「なんだこれ…」
霊夢が呟く。彼女の目に映ったのは…地面に頭から刺さっている九十九弁々と気を失っている八橋だった。
「おーい、大丈夫かー?」
魔理沙が八橋を叩く。叩かれた衝撃なのか目を覚ます。
「えっと…貴女は?」
「霧雨魔理沙だ。誰か通らなかったか?」
「確か…サイタマさんと黒い服を着た女の人が通っていきました」
八橋は気を失っていたが覚えていた。しかしフブキの名前は知らない。
「わかりました。ありが…霊夢さん?」
咲夜が礼を言おうとした時に霊夢に気づいた。なんか顔色が悪く震えていた。
「ああ、あああ…また先越される!」
「おい!霊夢待て!」
「お、落ち着いて!」
霊夢は大急ぎで輝針城へ向かった。魔理沙と咲夜が慌てて追いかける。八橋はそれを見送った。
「あの人達も輝針城目指してるのかな?…あ!姉さん助けないと!」
八橋は未だに地面に刺さってる弁々を助ける。
輝針城内。
「すっげー歩きづらい…」
「仕方ないでしょ、逆さまだもの」
サイタマとフブキは城内にいた。しかし逆さまの為歩きにくい。と、其処へ
「よくぞ来たな、強き者よ」
突然少女が現れた。白い服を着ており(スカートには矢印の模様)、髪は黒色だが所々に白や赤が混ざっている。そして小さな角2本に赤い瞳。
「誰だお前」
「私は鬼人正邪!天邪鬼の妖怪さ」
少女は鬼人正邪と名乗った。
「貴方が異変起こした主なの?」
フブキが尋ねる。それに正邪は
「その通り!強き者を倒し、弱き者が制する世界を作るためにな!」
どうやら正邪は下剋上するつもりのようだ。
「つまりお前は小物妖怪って考えていいんだな」
「その言い方やめろ!確かにあってるけど!だが!異変を起こしたのは私だけではないのだよ、明智君」
正邪は反発するが自身は小物妖怪である為認めるしかなかった。しかしサイタマとフブキに異変を起こしたのは自分1人ではないと言った。
「誰が明智だ」
「サイタマ、ネタとして受け入れなさい」
サイタマは名前を間違えられた事に怒るがフブキにネタと言われた事に納得(?)する。
「じゃあもう1人って誰だ、教えろ」
「誰が教えるものか!」
正邪はあっかんべーした。教える気はないらしい。
「じゃあ、俺が勝ったら教えろ」
「ああ、いいぜ。最強と言われてるお前に勝てたらどんなに嬉しいものか、ヒッヒッヒッ!」
サイタマと正邪の勝負が始まった。
一方霊夢、魔理沙、咲夜も輝針城内にいた。しかし迷っている。
「元凶は何処にいんのよ!」
「霊夢、落ち着けって…」
霊夢は苛立っている。
「サイタマさんもいるから絶対何処かに…」
その時、ドゴーンと音がした。
「「「絶対彼処だ!!!」」」
霊夢、魔理沙、咲夜は音のした方に向かった。
音のした所ではサイタマと正邪が戦っていた。しかし戦況はサイタマの方が圧倒的に有利である。正邪は"何でもひっくり返す程度の能力"で、それを利用して攻撃をしていたのだが、サイタマは全く動揺せずに避けて普通のパンチを当てていった。たまにフブキの援護も入っていた。
「まだだ…!」
正邪が瓦礫の中から出たきた。ボロボロだがまだ動ける。小物妖怪のくせに。
「まだ息あんのかよ」
「サイタマ、次で決めましょう」
サイタマとフブキは構える。
「私みたいな弱い奴の気持ちを強き者のお前ら等にわかる筈もない…!私は…強き者が制する世界が理不尽だと思った…!それで弱き者が制する世界にしてやろうと思ったんだよ!!その為にある小人に犠牲になってもらうんだよ!」
正邪が最後の力を振り絞って攻撃しようとしたその時!
「マスタースパーク!!」
次回で終わりません。