「いつもと変わりないんだが」
「確かにな」
サイタマとゾンビマンは命蓮寺の門の前にいた。見た目からではいつもと変わらない命蓮寺であった。
「とりあえずこの山彦から墓場の場所聞き出すわ」
サイタマの右手には響子がいた。しかし今にも泣きそうである。
「可哀想だから離してやれ」
ゾンビマンに言われるがまま、手を離す。
「怖かったです…!」
響子は安心感と恐怖感に慎まれていた。
「で、此処に墓場あるの?」
「墓場ならあっちです!」
響子は墓場のある方に指を指す。サイタマとゾンビマンはそれを見る。其処には今にも何が出そうな雰囲気の墓場があった。
「ありがとな」
「次からは脅すの辞めてください!」
響子は怒った(つもりの)表情で言う。
「別に脅すつもりはねーよ」
「お前のは脅しにか見えないな」
「ゾンビマンお前…!」
サイタマはゾンビマンを睨みながらも墓場へと向かった。
その頃神霊廟の自機組は…
「「墓場は何処じゃぁぁぁぁぁ!」」
霊夢と早苗が互いに競い合うように走っていた。しかも顔がヤバい。
「アイツら余程サイタマに手柄を取られたくないみたいだな…」
「けど魔理沙さん、私達も急がないと!」
「いいよ私は。のんびりスローライフで行けばいいんだし…けど神霊には興味あるけどね」
「(本当に霊夢さんと早苗さんを止めれるのかな…)」
妖夢は魔理沙のあまりのやる気の無さに不安を抱いた。
サイタマとゾンビマンは…
「神霊らしきものがないんだけど」
「確かにな。何も感じない」
墓場は見渡すが神霊らしきものはない。と、その時
「う〜ら〜め〜し〜や〜!」
突然墓の裏から紫色のダサい傘を持った少女が現れた。
「ね、驚いた?驚いた!?」
その少女はサイタマとゾンビマンの驚いた姿を期待していた。が
「え…何コイツ?迷子?」
「よくそんな趣味の悪いダサい傘を持ち歩けるな」
2人の反応は薄かった。というより驚いてないのである。
「てか誰だ」
「わちきは多々良小傘。から傘お化けの妖怪です」
「妖怪…?もしかして聖の弟子?」
「違います。わちきは単に此処に住み着いた聖さんとは無縁の妖怪です」
「サイタマ、命蓮寺には聖とは無縁の妖怪が数多く住み着いてるらしい」
ゾンビマンはサイタマに教える。
「それよりもなんで驚いてくれないのですか!」
小傘は2人に問い詰める。
「いやだって、今時そんなんで驚くやついないだろ」
「けど響子ちゃんは驚いてくれたもん!」
「それはアイツが泣き虫で怖がりだからだろうが」
「ウッ!」
小傘は詰まってしまった。サイタマの言う通り、響子は泣き虫で怖がりである。夜1人でトイレに行けなったり、1人では眠れない程である。その為か聖を母親のように慕っている。
「むー」
小傘は頬を膨らませて睨む。
「サイタマ、確かに響子は泣き虫で怖がりだ。その為聖と一緒に寝てるらしい」
「てかなんで知ってるの?」
「俺は命蓮寺に住み込んでるからな」
「じゃあ弟子入りしたのか?」
「してはない。俺の容姿や特徴が聖に気にいられてしまってな…」
ゾンビマンは照れくさそうに言う。ゾンビマンは常人程の戦闘力はないものの、その異常な再生力で長期戦を得意とする。元々は進化の家のサンプルであるが逃げ出しヒーローになったという。その異常な再生力が聖に気に入られて命蓮寺に住み込んだ。その為かよく攻撃をされるが本人はよくある事で気にしてない。
「そうか…てか小傘、後ろにいるキョンシーは何?」
「え?……って、オワッ!?」
小傘は驚いた。←いやアンタから傘お化けだろうが。後ろにキョンシーがいたからである。
「私は宮古芳香だーゾンビなのだー」
キョンシーは宮古芳香と名乗った。
「ゾンビマン良かったな、仲間がいて」
「キョンシーと一緒にするな」
サイタマは嬉しそうに言うがゾンビマンは否定した。
「お前らが青蛾が言ってた外来人かー?」
「青蛾って誰だ」
「私をキョンシーで蘇りてくれた仙人だー」
楽しげに話す芳香にサイタマは思わず引いた。
「てかなんでキョンシー?」
「ちょっと私の趣味でしてね」
後ろから声がした。其処には芳香が言う青蛾がいた。
「あんたが青蛾が」
「ええ、そうです。私が青蛾です。本当の名は霍青娥と言います」
青蛾はそう言うと深くお辞儀をする。サイタマとゾンビマンも礼をする。
「ところで今回の事で知ってることない?」
サイタマは単刀直入で尋ねる。
「あ、その事ですか。ならば彼処の洞窟からどうぞ」
青蛾が指を指した先には禍々しいオーラの洞窟があった。
「え?ここに入るの?」
「そうですよ」
青蛾は笑顔で言う。それがサイタマの背筋を凍らせた。
「サイタマ、嫌でも行くぞ。俺も正直行きたくないんだからな」
「へいへい」
サイタマはゾンビマンに言われるがままに洞窟の中へと入っていった。
眠い、暑い。