瓦礫の中…其処には金属バットが閉じこめられている。脱出したいものの彼の身体はボロボロである為自力では抜け出す事は出来ない。と、その時
「"彼は此処から脱出する事はできない"」
サグメがそう呟くと瓦礫の中からバットが出てきた。
"大丈夫か?"
「当たり前だ…気合いがあれば大抵どうにかなるんでね」
"そうか。他の者達は先に言ったぞ"
「なら急がねぇとな」
バットは霊夢達を追いかけた。それをサグメは見送る。
その頃サイタマは
「まさか妖精がここまで強いとは…」
サイタマは前で気を失ってるクラウンピースを見ながら言う。クラウンピースが放った弾幕は避けづらく当たってしまう事が多かった。しかし強靱な肉体を持つサイタマには何ともなかった。隙を見てサイタマは弾幕を掴み、クラウンピースに当てた事が勝利の決め手である(というよりサイタマは数回クラウンピースに普通のパンチを当ててたが)。
「とりあえず目が覚めたら何かしてきそうだし、縄で縛っておくか」
サイタマはそこら辺に落ちてた縄でクラウンピースを柱に縛り付けた。
「あれ?あたい…負けちゃったの…?」
クラウンピースが目を覚ました。しかし縄で縛られてる為自由に動けない。
「所でお前に聞きたい事がある。嫦娥に怨みを持つお前のご主人様とそのご友人様は何処にいるのか教えろ」
「やだ!お兄さんに絶対教えないもん!」
サイタマは嫦娥に怨みを持つ者の居場所を聞き出すがクラウンピースは答えようとしない。
「じゃあ殴らせろ」
「え?」
サイタマの右手は震えていた。殴る前提であろう。その時クラウンピースは背筋が震えた。そして…
「や゛た゛や゛た゛ー゛!゛た゛っ゛て゛お゛兄゛さ゛ん゛の゛ハ゛ン゛チ゛痛゛い゛も゛ん゛!゛」
クラウンピースは泣いてしまった。地獄の妖精ではあるのだがまだ子供である(精神年齢は)。更に勝負の際にサイタマに数回普通のパンチをくらっている為その痛みを思い出したのだ。
「じゃあ教えろ」
「………あっち」
クラウンピースは泣き止んで道を教えた。サイタマはその道へと進んでいく。しかし
「そのまま道に迷っちゃえ!」
クラウンピースは舌を出しながら言う。実はサイタマに教えた道は嘘である。と、其処に
「広いとこね…」
霊夢達が到着した。魔理沙、早苗、鈴仙もいる。
「道が幾つもあるぜ…」
「どれが本物なんでしょうか…?」
「彼処にいる妖精に聞いてみましょうか」
4人はサイタマに縛られたクラウンピースに道を聞こうとした。
「お姉さん達何?」
「なあ嬢ちゃん、道を教え「嘘じゃねぇーか!!」はい!?」
魔理沙は驚く。それは突然サイタマが現れてクラウンピースを殴ったからである。
「嘘ついた!お兄さん道教えたら殴らないって言ってたじゃん!」
クラウンピースが反撥する。しかしサイタマの耳には入っておらず…
「うるせぇ!間違えた道を教えたお前が悪い!さぁ本物の道を教えろ…また嘘ついたらマジ殴りくらわすからな!」
サイタマは嘘の道を教えられたか怒りを顕にしていた。
「そ゛れ゛た゛け゛は゛や゛だ゛ー゛!゛た゛っ゛て゛そ゛れ゛痛゛い゛も゛ん゛!゛」
クラウンピースはまた泣いてしまった。実はあの勝負でサイタマはクラウンピースにマジ殴りをしていたのだ。それをモロにくらったクラウンピースはトラウマを植え付けられてしまったのだ。
「じゃあ教えろ」
「あっち」
「本当か?」
「本当だもん!お兄さんにパンチされたくないもん!」
クラウンピースはサイタマに本物の道を教えた。その道をサイタマは行く。取り残された霊夢達は唖然していた。
「「「酷すぎる…」」」
霊夢、魔理沙、早苗が口を揃えて言う。もはや脅迫に近かったからだ。
「けど私達も道を聞けたからいいのでは…?」
しかし結果的には道はわかつたので霊夢達も進む。
「此処は何処だ?」
一方、霊夢達を追いかけてたバットは…道に迷っていた。
眠い。