ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#31/アルティメット・クライシス ③

麻帆良学園 駐車場

 

 

「―――あれ?私の車が……!」

「僕のもないぞ……!盗まれたか…………!?」

 

話を終え、帰ろうと駐車場に来た一同は、フェイトとタカミチの車がないのに気づく。

 

「…………『学校の駐車場』から車を盗むたぁ、ずいぶん大胆な奴がいたもんだな。」

「私の車は借り物なのに………アリサに何て言えば………」

「僕らのを含めて『6台』も盗んだようだから、まだ遠くまでは―――」

 

タカミチが推測をたてるが、それは珍入者の介入により妨げられた。

 

「た……大変でさぁ!」

「ん?」

「カモ君?」

「お。君はネギ君の言っていた………」

「あ、兄貴たちがスタンド使い二人組にッ………」

「「「!!」」」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「おい、見ろよアレ!ロボットだぜ!カッキェーーー!!」

 

同じころ、木々の向こうに見える全長12mのロボットを見つけた2人組の男の内の1人が、ビデオカメラ片手に興奮して声を上げる。

 

「さすが日本はクールだぜぇー!けどこれ、ボスに見せても、信じてくれないだろーなー!」

「おい、確かにロボットも気になるが、本来の任務を忘れてないだろうな?」

 

もう1人の男は驚きながらも、相方に注意を促す。『妙な事』が起こっているのは確かであるが、だからと言って『任務』を疎かには出来ない。

 

「分かってるがよー、取り合えず、近くに行ってみよーぜー?」

「……ったく、ガキじゃあるめーし………」

 

男は呆れながらも、ロボットのいる方へ歩き始めた。

 

 

 

 

 

#31/アルティメット・クライシス ③

 

 

 

 

 

「くそっ!近づけねぇ!」

 

徐倫は、『アルティメット・クライシス』の頭部から放たれる機関銃の雨を避けながら、悪態をつく。千雨やスバルも何とか避けてはいるが、同じように近づけそうにない。

 

「ううっ………思ったように動けない……………」

[あれには50機分のガジェットが合体しています。その分、AMFの『濃度』も濃いようです。]

「つまり、魔法使うナカジマにはキツい状況って訳か…………用意周到な奴だなおい。」

 

そう分析する千雨。こういうスタンドは、『本体』をたたくのが一番いいのだが、本体であるランボは、アルティメット・クライシス内のコックピットだ。

その時、アルティメット・クライシスの拳が徐倫に向かい振り下ろされる!

 

「徐倫ッ!!」

「くっ!『ストーン・フリー』!!」

 

徐倫はストーン・フリーの糸を近くの『街灯』に結びつけると、そのまま自分を街灯まで引き寄せることで、拳から回避する!

 

「空条さんッ!」

「千雨!今だッ!」

 

徐倫が言う前に、千雨は動いていた。

 

翼刀(よくとう)剣舞―――」

 

両手とも逆手にして「翼」に見立てた構えを取り、アルティメット・クライシスの腕に向かい、振り下ろす!

 

深鷸(ふかしぎ)ッ!!」

ガキンッ

 

横一閃!

 

武竜(ぶりゅう)!!」

ガギギンッ

 

縦一閃!

 

大吸(おおずい)ッ!!」

ガキギィィインッ

 

回転連撃!

 

「ン……こいつ、これだけ斬ったのに………けっこう堅いやつだな………」

 

逆手小太刀二刀流で連続斬り技を放ったのに、アルティメット・クライシスのボディには少し傷が付いた程度で全然ダメージがなかった。だが、『ちょっと傷ついた程度』が、ランボの怒りを買うには十分だった!

 

「こんのガキィッ!よくも傷つけてくれやがったなッ!!」

 

怒れるランボは、巨大ロボットの左腕で千雨を捕まえようとする!

 

「おっと。」

ひょいっ

「ちっ、ちょこまかと……!」

 

だが、アルティメット・クライシスの腕が千雨に迫る前に、千雨は『アニバーサリー・オブ・エンゼル』で飛翔して回避する。ランボはなおも千雨を捕まえようとするが、千雨はひらり、ひらりと避ける。

それを茶々丸に連れられて遠くから見ていた明日菜は気づいた。

 

「あいつ、そんなに素早くないみたい……!」

「あの巨体です。素早い動きや精密な動作には向いていないと思われます。」

 

そう、全長約12mの巨大なスタンド『アルティメット・クライシス』は、その巨体ゆえにどうしても細かい作業は苦手なのだ。

そしてそれには、徐倫たちも気づいた。

 

「―――つーことは、機関銃やミサイルは、それをカバーするための装備ってことか。」

「あれで誘き出して、そこにデカいのをぶち込むってわけだね……」

「気づいたか……………だが、それが分かったからって、エラソーな面すんじゃねえ!」

 

言うと、ランボはアルティメット・クライシスの右腕を徐倫たちに向ける。そして、

 

ドウッ

 

「「『ロケットパンチ』!!?」」

 

右手を『発射する』!ご存知、ロケットパンチだ!

 

「あんなもんまであるの!?」

「あいつの『趣味』が、まんまスタンドに反映されているのかッ!?」

 

アルティメット・クライシスの多機能ぶりにつっこみつつ回避する二人。だが、それがランボの狙いだった!

 

キュィィィィ……

「「!!」」

 

ロケットパンチを回避した徐倫たちが見たのは、胸部が開き、そこから顔を出した『ビームキャノン』がエネルギーをチャージしているアルティメット・クライシスであった!

 

「喰らいやがれッ!『ブレイクバスターキャノン』ッ!!」

「「技名付き!?」」

 

アルティメット・クライシスの武装の多さに驚くが、今はそんな場合ではない!逃げようにも、ビームキャノンは発射寸前で、間に合わない!徐倫があきらめかけたその時―――

 

 

 

 

 

「……やれやれ、いつになく諦めがハエーじゃねえか、徐倫。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドウッ

 

 

 

ビームキャノンが発射された……!

 

「じょ、徐倫ッ!スバルッ!!」

「へっ!エラソーにしてた割には、大したことなかったなぁ、おい!」

 

ビームは辺りの地面をえぐり、徐倫たちは跡形もなく消えていた……

 

もう、彼女たちには会えないのか……

 

呆気ない……

 

あまりにも呆気ない……

 

 

明日菜が絶望に涙したその時―――

 

 

 

 

 

「おいッ!勝手に人の娘を殺してんじゃねえぞ。」

『!?』

 

『アルティメット・クライシス』の『背後』から、声がした。振り向くと―――

 

 

 

「やれやれだぜ……まさか、『こっち』に戻る前に『シグナム』や『シャッハ』にさんざん付き合わされた『模擬戦』が、こんな形で役立つとはな………久々に5秒も『止められた』ぞ………」

 

右肩にスバル、左脇に徐倫をかかえた承太郎がいた。

 

「承太郎さんッ!」

(時を止めたのか………だが、何で承太郎さんが?)

 

「大丈夫かい、アスナ君?」

「茶々丸!」

「た、高畑先生に……エヴァちゃん!?」

「マスター!何故ここに?」

 

承太郎がスバルたちを下していると、そこへ、タカミチとフェイト、エヴァンジェリンが、明日菜達に駆け寄ってくる。

 

「スバルッ!」

「いや〜〜、ギリギリでしたね!」

「フェイトさん!と……カ、カモ君!?」

「お前………見かけないと思ったら、おやじ達を……!」

「ええ、でも………」

 

降りてきたフェイトの肩に乗るカモは、アルティメット・クライシスを見上げる。ただでさえデカいそれは、カモから見たら、さらに大きく見える。

 

「これは予想外ッスよ………」

「だろうな………」

「何だこのオモシロロボットは………?」

「ええいッ!エラソーに援軍かよ!『アルティメット・クライシス』ッ!!」

 

ランボはイライラした様子で叫ぶと、飛んで行ったロケットパンチが承太郎に落ちてくる!

 

「あぶなァーーーい!上から襲って来るッ!」

「スタープラチナッ!」

 

承太郎はスタープラチナを呼び出し、ロケットパンチへ向かわせる!

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」

ズガガガッ

「!堅いな………」

 

だが、スタープラチナのパワーでもロケットパンチは破壊出来ず、少しヘコんだ程度のダメージしか与えられない。それでも、ロケットパンチの軌道を変えるには十分だったが。

 

「隙アリ!『スパイラルフィスト』ォオッ!」

 

だが、ロケットパンチを攻撃して隙ができた承太郎に、腕のない右腕からドリルを出したアルティメット・クライシスが襲いかかる!

 

「ああ、確かに隙だらけだ……承太郎さんはな!」

「!」

 

だが、ドリルが承太郎に届く前に、千雨が前にでる!

 

「弧牙車ッ!」

ズガガガッ

「うわっ」「危なッ!?」

 

ドリルに攻撃し、軌道を変える千雨!その軌道上にいたスバルたちは、あわててよける。

 

「……ずいぶんガンジョーな『スタンド』だな………前に会った『シアーハートアタック』に匹敵する堅さだぞ………」

「おやじのスタープラチナでもダメだなんて…………」

「つーか、もう別の世界の存在だろ………もうお前スパ○ボシリーズに出ろ。そしてそのまま帰ってくるな!」

 

ロケットパンチを戻したアルティメット・クライシスに、悪態をつく千雨。

 

(…………!そうだ、『アレ』なら!)

 

そんな時、スバルにある『考え』が浮かんだ。それは―――

 

「おいッナカジマッ!!」

「隙だらけだぜガキィイイイッ!!」

 

だが、スバルが考えている間にも、アルティメット・クライシスのパンチが迫る!

 

だが、スバルは避けようとしない。それどころか、構えをとり、拳に向けてパンチを放とうとしている!

 

「はっ!パンチの『力比べ』か!エラソーに!!」

「スバルッ!!」

 

アルティメット・クライシスはパンチをやめようとせず、逆にさらに力を込める!そして、スバルもパンチを打つ!そして、それが交わった瞬間―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バグオォォォンッ

「「「「!?」」」」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()、『破壊』された!

 

「な…………てめぇ、何しやがったッ!!」

「あれは………」

「スバル……?」

 

その時、徐倫は気づいた。スバルの目の色が―――比喩ではなく、本当に―――『緑』から『金』に『変わっている』!

 

「IS、『振動破砕』………振動波を与え、破壊した!」

「『機人モード』…………確かにあれなら!」

 

スバルは、アルティメット・クライシスに向けて、ラッシュを放つ!

 

「ウリィィィィィィヤアァァァァァッ!!」

ズドドドドドド

「う………うおあああああっ」

 

攻撃を喰らった脚が、肩が、頭が、みるみるうちに破壊され、ランボは悲鳴を上げる。

そして、胸にまで破壊しつくされると、破壊による衝撃で爆発が起こり、ランボは放り出されてしまった!

 

ズシャア

「う………ッ…ぐぅう………はっ」

「ご対面!」

「ヒイッ」

 

投げ出されたランボは痛みに呻くが、徐倫とスバルの接近に気づいた。

 

「(さっきのが、スバルの『戦闘機人』としての力か………)さて、こっちは殺されかけたんだ。覚悟はいいか?」

「う……うわあああああ」

 

徐倫は『ストーン・フリー』でランボの襟を掴んでグイィッ、と立ち上がらせると、

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」

「ドベェーーーッ」

 

仮に漫画にしたとしたら1ページ半にも及ぶオラオラを、ランボに叩きつけた!

 

 

 

 

 

「倒したか………」

「………あれ?」

 

吹っ飛んで行ったランボを見届けてふう、と息を吐く承太郎。スタンドが解除されて、周囲に飛び散っていたロボットの破片がガジェットや車の成れの果てへと変わっていくと、フェイトとタカミチが声を上げた。

 

「わ、私の車………!?」

「ボクのも………まだ、ローンが………」

「え?」

「あ………どっかで見た車だと思ったら、高畑先生の………!?」

「………やれやれだぜ………」

 

愕然とする2人をしり目に、ランボに『窃盗』が加わるだろうと、承太郎は呆れるのであった………

 

 

 

 

 

←to be continued…




31話です。
・ロケットパンチにビームキャノン、そしてドリル!すみません、私の趣味全開です(笑)

・今回の千雨の技は、ヨクト(10の-24乗)、無料対数、不可思議から。

・スバルが『振動破砕』を使わなかったのは、ヴェルファイヤーのインパクトが強かったからです。冷静になったら、気づきました。

・オチは、車壊されて呆然とする2人。知らなかったとは言え、スバルも破損の罪があるわけなんですが、どうなんでしょうね、この場合(汗)

では、次回をお楽しみに!

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