東方一撃男   作:つじかみーん

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バング…幻想入り


九十九撃目:元S級の格闘家

「此処が幻想郷か」

幻想郷のとある森の中。そこに1人の老人がいた。どうやら外の世界の者らしい。

「さて、道場を建てる為の土地を探すかの」

老人は歩き出した。その老人の正体は…元S級3位のシルバーファングことバングだった。また流水岩砕拳の師範でもある。

 

 

 

 

数時間前…

「此処が博麗神社か」

バングは博麗神社に訪れていた。

「此処に来れば幻想郷に行けると聞いたのが…」

「あら、幻想郷に行く事をお希望ですか?」

突然声がしたのでそちらに振り向く。其処には紫がいた。

「貴方は…確か…S級のシルバーファングさんでしたよね…?」

「儂はヒーローを引退した。今はただの老いぼれた格闘家のバングじゃ」

そう、バングはヒーローを引退していた。ガロウの件で引退をしたのだ。

「そうですか…では本題に戻します。幻想郷に行く事を望んでるのですね」

「そうじゃ、幻想郷で生涯を過ごそうと思ってな。後儂の"流水岩砕拳"の復興しようも思ってる」

「自ら幻想郷に行く人間は久しぶりに見ました。では、此処のスキマからどうぞ」

紫はスキマを開ける。お年寄りであるバングに気を使ったのだ。

「では失礼」

バングはスキマの中に入った。

 

 

 

 

 

「確かサイタマ君とゾンビマンもいると聞いたな。まずはその2人に会ってからにするか」

バングはまずサイタマとゾンビマンに会うことにした。そして歩く事5分、人里に着いた。

「賑やかな所じゃな」

バングは辺りを見ながら歩いていた。その様子をある人物が見ていた。

「あれって…バング?」

「師匠、知ってる人ですか?」

人里に買い物をしていた"趣味でヒーローをやってる最強の男"サイタマだった。肩には針妙丸が乗っている。そして近づき…

「バング?」

「お!サイタマ君!」

サイタマの声にバングは直ぐに気づいた。

「本当に幻想郷にいたんじゃな!」

「俺は幻想郷に住むことにしたからな。てかバングは何しに幻想郷に来たの?」

「ああ、それはな…」

バングはサイタマに説明した。幻想郷に来た理由を。

「まさかバングお前も幻想郷に住むことにしたのか」

「そうじゃ、それと"流水岩砕拳"も広めようと思ってな」

「あ、そう…」

サイタマとバングは近くの団子屋で話をしていた。

「ところでサイタマ君、その小さいのは何じゃ?」

バングはもくもくと団子を食べてる針妙丸の事が気になった。

「あ、これ?小人の針妙丸」

「小人か!幻想郷は侮れないな…」

バングは針妙丸を掴み眺める。針妙丸は全く動じず団子を食べ続ける。そして下ろす。

「じゃあ儂は行くわ。ゾンビマンの所に行くからな」

「そうか、ゾンビマンなら命蓮寺にいるぞ。あとこれ地図な」

「ありがとな」

バングはサイタマから地図を受け取り命蓮寺に向かう。

「針妙丸、摘まれても動じないって…慣れたの?」

「はい!」

サイタマはバングに掴まれたのにも限らず動じなかった針妙丸に話す。どうやら針妙丸は慣れたらしい。

 

 

 

 

 

命蓮寺。

「此処にゾンビマンがいるのか」

バングは命蓮寺の門の前にいた。入ろうとした時

「おっはよーございまーす!!」

大きな声で挨拶をしていた。山彦の幽谷響子である。

「うむ!元気があってよろし!」

「ありがとうございます!」

バングに褒められたか響子はお礼を言う。と、そこに

「おい、響子、誰がき…ってシルバーファング!?」

「おお、ゾンビマン、久しぶりじゃな」

「え?知り合いですか!?」

ゾンビマンは驚く。そしてゾンビマンとバングが互いに知ってた事に響子も驚く。

「とりあえずシルバーファング、中に入れ。其処から話を聞く」

「悪いな」

ゾンビマンがバングを本堂に案内する。

 

 

「成程な、ヒーローを辞めて幻想郷に住む事にしたって事か」

「そう考えてくれればいい」

バングは茶を飲みながら言う。ゾンビマンはバングがヒーローを辞めた事については知らず驚いたが直ぐに冷静差を取り戻す。其処に

「あら、お客様ですか?」

「お主は?」

「あ、私は住職の聖白蓮です。宜しくお願いします」

命蓮寺の住職、聖白蓮が入ってきて挨拶をする。

「ところでバングさんは何をされてるのですか?」

「儂は格闘家じゃ。"流水岩砕拳"という流派でやっておる」

「格闘家ですか!ぜひそれを見せて下さい!サンドバッグなら沢山いますので!」

「聖…サンドバッグってまさか…」

聖は目を輝かせながら言う。しかし言ってる事が酷い。ゾンビマンは嫌な予感しかしない。

「ええ、命蓮寺にいる妖怪の事です!」

「しかしお主は人と妖怪の共存を望むと聞いておったが…ましては儂にやられた妖怪が怨みを持つんじゃないのか?」

「大丈夫です!その時は私が制裁をくらわしますので!」

「そうか…なら見せようか…儂の"流水岩砕拳"をな!」

納得したのかバングは流水岩砕拳を見せる事にした。だが聖の言ってる事はやはり酷かった。その結果、多くの妖怪が犠牲となってしまった(中には何故か雲居一輪と村紗水蜜等もいた。ましてはゾンビマンも)。

「ありがとうございます♪」

「久しぶりに動かしたから鈍かったの…やっぱり歳はとりたくないもんじゃ」

バングは帰り、再び道場を建てる為の土地を探しに行った。

「格闘技って良いものですね…」

聖は呟いた。一方後ろでは…ゾンビマンと多くの妖怪達が倒れていた。

「おい、聖…何で俺まで…」

「ノリです♪」

「お前…!」

ゾンビマンは聖を睨むが聞き返す気力はなかった。




バングが幻想郷で一生を過ごす組に仲間入です。ちなみにバングがヒーローを引退したのは本当です。詳しくは原作を

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