ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】   作:オレの「自動追尾弾」

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#02/教師スプリングフィールドの秘密

女子寮 徐倫と千雨の部屋

 

 

「はぁ!?あの子供先生が!?」

「ああ、『ウェザーとアナスイ』が、能力らしきものを使った所を見たらしい。見ただけだと、『風を操る』能力らしい。」

 

歓迎会もお開きになり、帰宅した二人は、ウェザーたちが見たネギの「能力」について話していた。

 

「……つまり、しばらくは先生に『警戒』しろってことか?」

「そうだ。どっちにしろ、ネギが『矢』に関係している可能性がないとは言い切れないからな。『みんな』にも、連絡は入れえてある。まあ、危険な能力じゃなけりゃいいが…」

 

そう言う徐倫。だが、彼女らは知らない。

 

ネギが、自分たちの『想像』を超越した力をもつことに………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

翌日 成田空港

 

 

観光客やビジネスマンで賑わうここに、ある男が降り立った。

 

「…やれやれ、久しぶりの日本だな。」

 

 

 

 

 

#02/教師スプリングフィールドの秘密

 

 

 

 

 

 

同日 2年A組

 

 

「き、起立ー、きおつけー、礼ー」

「「「「「「「おはよーございまーーーす!!」」」」」」」

 

「えー、では1時間目を始めます。教科書の27ページを開いてください。

“Two men look out through the same bars: One sees the mud, and one the stars.”……」

 

(お、今日は頑張ってるね~~。)ヒソヒソ

(昨日失敗続きだったからな。)ヒソヒソ

 

昨日の失敗を挽回すべく、頑張っているネギを見て、小声で話す徐倫とスバル。

 

「―――じゃあ、今のところ、誰かに訳してもらおうかなーー?」

 

そう言うと、クラス中を見渡すネギ。だが、誰一人目を合わせようとしない。

すると―――

 

「じゃあ、アスナさん。」

ズルッ

「な、なんで私なのよ!?」

「え?だってアスナさん『ア行』だし…」

「私は『カ行』よ!」

「それに、感謝の意味とかも兼ねて…」

「どんな感謝よ!?」

 

文句を言う明日菜だが、はたから見たら漫才をしているようだ。周りからくすくす、と笑い声が聞こえる。

 

「―――もうっ!分かったわよ!やるわよ!やればいいんでしょ!?」

 

そう言って、席を立った明日菜は、英文を訳し始めた。

 

「えーっと…『2の男たちが』……『見る』?『外の棒たちを』………?えーーっと?」

「―――アスナさん、英語ダメなんですね。」

 

ネギが言った瞬間、クラス中が爆笑した。

 

「………やれやれだわ。ネギ、そういうのははっきり言わないほうが良いわよ……」

「え?あ、す、すいません…」

 

謝るネギだが、明日菜は震えている。

 

ガシィイ

「ひっ!?」

「こ、こんのガキイィイ!!」

「な!ちょっと明日菜さん!」

 

ネギに掴みかかる明日菜と、止めようとするあやか。

 

だが、

 

「ふ、ふぁ…」

「げ……」

 

掴みかかった事で明日菜の髪がネギの鼻をくすぐり、そして――――――

 

「はっくしょん!!」

ブワアァァァ

「き、きゃぁあああ!」

 

ネギは『くしゃみ』をしてしまう。そして、『くしゃみが』原因で「風の魔法」が暴発してしまい、明日菜は下着姿になっしまう。

 

(((((!!?)))))

「きゃーー!」

「ちょっと、何やってんのアスナ!!?」

 

騒ぐ生徒たちだが、誰も、スバルすらも気付かない。

 

この現象に異変を感じたものが『5人』いたことに………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

商店街 スーパー前

 

 

「えーっと、後買う物はありませんね。」

「うん、じゃあ、帰ろっか。」

 

買出しに出たなのはとティアナは、両手に買った食材や日用品の入った袋を下げ、拠点であるマンションへと向かっていた。

 

「いやー、安く買えてよかったねー。」

「はい……」

「……やっぱり心配?スバルが」

「……ええ。まあ、たった『2日』でバレるなんてドジやらかすとは思えませんが。」

 

そんな風に話していたため、自分の前に『地図を見ながら歩く男』がいるのに、なのはは気づかなかった。

 

「!!なのはさん!前!」

「え?」

ドシィン

「きゃっ」

 

ティアナが注意するも間に合わず、なのはは男と衝突してしまい、買い物袋の中身をぶちまけながら転んでしまう。

 

 

 

 

 

だが!

 

 

 

 

 

ドキュ!ドキュ!

「え!?」

「あ! !?あれぇ~……?」

 

なんとなのはは『立っていた』!袋の中身も『無事』だ!

 

「お、おかしいな…今ぶつかって『転んだ』と思っていたのに…?」

「い…今のは…?」

 

「余所見しててすまなかったな……この町の地図を見ていたんでな。」

 

男に謝られて、2人は男の方を見る。

 

見たところ、30代後半くらいだろうか。190cm以上はある身長にガッシリとした体系ながら、その顔立ちは整っている。

服装は、襟に鎖のようなもののついた黒いコートに、星のマークの入ったシャツ、ズボンは蛇のウロコのような柄だ。そして、もっとも目を引くのが、男のかぶった帽子だ。これにも星のマークが入っており、『左手形』のアクセサリーがついている。それはいい。だが、よく見ると、後ろのほうが、髪と『一体化』しているように見える。どういう原理なのだろう?

以上のように、風貌はワイルドだが、知性と、物静かな態度がある男だった。

 

「い、いえ。こちらこそ、余所見をしてすいませんでした…。」

 

なのはは、男の射抜くような眼差しに一瞬ビクついたが、何とか平常を保ち、男に謝った。

 

「…ま、お互い不注意だったってトコか。ところで、ひとつ尋ねたいんだが…『麻帆良学園』はこの先でいいのか?」

「え?…ええ、そうですが……?」

「…そうか、すまないな。」

 

ティアナに道を教えられた男は、指された方向に歩いていった。

 

「……なんだったんだろう?今の人…」

「………ティアナ、とりあえず帰ろう?ね?」

 

疑問に思うティアナとなのはだが、とりあえず、買ったものをマンションに持って帰ることにした。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

その日の放課後、麻帆良学園都市のある建物の屋上で、双眼鏡を手にした男が学校から出てくる女子中学生を見ていた。

その中で、目的のグループを発見した男は、携帯電話を開いて電話を掛けた。

 

「―――私です。お嬢様、空条 徐倫と長谷川 千雨、それと他2名を確認しました。」

[わかったわ。予定通り、『初音』にあの公園まで誘導させるわ。後はアナタの出番よ、『サルシッチャ』。]

「了解しました。」

 

男、サルシッチャ・アーリオは電話を切ると、この辺の周囲の地図を取り出した。

数拍置いて、サルシッチャの姿は屋上から消えていた………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

校庭 『慈愛の女神像』の前

 

「はあー、またアスナさんにひどいことしちゃった…」

「うーん、こっちの魔法は誰でも使える分、制御が難しいって聞いてたけど…」

[まさかここまでとは思いませんでしたね。]

 

落ち込むネギと、何て言っていいか分からないスバル、そして呆れる彼女の相棒――『マッハキャリバー』。

あの授業中、昨日のように授業が中断するようなことはなかったものの、明日菜が睨み付けてくるため、彼女の視線が痛かったネギ。今は、明日菜以外でネギの事情を知るスバルが、何とか慰めようとしているところであった。

 

[まあ、『我々の魔法』は、プログラムを元に作られた術式を発動しますからね。例えるなら、自動車と自転車くらいの差はあると言えます。]

「……自分の性能の良さ自慢してない?」

[いえ、そんなことは。それより相棒《バディ》。]

「ん?何?」

 

マッハキャリバーの自慢にツッコミを入れるスバルだが、マッハキャリバーが何かに気づいたらしい。

 

[先ほどから誰かが我々のやり取りを聞いておりますが…]

「「え?」」

 

 

「……2人で何話してるのかなぁ〜って思ったら…『そういうこと』だったのね〜」

 

『慈愛の女神像』の陰から、明日菜が出てきた……

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

数十分後、グリーンドルフィンストリート麻帆良

 

この部屋には今、フェイトとスターズ分隊副隊長――赤い三つ編みおさげの少女ヴィータと、リインフォースⅡにシャリオ・フィニーノに加え、ネギと明日菜がいた。

 

今、リビングではスバルとネギは正座をさせられ、2人の前ではヴィータが仁王立ちしている。

 

「まったく!何やってんだお前等は!!」

「「すみません……」」

 

ヴィータに怒鳴られ、縮こまる2人。

 

「…ねえ、あのちっちゃい子の方が偉いの?」

「うん、スバルたちよりは…」

 

明日菜の質問に、苦笑しつつ答えるフェイト。

そこに、リビングのドアが開かれる。

 

「ただいま帰りました。」

「どうかしたのヴィータちゃん?大声何か出して。」

 

入って来たのは、買い出しから戻ってきたなのはとティアナだった。

 

「おう、なのは!このバカ、やらかしたんだよ!」

「…や、やらかしたって、何を…?」

「じ、実は………」

 

スバルは、事の経緯を2人に話した。

 

「……つまりこういうこと?『潜入2日目でいきなり魔法がバレた』?」

「Exactly(そのとおりでございます)……」

 

目の前でネギと共に正座をするスバルに、顔を引きつらせながら聞くティアナ。汗をだらだら垂らしながらスバルが答えると、

 

ドグシャア

「ぎゃあアアァ!」

 

ティアナの跳び蹴りが飛んできた。すぐさま、ティアナは『海老固め』をかける。

 

「この馬鹿!私をナメてんのッ!何たった2日で!バレるようなことしてんのよ!この!ド低脳がァーッ!」

「痛たたた!ギブギブギブゥ〜〜!!」

 

『!』ごとに『海老固め』を強めるティアナと、痛がるスバル。先ほど自分が「やらないだろう」と信じたことを、あっさりと裏切ったのだ。怒るのも無理はない。明日菜やネギは、ただ呆然と2人のコントのようなやり取りを見ていた………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「―――ねえ千雨?私たちさぁー、確か「女子寮」に帰るために、「駅」に向っていたはずよねぇー?」

「………ああ、そうだな………」

「それが、なーんでまた、()()()()()()()()()()()()に来ちゃってるワケぇ~?マジわかんないわぁ~………」

 

一方、徐倫達4人は、いつの間にか麻帆良公園の中央広場にまで来ていた。無意識のうちにここまで誘導されたようであった。すると、徐倫の後ろにいた2人が、口を開いた。

 

「何らかの「攻撃」を受けたって事?」

「無意識の内にこちらを誘導してくるなんて、それ以外考えられないけれど………」

「だとしたら、なにが目的だ?………まあ、心当たりは、指五本で数えられるくらいはあるけど………」

 

4人は話しながら、周囲を警戒する。広場に人影はなく、普段の騒がしさとは裏腹に、不気味なほど静かであった。

背中合わせで固まっていると、次の瞬間、頭上に青いカプセル型のマシンが出現し、4人に迫った!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズパッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[――――――――――!?]

 

瞬間、マシンは左右に斬り裂かれた!別れた半身は徐倫達に落下し迫ってくるが、

 

ドグシャァッ

 

強い力で殴られたのか、装甲に『拳の形をしたヘコミ』を作り、吹っ飛んで行った!哀れ謎の機械は、何が起きたのか理解する間もなく破壊されてしまったのだ。

 

「……やれやれだわ。今の感触、ホンモノの機械のようね………」

「けれど、高いところから落ちてきたって感じじゃねぇーなぁー………まるで瞬間移動のように突然現れたようだ………」

 

背中から『一対の腕』を出した徐倫と千雨が、破壊されて、火花を散らしながら転がる青い機械を見ながら言う。

 

「あ、ありがとう徐倫に千雨ちゃん………私の『グロウン・キッド』じゃあ、今のに反応できなかったよ~……」

「まあ、急に現れたし、それに、グロウン・キッドの性質上、仕方がないよ………」

 

それより、と一点を見る少女。すると、先ほどと同型の機械や、大型の球体型の機械が合わせて20機近く、何の前触れもなく出現した!

 

「さっきのは小手調べってトコみたいだなぁあーーー!」

 

機械は中央のランプを光らせると、そこから光線を発射させた!4人は散開して回避をすると、徐倫と千雨は一気に距離を詰めた!

 

「オラオラオラオラオラオラァアーーーッ!!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「…つまり、その『矢』を探すために『麻帆良(ここ)』に来たってこと?」

「うん、何人か犠牲者も出ているみたいで…」

 

ティアナがようやく海老固めからスバルを解放し、明日菜はスバルたちが麻帆良に来た理由を聞き出していた。『六課』にも、犠牲者が出ているという情報は入っているようだ。

 

「まあ、こんな派手なカッコしたやつなら、すぐ見つかりそうね!」

 

手元に差し出された『オエコモバ』の写真を見てそういう明日菜。だが、

 

「いや、普段からこんな格好な訳ないでしょ…」

「え?」

 

呆れるティアナと頷くスバルたちに、明日菜は不思議そうな顔をする。なのはたちは苦笑いだ。

 

 

 

そんな時だった。急に、部屋のすみに設置されたアラートが鳴り響いたのは………

 

 

 

 

←to be continued...

 




2話です。
・サブタイトルは『看守ウエストウッドの秘密』から。

・今回ネギが明日菜に訳させた英文は、ジョジョ一巻に書かれていた、フレデリック・ラングブリッジの「不滅の詩」の原文です。中学生には難しかったかな?

・リブートに伴い、暗躍するサルシッチャとスタンド使いVSガジェットの戦闘シーンを追加。サルシッチャはイタリア語でソーセージ、アーリオはニンニクから。苗字は今回が初登場です。

・次回は、魔法使いVSスタンド使い戦になります。

では、また次回!

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