サイタマは瓦礫を持ち上げた。その衝撃で聖は浮く。
「瓦礫をひっくり返した…!随分と派手な技ですね!」
聖は何事も無く瓦礫を砕く。
「瓦礫を利用して死角をつくり、私に攻撃しようなど無駄で………待てよ?今何秒たった…?………地面が見えない!?あの人はどれだけ飛ばしたというのか…!?」
と、その時、後ろからサイタマが
「マジ・連続パンチ」
連続のパンチを放つ。連続・普通のパンチよりも遥かに重く早いパンチだ。感覚の狂った聖は避ける事が出来ずにそのまま当たってしまった。そして浮いている大きめの瓦礫にぶつかる。
「くっ…!反撃するしかありませんね…!」
聖はサイタマに向かって連続パンチを放つ。これに対しサイタマは
「連続・マジ殴り」
普通のパンチの強化版であるマジ殴りを連続で繰り出した。互いの連続パンチがぶつかり合う。だが聖は圧されている。
「まさか…!殴り合いに負けるだと!?こうなれば…動きで翻弄するしかない!回避!」
聖は隙を見て避けて上空へと逃げる。がしかし
「!?」
聖は瓦礫にぶつかり顔が埋まってしまった。
「天井が逆さ!?違う!私の感覚が狂っていた!」
瓦礫は全て本物の地面に落ちた。サイタマは着地する。聖は顔が埋まったまま瓦礫ごと落ちてしまって。
「おい、聖、まだいけるだろ?」
聖はようやく顔が抜けた。
「当たり前です」
聖は血だらけになりながらもまだ動ける。そしてサイタマに向かい、自身の魔法で強化した拳をくらわせようとする。
「マジ頭突き」
サイタマは本気の頭突きをした。普通ならば聖が勝つのだがサイタマは超人レベルの人間である。したがって魔法で強化した聖の拳にも関わらずそれを跳ね返した。
「なん…だ…と!?」
聖は地面をずりながら倒れる。が、また立ち上がる。
「こうなれば……私のラストワードを見せるしかないようですね」
「おう、見せてみろ」
「ラストワード………アーンギラサヴェーダ!」
聖は突進しサイタマを弾き飛ばす。そして追い討ちをかけるかのようにレーザーをサイタマに集中照射させるかのように放つ。そのレーザーは…サイタマに命中し、爆発した。その爆発は見るものを圧倒させた。実況の文も唖然したが
「聖選手のラストワードが炸裂!!これにサイタマ選手はひとたまりもないのか!?」
流石の実況魂、ぶれること無く実況をした。
「これで…決着がつきましたかな?」
聖は微笑む。と、その時、突然振動が響いた。地面にヒビが入った場所に………サイタマがいた。
「まだ終わってねーよ…!」
「なんと!サイタマ選手!まだ生き残っていたぁ!!」
「嘘…で…しょ!?」
聖は膝をついてしまった。サイタマがまだ動けたからである。しかしサイタマのヒーロースーツは所々破けており、マントはボロボロだった。
「随分と派手なラストワードじゃねぇか…俺もラストワードを見せてやるぜ」
「そうですか、ならば…!?」
聖の目の前にサイタマが現れた。聖は拳を放つが避けられてしまう。サイタマは後ろに回り込む。そして
「マジシリーズメドレーの終止符…HEROパンチ!」
サイタマはマジ殴りの最終形態のHEROパンチを放つ。聖は避けようとしたが足が動かなかった。
「このパンチは俺の3年間の努力が積み重なったものだ!最初から力のあるものにはわからないであろう力だ!昔は弱かった俺でも努力でここまで強くなれた!努力は報われたかのようなパンチ!それが………HEROパンチだ!!」
サイタマのHEROパンチは聖に命中し、吹っ飛ばした。そして壁にめり込み聖は気絶してしまった。そしてサイタマは拳を上げて
「会場のお前らにも言っておく!たとえどんなに弱い奴でも努力をすれば必ず強くなれる!努力を舐めるな!努力は……必ず報われる!」
サイタマの自身の経験上だからこそ言えた事だ。
「勝負あり!この激戦のゆえ、勝利したのは…サイタマ!!そして彼の言葉に私!心を打たれて涙が止まりません!」
「文さん!私もです!」
文と椛は泣きながら抱き合う。観客席の人達や出場者達も涙を流す(ただし金属バットは泣いてない)。その中でも
「サ゛イ゛タ゛マ゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!゛!゛」
神子は誰よりも泣き感動した。
「皆様、大変申し訳ありませんがステージの復旧に時間がかかりそうなので、決勝は…ステージが治り次第、再開します!」
聖とサイタマの激戦でステージは完全に崩壊してしまった。その為完全に治るまで決勝戦ができないのだ。
「よかった…久しぶりに本気で戦え…た」
サイタマは倒れてしまった。
その様子を見ていた秦こころは…
「あわわわわ…」
酷く怯えていた。
あ、うん。決勝よりも凄い試合となった。マジ卓袱台返しのはほぼガロウと同じ状況です。
連続・マジ殴りとHEROパンチはオリジナルです。
てか…サイタマってこんなに熱いキャラだっけ?