「姐さん!申し訳ないけどやらせていただきます!」
一輪は雲山を呼び出し、聖に拳を浴びせようとする。が
「あらら…私も舐められたものね」
聖は咄嗟に動き、一輪に目掛けて蹴りを入れた。
「ごッ!?」
一輪はあまりに唐突だった為避ける事が出来ず飛ばされてしまった。そして気を失った。
「しょ、勝負あり!開始僅か1分で決着が着きました!勝者は聖白蓮!」
聖はガッツポーズをした後、気絶している一輪を抱えて退場した。
「アイツ結構強いんだな」
偶然その試合を見ていたサイタマが呟く。
続くCブロックでは物部布都と河城にとりの勝負。結果はにとりが大差で勝った。
「盟友!見てくれたか!?」
にとりは観客席に向かって言う。布都は以前と気を失ったままである。そして観客席では
「よっしゃあ!」
バットが喜びをあげ、
「あんの馬鹿…」
屠自古が絶望したかのように頭を抱えて言う。
「ステージの方が少し崩れましたので少々時間を下さいませ」
ステージは再び復旧作業へとはいった。
「落ち着け…落ち着くんじゃ儂…」
通路ではマミゾウは緊張を解すために自己暗示をかけていた。其処にサイタマが来た。
「おい、婆さん大丈夫か?」
「マミゾウじゃ!ちゃんと名前で呼ばんかい!それと確かに儂は婆さんじゃがお主よりも長年生きとる妖怪じゃぞ!」
「そこは否定しねぇのかよ…」
サイタマはマミゾウが婆さんだという事に否定しない事に呆れる。と、其処に
「ねぇねぇ2人で何してるの〜?」
こいしがやって来た。
「あ、ちょっと話をな」
「ふーん……けと何でそんなにも落ち着いていられるの?」
「誰に言ってんの?」
「お主に言っとるんじゃぞ!」
サイタマはこいしに問いかけに誰に言ってるのかわからなかったがマミゾウから自分に言ってる事に気づいた。確かにサイタマはこの緊張感のある場所にも関わらず選手の中でも1番落ち着いている。というより緊張感感がないだけか。
「普通に落ち着けるだろ?」
「それはお主だけじゃ!」
「そーだよ、お兄さんだけだよ?」
「そうか、けど頑張れよ」
「うん!わかった!」
「儂も頑張るかなっと」
マミゾウとこいしはステージの方に向かっていった。
「長らくお待たせ致しました、まもなくDブロックの試合は始めます!」
ステージ上にはこいしとマミゾウがいた。
「地下の妖怪というから…掴み所がないな…けど年期は儂の方が上の筈…」
マミゾウは顔を顰めて言う。それを気にしたかこいしが
「顔怖いよぉ〜?楽しんでいこうよ♪」
こいしは相変わらず楽しそうである。
「それが出来たら苦労はせんわい…」
マミゾウはため息をつきながらも構える。こうして2人の試合は接戦となった。こいしが優勢と思われていたがマミゾウがやられる寸前にラストワードは発動させ、こいしを戦闘不能にしたのだ。したがって勝者はマミゾウである。動けなくなったこいしは大会関係者に病室に運ばれた。
「ちとやすぎたかのぉ…」
マミゾウは頬をかきながら苦笑いで言う。そして退場する。
「えーこれでAからDまで全ての試合が終わりました。次はそれぞれのブロックの勝者同士で対決となります」
文が説明した後モニターに表示された。
2回戦第一試合、博麗霊夢vs聖白蓮
第二試合、河城にとりvs二ッ岩マミゾウ
「簡単に申しますとAブロック勝者とBブロック勝者、Cブロック勝者とDブロックの勝者同士で対決となります。それでは試合を始める前に、皆さん?サイタマさんの試合を見たいと思いませんか?」
文は思いもよらぬ事を言った。サイタマはトーナメント上準決勝まで出番がない。しかし文はサイタマをそこまで待たせる訳にはいかぬと提案したのだ。
「見たい方は大きな声でお願いします!」
観客席からは大きな声が響き渡った。
「見たいという事ですね!わかりました!では特別試合を開始致します!サイタマさんと戦える幸運の方は………………霧雨魔理沙さんです!」
「え"?」
「魔理沙!よかったじゃないか!」
魔理沙は自分自身でも予想外だった。魅魔は魔理沙の肩を叩いて喜ぶが魔理沙は不安だった。
「(確かサイタマって…神奈子や勇儀に勝ったんだよな…あ、私、人生終わったな)」
魔理沙は人生の終止符だと思った。魔理沙はサイタマの数々の戦いを見てきた。全てサイタマが圧倒的な強さで勝利をしている。まさか自分と闘う事になるとは…と思った。
「では魔理沙さん、スタンバイの方をお願いします!」
しかしもう後戻りは出来ない。仕方が無く魔理沙はステージの方へと行った。
「見せてくれよ…サイタマよ」
魅魔は不気味な笑みを浮かべて言う。隣から神綺が
「魅魔、表情悪いわよ?」
「え?そうか?」
魅魔は笑いながら言う。
一方控え室では…
「「「当たらなくてよかった…」」」
一輪、布都、こいしがホッと息をついた。と、その時、
「サイタマ様、魔理沙様が既にスタンバイしておりますので来てください」
大会関係者から連絡だ。
「じゃあ、行くか!」
サイタマはステージへと向かって行った。
眠い。
まー実際サイタマは準決勝まで待たせるつもりはないんですよ