ストライカーズ・オーシャン【ジョジョの奇妙な冒険 Part6異聞】 作:オレの「自動追尾弾」
翌日
〈期末試験当日〉
試験開始まで後5分
「「「「遅刻!遅刻ゥ!」」」」
明日菜たちバカレンジャーと図書館探検部四人に、徐倫と千雨、ネギ、そしてスバルは走っていた。
「あ〜ん!一時間で起こしてって言ったのに〜ッ!」
「思いっきり爆睡しちゃったアル〜ッ!」
「ごめーん!私も寝ちゃったぁーーーッ!!」
最後の足掻きにギリギリまで徹夜で勉強していた一同。一時間ほど仮眠するつもりが全員爆睡してしまったため、思いっきり遅刻していた………
「お…遅れてスミマセン………」
「ああ、君たちか。遅刻組は別教室の方で受けなさい。」
「は…はい、スミマセン…」
ちょうど通りかかった、眼鏡をかけた年配の先生――新田先生に連れられ、一同は別教室へ向かう。
寝不足と、昨日までの疲れでフラフラとした足取りの彼女たちを、ネギは後ろから心配そうに見ていた………
#15/チートコードなし!期末試験に挑め
[―――では始め。試験時間は50分です。]
試験が始まり、教室にはカリカリという書く音以外は聞こえなくなる…
普段から真面目に勉強をしているあやかや超などの面々も、今回はかなり真剣な面持ちで試験に挑む。そして、遅刻した明日菜たちは―――
☆★☆★☆★
別教室で試験を受ける明日菜たちの様子をこっそり見るネギ。
「……うう、やっぱ難しい…」
「それに……眠いアル…」
「やっぱり徹夜は失敗だったかなぁ………」
「コラ、私語をしない!」
明日菜たちは、三日間の探検と勉強による疲労で、とても集中できていない様子であった。
(………よし、ようやく魔法の『封印』も解けたんだし!)
そう思うと、ネギは花を取り出し、それを『触媒』に呪文を唱える。
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル
ふぁあっ………
ネギが『詠唱』をし終えると、花の香りが教室中に漂った……
(………ん?)
(あれ……)
(…何か、頭すっきりしてきた♪)
(やる気出てきたアルよ~)
呪文の効果で明日菜たちの眠気と疲れが回復し、試験に集中できるようになった。
(僕にできるのは『
全員の集中が戻ったのを見ると、ネギは教室から離れた。
(………やれやれだわ。ま、今回は目をつむってあげるわ。ありがとね。)
唯一気づいていた徐倫は、心でネギにそっと感謝した。
☆★☆★☆★
数日後
六課のマンション
「―――では、『ラング・ラングラー』は、依頼者について何も知らなかったのですね?」
[ああ。分かったのは、奴に依頼をしたのが「女」ということだけで、後は何も…」
悲痛な表情で、ウェザーと電話をするティアナ。
[分かった。手間をかけさせてすまなかったな。後は『
「はい…では。」
ウェザーがそうしめて、電話を切る。
リビングに戻ると、ヴィータとリィン――シャーリーは、フェイトについていったためいない。――が、モニター前に集まっていた。
「って副隊長たち、何見ているんです?」
「あ、ティアさん。ほら、クラス成績の『順位』が、もうすぐ発表なんですよ!」
「……あ。そういえば、そんなこと言っていたわね……『ラングラー』にかまってたせいで、忘れていたわ…」
そう、今日は『クラス成績発表日』、つまり、ネギの『最終課題の結果発表の日』でもあるのだ。
しばらくすると、発表が始まった。
☆★☆★☆★
麻帆良学園女子中等部
昇降口ロビー
[えー、次は下から三番目の『22位』――2―Pッ!!70.8点ッ!]
「ひいぃッ!」
「ま………マズいよ!次出てこないと、『最下位』決定に………」
ロビーで発表を聞いていたバカレンジャーとネギ、そして徐倫とスバルたちは、なかなか出てこないA組の名前に、ハラハラしていた………
「………」
「ネギ君…」
「ネギ………」
[次は下から二番目、ブービー賞です。]
そして、ついにブービー賞の発表が………
[えーと………これは………]
[『2―K』ですね。平均点69.5点。]
「え……………」
「――――ということは……………」
「「「「「「「「「「最下位確定ィィィィ〜〜〜ッ!?」」」」」」」」」」
「………」
一同が『最下位』という結果に呆ける中、ネギは、静かに一同から離れた………
☆★☆★☆★
麻帆良学園中央駅
(お姉ちゃん…今から
課題失格を知り、少し悲しげな表情のネギ。まとめた大荷物を持ち、故郷へ帰るつもりだった………
『チュミ〜…』
傍らにはスタンドが漂い、ネギを心配そうに見ていた。
「ネギ!」
「ネギ君!」
そんな時、ネギがいないのに気づいたのか、明日菜とスバルが駆け寄ってきた。
「ご、ゴメンッ!本当にゴメンッ!私たちのせいで最終課題に落ちちゃって…」
「そ…それに、魔法の本もなくしちゃったし…私も……」
「いえ…そんなことないです…誰のせいでもないですよ。『魔法の本』なんかで受かってもダメですし……結局僕が『教師』として未熟だったんです。」
「ネギ君………」
「クラスのみなさん、特にバカレンジャーのみんなには感謝してます。短い間だったけど、すごく楽しかったし…………さようなら!」
タッ
「「あっ!」」
二人に背を向け、ネギは電車に向かい駆け出す。
「もうッ!」
バッ
「ってアスナ!?」
ガッシィイ
「ひゃ…!?」
いきなり、自動改札を飛び越え、ネギを捕まえる明日菜。いきなりの行動に、捕まえられたネギと見ていたスバルは、驚いていた。
「バカっ!行っちゃダメって言ってるでしょおぉー!…そりゃ、最初はガキでバカなことするから怒ったけど……私なんかよりちゃんと目的もって頑張ってるから感心してたんだよ!なのに………」
「ア…アスナさん…」
「アスナ……」
明日菜が思いをネギにぶつけ、ネギとスバルが驚いていると…
「ネギくーーんッ!」
「ネギ坊主ーッ」
「ネギーーッ待てェェェ!」
まき絵たちバカレンジャーや徐倫が走ってきた。心なしか、その顔は笑顔だった。
「ネギくーーんッ!私たち『最下位じゃない』よーッ!」
「むしろ『学年一位』だッ!!だから帰るなッ!!」
「「「………………えッ!?」」」
☆★☆★☆★
学園長室
慌てて学園長室へ来たネギたち。学園長の話によると、バカレンジャーたち『遅刻組』の採点を学園長が行い、うっかり『2―A全体の合計』と合わせるのを忘れてしまったらしい。
そして、遅刻組の点数と合計すると、平均点が0.2点の差でA組が『学年一位』になった。
「え………でも、「魔法の本」がないのに、一体どうやって…!?」
「あ〜、これのことかの?」ひょいっ
「アァッ!?」
学園長が、『魔法の本』を取り出した。だが、本がここにあるということは…
「こんなもので簡単に頭が良くなったら苦労はせんて。今回のことはな、ぜ~んぶみんなの『実力』じゃよ。」
「え…じゃあ、『図書館島』でのことは全部……?」
「うむ。最終課題では、子供のネギ君が『今後も先生としてやっていけるか』を見たかったのじゃ。図書館島の数々のトラップにもめげずに、よう頑張ったのぉ。」
「めげずにって………結構キケンなのもあった気がしたんだけど……?」
「……うん、まあ、ちょっとやりすぎた感はあるがのぉ………(やっぱ、その辺を『アヤツ』に任せるべきではなかったかなぁー……)」
学園長は笑ってごまかすが、明日菜とスバルは冷ややかな目で見るのであった。
「ま、まあともかく、合格じゃよネギ君!これからは、さらに精進じゃな。」
「あ……はいッ!」
学園長から『合格』を言い渡され、力強く返事をするネギ。これで、正式に『先生』としてやっていけそうだ。
「ははっ、良かったねネギ君!」
「ま、とりあえず、新学期からよろしくね。」
「は、はいっ…よろしくお願いします!」
スバルと明日菜に言われ、すこし照れたように言うネギ。
そこへ……
バァンッ!!
「アスナーーーッ!」
「大変アルッ!じょ、ジョジョが……!」
「えっ…?」
扉が勢いよく開いたかと思うと、まき絵と古菲が入ってくる。かなり必死な表情だ。
「お、話終わった?」
「じょ、徐倫?」
と、彼女らに続いて、徐倫が入ってくる。が、何故かジャージに竹刀という装備に、明日菜は何やらいやな予感がした…
「…と、その前に………学園長先生、ネギは最終試験を『
「う、うむ………モチロンじゃとも………」
徐倫の気迫に若干圧されながらも、学園長は肯定した。徐倫は学園長にありがとうと返事をすると、ネギに振り返った。
「―――『言は初めに神と共にあった。
すべてのものは、これによってできた。(ヨハネによる福音書 第1章2―3節)』」
「えっ?」
いきなり『聖書』の一節を口に出した徐倫に呆気に取られていると、徐倫はニッ、と笑顔を見せた。
「合格おめでとうネギ。正式に「先生」になったお祝いに、アナタのその『スタンド』に「名前」をプレゼントするわ。」
徐倫はネギと、いつの間にかその肩に乗るスタンドを見て言う。
「そうね………ネギのその『爪』は、もはや『爪』を超えている…………『爪を超越し、「牙」となった爪』………これからは『
「『タスク』………はいッ!ありがとうございます!」
「タスク、ねえ………(カワイイ見た目の割に、何かカッコいい名前ね………)」
スタンド―――『タスク』を見つめ、徐倫に感謝するネギ。
「気に入ってくれたようで嬉しいわ。さて『明日菜』……お前たちバカレンジャーにも、私からプレゼントがあるわ。ちなみに『拒否権』はない!」
「え………?」
「「ひぃぃ〜〜〜ッ!」」
いきなり話しかけられて、一瞬ビクつく明日菜。まき絵たちが完全に怯えているのを見て、嫌な予感がした。
「今から、『勉強道具』をもって、私の部屋に集合だッ!!これより、『大・勉強会』を行うッ!!!」
「はあッ!!?」
「そもそも今回は、おまえら五人の日頃の成績が良かったら、こんなにハラハラしなくてすんだんだ!よって!反省会を含めた『勉強会』だッ!!全員できるまで帰れると思うんじゃぁねえぞ!!」
「「「ひぃぃ〜〜〜」」」ズルズル
器用にも片手で明日菜たちを引きずって退出していく徐倫。3人の悲鳴がドップラー効果で遠ざかっていく中、ネギたちはポカンと見ていることしか出来なかった………
☆★☆★☆★
午後7時17分
六課の部屋
「――というわけで、私邪魔らしいから、しばらく厄介になるぞ。おかわり。」
「ってどういう訳よ!?後これご飯『三杯目』よ!」ポフポフ
「以外とご飯進むんだよ、この野菜炒め。」
文句を言いながらも、千雨の分のご飯をしゃもじでよそうティアナだった。
ネギ・スプリングフィールド――2007年4月2日付けで、A組の担任として正式に採用!「立派な魔法使い」としての第一歩を踏みしめる。
バカレンジャー――ヤバい「SWITCH」が「IN」!した徐倫により8日間缶詰めにされ、終了式も欠席した。
長谷川 千雨――結局、一週間スバルたちの部屋に泊まった。
←to be continued
☆★☆★☆★
「………そうですか……わざわざありがとうございます。…はい、それは、僕の部下にやらせますから。はい、では。」
電話を切った男は席を立つと、待ち合わせのレストランへ行くため、部屋を出た。
おそらく、あの「二人」はもう来ているだろう。ひょっとしたら、もう食べ始めているかもしれない。
そう思いながら店へ入ると、案の定、二人はもう食べ始めていた。
「お………遅かったじゃねーか?先に食べてたぞ。」
「すみません、ちょっと『電話』が入ってしまったものですから…」
二人のうちの一人――室内にも関わらず、『矢印』のついたニット帽をかぶった男に言われ、簡単に謝る。
「電話……?何かあったのか?」
金髪に、穴だらけのスーツを着たもう一人が言う。すでに料理は半分くらい食べたようだ。
「………『サルシッチャ』たち三人の居場所がつかめたようです。」
「「………!」」
「サルシッチャ」の名前を聞いた途端、二人の手が止まる。
「サルシッチャだと………ッ!?マジなのか『ボス』!?」
「ええ、何でもサルシッチャは『日本が好きなギャングランキング』第一位らしいから、日本を調べたようです。」
「どんな調べる理由だよ……?」
「ていうか、どんな情報?」
「そしたら、日本の『マホラ』という場所で目撃されたそうです。」
二人のつっこみを無視して、『ボス』と呼ばれた男は話を進める。
「どうやら、矢を使って『スタンド使い』を目覚めさせている様子らしい……そこで、何人か日本へ向かわせたいのですが………」
「………分かった。『サーレー』と『ズッケェロ』のコンビを調査に向かわせる。やばそうだったら、俺たちで向かわせてもらうぜ!」
「ええ、頼みましたよ『ミスタ』、『フーゴ』。」
「ああ、俺たちがいないからって、無理すんなよ、『ジョルノ』!」
その男、『ジョルノ・ジョバァーナ』は、2人に笑顔で返した。
←to be continued...
15話です。
・サブタイトルは「フライトコードなし!ボスの過去をあばけ」から。リメイク前とは少し変えています。
・ネギ、正式にA組の担任として任命。まあ、バカレンジャーもよく頑張ったけど、本当の地獄はここから……(笑)
・「
・パッショーネ始動。情報元については、イタリア繋がりってことで(笑)
では、次回をお楽しみに!