「大した事ないな」
サイタマとバットは当たり前かのように余裕で立っていた。彼らの前には倒れている清蘭と鈴瑚。こてんぱんにやられたらしい。
「で、どうする?」
「俺に聞くな」
しかし、ここからどうすればいいのかがわからない。と、其処に
「ありゃ?もう終わってたか」
「来るのが遅すぎたみたいですね…」
魔理沙と鈴仙が到着した。
「また先に越された…」
霊夢も到着。しかし落ち込む。
「おー!これですか!」
早苗も。しかし彼女は蜘蛛みたいな物に興味津々である。
「色々と来たな…1人知らん奴いるけど」
「え?誰の事?」
「あのウサ耳の女だよ」
「あれは…誰だっけ?」
バットが指を指したのは鈴仙である。彼は鈴仙と1度もあった事がない。
「鈴仙です!てかサイタマさんとは1度会ってますよね!?」
「そうだっけ?」
サイタマは1度鈴仙と会ってるが忘れていた。忘れられた事に鈴仙は落ち込む。と、その時、足に何か掴まれてる感じがした。
「あの…月で何か起きてると聞いたので…代わりに行ってもらえませんか…?」
鈴瑚がサイタマの足を掴みながら言う。
「えー…けどいいか別に。行くか」
「ありがとうございます…」
「サイタマが行くなら俺も行くぜ」
「私もだぜ!」
「「私も行きます!」」
「サイタマよりも先に異変解決するんじゃああああ!!」
サイタマは1度断ろうとしたが仕方が無く行くことにした。そしてバットも。更に霊夢、魔理沙、早苗、鈴仙も行く。
「で、どうやって行くの?」
「これ押して下さい…」
清蘭が僅かな力を振り絞ってサイタマに怪しいボタンを渡す。
「それを押せば月の都まで移動できます…同行する人はボタン押す人の周りにいて下さい…」
という訳でボタンを持つサイタマの周りに集まる。そして
「ポチッとな」
ボタンを押す。すると…目にも止まらぬ速さで月まで向かっていった。
「のああああああああ!?」
全員が叫び声を上げて月まで飛ばされていった。
とある空間
「暇だ…」
ナイトキャップを被り、白と黒の服を着(服には白と黒と玉みたいな物が付いている)、片手には本とスライムみたいな物、そして尻尾が生えた人が寝転がっていた。獏の妖怪で夢の支配者であるドレミー・スイートである。
「サグメさんに言われて月の都の人達避難させたけど…あれでよかっ!?」
突然ドレミーの背中に衝撃が走った。それは…月の都まで飛ばされた筈のサイタマ達である。そしてドレミーは気を失った。
「いってーな…で、此処が月の都か?」
「絶対違うだろ…」
辺りを見渡す。紫色の禍々しい空間である。とても月の都とは思えない。と、ドレミーが意識を取り戻し
「ちょっと!ぶつかったのに謝りもしないのですか!?」
「あ、すまん。で、誰?」
「私はドレミー・スイート!獏の妖怪で夢の支配者です!」
ドレミーは怒り気味で自己紹介をする。
「え?じゃあ…此処は?」
「私が創り上げた夢の空間です」
「どおりで変な場所だと思った」
ドレミーの発言で月の都ではない事に気づいた。というよりサイタマ達は月の都に行った事はないが。
「何の目的で来たかは知りませんが…月の都には行かせませんよ。私に勝てたら行かせてあげますが」
「そうか、ならぶっ飛ば「俺が相手してやるよ」」
バットが前に出た。
「獏かなんだか知らねーが…俺は負けねーぞ」
「貴方の事は聞いてますよ、"鬼や竜等が恐れる不良"の…金属バットさんでしたよね?」
「根は真面目だ、お前は俺が倒す!」
「それができるといいです…ね!」
こうしてドレミー・スイートと金属バットの対決が始まった。
月の都。
とある人物がドレミーの夢の空間を見ていた。
「ドレミー…何をしているのやら…」
その人は呆れていた。と、その時
「あれは……サイタマ?」
夢の空間にサイタマがいる事に気づく。
「うむ…彼になら任せてもいいかもな」
そう行ってその場を去った。
蒸し暑い…気がする。お気に入り変動激しす