「ところでサイタマ…」
「なに?」
「肩に乗ってる人形はなんだ…?」
レイセンに月のテーマパークまで案内されてる時に、ゾンビマンがサイタマの肩に乗ってる人形が気になったので聞く。
「これか?………………気にするな」
「気にして!!」
「「「「喋ったぞ!?」」」」
突然人形が喋ったので一同が驚く。
「てかお前…いつからいたの?」
「最初からいましたよ!」
人形の正体は小人の少名針妙丸である。しかしサイタマに忘れられてたので怒る。
「着きましたよ」
「あ、着いたのか」
「無視しないで!」
どうらや月のテーマパークに着いたみたいだ。しかし針妙丸は無視されたので落ち込む。
「随分と派手だな…」
全員揃えて言う。もはや外の世界にありそうな遊園地だったからだ。しかも屋台付きで。
「豊姫様!連れてきました!」
「レイセン、ご苦労様」
噴水みたいな所にいたのは…手紙の差出人である綿月豊姫である。
「ようこそお越しくださいました。サイタマさん、とお連れの方々」
豊姫は微笑みながら言う。
「随分と派手だな、ここ」
「ええ、外の世界の遊園地を参考にしていただきましたので」
「(あ、やっぱり)」
豊姫の言った事にサイタマは"やっぱそうだったのか"って思った。後ろにいるフラッシュ、バット、ゾンビマンもそうだった。しかしサイタマの肩に乗ってる針妙丸だけは首を傾げてる。
「とりあえず楽しんできて下さい」
豊姫はそう言うと去っていった。
「とりあえず、見てみるか」
「「「そうだな」」」
とりあえず、別行動にする事にした。
サイタマside
「師匠!今度はあれがいいです!」
「落ち着け」
サイタマは針妙丸に振り回されていた。と、その時
「サイン下さい!」
「え?」
後ろを見るとウサ耳の子供がいた。月の都の住人であろう。
「え?俺の?」
「そうです!有名なサイタマさんのサインがあれば皆に自慢できますので!」
「そうか」
サイタマは子供から色紙を受け取り自身の名前を書いた。それを渡すと子供は嬉しそうに去っていった。しかしこれがサイタマを疲れさせるとは知らずに。
閃光のフラッシュside
「随分と賑やかなとこだな」
フラッシュは辺りを見渡しながら言う。と、
「あれは何だ?」
目に入ったのは"氷の彫刻削り体験"と書かれた看板が。其処には多くの人が氷を削り彫刻を作っていた。
「俺もやってみるか」
フラッシュはその氷削りに参加した。
金属バットside
「さて…どうするかな」
バットはベンチに座り込み、次は何をするか考えてた。
「よし!次はあれだな!」
どうやら決まったらしい。バットは其処へ向かう。
ゾンビマンside
「意外といけるな、これ」
ゾンビマンは屋台の食べ歩きをしていた。地上とほぼ同じ物なのでゾンビマンの口に合ったのだ。
「たこ焼き…いかん、ジーナスの事を思い出してしまった…!」
ゾンビマンは頭を抱えて言う。周りからみれば頭痛にしか見えない(というよりゾンビマンはかき氷を食べてた)
2時間後…
「何をされてたのですか?」
レイセンが尋ねる。
「針妙丸に振り回された挙句多くの人からサイン書かされた」
「氷の彫刻削りをしてきた」
「とりあえず一通り回ってきた」
「屋台の食べ歩き」
サイタマはぐってりと疲れており、フラッシュは片手に景品、バットは変わりなし(心は晴れてる)、ゾンビマンの手には屋台の食べ物の入った袋。
「どうされますか?」
「「「「帰る」」」」
「わかりました!では出口まで案内します!」
レイセンはサイタマ達を出口まで案内する。
「またのお越しを!」
レイセン達玉兎や月の都の住民達が見送られてロケットは地上へと帰っていった。そして…
「お帰り!盟友!無事だったか?」
「無事じゃねぇーよ…!」
全員ぐってりした状態で出てきた。何故ならロケットが着地失敗したからである。
「あれ?おかしいな…」
にとりは首を傾げる。実は着地の事を計算してなかったらしい。
「ま、とりあえず!無事でよかった!」
「ひとくくりてまとめるな…!」
しかし言い返す気力もなくサイタマ達は倒れ込んでしまった。
博麗神社。
「今日、サイタマと会わなかったけどなんかいなくなった感じがするのね」
「どうせ怪物倒しにも行ったと思うぜ。お前と違って」
「あんたねぇ…!」
縁側で会話をしていた博麗霊夢と霧雨魔理沙。いつもと変わったところはない。
月の都、とある宮殿。
「帰った!?」
「ええ、ついさっき」
豊姫は妹の綿月依姫と会話をしていた。
「これなら今日は稽古を休めばよかった…!」
「あらら…そんなに会いたかったの?」
「当たり前ですよ!姉様!なんせ有名なサイタマ殿と会える貴重なチャンスだったのですよ!それと"光速の剣士"と呼ばれる閃光のフラッシュ殿との対決できたのかもしれないのに…!今日くらい休めばよかった…」
依姫は落ち込みながら去っていった。
「これなら直接月の都に来てください…って書くべきだったかしら?」
豊姫は首を傾げならか去っていった。その様子を隠れて見てたレイセンは
「依姫様に渡すべきかな…サイタマさんのサインを…」
レイセンは悩んでいた。そして今日、依姫の悲痛な叫び声を上げた事は誰もが知ることであろう…
番外編part2終わりです。次回から紺珠伝編です。