東方一撃男   作:つじかみーん

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星蓮船編完結


五十八撃目:諦めの悪い忍者

「ところでサイタマさんはヒーローになろうと思ったきっかけってなんですか?」

「きっかけ?就職活躍中に怪人に襲われてた子供助けた時にヒーローになりたいという夢を思い出したから」

サイタマと聖は縁側で会話をしていた。その様子をナズーリンが哀れみな目で見ていた。

「サイタマ君?」

ナズーリンがサイタマの耳元で話す。

「なんだ?」

「趣味でヒーローというのは…本当?」

「本当だけど?」

ナズーリンはずり落ちた。

「いやいやサイタマ君!冗談だろ!?」

すぐに立て直しサイタマに向かって言う。

「いや趣味でヒーローやってるのは本気だけど?」

「だとしても!これが聖に聞こえたら…「それって本当ですか?」本当だよ!…ってウオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッッッッッッッッッッッッッッ!!?」

ナズーリンはノリツッコミのような叫び声を上げた。

「趣味でヒーローとは本当なのですか?」

聖は問い詰める。

「サ、サイタマ君!嘘でもいいから言ってくれ!」

ナズーリンはサイタマの肩を叩きながら慌てて聖に聞こえないように言う。が

「ヒーローは本気の趣味だけど?」

「なんで言うの!?」

サイタマはキッパリと答えた。というよりサイタマは嘘がつけないからである。ナズーリンはおそるおそる聖を見る。

「あ、大丈夫ですよ。私もやってる事がほぼ趣味に近いですし」

「聖!アンタもかよ!!」

ナズーリンは呆れ果てる。その後喋り疲れたのか倒れてしまった。と、同時に

「ぐはっ!」

妹紅が飛んできた。というより飛ばされてきたか。

「妹紅…お前大丈夫か?」

「大丈夫です!しかし全く攻撃が当たらないのです…!」

「当たらない?当てれないの間違いじゃないのか?木屑が」

前にソニックが現れる。

「貴様…!」

妹紅は再び立ち上がり構える。しかしサイタマに止められてしまった。

「師匠!何故止めるのですか!」

「お前、もうボロボロだろ?やめとけ」

サイタマが言う通り妹紅はボロボロであった。

「だけど私はまだ動けますので!」

「お前の技は寺を燃やす為や喧嘩の為にあるのか?」

「………わかりました」

妹紅は後ろに下がった。サイタマには逆らえないからである。しかし恨む事は絶対にしない。

「で、俺が狙いなんだろ?ソニック」

「その通りだ」

「お前はしつこいからな。本気で相手してやるよ」

サイタマは本気になった。しかし顔はギャグ風潮のままだった。

「それでこそお前を倒す甲斐がある!………お前を倒すためにあみ出した奥義を見せてやろう…」

「ああ、見せろ」

ソニックは構える。そして

「奥義!十影葬 !」

ソニックは10人に分身し、サイタマに近づく。

「おおぉ…」

それを見ていた聖が目を輝かせる。しかしサイタマはいつも通りだった。

「ははは!サイタマ!これがお前の最期だ!」

ソニックは勝ち誇ったかのように言う。

「必殺マジシリーズ……………マジ反復横飛び!」

サイタマは反復横跳びをした。残像はソニックの十倍だった。

「アバブ!?」

ソニックは驚き、反復横跳びをしたサイタマにぶつかり飛ばされてしまった。分身も消えてしまった。

「また…これで…倒されるの…か!」

「お前は俺に勝てねぇよ」

「だが…俺は!諦めん…ぞ」

ソニックは気絶してしまった。が次の瞬間

「あ!いねぇ!!」

サイタマはふと見るとソニックの姿はなくなっていた。

「あの…師匠?」

「ん?どうした?」

「さっきのあれ…どうやって倒したんですか?」

「あ、あれ?反復横跳びしながら通っただけだけど?」

「いや反復横跳びだけであんな威力出るものですか?」

「さぁな」

サイタマと妹紅が話してる横から

「あのサイタマさん!」

「何?」

「ソニックさんって…忍者ですか!?」

「ソニック?アイツ忍者だけど?」

「本当ですか!私、忍者を見たのは初めてでしたので…」

聖は興奮していた。幻想郷に忍者というのは存在しない。しかし忍者であるソニックを見れたのだ。

「ああ…始まってしまった…」

横で倒れていてナズーリンは起き、まるで絶望したかのように言った。

「私も忍者になりましょう!」

「そら始まったよ…」

ナズーリンは項垂れる。聖はとにかく周りや流行、自身が興味を持ったものに乗せられやすい。

「よし!弟子達に言っておきましょう!行きますよナズーリン!」

「それだけは勘弁してくれぇ〜!」

聖は嫌がるナズーリンを無理矢理連れていった。サイタマと妹紅は哀れみな顔で見ていた。




こんな終わり方はあるのかあ…の
しかし、なにがともあれ…星蓮船編完結です!

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