ジェノス、久しぶりの登場です。
九十八撃目:サイタマ、決断の時
「師匠…どうするんですか?」
「どうするって言われてもなぁ…」
サイタマは悩んだ。前回(紺珠伝編)の異変解決後、紫から言われた事に。
数時間前…
「どういう事だ?」
サイタマが聞き返す。内容をあまり理解していないからである。
「まぁ…簡単に言うと"幻想郷で一生を過ごす"かを幻想郷という存在を記憶から消して貴方のいた元の世界に還す"かを決めてもらいたいのよ」
紫が改めて説明する。すると理解出来たのか
「つまり幻想郷で一生を過ごす場合はジェノスと会うことが出来ず、元の世界に帰れば幻想郷には2度と来れないって事か?」
「ま、そうなるわね。けど決まらないのなら翌日でもいいわよ」
「いきなり言われても困るからな、考えさせてくれ」
「幻想郷はいい所だが…ジェノスは大切な弟子だし…」
サイタマは悩む。幻想郷に一生を過ごすとすればジェノスとは会えなくなる。だが元の世界に帰れば幻想郷に2度と行けなくなる。
「師匠…」
苦渋の決断を迫られるサイタマを心配する針妙丸。と、その時
「ジェノスに電話するか」
サイタマはスマホを取り出しジェノスに電話をかける。
「もしもし…ジェノスか?」
「先生!お久しぶりです!幻想郷での活動はどうですか?」
「ああ、上手くいってるよ。お前が帰ってからも異変はあったよ」
「やはりそうですか…けど全て先生が解決したのですね」
「うん」
この時サイタマとジェノスは久しぶりの感じがあった。あの異変(地霊殿編)以降、会話する暇がなかったからである。
「じゃあジェノス、本題にはいる。俺は今、紫から"幻想郷で一生を過ごす"か"幻想郷という存在を記憶から消して元の世界に還す"という決断がある。その事でお前に相談があるんだ」
「!!」
ジェノスは驚く。サイタマが相談してきたからである。
「幻想郷はいい所だが…お前は大切な弟子だ。だから俺は元の世界に…「その事は先生が決めて下さい」な!?」
サイタマは驚く。それはジェノスが予想外の発言をしたからである。
「ジェノス!?お前何を!?」
流石のサイタマも慌てる。
「俺は先生に頼りすぎてたかも知れません…なので俺は自分の力だけで生きてみせます。サイタマ先生…貴方から教えてもらった事を忘れません!俺の故郷を壊した暴走サイボーグを倒し、S級10位内を目指します!だから…!先生は…!幻想郷での活動を頑張って下さい!」
ジェノスは泣きながらサイタマに話した。ジェノス自身はサイタマと別れるのは嫌なのだが、サイタマに頼りすぎていたのか今度は自分の力だけでヒーロー活動をすると決めたのだ。
「ジェノス…!」
これにサイタマの目から涙が流れた。そして何故か針妙丸までもが泣いていた。
翌日…
「それが貴方の答えなのね」
「ああ、昨日ジェノスと話し合って決めた事だ」
「貴方がそれでいいならいいわ。幻想郷で一生を過ごし、元の世界には帰れない。…後悔はしないでね」
「するわけねぇだろ」
「フフフ…貴方は変わってるね」
こうして、サイタマは幻想郷で一生を過ごす事にした。
それから数日後…
あれから紫は他のヒーロー達にもあの事を決めさせた。結果は…ゾンビマン以外全員元の世界に帰ったそうだ。そして命蓮寺…縁側でサイタマとゾンビマンが会話をしていた。
「お前は帰らなくてよかったのか?」
「幻想郷だと住み心地がよくて…ね」
ゾンビマンは照れながら話す。
「俺はジェノスと相談して此処にいると決めたしな」
「鬼サイボーグと相談してか…」
2人は(ある意味)楽しげだった。その様子を遠くから見てる者がいた。
「師匠…!幻想郷に残ってくれてよかった…!」
「妹紅…君は泣きすぎだ。私もサイタマさんが残ってくれててよかったけどな」
隠れながら藤原妹紅と豊聡耳神子が見ていた。隣には…
「響子ちゃんがいなかったらゾンビマンさんは元の世界に帰ってたかもしれませんね」
「だって帰ってほしくなかったんですよ!」
「あれ?響子ちゃん泣いてるの?」
「泣いてません!」
聖白蓮、幽谷響子、封獣ぬえも見ていた。
もうオリジナル設定てす。
ちなみにゾンビマンが幻想郷に残った理由は響子に止められたからです。
そして次回、元ヒーローのあの人が登場だと!?