ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

68 / 99
#62/京都嵐警報! ①

「…………すまなかったな………私の過去の『復讐』のせいで……………」

 

『亀のスタンド』の中で、千雨とポルナレフは話していた。

ポルナレフは、自らの復讐が原因で千雨の命が危険に曝される事になったのを、気にしていた。

 

「い…………いや、父さんが気にする事じゃあねえよッ!要は、アイツらの『逆恨み』だろ?」

「千雨………」

「私はホラ、母さんやリサリサ師匠に死ぬほどシゴかれて十分強いからさ………それに、徐倫やネギ先生とかもいるし………だからさ、安心して大丈夫だから………」

 

正直、千雨ははたから見ても無理をしているように見えた。だが、千雨が必死に父、ポルナレフに自分のせいだと思ってほしくないのが、ポルナレフには分かった。

 

「………ありがとうな、千雨………」

「……ま、まあ………どういたしまして。」

 

こうして、事件の渦中にいる親子は、およそ十年ぶりの再会を果たしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「所で、あの『ルーテシア』という娘…………名字は、『アルピーノ』と言ったか?」

「ん?ああ、確かそうだったぞ。」

「そうか………(似ていると思ったが、やっぱり……………)」

「?」

 

 

 

 

 

#62/京都嵐警報! ①

 

 

 

 

 

関西呪術協会本山

 

中腹部

 

 

「―――じゃあ、近衛たちを連れて、承太郎さんたちもこっちに来るんだな?」

 

亀から出た千雨は、刹那から電話があり、承太郎が借りたワゴン車に乗った木乃香たちがこちらに向かっているという事を、ネギ達から聞いた。

 

「うん。……………ただ、少し厄介な事になっているらしくて…………」

「『厄介な事』?」

「早乙女が………スタンド使いらしい…………」

「ハァッ!?」

 

徐倫のセリフに、千雨は驚愕の声を上げる。

 

「まあ、私らも聞いたときは驚いたよ………だが、アナスイの『ダイバー・ダウン』が見えたらしい…………それに、綺初たち『三羽鴉』も『ヴィオレッタ』側についたらしい…………」

「やつらまでッ!?…………何か、今まで以上にメンドくさくなってねーか……?一人を除いて。」

「確かに奴らは厄介だな…………一人を除いて。」

「その一人が誰かは知りませんが……………」

「とにかく、『強い人たち』なんですね。」

 

何やら厄介そうなスタンド使いの参戦に、そのうちの一人を除いて警戒する徐倫たち。

尚、その『一人』がはるか遠くでクシャミをしたが、それを徐倫たちが知る由もなかった。

 

「まあ、何とかなるでしょ。このかたち、後どんくらいで着くのかな?」

「親父が車借りたのが『あの人』だからなぁ………すぐに到着すんじゃ――――」

 

 

 

ズガシャァァアンッ

 

 

 

「?何かスゴい音しなかった?」

「…………どうやら着いたらしいな…………」

「「「早っ!?」」」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「だぁーーかぁーーらぁーーッ!あの『仮面のダイバー』や『半分こ仮面』は何なのかって聞いてるのッ!!」

「ハルナ、さっきから何を訳の分からない事を言っているですか……………?」

 

どうにか無事に承太郎たちと合流し、本山の山頂を目指す徐倫たち。先ほどからハルナはアナスイやギンガに質問攻めをしているが、アナスイらは相手にしないようにしていた。

ちなみにキタッラ兄妹の姿はないが、手薄になったホテル嵐山の警備に向かっているので、何ら問題はない。

ルル・ベルはのどかから離れてはいるが、どう話しかけようか迷っているらしく、チラチラと見るだけであった。

 

「すいません………成り行きとは言え、綾瀬さんたちまで………」

「また、巻き込んじゃったね……………」

「あー、大丈夫だろ。いざとなったら露伴先生いるし。」

「…………私、一昨日の晩にジョリーンが言っていた意味が分かったわ…………」

「私も………」

 

先ほどの戦いで、露伴の『ヘブンズ・ドアー』の力の真髄を見た明日菜とスバル。

本人は無意識とは言え、『書かれたらその通りに行動してしまう』能力は、確かにある意味スタープラチナよりも強いかもしれない…………

 

「お、あれが入り口じゃないか?」

 

久しぶりに再会した康一と話をしながら歩いていた承太郎は、目の前に入り口らしき門があるのを見た。

それを見たネギ達は、山の入り口以上に気を引き締めた。

 

(着いたか………)

(一応、敵ではないとはいえ、こちらは関東魔術師協会の代表………ちゃんとしていかないと……)

 

徐倫やネギ達がそう考えている中、承太郎やアナスイ、ギンガたちは――――

 

 

 

「「「「「お邪魔しまーーーーす。」」」」」

「「「「「ってちょっとーーーーッ!?」」」」」

 

普通に入っていった。

 

「ちょ!いくらなんでも緊張感なさすぎでしょーーー!?」

「ギン姉まで!?」

「え?ああ、大丈夫よ。さっき刹那から聞いたのだけどココ―――」

 

 

 

 

 

「「「「「「「お帰りなさいませ、このかお嬢様ーーーーッ」」」」」」」

「「「「「………へ?」」」」」

 

一同が門をくぐった瞬間、大勢の巫女さんが出迎えてきた。

呆気に取られるネギ達に、ティアナが説明を続ける。

 

「………ココ、『関西呪術協会』の『総本山』で、このかの『実家』なんですって。」

「「「「「えぇぇぇーーーーーーッ!!?」」」」」

 

「ちょッ!?何それ!初耳だよ!!何で桜咲さん先に言ってくれなかったのーーッ!?」

 

驚いたまま刹那に問いただすスバル。徐倫らも、事情を聞きたそうだ。

 

「す、すみません……今御実家に近づくとお嬢様が『危険』だと思っていたのですが……「シネマ村」では、それが裏目に出てしまったようですね………」

「ナルホド………逆に『総本山』に入っちまえば『安全』って訳だな。」

 

徐倫の言葉に、刹那は小さく頷いた。その時だ。

 

「あ、ジョルノ様たちも、お帰りなさいませ。」

「ルル・ベルさんも。」

「ええ。ありがとう。」

「あの人は?」

「すんません、今出ております。」

「「「「「あれ?」」」」」

 

何か、ジョルノたちとルル・ベルが、巫女さんたちとフレンドリーに話していた。

 

「あれ?何でジョルノさん達、そんなフレンドリーなん?」

「え?ああ、その事ですか………」

 

ジョルノが説明をしようとしたその時、本殿に続く道に、2人の人影があった。

 

「ジョルノさんたちは、長の知り合いである女性の案内で、この総本山に泊まっているんですよ。」

「ん?………!?ああっ!!」

 

その影を見たノーヴェは、思わず叫び、そして思い出した。

 

(そ、そーだよ、キョートってどっかで聞いたと思ったら………()()()の実家、キョートって言ってたじゃねーか!)

「あ、あなたは………!!」

 

そこに立っていたのは、後ろに撫でつけたアッシュグレーのくせっ毛の右側3か所を短い三つ編みを垂らした、中肉中背の抽象的な顔立ちの少年と、黒いショートボブに丸眼鏡をかけたメイドであった。

 

『篤緒 奏汰!!』

「お久しぶりです、ネギ先生。」

 

驚くネギたちに対し少年とメイド・篤緒 奏汰とレプラ・ハーパーは、挨拶をした。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

本山に入っていったネギ達を、じっと見ている陰があった。

 

「ちぃッ、コラヴィオレッタはんッ!!あんたが『追わんでえー』ゆーから放っといたら、「本山」に入れて手出しできんやんかッ!!ディードも向こうの手中やしーーーーッ」

 

陰、千草は通信を開いてヴィオレッタに怒鳴りつけていた。そんな千草に、ヴィオレッタは涼しい顔で告げる。

 

[ご安心を千草。すでに手は打ってあるわ。]

「無理やろ!既に『アヌビス神』は再起不能(リタイア)しとるで!仲間やったから『エターナル・ブレイズ』は心強かったが、敵になったら―――」

[私がディードに与えたのは、『アヌビス神』と『エターナル・ブレイズ』だけではないわ。]

「――――何?」

 

ヴィオレッタの打ち明けた事に、千草は顔をしかめる。

 

[そろそろ、『ガディ・Ru』と共にそちらに着くはずよ。こういった『状況』において、最適な能力者がね。]

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「―――つまり、アナタの『協力者』が関西呪術協会の長と知り合いなのね。」

「ええ。お母様に近づいた『あの男』の事を調べていたら、あちらから接触してきたの。ただ、彼女の素性は私にも分からないわ…………」

「ふ〜ん………」

 

総本山の屋敷内にある大広間に案内された明日菜らは、呪術協会の長を待つ間にルル・ベルの話を聞いていた。

なお、ここまで同行していた鏡史郎と小太郎は、巫女さんによってどこか別の部屋に連れて行かれていた。

 

「ボクたちは、京都の実家に帰った後にルル・ベルさんに話を聞いてね。それで総本山の方に来ていたんだ。」

「そうか、お前のスタンドを呼び覚ましたのは、ルル・ベルだったわけか………」

「いやぁ、お待たせしました。」

 

全員が座った時、大広間の奥にある階段から、中年くらいのやせた男性が現れた。

 

「ようこそ、明日菜くん、木乃香のクラスメートさんたち、それに担任のネギくんと承太郎さんたちも。木乃香の父の『近衛 詠春(えいしゅん)』です。」

 

男性・詠春が名乗ると、木乃香が彼に抱きついた。

 

「『お父様』、久しぶりやーーーー♪」

だきっ

「こら木乃香、皆さんの前だろう。」

 

抱きつかれた詠春は、照れたように、だが嬉しそうに木乃香に注意する。

 

「このかの親父さんが、『西』の長だったのか………」

「これは、予想できなかったな………そういやあ、京都(こっち)出身だったね………」

「し……渋くてカッコイいかも………」

「ア、………アスナって、そういう趣味なんだ……」

 

詠春と木乃香のやり取りを見て、徐倫らは感想を漏らす。

 

「あ、あの、長さん、これを……『東の長』、麻帆良学園学園長・近衛 近右衛門から、西の長への『親書』です。お受け取りください。」

 

そこへ、本来の目的である『西の長への親書』を渡すネギ。

 

「ええ、確かに承りましたよ、ネギくん。大変だったようですね。」

「い、いえ………」

 

言うと詠春は、ネギから渡された親書を開けると、一番初めの紙には、

 

下もおさえれんとは何事じゃ!

しっかりせい婿殿!!

 

というメッセージが、学園長のイラスト付きで書かれていた。

 

「(はは……相変わらずお義父さんは手厳しい……)………いいでしょう、「東の長の意を汲み、私たちも東西の仲違いの解消に尽力する。」とお伝えください。任務御苦労!ネギ・スプリングフィールド君!」

「は、はい!」

 

こうして、学園長から託された『親書を渡す』という任務は完了した。

詠春は『今から山を下りたら日が暮れる』と、今日は屋敷に泊まるよう勧められ、ネギたちはお言葉に甘えることにした。(旅館の方には身代わりを放ってくれるらしい。)

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「いやぁ、いいお湯だったねぇーー♪」

「意外といいわね、ニホンのお風呂って♪」

「え、あ……うん………」

「………あー、ハルナの事がまだ残っていたわね…………アナスイの『ダイバー・ダウン』が見えたらしいケド………」

 

夕食を振る舞われ、さらに風呂にも入らせてもらった明日菜、スバル、トリッシュは、廊下を歩いていた。

 

「まあ、その辺は承太郎さんやブチャラティに任しとこ。敵も屋敷に迂闊に攻め入らないでしょ。」

「だと良いんだけど……………(何だろう………この『胸騒ぎ』………?)」

 

スバルが、どことなく不安そうに呟いた時だ。

前方の曲がり角で、ズシャアッ、という倒れ込むような音がした。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

一方、屋敷内のトイレでは…………

 

「あ、千雨にオットー。」

「ランスター。」

 

ティアナとルーテシアがトイレに入ると、千雨とオットーが手を洗っている最中だった。

 

「何でルーテシアお嬢様と一緒に?」

「………トイレが怖くて…………」

「え?その年齢(とし)で?」

「いや、ほら、ルーテシア二回もトイレで『災難』にあったらしいから…………」

 

ティアナが説明すると、思い出してしまったのか、ルーテシアは小刻みにふるえてしまった。軽くトラウマになっているらしい………

 

「あー、分かるぞ。私も6年くらい前から、時々トイレで災難に合うから…………」

「そういえば、今日もあっていましたね…………」

「………そう。」

 

千雨の話を聞いて同族がいることを知ったためか、少し希望が持ったような眼差しを千雨に向けると、開いている個室に入るルーテシアだった。

 

「で、あんたたちの方は?」

「私は普通に用を足しに。オットーは、ディードを連れてな。」

「さっきようやく目を覚まして………それでトイレに行くって言うから。」

 

安心した表情で話すオットーを見て、ティアナはそう、とだけ言った。

麻帆良に来た当初からディードの事で余裕のない様子だったオットーだが、ようやく落ち着いたようだ。

 

ドッジャァァアア……

「………とりあえず、何ともなかった…………」

「………良かったな。」

「ディード、長いなぁ…………」

「確かに………まあ、その辺は気にしないでやれよ。個人の自由だ。」

 

ルーテシアが個室から出てきて、そう千雨が入った時だ。

ディードの入っていた個室が、ギギギィと音を立てながら、ゆっくりと開いた………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

少し時間は遡り…………

 

屋敷内、徐倫たちにあてがわれた部屋

 

 

現在、ここには徐倫、アナスイ、ギンガ、夕映、のどか、ルル・ベル、フェイト、アルフが、ハルナを囲うようにして座っていた。(ルル・ベルは、相変わらずのどかから少し離れている。)

 

「あの、のどか………これは一体…………?」

「あ、………だ、だだ大丈夫だよーー?」

「さてハルナ、質問だ。お前、『コイツ』が「見えるか?」」

 

困惑する夕映をのどかが大丈夫だと言う中、徐倫は『ストーン・フリー』を出した。

 

「うおっっ!?徐倫!あんたまでッ!?」

「?ハルナ、何の話です?空条さんも………?」

(ゆえは見えてないんだー………)

 

ハルナは『ストーン・フリー』に驚いているが、夕映には見えていないのか、何のことか分からない様子だ。

 

「え?何言ってんの夕映?徐倫の後ろに…………」

 

するとハルナは、側においてある自分のカバンからスケッチブックを出すと、手にしたペンで徐倫の後ろから出るストーン・フリーを描いた。

 

「こんな風に、何て言うか、『守護霊』?みたいのが出てるじゃん!?」

「………?いえ、私には…………!」

 

目を凝らして徐倫の背後をみる夕映だったが、ふと気づいた。

 

「空条さん、先ほど『見えるか?』と聞きましたね?ということは、『()()()()』と『()()()()()』がいて、ハルナは『見える人』だと言うことですか?」

「………さすが夕映、話が早いなぁぁーーーー」

(く、空条さん!お、おお教えちゃっていいんですかーーッ!?)

(ま、ここまで巻き込んじゃあ、仕方ねーだろ………コイツ、やけに『勘』がさえてるし………)

 

のどかと徐倫がひそひそと話すのを見ていたハルナと夕映だったが、ふと、夕映は気づいた。

 

「………?ハルナ、いつの間に()()()()()()()()()()()()()()?」

「え?あ、あれ?」

 

ハルナが見てみると、徐倫とストーン・フリーが描かれているはずのスケッチブックのページは『白紙』になっていた。

 

「おかしいなあーー?1ページも『めくっていない』のに………描いた絵が見当たらないなんて………?」

「!?ハ、ハルナーー、そ、その『ペン』は………!?」

「へ?」

 

不思議そうにスケッチブックを見ていたハルナだが、のどかに言われて自分が握っているペンが『変質している』事に気づいた!

 

ペン先は銀色でカラスの頭を模しており、頭には『G』と書かれているのでGペンがモチーフだと思われる。

薄い緑色の軸には三日月のような模様がペン先の元から後部にかけて施されており、後部には鳥とジェット機の翼を組み合わせたような翼が付いており、全体的に見るとジェット機のコンコルドに見えるフォルムだ。

 

「あ、あれ〜?何コレ?こんな『ペン』じゃなかったのに…………?」

「まさか………そいつがハルナの…………だが、何故絵が消えたんだ………?」

 

そう不思議に思って徐倫がスケッチブックに手をやった時だ――――

 

 

 

 

 

ズポァァァアアッ

「「「「ッ!?」」」」

 

徐倫の手は、スケッチブックに『沈み込んだ』!

 

「な!こッ、これは…………ッ!?」

「まさか……これがハルナの………!」

 

徐倫がハルナの『能力(スタンド)』に気づいたその時――――

 

バァアンッ

「!!?」

「チ………チンクさん?」

「みんな………今すぐ逃げろォッ!!」

 

いきなりふすまが開くと、必死の形相でチンクが叫んだ。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

ドサァアッ

「グゥゥッ………」

「!ノ、……ノーヴェ!?」

 

スバルは、倒れ込む音の先にいた少女―――ノーヴェを見て心配そうな声を出した。見ると、ノーヴェは肩から血を流していた。

 

「大丈夫!?怪我しているけど―――」

「近づくなッ!!」

 

明日菜が心配そうに駆け寄ろうとするが、ノーヴェはそれを突っぱねるように叫んだ。

 

「やられた………アイツら、『ディード』に罠を張っていたんだ………すれ違った時に………肩ヲやられた………」

「えっ……ッ!?」

 

ノーヴェが苦しそうに告げた言葉に、3人は息を飲む。だが、明日菜は気づいていた。

 

(ノ………ノーヴェの『口』………いつの間にか「耳」まで裂けて…………キバまで見える………まるで!あの口はッ!!)

 

だが、ノーヴェの変化はそこで終わらない!皮膚はウロコが覆い初め、手の爪は鋭く伸び、首も伸び出した!

 

「ア………アイツハ!ソウして『姿』ヲ変えるンダ!……『爪』デ攻撃して……支配下にオク『能力』なんだ!『カスリ傷』でも感染スル!そうやって『内側』カラ………総本山(こコ)ヲ攻め落とす作戦だったんだ!!」

 

ノーヴェの苦しさを増す声と比例して、さらに変化は進んでいく!

口は前に伸び、足の骨格も変わりだしていた!さらに、その変化の『極めつけ』は!

 

「し…()()()ォー!!?」

「逃げロッ!!コノ敵ハ………ヤバ………ス…………ギルッ………!」

 

トカゲを思わせるしっぽが生え、その『変化』は終わりを告げた。

 

鳥を思わせる顔つきだが、その全身にはウロコが覆い、鋭い牙と爪を持ち、長いしっぽの『爬虫類』だ。

薄い赤の体表を持ち、黒い背面には『I』と『X』に見える赤い模様が交互に並んでいた。

 

そう、この生物は―――

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

ディードの入っていた個室の扉が開いたので、千雨たちはそちらを見た。

見て、ひきつった笑みを浮かべた。

 

「「「「……………は?」」」」

 

そこにいたのはディードではなく、巨大なトカゲを思わせる生物―――――

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「チンク?何を言って…………」

 

チンクに聞くギンガだが、チンクの後ろから迫る3匹の生物を見て、自分たちにかかってくる『危機』に気づいた。

 

そう、この『生物』は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「きょッ!!………『恐竜』ーーーーーーーーーーッ!!??」」」」」」」

 

屋敷中のあちこちから、そんな叫び声が木霊した。

 

今現在、関西呪術協会総本山は、恐竜で最も頭が良かったとされる肉食恐竜『ラプトル』に占拠されていた…………

 

『恐竜化の能力』

能力名、本体、共に不明。

 

 

 

 

 

←to be continued...




62話です。

・サブタイトルは『サルディニア島嵐警報!』から。

・ポルナレフと千雨の会話。ポルナレフがルーテシアについて何か知っているようですが、詳細は後になります。

・ルル・ベルの『協力者』は、あの『仮面の女』です。
彼女の正体はある意外な人物で、この物語の鍵を握っています。

・ハルナのスタンド。今はヴィジョンと能力の鱗片だけですが判明させました。詳しくは次回。

・ラストで『恐竜化』。『ネギま!』を読み返して、この場面ではこれしかないと考えていました。

では、次回をお楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。