャランは引き金を引き、脚が凍り付いて動けないルル・ベルに弾丸が迫った!
「『サイケデリック・インサニティ』!!」
すかさず、ルル・ベルは『サイケデリック・インサニティ』で同様にペイント弾を弾くと、地面に衝突して地面に水色のペンキが飛び散り、その飛沫がルル・ベルにも迫る!
ピシャッビチャ
「!」
しかし、その間に『イノセント・スターター』の子亀が数匹割って入り、ペンキの飛沫を甲羅に受ける。す
「………?」「あれ?」
しかし、ペンキのついた子亀には何も起こらない。のどかとルル・ベルが疑問に思うが、既にシャランは駆け出していた。
シャランは走りながらリボルバーをルル・ベルに向けると、咄嗟にルル・ベルはペイント弾を警戒したが、しかし、
『シチャァアッ!!』
「!?しま………」
シャランの拳銃に集中している間に、『セブン・カラー』の拳が迫っていた!咄嗟に手を交差させて防御姿勢に入るが、『セブン・カラー』の右手が接触―――
「ウリィィャァァアアッ!」ゴウッ
「む!?」
――するよりも早く、左の方からスバルの鉄拳が飛んで来たため、シャランは慌てて後方に飛ぶ!次いで、ネギの『
「ルル・ベルさん!」
「!た、助かったわ………」
その隙に、スバルを中心にルル・ベルの左右をネギとのどかが駆け付ける。
「ちっ、失笑………(あんま時間かけたくないけど………この状況じゃあ、仕方ないか………)」
「宮崎さん、ルル・ベルさんを!僕とスバルさんで、何とか引きはがします!」
「は、はい!」
ネギはそう言うと、スバルと共にシャランの方へ駆け出した!
「!『セブン・カラー』!!」
シャランは突撃してきたスバルの拳をスタンドでいなし、杖で接近してくるネギにはペイント弾でけん制する。ペイント弾はネギの張った障壁で防がれてしまうが、その隙に右手をスバルに伸ばす。
スバルは咄嗟に首を曲げて避けるが、右肩に緑色のペンキがかする。瞬間、スバルのバリアジャケットの肩を緑色のカビが覆い、腐り落ちてしまった!
「ッ………マッハキャリバー!?」
[機能に支障はありません。しかし、私本体に受けたら………]
「ッ!」
マッハキャリバーに破損状況を確認したスバルは、次にあれを喰らってはいけないと警戒する。しかしシャランの攻撃は止まず、ネギを蹴り飛ばすと『セブン・カラー』のラッシュをスバルに放つ!スバルは何とか避けるが、その隙にシャランがリボルバーの引き金を引く!
「!?」
ペイント弾が当たると左足が黒いペンキで塗りつぶされ、次の瞬間には物言わぬ石に変わってしまった!
「そんな!?」
「隙あり!」『シチャァアアア!!』
スバルの動きが封じられると、『セブン・カラー」は再度スバルに右拳を放つ!しかし、咄嗟にネギが間に入って『タスク』の爪弾を発射して地面に軌道をそらす。地面に黄色いペンキがまき散らされたのをネギはスバルを抱えるような姿勢で飛び回避、シャランと再度距離を取った。
「スバルさん、大丈夫ですか!?」
「うん、何とか………けど、これじゃあ戦えそうにないね………あの人倒せば、スタンド能力は解除されるだろうけど………」
「そうですか…(近接タイプのスタンドとペイント弾の併用による連携攻撃………あの人、本当に強い!)」
ネギは、シャランの戦闘能力の高さに戦慄する。戦いが長引けばこちらが不利になるとネギが考えたその時、一瞬の隙をついたシャランが、ルル・ベルとのどかに迫っていた!
「!?しまっ……」
ネギは駆け付けようとしたが、それよりも先に『セブン・カラー』の拳がのどかに迫る!
「ッ……『イノセント・スターター!!』」
ドギャァッ
のどかは『イノセント・スターター』で防御するが、交差した腕を『セブン・カラー』の拳が直撃して半mほど後退した!
「ああっ………!」
『赤いペンキ』がのどかの腕に付着したのを見たアーニャが、自分と同じようになると思った。のどかがその腕のペンキに気づいた、次の瞬間―――
バシュゥーーーーーーッ
「ッ!!」
のどかの右腕から、
「グゥッ………ゥ……!?」
「のどかッ!!」
噴出した血にのどかの顔がゆがむ。恐らく、腕に傷を負ったのだろう。近くにいたルル・ベルが声をあげ、『サイケデリック・インサニティ』の拳を叩き込むが、シャランは『セブン・カラー』を素早く引っ込めて回避した。互いのスタンドの射程距離の差が出てしまった。
「………?」
この様子を見ていたアーニャは、疑問を抱いた表情となっていた。そばにいた明日菜はのどかの負傷に目が行って気づいていなかったが、アーニャが呟いた。
「おかしいわ………」
「え?何が?」
「今、あのノドカが赤いペンキが付いたのに、
「え?」
明日菜がそれを聞いて、首を傾げた。のどかはポケットからハンカチを出すと、スタンドを使って腕に結び止血する。
(色………同じ色なのに、『火』と『血』………?)
明日菜は考えていた。ふと、そういえば先ほど、『イノセント・スターター』の「子亀」にペンキが付いたのに、ダメージがなかった事を思い出す。
何か関係があるのかと考えた時、ふと、先日部活の関係で読んだ本を思い出し、気づいた。
「もしかして………!」
気付いた明日菜はすぐさま、『パクティオーカード』を取り出すと、ネギに念話を送った。
【ネギ、アイツの足を止めて!】
【アスナさん…?】
【『タスク』でも魔法でもいいから!そうしたら、私に
【は、はい!】
ネギは訳が分からない様子であったが、すぐさま攻撃準備に入る。明日菜はアーニャに振り返った。
「ありがとうアーニャちゃん。おかげで、アイツの『弱点』に気づくことが出来たわ。」
「え?」
礼を言われたアーニャは訳が分からない様子であったが、明日菜は構わずにシャランに向き直ると、パクティオーカードを持って呪文を唱えた。
「
←to be continued…
72話です。
・セブン・カラーは近接タイプだけど、能力の応用は効きますね。拳銃構えながら突進してくるのは、『変人偏屈列伝』のタイ・カッブを参考。
どうでもいいけど、久しぶりにマッハキャリバーがちゃんと喋った気がする……
・シャランは口癖でどれだけキャラ付けできるかと考えての実験です。意外と「〇笑」とつく言葉を探すのが大変でした。
・『セブン・カラー』の能力の糸口を掴んだ明日菜。次回、反撃開始です。
では、次回をお楽しみに!