東方一撃男   作:つじかみーん

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五十三撃目:魔界の王

サイタマと妹紅は次々と襲ってくる魔界の怪物達を倒しながら先へと進んでいた。どちらかと言うとサイタマが倒しており、妹紅はサポートにまわってるという状況である。

「キリがないっね、師匠」

「そうだな」

しかし、余りに数が多すぎる。それでも2人は倒し続ける。と、その時妹紅が1人の怪物を捕まえて…

「おいアンタ、この魔界に親玉みたいな奴はいるのか?いるなら教えろ。もし教えないのなら私の業火で灰になるか師匠の一撃を浴びせるからな」

「い!言いますからどうかご勘弁を!」

怪物は情けない声を上げて教えるを選択した。

「師匠、親玉の場所を聞き出しましたぜ」

妹紅がドヤ顔をしながらサイタマに言う。

「お前…脅しにか見えんぞそれ…」

サイタマは呆れながら言うが場所がわかったのでその場所に向かう。妹紅も後を追う。

 

 

 

 

一方霊夢達は

「霊夢…やりすぎじゃないか…?」

魔理沙が目にしたのは霊夢が容赦なく怪物達を排除している姿だった。霊夢は妖怪及び怪物達には非常に冷酷で容赦がない。

「ここの怪物達も妖怪と一緒でしょ?」

「確かにそうだけど…」

「けど霊夢さん…酷すぎます」

「そうかしら♪」

早苗は背筋が凍った。それは霊夢が殺意のある笑顔を見せたからである。しかも顔には血がついていた。倒した怪物達の返り血である。

「さ、行きましょ♪」

「お、おう…」

霊夢は先に進む。魔理沙と早苗も後を追うが心の中では"この後絶対嫌な予感がする"と思っていた。残された聖を助ける組は

「ご主人、たとえ聖を助け出したとしても博麗の巫女が今後敵になりそうな気もするが…どう思います?」

「わかりません」

「ダメだコイツ…」

ナズーリンは呆れる。

「だけど私達も行きましょう」

「ご主人、アンタって人は…」

余りに楽観的すぎる星に不安を感じるナズーリンであったが仕方がなく後をついていく。この事を思ってるのはナズーリンだけではない。一輪、村紗もそう思っていた。

 

 

 

 

その頃、サイタマと妹紅は魔界の奥地にいた。

「此処であってんのか?」

「間違いないっす。さっき捕まえた怪物が此処だと言ってましたので」

サイタマは辺りを見渡す。殺風景に近い場所だった。しかしよく見てみると

「なんか結晶みたいな物がある」

「私には見えません」

サイタマは視力が桁外れにいい為見える。しかし妹紅はそれが見えない。

「もしかしたらあの結晶の場所に聖がいるかもしれません」

「じゃあ行くか」

行こうとしたその時、

「待て、強き者よ」

前方に白く長い髪の男が現れた。

「誰だお前は」

「私は零。この魔界に君臨する王だ。…で、お前達は?」

男は零と名乗った。

「俺は趣味でヒーローをやってるサイタマという者だ」

「サイタマ…か。この魔界に何のようだ?」

「聖とかいう奴を助けに来た」

「聖…ああ、あの僧侶か。奴なら結晶の中に封印されている」

零が指を指した方には、先程サイタマが見た結晶だった。

「封印ってどういう事だ?」

妹紅が尋ねる。

「聖は妖怪達を保護していた事が人間達にバレてしまってこの魔界に封印された。それだけだ」

零は答える。しかし納得出来ない事が1つ。

「で、誰が封印したんだ?」

「私だ」

「「はぁ!?」」

2人は驚く。聖は魔界に入ったと同時に封印されたと思ったからである。

「あのままほっといておけば無能の屑が集まる怪物達の餌食になるからな、私が保護という名の封印をしたのだ」

「それで聖から何か聞いたのか?」

「ああ、聞いたさ」

零はサイタマと妹紅に話した。聖から聞いた事を。

 

 

 

聖白蓮には命蓮という弟がいた。彼は有名な高僧であり、白蓮も彼から術等を学んだ。しかし命蓮は白蓮よりも先に亡くなってしまった。白蓮は弟の死の影響で死を恐れてしまい、僧侶にとっては外道である若返りの術と不老不死の体を手に入れた。白蓮はその後妖力を維持する為に妖怪達を保護した。その後妖怪達の過去を知り、妖怪を守るようになった。この事が人間達にバレてしまい魔界に追放された。其処で零が気を失っている白蓮を見つけ、無能の怪物の餌食にならぬよう白蓮を封印したのだ。

 

 

 

 

「zzz」

「あ、すいません。師匠は長い話を嫌うお方なので」

妹紅が申し訳無さそうに謝る。

「そうか…」

零は目にも見えぬ速さでサイタマに近づき殴り飛ばす。サイタマは飛ばされる。

「師匠!」

妹紅は叫ぶ。しかし返事は来なかった。零は魔界の怪物の中でも桁外れの強さを持つ。その為当たれば重症程度では済まない。

「だが、これくらいで死ぬとは…非常に情けな…」

零の体に衝撃が走った。そして吹き飛ばされ白蓮が封印されている結晶に当たる。

「随分と荒い起こし方だな…おかげで目が覚めたぜ」

其処にはサイタマがいた。零に殴り飛ばされたのにも関わらず全く平気だった。

「サイタマ…お前は…私の力を封印する黒鉄の鎧を壊した…!」

零は何事も無かったかの用にいた。しかし黒鉄の鎧は粉々になっており、上半身は裸だった。なお白蓮が封印されている結晶は全くの無傷だった。

「そうか」

サイタマは普通に返事をかえす。




魔界の王、零はほぼボロスと同じつもりでいます。

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