ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#32/アルティメット・クライシス ④

「―――向こうは終わったみてえだな………」

「そうですね……………後は」

「こいつだけか……………」

 

明日菜達がいた地点から、少し離れた場所で戦っていた仗助たちは、『アルティメット・クライシス』が見えなくなったのをみて、ランボが倒されたのを確認した。残るは、自分達が相手をしているセッコだけだ。

 

「!仗助さんッ!!」

ズボァア

「!」

 

ネギは、仗助の足元の石畳の異変に気付いて叫ぶが、仗助は泥化した地面に引き込まれてしまう!

 

(こいつ……動きは速い……しかも、奇妙な感覚だが、『クレイジー・D』で触れるこの地面は『硬い』……硬い石畳のままなのに………()()()()()()()()!)

 

 

 

 

 

#32/アルティメット・クライシス ④

 

 

 

 

 

「スティッキィ・フィンガーズッ!!」

 

ブチャラティは『(スティッキィ)・フィンガーズ』で地面にジッパーをひっつけると、まるでカーペットのように地面を『めくった』!

 

「………!」

「そこだ!『(タスク)』ッ!!」

「ランブルデトネイター!!」

ドババッ

 

仗助が素早く脱出をすると、めくった先にいたセッコに向かい、ネギとチンクが攻撃を放つ!

 

「………!」

プワアアアッ!

「「「!?」」」

ガガガッガァーン

 

だが、それをセッコは口にふくんだ『小石』を吐き出して、『はじきとばした』!スティンガーは少し離れた地点で爆発し、爪弾も爆発により破壊される。

 

闇夜切り裂く(ウヌース・フルゴル・)一条の光(コンキデンス・ノクテム)我が手に宿りて(イン・メア・マヌー・エンス・)敵を喰らえ(イニミークム・エダット)!」

「!?」

 

だが、爪弾を放った時から、すでにネギは『詠唱』していた!

 

「『白き雷(フルグラティオー・アルビカンス)』ッ!!」

ズババァアアッ

「うばっあああああ!!」

 

ネギの放った『雷』がセッコを襲い、セッコはたまらず地上に上がる!

 

「グレート!お前ら、結構『連携』とれるじゃねーか!」

「とっさだったがな………」

「ぐうううおああああっ………………ま、またやりやがったなっガキィイイイッ!だが、接近戦なら、お、おおオレに分があるっ!喰らえ!『オアシス』ッ!!」

 

セッコの攻撃が、ネギに迫る!だが!

 

 

 

 

 

ズドドッ

「うげっ!」

「え?」

 

いきなりセッコの背後からスティンガーが刺さった!?セッコが振り向くとそこには―――

 

 

 

 

 

ピシッピシピシッ

「なっナイフがッ」

()()()()()ぅぅうう!?」

ギャーーン

「うおおッ」

 

爆発したはずのスティンガーが、空中で再生してセッコに迫った!セッコはたまらずのけ反りながらスティンガーを捌くが、

 

「ドララララララララァアーーーッ!!」

「ギャッ!?ボガガァーーー!? !?」

 

スティンガーに気を取られている間に、クレイジー・ダイヤモンドの拳を顔面に受けて吹き飛ぶ!

 

「すでに予想してたぜぇー、チンクのナイフに警戒して、てめぇが二人の攻撃を『()()()()()()』ことはよぉおーー………」

 

仗助が倒れるセッコに言い放つ。彼の右手には『爆発したスティンガーの破片』が乗っかっており、次第に他の破片が集まって元のスティンガーに直っていく。

 

「だからネギが詠唱しているうちに、爆発したチンクのナイフの『破片』をオメーに投げつけたんだよ!!」

「ば……爆発したスティンガーを『直した』のか………!」

(クレイジー・ダイヤモンド……………『破壊と再生』が共存しているスタンド………………マジで、何をするかわからないな………………)

 

クレイジー・D=仗助の予測不能な動きに舌を巻く一同。セッコは、仗助を恨めしそうににらむ。

 

「て……………てめぇぇええ!」

「文句ゆーなよ……………さっきの『蹴り』のお返しだ!」

「ちいいっ!仕方ねぇ………………………さっき思い出した……………あのめ、『眼鏡』のヤツッ!あいつを殺して、退くとするぜッ!!」

『!!?』

 

セッコの口から出た『眼鏡のヤツ』と聞いて、4人は目を見開く。

 

「眼鏡って…………『千雨』のことかッ?何で千雨を狙う!?」

「オ……オオ………オレが知るかよぉおーー。とにかくあいつを殺したら、またの機会にテメーら皆殺しだッ!!」

 

そう言うと、セッコは地面に潜ろうとするが、

 

「そうは行きませんよォッ!!」

「赴任して間もないが、千雨はオレたちの生徒だ!みすみす殺されるのは見逃せねーんだよォオッ!!」

「一応エヴァと茶々丸のクラスメートでもあるようだからな………たとえそうでなくても、見過ごすわけにはいかない!」

 

既にネギと仗助、ブチャラティが駆けだしていた!セッコは構わずに逃げようとしたが、仗助が叫んだ。

 

「言ったはずだぜぇ?オレのクレイジー・ダイヤモンドは、『直す』スタンドだってなぁー!!」

 

言うや否や、クレイジー・ダイヤモンドの拳がセッコの周囲の石畳を殴る。瞬間!

 

ボゴゴォッ

「!?」

 

泥化していた石畳が元に戻り、セッコは弾かれて宙に浮いた!

 

「い、石畳を直して………直すパワーがオアシスの泥化を上回るだとぉ!?」

「タスク!!」

スパァアアッ

「!?」

 

セッコが着地するよりも早く、ネギの『爪カッター』がセッコの左腕が『切断された!』

 

「う………………うおあああああっおおおおおおれェェェェェのォォォォォうでェェェェェがァァァァァーーーーーー!?」

「ドラララララララララララララララララァアーーーッ!!」

「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリィッ!!」

ドガガガガガガガガガガッ

「グオオオオオッ!?」

 

セッコが痛む間もなく、仗助とブチャラティのラッシュをその身に受ける!

 

「アリーヴェデルチ!(さよならだ)」

ドグシャァアッ

「グッギャブ………!?」

 

ブチャラティの最後の言葉と共に吹っ飛び、土煙を上げるセッコ!しかし、土煙が晴れた先にはセッコの姿はなく、泥化して穴の開いた地面だけがあった。

 

「逃げたか………!」

「問題ありませんよ。仗助さん、『()()()()()()()』。」

 

ネギは冷静に言う。その視線の先には―――

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

地中を潜行するセッコは、焦っていた。

『あの女』に頼まれた任務に失敗した上に、左腕を失ってしまった………あいつに何て言おう。

 

そう考えていたその時、

 

 

 

急に左腕が『引っ張られた』ッ!!

 

 

 

 

「なッうわあああっ!?」

ボゴオッ

 

左腕に引っ張られて、セッコは再び地上に出てくる。どうやら、石橋の上らしく、下には川の水がさらさらと流れている。

だが、セッコはそれ所ではなかった。目の前には仗助たちが迫っている上に、切断された『左腕がある』!?

 

「切断した左腕を『()()()』……………奴を『引き上げたのか』………………!」

「こ………こんな真似するなんて………に……逃げッ!……………あれ?」

 

セッコは目の前の仗助たちにビビり、逃げようとした。だが、何かおかしい。左腕が地面に『埋まって』、動けない?

 

「いや、違う!…………お、オオオ……オレの左腕が!『橋と一体化』しているぅぅうう!?」

「さて、うちの生徒を狙った罪は重いぜ…………覚悟しな!」

「仗助さん、後は頼みます。」

「い、いいいいいいったいテメーら……何をする気だぁあああーーーーーッ」

 

 

 

 

 

「ドラララララララララララララララララララララララララララララララァアーーーーーッ!!」

ドガガガガガガガガッ

「うぎゃあああーーッ」

 

クレイジー・ダイヤモンドのラッシュがセッコに、いや、『()()()()()()』に叩き込まれる!

セッコの全身の肉が裂け、骨が砕かれ、石橋も破壊される!そして―――

 

 

 

 

 

「そこで反省してろ…………永遠にな!」

ドリュッドリュッドリュリュゥウウッ

「う……………うがあああああっ」

 

 

 

 

 

セッコはクレイジー・ダイヤモンドの能力により、『石橋と一緒に』治されて、

 

 

 

 

 

完全に一体化してしまった………

 

 

 

 

 

麻帆良学園都市新名所:『うめき橋』

場所:麻帆良学園 聖ヘレンズ教会付近にある石橋

 

元々は、『梅木橋(うめのきばし)』という名前の石橋だが、『夜になると、橋から男のうめき声が聞こえる』という噂が流れたため、本来の名前とかけてこちらの名前が定着した。

怖い噂とは裏腹に、恋人や小学生たちの待ち合わせ場所として付近の住人に親しまれ、また、夏には肝試しのスポットにもなっている。

(麻帆良学園新聞部発行『まほら新聞』より抜粋)

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「いや、これは明らかにやりすぎだろ……………」

 

石橋と一体化したセッコを見下ろしながら、ヴィータは呆れたように言う。

事後処理のために来た彼女は、セッコはどこにいるか聞いたら、この石橋まで連れてこられた。橋に男の顔があったためにビビったが、落ち着いて二人の話を聞いて出たセリフが、これだった……………

 

「い、いやーー、俺も頭に血が上ってたっつーか…なんか一時のテンションに身を任せちまったっつーか………」

「こんなことまでできるなんて………」

「『治す能力』だから便利だなぁって考えてたけど………」

「正に『クレイジー(狂った)』な能力だね……………」

「う……うぎぎ………」

 

仗助が必死にヴィータに言い訳している中、フェイト、明日菜、スバルは、セッコを見下ろし、クレイジー・ダイヤモンドの恐ろしさを知った。

 

「なるほど………つまり、こいつらは、千雨を狙っていたのね?」

「ああ………確かにこいつはそう言っていた。」

「何で私が……………?」

 

一方、徐倫、千雨、承太郎は、ネギとチンクから、セッコたちの狙いが千雨であったことを知らされる。

 

「それで気づいたんですけど、今までの敵たちって、最初から長谷川さんを狙っていたんじゃないでしょうか………?」

「「!?」」

「い………言われてみれば………オエコモバやラング・ラングラー、アヌビス神……全員、千雨がいる時に襲ってきていた!」

「単なる偶然とは思えないな………」

 

ネギの推測に、全員が息をのむ。

 

「……おいおいおいおい、じゃああれか?私は今まで巻き『込まれないよーに巻き込まれないよーに』暮らしてきたけど、実は『()()()()()()()()()()()()()()』ってことか!?」

「まあ、そうなるな………仮に今までのやつらがおまえを狙っていたならの話だが………」

「そんな…………」

 

推測とはいえ、狙われているのは自分という事実にショックを受ける千雨。すると、承太郎はこう切り出した。

 

「千雨が狙われているとはいえ、まだ奴らの『目的』はわからないままだ………千雨、お前が殺されるほど『ヤワな』やつじゃあないことは知っているが、今後は一人で行動するな。」

「………はい」

 

千雨は、彼女にしては珍しく、力なく答えた。

 

 

 

 

 

ランボ・ルギニー――再起可能

フェイトによると、管理局に協力することを条件に、罪は軽くなったらしい。

セッコ――再起不能(リタイア)

ブチャラティと茶々丸――エヴァンジェリンにより、勝負は次の満月までお預けにした。

フェイトとタカミチの車――ローンを残して再起不能。フェイトはこの後、友人のアリサ・バニングスに車を弁償することとなった。

 

 

 

 

 

←to be continued...

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「………マンマミーヤ(なんてこった)!おい『ズッケエロ』、俺は夢でもみてるのかッ!」

「いや、『サーレー』………俺にも見えてるぜ…………ブチャラティだ……………」

 

陰からことの一部始終を見ていた、髪を左右でカニの足のようにセットした男―――サーレーは、隣にいた相棒のズッケエロに訪ねる。

 

『サルシッチャ』たちを探すためにここ『麻帆良』に来たら、いきなり遠くの方で『巨大ロボット』が現れたのを偶然見かけたため、気になってそのあたりまで来てみたら、意外な人物―――ブチャラティが、()()()()()()()()()()ブローノ・ブチャラティが、地中に潜る男と戦っている所だった。

 

「ど、どうするよサーレー!?」

「…………ビデオは撮ってあるな?とにかく、ボスに報告するぞ!」

 

サーレーはズッケエロにそういうと、その場を静かに立ち去った。

 

 

 

 

 

誰が言ったのか、

スタンド使いとスタンド使いは、

まるで、小指が赤い糸で結ばれた恋人同士のように『引かれ合う』―――

 

 

 

 

 

←to be continued...




32話です。
・ブチャラティ、チンク、ネギ、そして仗助の連携はお気に入り。
スティンガーを直すシーンは、形兆兄貴戦で『バッド・カンパニー』のミサイルを直して形兆兄貴にブチ当てたシーンが由来です。

・セッコ再起不能。セッコはこれから、『麻帆良版アンジェロ』として、近隣のみなさまに愛されるでしょう(笑)

・今までの敵は、実は千雨が狙いであったという事実。今後は、千雨を狙う者も現れてくるでしょう。

・サーレーとズッケエロにより、ブチャラティのことがジョルノ達に知らされました。
ラストの通り、スタンド使い同士は引かれ合う運命にあるので、それがさらに複雑に絡み合った一つの運命となります………

では、次回をお楽しみに!

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