東方一撃男   作:つじかみーん

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心綺楼編完結です


七十五撃目:希望のお面

幻想郷格闘大会。その時、事件は起きた。それは…秦こころが辞退したのである。理由はおそらく…準決勝でサイタマと聖の激戦が原因とされる。もしかしたら自分は聖と同じ目に合うのではないかと危機感を感じたこころは辞退したのである。その結果サイタマの優勝になるのだが、観客からは大きなブーイングが起きた。しかし豊聡耳神子の説得で解決した。その後に表彰式が行われたのだが其処にはサイタマの姿がなかった。その為代わりに神子がトロフィーを授かったのだ。サイタマ本人はと言うと…

 

 

 

 

「まさか貴方みたいな人でも入院するのね」

「前にもこんな事があったからな」

永遠亭。サイタマはベッドに横たわっていた。準決勝の激戦で大きな怪我をしてしまい永琳と鈴仙から集中治療を受けた。入院してから3日が経つのだがサイタマの怪我は1週間も経たないうちに治った。しかし包帯は巻かれている。

「けど今日まで安静しておくのよ」

「わかった」

永琳は部屋から出る。サイタマは文文。新聞を広げる。其処には幻想郷格闘大会の事が書かれていた。

「まさか辞退するとはな…」

そう呟くと、ドアをノックする音がした。サイタマは「入れ」と言う。

「サイタマさん大丈夫ですか?」

「あ、神子か」

神子が見舞いに来てくれた。手には優勝トロフィーと御見舞の品があった。

「結果的には俺が優勝したってことか?」

「はい、こころが辞退した為結果的にはです。後これ、優勝トロフィーです」

神子は優勝トロフィーを渡す。

「随分と豪華だな…」

サイタマはトロフィーを眺める。その時、再びドアをノックする音がした。

「師匠、大丈夫っすか?」

「あ、妹紅」

藤原妹紅も見舞いに来てくれた。サイタマの事が心配の為、来たのだ。手には御見舞の品がある。

「お弟子さんですか?」

「一応な」

「あ、私は品届けにきただけです。師匠が無事で安心しましたので」

「そうか、それよりも頑張ってるか?」

「勿論です。けど師匠と対決するのは後免です」

そう言って妹紅は帰った。神子がサイタマに

「こころに渡す希望のお面があるのですが…一緒に来てくれませんか?」

「いいけど永琳から今日まで安静って言われてるから」

「サイタマさんの都合がいい時にお願いします」

「なら明日でいいか?」

「わかりました」

サイタマと神子はこころに希望のお面を渡す事を約束した。

 

 

 

 

翌日。

「こころのいる場所わかるのか?」

「ええ」

サイタマと神子はこころのいる場所に向かっていた。(その時の服装→神子はいつも通り。サイタマは壊滅的な私服)

「いました」

神子は指を指す。其処にこころがいた。

「こころ」

「わ!神子か!それと……!?」

こころは一瞬ビクッとした。そして木に隠れてしまった。サイタマに気づいたからである。

「おい、俺は何もしねーぞ」

「そ、そうなのか?」

こころは恐る恐る出てくる。

「こころ、君に希望のお面を持ってきてやった」

「ホントか!」

神子はこころに希望のお面を渡した。

「おーこれが希望のお面か!気に入ったぞ!ありがとな!!」

こころは嬉しそうに去っていった。

「嬉しそうで何よりです」

「てかあのお面…お前にそっくりだったけど何で?」

「あの、それはですね…」

神子は説明した。元々は別のにするつもりだったのだが、屠自古と布都が「太子様の顔だと希望に溢れている」と言われ、神子の顔にしたのだ。

「という訳です。…あ、もう帰るのですか?」

「ああ、今日は人里の店で特売してるからな」

サイタマはチラシを広げて言う。

「あの…サイタマさん。よければ神霊廟でお召になりませんか?」

「え?いいのか?」

「構いませんよ。サイタマさんとは友達に近いですので」

「お前が良いって言うなら行くわ。けど…早くしねぇと特売が終わっちまう!」

サイタマは急いで人里へと向かっていった。

「確か物資が沢山あると聞いてたのですが…」

疑問に思いながらも神子は神霊廟に帰った。




心綺楼編完結です。
ちなみにサイタマの服装はグレーのシャツにしゅうゆと書かれたTシャツに短パンです。

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