ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#30/アルティメット・クライシス ②

麻帆良学園 学園長室

 

 

「『密入国者』?」

「ああ、『オエコモバ』について調べたら、彼を麻帆良(こちら)へ手引きした者がいるようでね。」

 

新たに入った情報を、承太郎とフェイトに渡すタカミチとあやか。タカミチが得た魔法使いサイドからと、あやかが得たSPW財団サイドからの情報を照らし会わせた結果、その人物がオエコモバをスタンド使いにした可能性が高いらしい。

 

「それで、管理局の『密入国者リスト』を洗った結果、こやつが麻帆良にいる事がわかったのじゃ。」

 

学園長は言うと、モニターを呼び出す。承太郎はもはや見慣れた光景のため、いや、そうでなくても彼の場合はあまり驚かないが。

モニターには、色黒で紫のドレッドヘアの男が映っていた。男を見た途端、承太郎は目頭を押さえた。

 

「どうかしましたか承太郎さん?」

「…………いや、最近奇抜すぎる髪の色の奴を見すぎているせいか、目がチカチカしてな………………」

 

承太郎の一言に、四人は苦笑するしかなかった。タカミチは、説明を始めた。

 

「………彼は『ランボ・ルギニー』。職業は車の整備士だが、質量兵器―――ああ、この世界で言う拳銃とかのことだよ。そいつの大量所持や開発の罪がかけられている。」

「要するに、『大袈裟な銃刀法違反者』と解釈しても?」

「はい、構いません。」

「なるほど………で、『開発』ってのは?」

「それが―――」

 

「………………」

 

彼が開発しようとしたものを聞いて、承太郎はあきれるしかなかった。

 

 

 

「やれやれだぜ……………」

 

 

 

 

 

#30/アルティメット・クライシス ②

 

 

 

 

 

一方その頃、ネギたちは………

 

「………あの時、自分の能力を自分のノドに喰らって死んだもんだと思ったが………………」

「ああ!お………オレも死んだかと思ったがよぉぉぉ……………あ、ああ………『アイツ』が助けてくれてよぉぉぉ、んで、オメェーが生きてる事教えてくれてなァァァァーーー!」

 

出現したセッコと十分に距離を取ったブチャラティに向かい、独特の口調ではなすセッコ。これは戦っている場合ではなくなったと判断して、茶々丸はブチャラティに聞いた。

 

「ブチャラティ、知り合いですか?」

「……………昔戦った相手だ。コロッセオで倒したと思ったが、見ての通りピンピンしてやがる………」

「『アイツ』ってやつに助けられたらしいな。誰だそれは?」

 

徐倫がセッコに問う。セッコはそちらを向き話しだす。

 

「ん〜〜〜〜〜、アイツか?アイツはよぉぉぉ~~~~~」

「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイセッコさんよぉーーーーー」

 

セッコが言う前に、建物の影から男が出てきた。

 

身長は180cm半ばで、紫の髪のドレッドヘアをオールバックにして、後ろでチョンマゲのようにして止めている、色黒の男だ。薄茶色のツナギを着てその下は黒のタンクトップ、手には軍手をしていた。

 

「エラソーに先陣切った割に、その『ザマ』かよ。かかかッ!」

「んだとォォォォ『ランボ』!!オメェーの能力じゃあ、アイツらに、ダ、ダメージ与えられねぇから、オレが行ったんだろうがァァァァ!!」

 

『ランボ』というらしい男に向かって怒鳴るセッコ。どうやら、彼の仲間らしいが………

 

「あんた、何者だ………?」

「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ、ガキがおれ様に向かってエラソーに聞いてんじゃねぇーーーz「ああ、コイツは『ランボ・ルギニー』ってんだ。」ってセッコ!!何でオメェーがエラソーに答えてんだよッ!?」

(上手く噛み合ってないな。組んで間もないコンビか……………)

 

二人のやりとりを見て、二人のコンビ歴の浅さを感じ取るチンク。

 

「……………まあいい。おれ様はエラソーな管理局の奴をやる!おれ様の邪魔をした『報い』を、受けてもらわにゃぁなぁあああああああ!」

「お、おおおおお………おう!オレはブチャラティだ!あ、アイツにぃ………利便性………じゃなくて………リベット、は違う………」

 

セッコは何か言おうとするが、ど忘れなのか、言うことができない。ネギたちは、その様子をじっと見ていた。

 

「うぐぐ……………リビングデッドでもなくて………リバイバル………」

「あの、ひょっとして、リベンジですか?」

 

ネギが恐る恐る聞くと、セッコは信じられないという顔をした。

 

「知ってんだよオオォォッ!!国語の教師か、うう…うう…うおおおっおっオメーはよオオオオ」

「いえ、『英語』の教師です…」

「オレ『数学』ね。」

「仗助さん、今それはいいので…………」

 

二人に近づきつつ、どうでもいい事を答える仗助に、やんわりとつっこみをする千雨。すでにこちらも戦闘態勢だ。

 

「…………っと、思い出した………!!ブチャラティ以外に…………『殺る』やつがいたんだ………誰だったけな…………えーと……………」

 

セッコはポケットを探すが、仗助はそんなのを待つほどお人好しではない!クレイジー・ダイヤモンドの拳を叩き込む!

 

「『クレイジー・ダイヤモ…………』」

ボギャァアーーッ

「「「「「「「!!?」」」」」」」

「ぐっうおあっ」

 

だが、クレイジー・ダイヤモンドの拳がセッコに命中する前に、セッコの蹴りが仗助を襲う!

 

「仗助さんッ!」

「東方!」

「い………今のは!!このパワーとスピードは…………!」

「メンドクセーなァァァァ………仕方ねえ………全員殺せば同じだ……!」

 

言うと、セッコは再び仗助に殴りかかる!

そのとき、仗助は気づいた。セッコが『地面に肘を撃ちつけている』のを!

 

(こ……………こいつ!地面を『弾力のあるもの』に変えて…………それの反動でスピードとパワーをあげているのか!)

「『オォォォオオオオアシィィィイイイス』ッ!!!」

ズババババババ

 

セッコのラッシュをクレイジー・(ダイヤモンド)で何とか防ぐも、何発か喰らってしまう仗助!

 

「東方殿ッ!」

「仗助さんッ!!」

 

チンクは懐からナイフ―――『スティンガー』を取り出し、セッコに向けて投げつけ、ネギも『牙』の爪弾を放つ!

 

「!………ふんっ」

 

だが、セッコは余裕な様子で右腕を振るい、はじき返そうとする。チンクが、()()()()()()()()()()()()()()()()………

 

セッコの右腕がスティンガーに触れる瞬間、

 

パチィン!

 

チンクが指を弾く。その瞬間!

 

 

 

 

 

バッグオオオォォォン

「なっ!!?ぐアアッ」

 

スティンガーが『爆発した』!

爆発をモロに受けたセッコは、右腕を負傷し、さらに爪弾も何発か喰らう!

 

「私のインヒューレントスキル名は『ランブルデトネイター』………金属を『爆発』させる能力!石畳は溶かせても、『爆発』は()()()()()!!」

「な……なるほど……………」

「た、助かったぜ、チンク…………爆発で助かったってのが、個人的に複雑ではあるんだが………」

 

チンクの説明にネギは納得し、仗助は『ランブルデトネイター』を『金属に限定されたキラークイーン』と解釈した。

 

「うおおおあおああああ……………」

「今だッ『スティッキィ・フィンガーズ』!」

「ドラララァッ!!」

 

腕のダメージに苦しむセッコに、スティッキィ・フィンガーズとクレイジー・Dのラッシュが迫る!

 

 

 

ガキィンッ

「「!?」」

 

だが、二人の拳は、突如表れたガジェットⅠ型に阻まれてしまう!

 

「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ!コイツらツエーぜぇー、面倒くせぇが、加勢してやるぜッ!!」

 

ランボが言うと、そこら中からガジェットが表れた。その数、ざっと見ただけで50機!

中には機関銃やミサイルランチャー、ドリルを装備したものが数体いた。さらに、何故か『車』を抱えたⅢ型がいた。車の数は6台だ。

 

「が、ガジェットと………車?」

(あれ?あの車って………?)

「何をする気だッ!?」

 

スバルたちは、突然表れたガジェットに慌てた。明日菜は、ある車に目がいったが。

 

「こうするのさッ!」

 

言うや否や、ランボが一台のオープンカーに乗り込む

 

「『アルティメット・クライシス』ッ!!」

 

それを合図に、ガジェットたちが車に『集結』した。するとガジェットは、まるで『粘土に別の粘土をくっつけて、それを指でならす』ように、一つの固まりになっていく!

 

「ううっ………!?」

「こ、これは………!?」

 

それはある『形』になっていき、他の『部品』と合体する!最後にⅡ型が三機、中央の部品の上に合体すると、それは動き出した!

そう、これは―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()ーーーーーーーッ!!?』

 

そう!『男の浪漫』の結晶!!『巨大ロボット』だ!!

 

全長約12mの青いボディ、両肩は丸く、腕は二の腕よりも太くたくましい。背中にはブースターが付き、小さいながら翼まである。頭部は円柱型の兜をモチーフとしており、両側の頬にはヒゲや角を思わせる大きなアンテナがついていた。

 

「くくくッ………これぞおれ様のスタンド……………名付けて!『アルティメット・クライシス』だぜ!!」

 

ロボット―――『アルティメット・クライシス』の中で、ランボは高らかに叫んだ。

 

「………ってありなの!?こんなのまでありなの、スタンドって!?」

「まき絵のG・キッドと同じ実体化したスタンドだなぁ。スケールは全然違うけど…………」

「車は多分『動力源』だな…………ガジェットだけじゃあ、あの巨体は動かせないんだろうよ。」

 

そびえ立つ巨大ロボットを指さして叫ぶ明日菜に対して、冷静に分析する徐倫と千雨。以前、承太郎から『貨物船』のスタンド『(ストレングス)』を操るオランウータンの話を聞いた事があったが、おそらくは同じほどのスケールだ。

 

「ふんっ!エラソーにおれ様の『アルティメット・クライシス』を語るな!おれ様は、昔からこういうロボットに乗りたかったんだ!記念すべき最初の獲物はてめーらだぜ!!」

 

言うと、『アルティメット・クライシス』の肩がバクンッと開き、ミサイルランチャーが顔を出す。スバルは慌てて広域型のシールドを展開するが……

 

シュウン

「え!?」

 

シールドは霧散してしまう!そして気づく。あのロボットは『何でできているか』に!

 

「!!そうかっガジェットを取り込んで合体してるから………」

「AMFも健在ってことかッ!!」

「気づいたか!だがオセエぜ!『アルティメット・クライシス』!!」

 

『アルティメット・クライシス』の肩から、ミサイルが火を吹いた!

 

「くっ!『アニバーサリー・オブ・エンゼル』ッ!!」

ビュオオッ

 

だが、間一髪でスバルたちを掴み、『アニバーサリー・オブ・エンゼル』で飛び去ることで回避する千雨。徐倫も茶々丸に掴まり、彼女のブースターで離脱した。

 

「は………長谷川さん!」

「それが千雨ちゃんのスタンド………!」

「ちっ………できればまだ見せたくなかったが………」

 

『アルティメット・クライシス』から離れた場所に着地した千雨は、アルティメット・クライシスを睨みながら舌打ちする。

 

「徐倫!」

 

アルティメット・クライシスを挟んで分断された徐倫に、仗助が叫ぶ。ブチャラティは、爆発のダメージから回復しつつあるセッコを見下ろして、ネギに聞いた。

 

「………なあ、今いる中に、さっきみたいな爆発なんかを使えるやつはいるか?」

「い、いえ………後は僕が『光』や『雷』の魔法が使える程度ですが………」

 

ネギが少し困惑しながら答えると、ブチャラティは周りにいる仗助とチンクを見て、巨大ロボの向こうにいる徐倫や茶々丸に大声で話しかけた。

 

「よく聞け!オレ達はこのまま、この泥化の男を相手にする!悪いが茶々丸!そのロボットは任せる!」

「ブチャラティ?」

「お前たちのスタンドは『接近戦向き』だ!こいつの「オアシス」には接近戦はやや不利だ………だが、さっきの『爆発』などは有効となる!」

 

ブチャラティはローマでセッコと戦った際に、車のタイヤのパンク音でセッコの聴覚を破壊している。セッコの格闘技術はかなり驚異的であるが、先ほどのチンクの『ランブルデトネイター』のような「エネルギー系」の攻撃であれば、確実にダメージを与えられる!

 

「ってちょっと待って!?確かにそうだけど………じゃあこのロボットは………」

「よ、よくもやったなぁあああ………チ、チビ、どもがぁああああああああああ!!」

 

明日菜が叫ぶよりも早く、セッコは泥化させた石畳を口に含み、

 

パパウ パウパウ

「何!?」

フヒィーーーン

 

歯と歯の間から高速射出すると、それは薄い円盤状の『カッター』となってチンクに襲いかかる!

 

「クレイジー・ダイヤモンドッ!」

「スティッキィ・フィンガーズ!!」

 

だが、『泥のカッター』はチンクに当たるより前に、仗助とブチャラティによってはじき返されて地面に落ちた。

 

「今の『カッター』の感触!ヤツに振れたら『泥化』するけれど、離れたら再び固くなるという事か!」

「ローマでオレに放った『石の槍』も、ああやっていたのか!」

 

仗助とブチャラティが驚くのもつかの間、セッコは一気に距離を詰めて接近戦を挑んできた!

 

「ネギ!」

「よそ見とはヨユーだな!エラソーに!!」

 

ネギに迫るセッコに明日菜が叫ぶが、ランボが再度『アルティメット・クライシス』のミサイルを放ってきたために近づくこともままならない。

 

「くっ………!」

ズドドドドドドォオッ

「きゃーーーー!?」

 

ミサイルから逃げ惑っている間に、ネギたちとの距離が更に開いてしまう。すでにミサイルは出し尽くしてしまったのか、『アルティメット・クライシス』の肩のカバーが閉じた。

 

「やれやれだわ………今までで一番の『大物』と戦わないといけないなんてね………」

 

ミサイルを回避した徐倫は、『アルティメット・クライシス』の青く光る巨大なボディを見上げてそう呟いた

 

 

 

 

 

←to be continued…




30話です。
・承太郎の目がチカチカするのは、仕方ないと思います(笑)奇抜すぎるもん、ミッドの方々(笑)

・ランボ登場。名前は自動車メーカーのランボルギーニのもじり。ミッド出身+某マフィアマンガで同名のキャラ繋がりって事で(笑)シャマルって最初聞いたとき、真っ先にこっち思い浮かべました(笑)

・巨大ロボットのスタンドは、一度やりたかったネタ。実体化したスタンドの中では、『力』に次いだスケールです。なお、以前とはスタンド名を変えています。

・波紋カッターならぬ泥のカッターを吐き出すセッコ。似たようなこと原作でもやっていたので、出来るだろうな、と思いまして。セッコって歯並び悪い気がしたけど、気にしない気にしない(汗)

では、次回をお楽しみに!

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