堀川雷鼓初登場です。
「はぁ、はぁ…」
正邪は逃げていた。息を切らしながら。
「畜生…!なんで私が指名手配されてんだよ!」
正邪は自身の手配書を見た。手配書にはこう書かれてた。
「Wanted!! 鬼人 正邪 捕まえた者には褒美を与える」
「この手配書のせいで眠れやしねぇ…!」
愚痴をこぼしながら逃げ続ける。しかし、何故こうなったかというと…
「まだ諦めねぇぞ…!」
正邪は針妙丸を騙し、弱き者が制する世界を創ろうとしていた。しかしサイタマとフブキ、輝針城自機組(霊夢、魔理沙、咲夜)にその夢は打ち砕かれた。しかし彼女は諦めておらず、隙を見て逃げ出し、打ち出の小槌の力が入っている道具を集めた。しかし、その様子を見ていた八雲紫が彼女を指名手配にしてのだ。それはまたたく間に広がり褒美目当てで正邪を追うようになった。したがって正邪は逃亡者である。
「けど打ち出の小槌の力が入った道具があってよかったぜ!」
正邪は笑う。しかし笑っている場合ではない。後ろから追っ手が来てるのだ。早速正邪は道具を使い、追っ手から逃れる。
一方同じ頃、
「アイツ何処にいるんだ?」
「探せば見つかります!」
サイタマと針妙丸は正邪を追っていた(ちなみに針妙丸はサイタマの肩に乗っている)。と、其処に
「貴方達もあの天邪鬼探してるのかしら?」
目の前に白いジャケットに黒の服と赤いネクタイ、白のスカートで赤い髪の女性が話しかけてきた。
「誰?」
「私は堀川雷鼓。和太鼓の付喪神よ、今はドラム使ってるけどね」
女性は堀川雷鼓と名乗った。九十九弁々、八橋と同じ付喪神である。
「お前も正邪を追ってるのか?」
「そうよ。あの天邪鬼は物を粗末に使ってるって聞いたからね。あ、あとこれ」
雷鼓は追いかける理由を話した後、サイタマに1枚の紙切れを見せた。
「何だこれ?正邪の手配書か?」
「そうよ、その天邪鬼捕まえたら褒美が貰えるって言うから皆必死に追いかけてるわ」
雷鼓は去っていった。
「「褒美ねぇ…」」
サイタマと針妙丸は息ぴったしに呟く。
「道具持ってて正解だった!」
正邪は未だ追っ手から逃げている。しかし道具のお陰で逃げ切れているのだ。
「おのれ…!アイツら反則級の弾幕使いやがって…!」
そう、追っ手は避ける事が不可能に近い弾幕を放ってるのだ。しかし正邪は道具を駆使して逃れている。というより正邪の持ってる道具も反則級か。
「けど、どんな手段使ってでも逃げ切れば勝ちか!」
そう言ったその時
「見っけ」
「あ?誰だ…って、ウオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッッッッッッッッッッッッッッ!?」
正邪はノリツッコミをしたかのように叫ぶ。何故なら目の前にサイタマが現れたからだ。
「見つけたぞ…正邪!」
サイタマの肩にいる針妙丸が針を向ける。
「落ち着いて下さい!姫!」
「誰が姫だ!お前を此処でチクチクしてやる!」
正邪は針妙丸に対し協力していた時と同じように言う。しかし針妙丸は正邪に利用された挙句裏切られた為、信用してなかった。
「チッ!ダメか…ならば此処で死んで…ぐふぅ!?」
正邪に衝撃が走る。サイタマが殴ったからである。正邪は空高く飛ばされてその後急降下し、地面に頭から刺さった。
「えっと…これで褒美貰えるのかな?」
サイタマは埋まった正邪に対し言う。針妙丸は針で正邪を刺している。追っ手は呆気にとられている。しかし直ぐに立て直し、正邪を捕まえようとする。サイタマと針妙丸も巻き込まれてしまった。
翌日。
「疲れたな」
「はい…師匠」
サイタマと針妙丸はぐってりとしていた。先日の正邪を捕まえるの件で疲れていたのだ。正邪が地面に埋まってる横で取り合いとなり、多くの者が倒れていく中サイタマを含めた残り数人で激突した。結果はサイタマが勝利したものの、正邪はいつの間にか逃げていたのだ。しかしサイタマは疲れたのか遠くで見守っていた針妙丸を連れて帰ったのだ。
「結果的にあの天邪鬼はどうなったんだ?」
「今も逃げてるらしいです」
「そうか。けど俺は追う気ないし…」
「私はちゃんと正邪を懲らしめられたのでよかったです」
針妙丸は嬉しそうだった。それを見たサイタマは安心した。
「私はまだまだ逃げ切ってやるぜ!」
正邪は………未だ逃げていた。もう追っ手はいないのに。
輝針城編終わりです。はい。
ちなみに追っ手は"弾幕アマノジャク"で出たキャラ達です。