「マミゾウ!急いで!」
「落ち着け、異変は逃げはせん」
ぬえは急いでいた。古き友人を連れて。その古き友人は二ッ岩マミゾウという化け狸である。化け狸の中でも親分に近い存在である。喋り方は非常に年期のはいった人っぽい。
「しかしぬえ、わざわざ儂を佐渡から呼んだんじゃから余程大変な事態なんじゃろうな?」
「本当なんだよ!だから早く!」
「儂の体の事も考えてくれ…」
ぬえとマミゾウは命蓮寺に着いた。
「聖!強力な助っ人を連れてきた…ってあれ!?」
其処には聖はいなかった。其処にいたのはサイタマと神子だった。
「あ、聖のとこの妖怪じゃん」
「サイタマ…?なんでいるの?」
「サイタマさん、彼女は一体…?」
「聖の弟子の妖怪」
サイタマは神子にぬえの事を大雑把に説明する。
「で、君は何の用で此処に?」
「聖がなんか大変な事になってるっていうから…」
「ああ、その事か。既に終わったよ」
「えぇ!?」
ぬえは驚いた。マミゾウを呼びに行ってる間にその異変は既に終わっていたのだ。
「ぬえ、儂はお主に無理矢理連れてこられた感が半端ないのじゃが…」
「ごめん…」
ぬえはマミゾウに謝る。と、横からサイタマが
「婆さん、誰だ?」
「儂か?儂は二ッ岩マミゾウじゃ、宜しく頼むぞ」
「俺はサイタマ。趣味でヒーローをやってる者だ」
「おお!お主がサイタマか!お前さんの噂は佐渡でも流れておったぞ」
「佐渡?……婆さんアンタ外の世界から来たのか!?」
サイタマは驚く。マミゾウが外の世界の者だと知ったからだ。
「そうじゃ、お主と同じじゃ。ぬえに幻想郷とやらに連れてこられたがな」
マミゾウはぬえを睨む。
「アハハハ…」
ぬえは目を逸らしながら苦笑いをする。顔色がなんか悪い。
「ま、しかし…佐渡に戻るのは面倒臭いし、此処に住むことにするかのう」
「婆さん…それでいいのか?」
「儂は構わん」
マミゾウは幻想郷に住むことにした。と、そこへ
「あ、サイタマさん来てたのですか。ぬえちゃんも」
聖が帰ってきた。人里に用があって行ってたらしい。
「ちょっとお邪魔してたわ、神子と一緒に」
「すまぬな、聖」
「いえいえ!構いませんよ」
勝手に敷地内に入ってたサイタマと神子だが、聖は全く気にしてはなかった。
「えっと…ぬえちゃんの横にいるのは…?」
聖はぬえの横にいたマミゾウに目をつける。
「儂は二ッ岩マミゾウという者じゃ。宜しく頼むぞ」
「宜しく御願いします!マミゾウさん♪」
聖はマミゾウと握手をする。
「聖って…妖怪とすぐに仲良くなれるな…」
「確かにそうですね」
「まぁ、聖は人と妖怪が共存できる事を望んでるからね。…あくまで妖怪の味方だけど」
「なんだよそれ…」
それにサイタマは呆れる。と、その時、サイタマに向かって何かが飛んできた。
「なんだこれ?」
サイタマはキャッチする。それはクナイだった。
「まさか…!ソニック!お前か!?」
「それ以外誰と思いつく?サイタマ」
突然、木から影が現れてサイタマ達の前に現れた。
「今日こそお前をここで倒す!」
サイタマの自称ライバル及び最強の忍者、関節のパニt…音速のソニックだった。
次回完結です